トンガの津波のナゾが解明(たぶん) [ 知識ゼロから学ぶ地底のふしぎ]
先日、日本を襲った津波 by トンガの大噴火 ですが、
気象庁が頭を抱えるようなナゾの津波でした。
すでに報じられていますが、津波の原因は海底の隆起や沈降では
なさそうです。トンガ周辺や太平洋の観測点で捉えられた津波の高さは
大したことはなかったのに(それでも被害は出ていますが)、もっと遠い日本
では、海面がわずかに変動するくらいと思われるためです。
(この辺も、今後の調査を待つ必要あり)
変わって注目されたのが「空振」です。トンガでの火山の大爆発の音(気圧変化)
が津波を起こしたのだ!という説です。
●日本への津波 専門家「噴火に伴う空気の振動“空振”原因か」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220116/k10013433451000.html
●空振とは|防災情報ナビ (ibousai.jp)
https://www.ibousai.jp/words/bswd202.html
こちらはウェザーニュース社による、空振(気圧変化)によるものです。
2ヘクトパスカル程度(1000分の2気圧)、気圧が変化しています。
ぜひ動画も見てください(当ブログ過去記事)
→ https://goto33.blog.ss-blog.jp/2022-01-16-1
さらに、地球規模で空振が広がる様が、衛星画像(動画)として
公開され始めています。
こちらは白黒バージョン。こっちのほうが見やすいかも。
ところで、わずか1000分の2気圧の変化では、あんな津波にはなりません。
例えば、巨大台風(低気圧)がくると、気圧が下がって海面が持ち上がります。
これを「高潮」といいますが、海面が約50cm高くなるためには、
気圧は1000分の50ほど(=50ヘクトパスカルほど)下がらないといけません。
今回はわずか2ヘクトパスカルほどなのです。
↓
台風に伴う高潮
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/4-1.html
??? なんででしょう ???
たぶん、単に気圧が変わっただけでなく、大気と海、そして固体の地球の
間でなにか起きたのです。ぱっと思いつくのは共振現象。「波」というものは
ある条件を満たすと、強められていくことがあります。これを共振といいます。
今回は火山噴火で発生した空振が、大気と海洋の間で共振を起こしたのではないか?
(でもどんな共振が起きたのか、ワカラン)
・・・と思っていたら、次のような動画を見つけました。
おお、これメッチャ わかりやすいやん!!
つまり、空振が進むスピードと、波が進むスピードが同じくらいだと、
波がだんだん高まっていくということか?!
「プラウドマン共鳴」っていうんや。
まだこれが原因かどうか、はっきりしませんが、ともかくはこんな
共振・共鳴現象が起きていたらしいことが分かってきました。
しかし、津波到来の翌日に、こういった情報がながれてくるって、
21世紀はやっぱり凄い!!!
※なお本ブログ記事の一部は、メールサービス「ジオサガ」からの転載です。
https://news494obem.fc2.net/blog-entry-3.html
気象庁が頭を抱えるようなナゾの津波でした。
すでに報じられていますが、津波の原因は海底の隆起や沈降では
なさそうです。トンガ周辺や太平洋の観測点で捉えられた津波の高さは
大したことはなかったのに(それでも被害は出ていますが)、もっと遠い日本
では、海面がわずかに変動するくらいと思われるためです。
(この辺も、今後の調査を待つ必要あり)
変わって注目されたのが「空振」です。トンガでの火山の大爆発の音(気圧変化)
が津波を起こしたのだ!という説です。
●日本への津波 専門家「噴火に伴う空気の振動“空振”原因か」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220116/k10013433451000.html
●空振とは|防災情報ナビ (ibousai.jp)
https://www.ibousai.jp/words/bswd202.html
こちらはウェザーニュース社による、空振(気圧変化)によるものです。
2ヘクトパスカル程度(1000分の2気圧)、気圧が変化しています。
ぜひ動画も見てください(当ブログ過去記事)
→ https://goto33.blog.ss-blog.jp/2022-01-16-1
さらに、地球規模で空振が広がる様が、衛星画像(動画)として
公開され始めています。
TransTerraScapeRT @TransTerraScape: 1月15日の16時10分~20時50分までのひまわり8号のバンド8(6.2μm)上層水蒸気の画像から前後フレームの差分(10分間)を取ってみると、日本時間20時40分頃のトンガ諸島の火山噴火によるソニックブーム(?)の到着が可視化できま…01/16
こちらは白黒バージョン。こっちのほうが見やすいかも。
weather_modelsRT @weather_models: 15日のトンガの噴火で励起された内部重力波・ラム波(空振とも言う?)をひまわりバンド8から動画化。 時間1階微分で描いたのが既に上がってるけど、ここでは2階微分を使ってみた。 https://t.co/Bzgh6gO0Fn01/17
ところで、わずか1000分の2気圧の変化では、あんな津波にはなりません。
例えば、巨大台風(低気圧)がくると、気圧が下がって海面が持ち上がります。
これを「高潮」といいますが、海面が約50cm高くなるためには、
気圧は1000分の50ほど(=50ヘクトパスカルほど)下がらないといけません。
今回はわずか2ヘクトパスカルほどなのです。
↓
台風に伴う高潮
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/4-1.html
??? なんででしょう ???
たぶん、単に気圧が変わっただけでなく、大気と海、そして固体の地球の
間でなにか起きたのです。ぱっと思いつくのは共振現象。「波」というものは
ある条件を満たすと、強められていくことがあります。これを共振といいます。
今回は火山噴火で発生した空振が、大気と海洋の間で共振を起こしたのではないか?
(でもどんな共振が起きたのか、ワカラン)
・・・と思っていたら、次のような動画を見つけました。
おお、これメッチャ わかりやすいやん!!
つまり、空振が進むスピードと、波が進むスピードが同じくらいだと、
波がだんだん高まっていくということか?!
「プラウドマン共鳴」っていうんや。
まだこれが原因かどうか、はっきりしませんが、ともかくはこんな
共振・共鳴現象が起きていたらしいことが分かってきました。
しかし、津波到来の翌日に、こういった情報がながれてくるって、
21世紀はやっぱり凄い!!!
※なお本ブログ記事の一部は、メールサービス「ジオサガ」からの転載です。
https://news494obem.fc2.net/blog-entry-3.html
「プラウドマン共鳴」の説明が下記にありました。
●気象津波
https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2014/2014_06_0058.pdf
「気象津波」という言葉も今回始めて知りました。
by MANTA (2022-01-19 20:46)
衛星画像から、波長が数kmくらいとわかったようですね。
そうなると、浅海波ではなく、深海波になりそうです。
深海波で、波長が5kmなら、波速は300km/hを少し超える程度なので、プラウドマン共鳴は起きにくいように思います。
最大波は、10時間半から11時間くらいで日本に到達しているので、波速は、平均700〜750km/hくらいです。これなら、浅海波のように思えます。
衝撃波到達直後の微小な潮位変化は、衝撃波によるものと思います。
ですが、最大波は、地震による津波と同様に、海底地形の変化が起因しているように思います。
少なくとも、衛星画像に写っていた波紋は、最大波の津波ではないように思いました。
MANTA様は、どのようにお考えでしょうか。
by 伊牟田勝美を名乗るニニギ (2022-01-24 23:51)
>深海波で、波長が5kmなら、波速は300km/hを少し超える程
>度なので、プラウドマン共鳴は起きにくいように思います。
>最大波は、10時間半から11時間くらいで日本に到達しているの
>で、波速は、平均700〜750km/hくらいです。これなら、浅>海波のように思えます。
コメント、ありがとうございます。
一般の津波の場合は、水深が深いほうが津波の伝わる速度は速くなります。上記では逆な気がします。
プラウドマン共鳴については、記事で紹介したように、水深7.5kmの場合だと説明できそうですが、海の平均水深はそれよりずっと浅いので、説明ができません。複雑な海底地形が影響するのでしょうか?このあたりは私は専門外ですが、大気-海の専門家は多いので、近いうちに尤もらしいモデルが提案されると思います。
by MANTA (2022-01-26 18:18)
お返事ありがとうございます。
誤解があるようなので、書かせていただきます。
津波は、浅海波なので、水深の平方根に比例して、波速が早くなることは、存じております。
水深が波長の2分の1未満の時に、浅海波の特徴が現れ始めます。
衛星画像で捉えられた波は、波長が5km程度なので、水深が2500m未満でなければ浅海波にはなりません。
太平洋の平均水深は4000m強なので、衛星画像で捉えられた波は、一般的な津波のような浅海波ではなく、深海波と考えました。深海波の波速は、波長の平方根に比例するので、300km/h強と算出しました。
この速度は、大気中の音速の4分の1ほどしかないので、プラウドマン共鳴は起きにくいと考えました。
一方、最大波は、到達時刻から逆算した平均時速は、浅海波と考えれば矛盾はないので、一般的な津波と同じと考えました。であれば、火山周辺の海底地形の変化がもたらした津波と考えて良いと思ったのです。
ただ、海底地形の変化で、1mを超える波高が説明できるのか、日本以外の地域の津波が説明できるのか、私にはわかりません。
ついでに言うと、浅海波の波速が大気中の音速と同じになるのは、水深が約15kmのはずです。水深が7.5kmでは、波速は976km/hなので、プラウドマン共鳴には、もう一声、足りないように思います。
by 伊牟田勝美を名乗るニニギ (2022-01-26 23:47)
コメント、ありがとうございます!
なるほど。波長が短い(5kmしかない)と、大水深では表面波になるので水深の影響はない。小水深になると、水深の影響がでてくるということですね。失礼いたしました。
これはおそらく水と大気を分けて考えてはダメなのだと思います。
上記の動画の例では、水深7.5kmでプラウドマン共振が「起きる」と予想されています。波の伝搬速度は1080km/hだそうです。単純な浅海波・深海波ということで考えてはいけないのでしょう。
他方、上記の動画の波長は200km程度ですので、観測結果とあわないようですね。はてさて。そのような長波長成分だけが今回の不思議な津波の要因だったのでしょうか?
フシギ・フシギ。
by MANTA (2022-01-27 12:50)