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ちっぽけな化石が物語る事の多さよ。 [ 科学コミュニケーション]

昨日のブラタモリ、ご覧になりましたか!?
加藤先生、今回はチラリとしか重畳されませんでしたが、いい味がでてます。
タモリさんとのやりとりは次回(来週)に期待!!
https://www.hitohaku.jp/researchers/kato.html
 兵庫県立人と自然の博物館(ひとはく)の加藤先生。
 麦わら帽子がお茶目。

そんな加藤さん、実は一流の研究者です。例えば、国際的な科学誌である
「Nature」へ、第1著者として書かれてた論文が掲載されています。

New geological and palaeontological age constraint for the gorilla?human lineage split.
Katoh, S., Beyene, Y., Itaya, T., Hyodo, H., Hyodo, M., Yagi, K., Gouzu, C., WoldeGabriel, G., Hart, W. K., Ambrose, S. H., Nakaya, H., Bernor, R. L., Boisserie, J., Bibi, F., Saegusa, H., Sasaki, T., Sano, K., Asfaw, B., & Suwa, G. (2016). Nature, 530(7589), 215-218.
https://www.nature.com/articles/nature16510

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やったるぞっ、やったるぞっ [ 科学コミュニケーション]

漫画の話が続きます。

誰かが、下記の漫画をリツィートしていました。

短い漫画ですが、いろいろと感じる部分があります。
ツィッターでの感想も様々でして、
・わんこがいっぱい 幸せの空間すぎる
・音楽の楽しみ方は犬それぞれですね
・誰かが来るまでタンバリン持って待ってると思うとちょっと切ない
・やはりライブがいいよね。
・何かドラゴンクエストを思い出しました。
・床に目をやり地下への階段を発見するなんて、こいぬは凄い。
・タンバリン犬はいつから地下に潜んでいたのか。

私は科学者なので「誰も気づいていないドアを開けてみたら、
そこには想像を超えた別の世界が待っていた。これこそ、科学だ」
なんて思っちゃったりして。

ちなみに、芸術や文化・歴史などから「これって科学っぽい、科学の真髄かも」
と思うネタを、講義や雑談用にスライドへまとめてます。これもコレクションに
加えました。いまみたら180枚くらいあったよ。今年の講義で使おう!!

----
さて、この漫画の画風も気になりましたので、ツィッターでフォロー。
すると、こんどは別の作品が流れてきました。

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食わず嫌いの強さ [ 科学コミュニケーション]

世の中には「食わず嫌い」というものがある。
辞書によれば、食わず嫌いとは、、、
1 食べたことがなく、味もわからないのに嫌いだと決め込むこと。また、その人。
2 ある物事の真価を理解しないで、わけもなく嫌うこと。
 (デジタル大辞泉(小学館)より)
だそうな。

人間は実は、この「食わず嫌い」に支配されている。
例えば下記をみてほしい。

●コロッケに「しょうゆ」アリか やっぱりソース!塩やマヨネーズだってイケる
 https://www.j-cast.com/trend/2021/05/19411900.html
https://www.j-cast.com/trend/2021/05/19411900.html

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ため池に落ちると、なぜ命を落とすのか [ 科学コミュニケーション]

私は普段、「Yahoo!ニュース」で諸情報を見ていることが多いのですが
興味深い記事が公開されています。ぜひみんなに見て頂きたい。

●ため池に落ちると、なぜ命を落とすのか
 https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohidetoshi/20210510-00237132/


 上記記事中の動画

以下に記事の冒頭を引用します。

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大学の先生は話し上手になった?? [ 科学コミュニケーション]

最初に宣伝:
現在、メールサービス「ジオサガ」では購読者を募集しています。
地球や宇宙に関するニュースやイベント情報などを週に1度くらいの
ペースで不定期に配信しております。
ご登録はこちら!!
  ↓
form.JPG
https://news494obem.fc2.net/blog-entry-3.html

「ジオサガ」で最近配信したイベントは例えばこちらです。

・東京大学理学部臨時公開講演会 Online
 「はやぶさ2」がリュウグウで見たもの、持ち帰ったもの
 https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/event/7202/
 https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/event/7202/
・ 東北大学総合学術博物館
 「深海底の科学とプレートテクトニクスの発展」
 http://www.museum.tohoku.ac.jp/exhibition_info/kikaku/ocean_drilling/index.html
 http://www.museum.tohoku.ac.jp/exhibition_info/kikaku/ocean_drilling/index.html

「はやぶさ2」のほうは終わってしまいましたね。
「深海調査」のほうはWebで絶賛公開中。
いまは「深海に囲まれた国」と「深海地形探査の歴史」を公開しています。
今後は「プレートテクトニクスの発展」「日本列島の形成」が公開予定で、
「深海掘削と地震発生帯研究」「深海で生まれる宝の山」も3月に向けて順次
公開されていくらしいです、楽しみ!!

。。。とまあ、メールサービス「ジオサガ」では種々のイベントをご紹介して
います。ぜひご登録下さいませ。

-----
さて、そのメールサービスの読者からお手紙を頂戴しました(電子メール)。
上記の「はやぶさ2」を視聴されたそうですが、
「今の大学の先生は昔とは違って、学問のことを
          とても分かりやすくお話されるのですね!」

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事実を伝えることの大事さ [ 科学コミュニケーション]

研究の世界では昨今、研究不正などが多々見られる。STAP細胞などは
有名な例である。自分が全く関与していなくても、学問という仕組み上、
研究機関や学会の側が、社会に対して説明せねばならない局面が発生する。
私の研究分野でも、今年になって論文捏造のニュースが増えている(下記)。
●熊本地震でデータ捏造、大阪大学元准教授 調査結果公表
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42514180V10C19A3AC8000/
●熊本地震論文で不正、撤回を勧告 京大(注1)
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42952160W9A320C1000000/

私自身はこれらの不正と一切関わりはないが、某学会での某調査に
携わっている。調査はほぼ終わり、その結果をどう公開するべきか、
つい先日、関係者で議論を交わしたばかりである。

…で、芸能界の話題に急にジャンプしてしまって申し訳ないが、
週末を騒がせているニュースが、適切な対応方法を教えてくれている。
●宮迫さん「社長に『会見したら全員連帯でクビ』と」
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190720-00000047-asahi-soci
●宮迫さんと田村亮さん謝罪会見(全文1)会見すれば全員クビだと言われた
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190720-00010002-wordleaf-ent
●宮迫さんと田村亮さん謝罪会見(全文2)入れ墨も一瞬だったので気付かなかった
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190720-00010003-wordleaf-ent

吉本せい 笑いを商売に変えた吉本興業創業者の波乱の人生 (三才ムックvol.967)

吉本せい 笑いを商売に変えた吉本興業創業者の波乱の人生 (三才ムックvol.967)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 三才ブックス
  • 発売日: 2017/09/28
  • メディア: ムック



吉本興業を創った人々 (PHP文庫)

吉本興業を創った人々 (PHP文庫)

  • 作者: 堀江 誠二
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2017/10/02
  • メディア: 文庫


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卒論でのゼッタイNGワード [ 科学コミュニケーション]

大学の先生になって、はや幾年。
毎年おもうのだが、卒業論文とか修士論文とかには、
「使ってはいけないNGワード」がある。以下は私が思う、2大NGワードだ。

"~についてはまだ良くわかっていない。なので本研究を進めた"
"~を理解するのは重要である。なので本研究を進めた"

paper1.JPG
Warning: Hey SF...incoming by bark (protected by CC License)
https://www.flickr.com/photos/barkbud/4327199348/

研究というのは、ただ漠然と行っていてはダメである。
高校までの「勉強(学習)」と、大学からの「研究」の最大の違いは何か?
答えがあって用意されているか、答えがないので自分で探さないといけないか
である。だからといって、闇雲に答えを探すことは研究とは言い難い。
「良く分かっていないこと」「重要なこと」に向けて答えを探すのが研究だ。

なので、「良く分かっていない」だとか「重要だ」とか、
こんな当たり前なワードを、研究の主なモチベーションにしてはならない。
学生たちよ、なのに君は、なぜ当たり前のことを論文に書いてしまったのか?

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来るか?!市民科学ブーム(2) [ 科学コミュニケーション]

先程の記事の続きです。
今日は、平成から令和へと時代が移り変わる、まさにその日ですが、
科学のスタイルも、プロ専有型から一般市民参加型へと変わりつつあります。

市民科学(あるいはシチズンサイエンスとも呼ばれています)については
下記に簡単にまとめられています。
●科学者と市民の協働を目指すシチズンサイエンス
 (科学技術振興機構サイエンスポータル)
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/review/2018/01/20180117_01.html

あるいは単純にWikipediaの「市民科学」をみてください。
私はWikipediaをブログや講義・講演では紹介しないようにしています。
記述に多くの誤りがあるからです。ただし、今日は例外。Wikipediaの
「市民科学」の項を書かれた方々を、私は知っているのです。
今回は安心してオススメできます。(^^)

この市民科学、今後ますます流行るようです。ある調査によれば、いま、
市民科学の一部である「市民データサイエンス」は期待度のピークを
迎えようとしています。

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来るか?!市民科学ブーム(1) [ 科学コミュニケーション]

前回のカガクニュースの続き:テレビネタって、昭和の昔ならいざしらず、
平成、そして令和を迎えようとする昨今は難しいですね。
テレビを通じた共感というものが、もはや存在しない。

前の記事を書いていた新幹線車内でも、こんな会話が聞こえてきました。
「え、ラスカル? あらいぐま? なんですか、それ。」
「え、知らない?・・・あー1977年放送だと、生まれてないか」
ビジネスマン二人の会話です。歳はさほど離れてなさそうに見えましたが、
あらいぐまラスカルはぜひ見てほしいですね!

世界名作劇場・完結版 あらいぐまラスカル [DVD]

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  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD


…さて、前回に引き続き、カガクニュースを紹介しましょ。

キャプチャ.JPG
https://www.nhk.or.jp/d-navi/sci_cul/2019/04/news/news_190419_3/
※同NHK記事より。

いいですね! こういうのって。

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全豪オープンを見てた。 [ 科学コミュニケーション]

今日はお休み。のんびりすごしています。
さっきまで、なんとなくNHKでテニスを見てました。
全豪オープンです。大坂さん、錦織くん、勝ちましたね!

tennis.JPG
Post work match by Saskia Bosch van Rosenthal
(protected by CC License)
https://www.flickr.com/photos/gypsysaskia/6812047149/

●大坂なおみ「執着心が全て」。逆転勝利で2年連続4回戦へ[全豪オープン]
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190119-00000006-tennisd-spo
●錦織がソウザを下して4回戦へ、今大会初のストレート勝利 [全豪テニス]
 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190119-00010008-tennismagv-spo

大坂さんは逆転勝ち、錦織くんも第1セットはタイブレークまでもつれ込む
苦戦ぶりで、手に汗握る試合でした。さらに、テニスなんてほぼやったことの
ないドシロウトの私が、何時間も飽きず見続けられたのは、テニスの試合解説
をサポートする種々のCGです。例えばこちら。

 ※下2つは、後述のYoutube動画よりキャプチャ
tennis1.JPG
   入ったかどうか??
    ↓ ↓ ↓
tennis2.JPG
   入ってた!

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意味なし?意味あり? [ 科学コミュニケーション]

我が家では新聞をとってません。読みたい気持ちはあるけれど、
古新聞はいらないし、単一新聞社の主張に偏るのもイマイチ。お金もかかる。
なので専ら、テレビとネットでニュースを見ています。
特にネットニュースでは、マニアックなものも取り上げられていて、
科学ファンでもある私としては興味津々。

一方で「これって、意味あるニュースなの?」と思うものも多々有り。
今日はそんな最近のニュースを2つほど取り上げてみます。

まずはこちらのニュース。
●豪首相の写真でスタッフが加工ミス、低迷の政府に追い打ち
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190110-00000066-reut-asia
(下記が話題の写真。同記事より引用)
キャプチャ.JPG

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「日本人」とは、なんなのだろうか?(3) [ 科学コミュニケーション]

前回そして前々回と、「日本人」をテーマとしてブログ記事を書いてみたが
そんな中、少し前に参加した下記のシンポジウムを思い出した。

●国際京都学シンポジウム「テレビドラマの外国語」
 http://www.pref.kyoto.jp/rekisaikan/tvdrama.html
 平成30年10月21日(日曜日) 13時30分~16時
 京都府立京都学・歴彩館 大ホール
 第1部:講演「京都育ちのアメリカ人の役者人生」
    講師:ブレイク・クロフォード氏(俳優)
 第2部:パネルディスカッション「テレビドラマの外国語」
 パネリスト:ブレイク・クロフォード氏(俳優)
    渡辺宥泰教授(法政大学)、小林めぐみ教授(成蹊大学)
 司会:山口美知代教授(京都府立大学)
 rekisai.JPG
※ちらしより(http://www.pref.kyoto.jp/rekisaikan/documents/tvdramaflyer.pdf

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「日本人」とは、なんなのだろうか?(2) [ 科学コミュニケーション]

前回の続きである。
テニスの大坂なおみ選手の「二重国籍を認めよう」という話題から、
日本人を考えてみているが、現在、似たような(しかし大坂選手の
ケースとは真逆の)話題が国会で争われている。大坂選手の場合は、
アメリカ在住だけれど「日本人の偉業!」と称賛されているが、下記は
日本に在住だけれども「日本人ではない」ということになろうか。

kokkai.JPG
●安倍政権、人手不足背景に受け入れへ 外国人労働者 保守派に根強い懸念
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181103-00000567-san-pol
●日本が外国人労働者を必要とする3つの深刻な理由
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181104-00010022-nshaberu-soci

後者の記事によれば、『きつい・汚い・危険』の3K労働やサービス業など
での人手不足は今後も深刻であり、(女性や高齢者がいま以上に働いたと
しても)外国人労働者が日本に必要とのことである。他の報道でも、農家や
清掃会社では人が足りず、ビジネスチャンスを大幅に逸しているとのコメント
が多数見られた。なるほど、日本の現状は既に下記の通りなのである。
●日本がいつのまにか「世界第4位の移民大国」になっていた件
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56296

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「日本人」とは、なんなのだろうか?(1) [ 科学コミュニケーション]

「日本全体を明るくするニュース」と言えば、スポーツの報道はその一つだ。
日本人のスポーツでの快進撃は、往々に大きく報じられる。例えば、、、
● 伊藤美誠がスウェーデンOP優勝、世界1位の朱雨玲を破る
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181105-00000004-jij_afp-spo
●【MLB】大谷翔平を新人王に選出した米野球専門誌「アンドゥハーは3位にも入らない」
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181102-00241275-fullcount-base

そして今年のスポーツシーンで忘れてはならないのが、女子テニスプレーヤー
大坂なおみさん。今年9月の全米オープン女子シングルスでは「日本人」初優勝を
果たしている。
USopen.JPG
US Open 2014 by Michael Vadon (protected by CC License)

ところで彼女は「日本人」なのか? 日本人であるが、現在はアメリカ国籍も
もっており、「アメリカ人」でもある。そして近い内に日本国籍を捨てて、
アメリカ人になるのではないかとも言われている。
日本国は二重国籍を認めていないからである。
●日本は大坂なおみの二重国籍を認めるべき!
 https://www.newsweekjapan.jp/pakkun/2018/09/post-40.php

日本でもこれを機に「二重国籍」を認めてはどうか?との意見が散見される。
一方でこんな意見もある。
●大坂なおみ選手は「日本人」ではない。
 なぜ、都合のいいときだけ「日本人」にしてしまうのか?
 https://news.yahoo.co.jp/byline/yamadajun/20180921-00097718/

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大学とは何をやる機関なのか? [ 科学コミュニケーション]

「大学って何をやる場所か?」って聞かれたら、普通はこう思うでしょう。
「高校生が大学生になって、遊んだり、学んだり、恋したりするところ」

うん、あってます。たぶん。
では、大学とはそもそも「何を実施する機関」か、ご存知でしょうか?
大学は国が設置した組織です。目的もあるのです。

Univ.JPG
  大学って何のためにあるの?

私が大学教員になった頃、年上の大学教員に聞かれたことがあります。
「君は、大学教員の仕事を知っているかね?」
すなわち大学の目的とはなにか、という問いですね。
その答えは実に明確です。

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期待を裏切られる(2) [ 科学コミュニケーション]

期待とはなんだろうか? 前回の続きである。
辞書によれば「ある人がそれをするのをあてにし、心待ちに待つこと」
だそうだが、期待通りにいかないのが世の中である。
しかし歳を取れば取るほど、期待が裏切られることを忘れがちなのかもしれない。

mailing.JPG
先日も学術系の某メーリングリストで、ある高齢の研究者がボヤかれていた。
「メールを読まれている方々からのいろいろな意見が聞こえてこない」
「特に若い人の発言が少ない」
これもご自身の期待に、他者が応えてくれないゆえのボヤキであろう。

私は問い返したい。
「そうボヤくあなたが若い頃、いまのあなたが望むように発言してましたか?」

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期待を裏切られる(1) [ 科学コミュニケーション]

期待とはなんだろうか?辞書によれば「ある人がそれをするのをあてにし、
心待ちに待つこと」だそうな。期待の対象は、自分では達成できないのだ。
人間は期待を抱く生き物である。むしろ、期待を抱かないと生きていけない
レベルであって、過剰に期待し、期待通りになることを強く祈っている。
たとえばiPS細胞。種々の治療への新技術として私達日本人はむちゃくちゃ
期待しているが、ちょいと裏切らると大ニュースである。
●iPS論文不正が問うもの
 https://www.nikkei.com/article/DGXKZO26232450X20C18A1EA1000/
●ノーベル賞・山中教授 iPS論文不正でも「かえって信頼高まる」
 https://dot.asahi.com/aera/2018013000027.html?page=1

地震予知・火山噴火予知もそうである。地震が起きる前は、私達日本人は科学者に
むちゃくちゃ期待しているが、いざ予知ができなければ、吊し上げである。

そして下記の人達も、自分の期待には沿わないことが多いようである。

お三人とも、いまの政治にご不満があるようだ。

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美とはなにか? [ 科学コミュニケーション]

さきほど、NHK Eテレで「日曜美術館」を見た。
今日の特集は「楽焼」。茶碗・花入・香炉など、茶道具として使用されている。
●日曜美術館「利休の志を受け継ぐ 樂家450年 茶碗(わん)の宇宙」
 http://www4.nhk.or.jp/nichibi/x/2017-01-15/31/29276/1902708/

定本 樂歴代―宗慶・尼焼・光悦・道樂・一元を含む

定本 樂歴代―宗慶・尼焼・光悦・道樂・一元を含む

  • 作者: 樂 吉左衞門
  • 出版社/メーカー: 淡交社
  • 発売日: 2013/03
  • メディア: 単行本



茶器/茶道具・抹茶茶碗/松楽作 野点茶碗 黒楽

茶器/茶道具・抹茶茶碗/松楽作 野点茶碗 黒楽

  • 出版社/メーカー: いいもの厳選ほんぢ園
  • メディア: ホーム&キッチン


千利休と共に始まった楽焼、楽茶碗。時の芸術家、というよりも権力者に愛されてきた。
楽焼の「楽」の字も、豊臣秀吉が居城として京都に築いた「聚楽第」が起源らしい。
しかし、そこにある美しさとはなんだろう?

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池上彰の発明(2) [ 科学コミュニケーション]

昨日は池上彰さんの新聞整理術の話をしましたが、その続き。
私は、池上さんは偉大な発明者だと思っています。

これの発明者です。
goodq.jpg

池上さんの名台詞です。新語・流行語大賞トップテンにも選ばれたようですね。
●【2010流行語トップテン】「いい質問ですねぇ」池上彰 喜びのコメント
 http://www.oricon.co.jp/news/82608/full/
すなわち、こんな使い方です。
・池上さんのニュース解説などを聞いた人が質問をする。
 例:ひな壇のタレントが「え?どうして△△なんですか?」
   あるいは「ということは○○は××なんでしょうか?」
・質問へ答える前に、池上さんいわく「いい質問ですね~」
 そして質問に答えつつ、より詳しい解説へ。


この「いい質問ですね~」、実は難しいセリフだってこと、ご存知でしたでしょうか?

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池上彰の発明(1) [ 科学コミュニケーション]

NHK子供ニュースで有名になった池上彰さんが、昨日古巣のNHKの
朝の情報番組「あさイチ」に出演されました。
●池上彰氏、古巣の有働アナに「紅白の司会外れたのはどうでしたか?」と斬り込む
 http://www.hochi.co.jp/entertainment/20170106-OHT1T50076.html

ついさっき、家内が録画していた番組を一緒に見てましたが、その中で紹介されていた
新聞記事の整理方法はとても参考になりました。かいつまんで書くと、、、
1) 新聞記事をざっと読んで、気になる記事はそのページだけ切って(ハサミなど
 使わずに、1枚を手でちぎる)、持ち歩く。
2) ちょっとした時間の合間に先程の記事を読む。面白い記事だと、ファイルする。
 (クリアフォルダにただ放り込むだけ。関連する記事は同じフォルダに放り込む)
3) いくつか関連記事が溜まったら、複数記事をまとめて読んでみる。
4) 「もうこの話題は古いから要らないな~」とおもったら、古新聞に。

キャプチャ.JPG

※池上さんの新聞利用術はこちらでも紹介されています。
 ●池上彰さんが語る「大人のニュースの読み方」
  http://www.lettuceclub.net/campus/lecture/20140425/
 ●池上彰 新聞勉強術|こんなにも役立ち面白い新聞/新聞奨学生通信/新聞奨学生コラ
  http://shinbun.hitorigurasi.net/column/column23.html

池上さんは元NHK記者ですから、きっと既存の整理術などに基づいて、ご自身の
新聞整理術を見出されたのでしょう。とても参考になりました。

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シチミか、ナナイロか [ 科学コミュニケーション]

先日、東京(新橋)に行った。とある省庁で会合があったためだが、これがまた、
聞いていたのを遥かに上回る大変なものであった。なるほど、だからわざわざ
某研究機関の方が「先生、よろしくお願いします」的な事前説明に来られたのね。
うーん、大変だ……と気落ちする数時間ほど前。

前置きが長くなったが、新橋近くで昼食を取った。蕎麦だ。元来、うどん好きであるが
東京に来たらやっぱり蕎麦だ。たまたま入ったお店でワカメ蕎麦を頂いたが、蕎麦
のみならずワカメも美味しい。水にもこだわっていると、張り紙にある。

 DSC_0243.JPG
 卓上の七味唐辛子。

あ、ここはこだわってないのね。京都だと清水寺の七味屋さんとか、原了郭さんとか
人気の七味があるのになぁ。東京には本格七味はないのかな?と思って調べてみたら
七味唐辛子はどうやら東京で発明されたらしい(※1)。ほほぅ。

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謎や疑問の追究方法:ナウマンの場合 [ 科学コミュニケーション]

「研究」と「勉強」(学習と言ったほうがただしい)の違いはなんだろう?
高校までひたすら打ち込んできたのは、勉強あるいは学習(Learn)の方だろう。
一方、大学に入学し、4回生ともなれば、卒業するために研究(Research)なるものを
やらないといけない。卒業論文を書いて、晴れて卒業という大学は多い。

「研究」と「勉強」の違いはなんだろう?
私はよく、この問いを高校生や大学1回生に向けて投げかける(※注1)。
私なりの正解は、「勉強には答えがある、研究には答えはない」だ。
解答の付いていない参考書で受験勉強できるだろうか? 
他方、解答付きの研究など、私はみたことはない。
(大抵は想定した「解答」と違ってくるものだ)。

科学的研究とは、つまりは謎や疑問の追求である。
しかし卒業研究などが徐々に佳境を迎えつつある昨今、研究の進め方で悩む学生も多い。
今日は、ある研究者の足跡を辿って、上手な謎の解き方を考えてみよう。

P8170139.JPG
 唐突にゾウ。タイにて撮影(この話題もまたブログに書かなきゃ)。

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「考察」なのか「議論」なのか? [ 科学コミュニケーション]

いま大学では卒業論文や修士論文の作成に大わらわである。
そして、できあがってきた下書きをみて、指導教員は日々愕然としている。

・研究の目的と結論があっていない。
・得られた結果を考察していない。
・そもそもなんのための研究か理解できていない?
・主語と述語があってない。
・文献を全く引用していない。

どうしたことか? 偏差値の高い国立大学でも、そうでない大学でも、この問題は
共通に起きている。どうやら、小中高の「国語」の授業で、このような論理的な文章の
書き方を学んでいないようだ(ホント?)。なんとなれば、一流大学と言われるところの
理系学生に文章ベタが目立つように思われる。受験科目に特化して勉強してきたため
文章の大事さを会得できていないのか?

pen.JPG

そんな中、わりと深刻なのが「考察」ができない学生が多いことだ。
分かったことをただ羅列する、それが「考察」だと思っているフシがある。
さらに「考察」と「感想」の違いが分からないという学生もいるらしい。
なぜそんな状態に陥るのか?

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インパクトファクター信仰の危うさ [ 科学コミュニケーション]

学校といえば「定期試験」であり「成績」である。生徒は成績で評価される。
では学校を出た後はどうだろう? 一般の方々には馴染みが薄いが、
大学や研究所で働く科学者にも「成績」がある。

「インパクトファクター」と呼ばれるものがそれにあたる。
これはそもそもは科学者の成績ではなく、科学的な学術雑誌の指標である。
●インパクトファクターについて(トムソン・ロイター)
 http://ip-science.thomsonreuters.jp/ssr/impact_factor/
Impact.jpg
図にするとこんな感じ。ある雑誌上へ、最近の数年間(3年間)に掲載された論文
が他の論文に何回引用されたかを調べて数値化する(引用総数÷掲載総数)。
論文がたくさん引用される雑誌ほど、優れた学術誌!というわけだ。
本来は雑誌の格付けの指標だが、近年は科学者の格付け指標にもなりつつある。
例:「私はインパクトファクター4以上の雑誌に●本の論文が掲載されております!」

インパクトファクターは「雑誌全体の引用回数」だが、「個々の論文の引用回数」
を調べることも可能なので、それを「成績」としているケースもある。
例:「私の●●に関する論文は、これまでに●●回引用されています!」
これを発展させて、科学者の影響力を測る指標も提案されている。
●「h指数」とは何か?
 http://www.editage.jp/insights/what-is-the-h-index

ヒトは(特に科学者は)数字に弱い。自分の業績が数値化されることを好み、他人と
比較し、優秀さの宣伝材料とする。この客観的数値の凄さは、専門分野を越えた業績
比較すら(実用には問題があるとはいえ)可能としたことだ。しかしインパクト
ファクターなどの信頼度は早晩低下すると思われる。理由は次の経験からだ。

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第2のSTAP事件を防げるか? [ 科学コミュニケーション]

小保方氏の問題は概ね片がついた。あとは理研退職後の彼女に
どんな沙汰が下るか、そして同様の事件を今後どうやって防止するか
である。関連する科学者はやっと本来の研究活動に戻れるだろう。

しかしちまたでは相変わらずこうである。
●今は存在せずともSTAP細胞は死なず、でいいのではないか
 http://plaza.rakuten.co.jp/odata325juk/diary/201412190000/
(以下引用)”ただこれでSTAP細胞は存在しない、と結論は出せないだろう(中略)
 今は存在せずとも、STAP細胞は、貴方たちに広く門戸を開いて待っている”(※注)
●小保方氏が「魂の限界まで取り組んだ」ことへの評価について
 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141220-00000018-pseven-soci
(以下引用)”「ケシカラン!」「とんだ食わせ者だ」と尻馬に乗って非難するのは、
 もっとも恥ずかしい行為。(中略)叩きやすい相手を無邪気に叩いてしまうみっともなさ
 を他山の石にさせてもらいましょう。”

小保方氏が男性だったらどうだろうか? このような擁護論はでるだろうか?
何度でも言うが、彼女達が主張していたSTAP細胞には、なんの根拠もなかった。
仮に今後、誰かがSTAP細胞を作ることができたとしても、彼女達は今回、科学的には
間違ったことを言い、周囲を翻弄した。故意であろうとなかろうと、科学者としては失格だ。

 10953083134_09500df8f1_z.jpg
 疑惑の霧はまだ晴れてはいない。
 (Golden Gate Bridge by Takashi Hososhima)
 (http://www.flickr.com/photos/46151146@N04/10953083134/

その一方で、次のようなコメントを当ブログに頂いた。
(前記事を参照。”り”さん、さんきゅーです)

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大学にとって「必要なこと」とはなんだろうか? [ 科学コミュニケーション]

久々にブログを更新します。
今月は海底観測装置の整備にはじまり、東北での野外観測、学会発表、
論文執筆(まだ終わってない…)、論文査読などなどで慌ただしく過ごしていました。

さて先日、とある会合で、とある先生が大学の「現状」を次のように語っていました。

 - 理系の研究者は「社会に役立ちますよ」といって予算を獲得するが、オモテの
  目標はほどほどの達成度ですませておき、そのウラで本当にやりたいことを
  好きにやっている。

 - 文系の先生は逆に「ならば私達は社会に役立たないことをやるんだ」といって、
  武士も食わねど高楊枝(社会からの乖離)。

 - 大学にはもはや(昔から)輝く何かなどない。社会がただ期待しているだけだ。

うん、思い当たるフシはなきにしもあらずです。
例えば、研究成果を出すには実験や観測、理論の構築が必要です。まとめられた
調査結果は論文になり、学術誌に掲載されて、やっと陽の目を見ることになります。
しかしそれには時間がかかる。
データを揃えるのにまず時間がかかりますし、論文を雑誌に投稿してから掲載されるまで
も時間がかかります。多くの場合、研究プロジェクトが終わってから、研究成果が出始める。

なので、理系の研究の場合は研究プロジェクトの遂行と、研究成果の発信がズレズレに
なることはしばしばです(下図は例)。
seika.JPG
 ※成果発信の一部はプロジェクト実施中に始まっています。

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美味しんぼ騒動とSTAP騒動の共通点(2) [ 科学コミュニケーション]

先日の続きです。
下の図を見て、「野球選手の身長と年俸には関係があるか?」を議論してました。
グラフからは「なさそう」と思うのですが、ある人は「ある!」と言い張ります。果ては
「身長と年俸に関係がないという証拠はあるか?」と言い出します。
fig2.JPG
 前回の図と同じですが、赤・青点の区別をやめました。

どのようなデータにも常に「ノイズ」がつきまといます。いまは身長以外に年俸を左右
する要素がノイズになっています。ですので「身長と年俸の関係は明瞭ではない」と
までは言えますが、「全くなんの関係もない」とまでは言い切れません(※1, 2)。
これは科学の限界だと言えます。「ないこと」を証明するためにはノイズゼロのデータが
必要ですが、実際はムリです。故に科学において「ないこと」の証明は不可能な場合
が多く、「悪魔の証明」(=実行するのが不可能な証明問題)とも呼ばれています。

…人間は思い込みが強い生き物です。多くの人たちは”希望するように物事が動く”
(動いてほしい)と強く思っていますが、願いが強すぎると科学も次のように歪みます。

1) 自身の思い込み(仮説)に沿うデータがあれば、「これは○○の証拠だ」と確信する。
2) 原因と結果のメカニズムを科学的に探らない。仮説を証明できる別の方法があっても
  やらない。仮説以外の要素でデータを説明しようとしない。
3) 反論する人には「これが○○と関係がないって証拠を持ってこい」と向き直る。

この3要素(※3)が揃うと、もう立派なニセ科学(疑似科学)です。しかし一般市民には
科学的な議論に見えてしまうようです。 さらに「科学vsニセ科学」が勝負した場合、
(後で詳しく述べますが)、結果はいつも「ニセ科学の勝利」に終わります。

なぜ疑似科学を信じるのか: 思い込みが生みだすニセの科学 (DOJIN選書)

なぜ疑似科学を信じるのか: 思い込みが生みだすニセの科学 (DOJIN選書)

  • 作者: 菊池 聡
  • 出版社/メーカー: 化学同人
  • 発売日: 2012/10/19
  • メディア: 単行本


さて、「美味しんぼ騒動」はどうだったのでしょう?あらためて特徴をみてみましょう。

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美味しんぼ騒動とSTAP騒動の共通点(1) [ 科学コミュニケーション]

先日、マンガ「美味しんぼ」で、福島の大勢の人達が被曝により鼻血を出している
という表現があり、ニュースを賑わしました。
●「美味しんぼ 福島の真実編」抗議相次ぐ 「科学的にありえない」
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140513-00000112-san-soci
●「極端な意見」「住民の立場に」=「美味しんぼ」問題、識者にも両論
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140519-00000055-jij-soci
●美味しんぼ「鼻血、医学的根拠ある」 専門家ら反論会見
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140524-00000004-asahi-soci
●「福島の現実知って」元双葉町長、美味しんぼ問題で持論 大津
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140524-00000022-kyt-l25

美味しんぼ 110 (ビッグコミックス)

美味しんぼ 110 (ビッグコミックス)

  • 作者: 雁屋 哲
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/08/30
  • メディア: コミック


このマンガ、私は昔からちょいちょい読んでいましたが、こういうお騒がせは今に始まった
ことではありません(そういう作者なのです)。ただ、科学コミュニケーションを考える上で
よい題材でもありますので、ここで取り上げてみましょう。

----
最近、科学にまつわるニュースが世間を大きく騒がせることが多いように感じます。
「美味しんぼ騒動」然り、「STAP細胞騒動」然り。そこで今日は、この2つに共通した
「ある特徴」について注目してみます。

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科学者はマジシャンか? [ 科学コミュニケーション]

※本記事は「STAP細胞騒動」に関するものです。当ブログでもこれまでに何回か取り上げました。
 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2014-03-14
 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08
 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2014-04-09

ここに興味深いアンケート結果がある。
今日はこれを題材に「科学コミュニケーションの課題」について考えてみよう。
●STAP細胞は存在すると思うか?「存在すると思う」は全体の33.0%
 http://woman.mynavi.jp/article/140418-68/
 (下図は上記サイトより)
 キャプチャ.JPG

はたまた次のような意見は多い。今朝、テレビでコメンテーターが言ってた言葉だ。
「論文に捏造があったのかどうかは別にどうでもいい。
 私達が知りたいのはSTAP細胞があるかないかだ」

同じ意見はネット上でも多数見られる。例えば下記。
●STAP細胞論文 - 捏造か否かに興味はない
 http://blogs.itmedia.co.jp/ruchida/2014/04/stap-af29.html
 ”私はそこに捏造があったのかどうかということにほとんど興味がない。
  興味の大半は、STAP細胞が本当に存在するのかどうか(中略)ということにある。”
 ”理研を始め、本研究に携わっている人の次の使命は、今回の研究体制の不備といった
  矮小なことではなく、STAP細胞を見たのかどうかを速やかに検証して報告すること
  だろう。”

あるいは先日、当ブログに頂いたコメントにも小保方さんを擁護する意見を頂いた。
(以下は、http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2014-04-09 に頂いたコメントより)
”世界最先端です 詐欺師と天才の間です   30のノーベル姉ちゃんが・・・・・
 学者の偏向な見方をやめて 広い視野に立ってください”

このアンケート結果や意見に対して、科学者の多くはこう思っていることだろう。
(私を含む)
「みんな、何を言っているんだ? STAP細胞の根拠となる論文が
 怪しいんだから、STAP細胞だって信用できないじゃないか!」
と。

----
はてさて、一般市民の感覚と、科学者の感覚の乖離はどこに原因があるのだろう?
最近、一般講演などを盛んにやらせて頂いている私なりの答えは次のようである。
「一般市民にとっては、科学者はマジシャンと同じなのではないか?」
magic.jpg
 種も仕掛けもございません。

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STAP細胞問題はどこへ向かうのか?(2) [ 科学コミュニケーション]

前回の記事の続きです。
小保方氏への疑義だけでなく、理研の側にも疑惑の目が向けられています。
つまりは「この論文捏造は小保方氏の独断行為なのか?」という問題です。
すでに各方面で指摘がなされています。
●小保方氏に理研副センター長からの「寵愛」 疑惑の責任は?
 http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/140322/lif14032212550005-n1.html
●科学が好きということとSTAP騒動(その4)
 http://www.huffingtonpost.jp/tsukasa-shikano/stap_b_5103717.html?utm_hp_ref=japan
●理研と電撃和解の可能性も 小保方さん「逆襲」の切り札
 http://woman.infoseek.co.jp/news/entertainment/gendainet_000208083

●<STAP論文>極秘研究…サインだけの共著者 議論どこに
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140402-00000005-mai-soci
 (下表は上記 毎日新聞の記事より引用)
 キャプチャ2.JPG

本件をこのブログで3月に取り上げた際に、小保方氏について感じたことを
私自身は次のように書いていました(コメント欄を参照)。

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