京都で詣でる ~電気の神様 [ 京都で暮らす]
京都の神社巡りの続きです。
今宮神社をあとにして、上賀茂神社に行きました。
京都が都になる前からあった神社だそうな。さすが世界遺産です。
(オフィシャルサイト→ http://www.kamigamojinja.jp/index.html)
上賀茂神社の御神祭は正式には「賀茂別雷大神」
(かもわけイカヅチのおおかみ)といって、電気の守り神だそうです。
おお!ここにくるまでしらんかった。「地球電磁気学」なるものを専門とする
研究者としては、ぜひお参りせねば!
京都で詣でる ~あぶり餅 [ 京都で暮らす]
先週末、京都にいってきました。旅行というか、里帰りの途中に立ち寄ったんですけどね。
行く場所をとくに決めていたわけでもなかったのですが、なぜか神社巡りになりました
ので、こんなタイトルにしてみました。
はじめにいったのは今宮神社(こちら→)。
いい青空だ。神社も立派。
江戸時代に奉納された絵も飾ってたよ(外に!)
お、ネコだ。
いまさらラドンで地震予知?~2 [ 知識ゼロから学ぶ地底のふしぎ]
※連載【電磁気で地震予知】のプロローグ
放医研さんのプレス発表へのツッコミ記事、続きです。
※ご注意:その後、放医研さんへメールで問い合わせた結果、下記記事の一部に
誤りがありました。追記として記しています。
「いまさら!その1:阪神大震災から12年も経ってから発表?」では、タイミングの悪さ
をツッコミました。
「いまさら!その2:阪神大震災でのラドン濃度異常、10年前に発表されてるよ」では、
プレス発表のどこが新しいのか分からないことにツッコミました。
その2で紹介した地震予知連絡会会報(こちら→)の第5図では、ラドン以外の地下水成分
について臨界点モデルを当てはめてみて、モデルがよく当てはまる成分とそうでない成分
があるところまで議論してますね。臨界モデルはそれほど最新というわけでもなく、阪神
大震災の際の化学成分変動にすでに適用されているのです。プレス発表資料では「地震の
メカニズム解明に寄与する新たな研究として注目されます。」とあるけど、どのあたりが
プレス発表するほど新しいのだろう…
追記(2/20)
前の記事にありますように、12年前のデータを元にした地震発生予測の試みは
新規性・独創性があると認められますので、この批判は誤りです。
知らぬとはいえ、申し訳ありませんでした。
さて続きです。まだツッコミます。
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◆いまさら!その3:地震の前のラドン濃度変化は昔から有名なのに?
地震前に断層付近の地下水中のラドン濃度が変化することは古くから知られています。
例えば、岐阜県北部の跡津川断層では1984年の長野県西武地震の3ヶ月前からラドン
濃度が変化しました(論文はこちら→)。
いまさらラドンで地震予知?~1 [ 知識ゼロから学ぶ地底のふしぎ]
※連載【電磁気で地震予知】のプロローグ
当方の調査乗船中にはコメントでの励ましのメッセージやご質問、
あるいはトラックバックをいただきまして、ありがとうございます > 皆様
おいおいとお返事させていただきます。
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さて今日は、ちょっと気にかかるニュースがありましたので紹介させていただきます。
阪神大震災から12年たった、2007年1月17日にこんなニュースがありました。
●ラドン濃度で阪神大震災予知できた?放医研など研究
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/science/earthquake_prediction/
放射線医学総合研究所(以下、放医研)さんのプレス発表内容も公開されてますね。
●兵庫県南部地震前に大気中ラドンの濃度変動を観測
臨界現象数理モデルへ適用し地震予知に活用も
http://www.nirs.go.jp/news/press/2006/01_16.shtml
1995年の阪神大震災の際に、大気中のラドン濃度変動が明瞭に変化しています。すばらし
い観測結果だと思います。この変化は確かにこの地震によるものでしょう。また地震の10
年以上前から測定された努力がすばらしいです。地震予知が目的ではなかったかもしれま
せんが、野外観測を10年間欠かさないことは大変です。誰も見に来ることのないブログを
毎日書くことの何倍も何十倍も大変です。(あれ?大変じゃないかな?)
しかし、です。
はっきりいいますが、いまさらなぜにこんなことを発表するのでしょうか?
実に3つもある「いまさら」に、あきれています。
※ご注意:その後、放医研さんへメールで問い合わせた結果、下記記事の一部に
誤りがありました。追記として記しています。
東海に挑む−おわった…(13) [ シリーズ実況 Old..]
前の記事の続きです。
無事に帰ってきた海中ロボット(ROV)ハイパー君。本航海最後の潜航、お疲れ様でした。
みづらいけど、右上に浮上してるよ
ちなみにケーブルについている黄色いフットボール型のものは、浮き(フロート)です。
(深海用で、ガラスの球(粉みたいにこまかい)が固められたものです)
船とROVをつなぐケーブルが、海中でROVの上に垂れ下がってきて邪魔にならないように、
ケーブルの一部(ROV直近部分)にはこのような浮きをつけておくのです。
フロートを外していく乗組員のみなさん
東海に挑む−どうやって?(12) [ シリーズ実況 Old..]
前の記事の続きです。
いつものことながら、乗船が始まると調査作業で手一杯になってしまうので、調査の目的
とか船の生活とかをレポートする余裕がなくなりますねぇ。せめて、どうやって東海地震
に挑むのか、その目的と方法だけ述べておきましょう。
「東海に挑む-はじめに(1)」で最初にお見せした地図には、「くっついている」地域と
「すべっている」地域を赤と青で示していました。
これは、日本列島の陸地側のプレートと、その下に沈みこんでいるフィリピン海プレート
(海洋プレート)の境界が「くっついてる」か、「すべってる」かを示しています。陸上でGPSを
使った調査からの推測です。断面図で書くと下の図のようです。
この「くっついてる」赤いところで巨大地震を起こすエネルギーが溜まっているのだと思
います。でもすぐ隣の「すべってる」ところにはエネルギーは溜まっていない。何がこの
ような違いを作っているのでしょう?くっついているところは、いま地下でどのような状
態なのでしょうか?またこれからどうなるのでしょうか?
仮説ですが、私は地下の水が大事な役割をしていると思います。水は断層にとっては潤滑
油のような役割をします。巨大地震の起きるところには地下の水が少ないので、プレート
の境界がくっついてしまうのではないでしょうか?(で、あるとき急に動く=巨大地震に
なるのでは?)
こうなってるんとちゃうかなあ?という妄想マンガ。
そこで…
1) 巨大地震が起きるような場所では地下の水の分布は今どうなっているかを調べて、
2) さらにそれがどう変化するかを追いかけようというわけです。
1)のために、電気や磁気を測定できる装置(OBEM)を今回の航海で海底に並べました。
この装置は地表から高さ100kmあたりにある電離層から降ってくる自然の電磁波を記録
するとともに、海底ケーブルから人工的に発生される電磁波も観測します。
そうすると(原理は違いますが)医療で使用されるMRIと同じように、地球の輪切りを
イメージすることができるのです。電磁波は岩石よりも電気をずっと通しやすい水によく
反応しますので、巨大地震の起きるところに水が多いかどうか分かるはずです。
さらに2)のために、豊橋沖海底ケーブルの先端(上の地図の海底観測点)には、
分岐装置(海底コンセント)が今年2月につながり、さらにその先に海底磁力計や圧力計
などがつながる予定です(今年4月)。もしも巨大地震が起きる前に海底が引きずり込まれ
て沈むようでしたら、その様子は圧力計で分かるはずです。また巨大地震の起きる場所の
水の分布が変化するようでしたら、その様子は磁力計などで捕らえられるはずです。
これで巨大地震の起きる前から間際、あるいは起きた直後に、深海底やさらにその下で
何が起きていたかが捕らえられるでしょう。
ともかくは海底への設置作業を順調に終わらせて、データをちゃんと記録して、陸上で得
られている他のデータともつき合わせることができれば、ナゾは徐々に明らかとなるでしょう。
はてさて、うまくいくでしょうか? ここまでくれば、時間との戦いでもあります。
巨大地震が起きるが先か、我々がナゾの解決の糸口を見つけるのが先か?
これで地震予知ができるとは思いませんが、やられっぱなしはもう御免。地震という「敵」
に海底ケーブルや海底装置を使って一歩でも近づいて、一矢報いてやりたいです。
つづく。
http://obem.jpn.org/field056.html
東海に挑む−海底(11) [ シリーズ実況 Old..]
前の記事からの続きです。
昨日は豊橋沖海底へ海中ロボット(ROV)「ハイパードルフィン」を潜らせました。
そのときの様子を紹介しましょう。
ハイパー君の制御ルームの様子
たくさんの画面を見ながらパイロットはROVを操縦します。研究者も画面を見ながら
運航長やパイロットに「あれを撮ってください、これを取ってください」とお願いをします。
映像だけじゃなく、ソナーやパワーメータ、船やROVの位置の様々な情報も画面に表示
されます。とにかく一度見れば、海底観測の最近の進歩がよく分かることでしょう。
温度計(金属の棒)を地面にさそうとしてます。
東海に挑む−潜る(10) [ シリーズ実況 Old..]
前の記事から引き続き、洋上の調査船からお伝えしております。
今日は豊橋沖海底へ海中ロボット(ROV)「ハイパードルフィン」を潜らせます。
「東海に挑む-はじめに(1)」で最初にお見せした地図では
これね。
豊橋沖海底ケーブルの先っぽに「海底観測点(予定)」とありますが、ROVはこれからこ
こに潜ります。海底の様子を撮影します。
今朝のハイパー君。出発間際。
着水したばかりのハイパー君。
白いのはハイパーのスラスター(スクリュー)からの泡です。
向きを変えようとしています。
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さてぼちぼち、ハイパー君が水深1300mの海底に着くころです。
私も制御ルームへ上がるべ。
http://obem.jpn.org/field056.html
東海に挑む−アナログ(9) [ シリーズ実況 Old..]
前の記事の続きです。
いよいよ航海も終盤。いまは遠州灘=静岡沖にいます。思ったより高気圧の吹き出しの風
が強いのですが、船側や海中ロボット(ROV)チームの操船技術のおかげで、なんとか調
査をさせてもらってます。
こちらは海図。船の位置や航跡、レーダーなど電子機器が多数ひしめいている
操船室=ブリッジ(艦橋)ですが、チャートはアナログ(紙)を使っています。
必要な情報は海図に鉛筆で書き込んでいきます。
調査予定箇所、ROVの潜航地点、海底地形調査の予定測線、船の予定進路などなど…
緯度経度は三角定規2つあわせて測ったり、書き込んだりします。また距離はディバイダー
(コンパスみたいなヤツ)で測ります。これを見ながら、船の乗組員の方々と研究者で翌
日やその先の調査計画を相談します。古くなった情報は消しゴムで消します。
そういえば、先日のアンカーのブレーキもアナログでしたっけ →東海に挑む−夜明け(7)
人の微妙な感覚によるものや、大勢で相談するときの資料、また多くの情報をパッと一箇
所に取りまとめるには、いまもアナログの地図や道具が一番です。最新の調査船だからと
いっても、なんでもデジタルというわけではないです。
つづく。
でもデジカメも便利だ。
※この記事の続きをよむには下記を御覧ください。http://obem.jpn.org/field056.html
東海に挑む−海底装置投入(8) [ シリーズ実況 Old..]
前の記事の続きです。
昨日は夜明けから日没まで、海底観測装置「OBEM」の設置に明け暮れてました。
「東海に挑む−艤装完了(4)」で紹介した装置です。これにアンテナ(腕)が4本つくと、
写真上や中のような感じになります。
寒風吹きすさぶ静岡沖で1日中、外の甲板で作業しているとサムイ!
物を取りに部屋の中にちょっと入ると、外に帰ったときの寒さが身にしみます。
これでも日が出ていたので随分ましだったのでしょう。
一番しんどいかったのは、パソコンで設定作業をしている人でしょう。
手がかじかんで動かんがな。
東海に挑む−調査開始(6) [ シリーズ実況 Old..]
前の記事の続きです。
調査船の船上からお伝えいたしております。
昨日は全国的に風が強かったので、調査船「なつしま」は外海にはでれず、
東京湾で荒天待機でした。晴れてるのに。まあ仕方ないです。
となりには調査船「かいれい」。東京湾で同じく荒天待機中でした。
お疲れ様です。
今日は風もおさまったので外海へ。
まずは相模湾で、海中ロボット(ROV) ハイパードルフィンの新機能のテスト潜航
今朝の潜航前の様子
いま、潜航してるROVからの映像が船内のテレビ画面に流れております。
テストは順調です。
つづく。
※この記事の続きをよむには下記を御覧ください。http://obem.jpn.org/field056.html
東海に挑む−艤装完了(4) [ シリーズ実況 Old..]
前の記事の続きです。
観測機材を船に積むことを「艤装」といいます。天気が悪いと大変な作業になって
しまいますが、この日は前の日と打って変わっていい天気。
調査船「なつしま」へ搭載された観測装置
前の記事の黄色いガラス球に、おもりと切り離し装置がつきました。
これを「海底電位差磁力計」、英語ではOcean Bottom Electromagnetometer
略称「OBEM」と呼んでいます。海底下、深さ100kmくらいまでは調査可能です。
といってもこのOBEMが穴を掘っていくわけではないですよ。まずこれら6台を海底に点々
と置いていきます。OBEM1つ1つは独立して海底で電磁気データを記録できます。この海
底でのデータをのちに解析すれば、海底より下の電気の通りやすさが分かります。
東海に挑む−今年の航海(3) [ シリーズ実況 Old..]
東海に挑む−水槽で試験(2) [ シリーズ実況 Old..]
シリーズ実況のつづきです。
北九州の夕日。右手の建物内に前の記事の水槽はあります。
ここ小倉で、昨年12月末に「海底コンセント」こと、分岐装置の水槽試験を行いました。
試験前に水槽の底で打ち合わせる人々
試験だけじゃなく、分岐装置を実際に海底へ下ろす際の手順などもいろいろと確認中です。
それにしても大勢ですね。写っていないところにまだ何名かおります。むろん私も。
東海に挑む−はじめに(1) [ シリーズ実況 Old..]
昨年末、台湾沖の海底地震によって海底ケーブルが寸断lされました。アジア各国のインター
ネット通信の一部はいまもつながりにくい状況のようです。台湾の陸上では亡くなられた
方もおられます。海底ではいったい何が起きているのでしょうか?どうすればいち早くそ
れを知り、地震への対策を練れるのでしょうか?
そこで当研究所では、海底ケーブルを用いて東海沖の海底で何が起きているかを
リアルタイム(即時)に情報を得る作戦を立てました。
私はこの作戦を「東海スキャナー計画」と名づけました。勝手に(笑)。※
図の詳細はおいおい説明することにしましょう。
東海スキャナー計画では、豊橋沖海底ケーブル2本のうち、西側の1本の先端に何種類かの
海底観測装置を取り付けて、東海沖の海底の様子をモニターしようというわけです。
このシリーズ実況「東海に挑む」では、この計画を軸として、東海沖での調査レポー
トや、どんな装置を使うのか、なにを調べようとしているのか、どんな役にたつのか、な
どなどを紹介したいと思います。相変わらずダラダラ続きますがよろしくお願いいたしま
す。
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さて第1回目の今回は「分岐装置」をご紹介しましょう。
堅苦しい名前ですが、こいつは「海底コンセント」の役割を果たします。
分岐装置は豊橋沖海底ケーブル2本のうち1本の先端(海底観測点)に取り付けられます。
製作中の「海底コンセント」
この装置は昨年夏のこいつです。立派なお姿になってまいりました。黒いシッポの部分が
海底ケーブルとの接続部分です。昨年11月、北九州のとある工場で調整中のものをパチリ。
あけましておめでとうございます~ [▼研究実況 Now!]
2007年、平成19年、あけましておめでとうございます
まいど当ブログにお越しいただきましてありがとうございます。
いつもいろいろコメントいただいたりして感謝感謝です。
「海の研究者」のくせに、宇宙や政治の話とか、観光の写真も多いブログですが
今年もよろしくお願いいたします。
トップは今年の年賀状。家内の作です。2007や19という数字に違和感を覚えるところが
正月ですね。慣れたころが正月明け、といったとこですか。