未知との遭遇@木星2050? [▼科学ニュース New!]
今日は科学ニュースを一つご紹介。
様々な知恵・工夫・閃きのコンボ技が科学の謎を解く!という例です。
地球は水の惑星ですが、太陽系の他の惑星や衛星にも「液体の水」は
ありそうだと言われています。液体の水があるということは、そこでも
生命が生まれて進化している可能性が考えられます。
5月2日の下記のニュースによりますと、木星の衛星「エウロパ」の地表付近
には液体の水があるらしいと、米国の研究グループが報告したそうです。
●木星の衛星エウロパ、地表浅部に水存在か 研究
https://www.jiji.com/jc/article?k=20220502042940a&g=afp
エウロパは氷で覆われた衛星です。画像は下記から。
(大量の水が存在する木星の衛星「エウロパ」の奇妙な模様の秘密)
https://wired.jp/2020/08/11/space-photos-europa-attempt-no-landing-there/
エウロパは分厚い氷に覆われていて、その下には大量の水があることが
これまでの探査機(人工衛星)のデータから分かっています(※注)。
しかもエウロパの(氷の下の)海の底では、海底熱水活動もあるらしい。
●エウロパの地下海に熱水活動の証拠
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11780_europa
地球でも海底熱水噴出地域では、光合成に頼らない生物達が独自の生命圏を
形成しています。こりゃ、エウロパ独自の生命がいる可能性大ですな。
※注:探査機に搭載された磁力計データから、間接的に水の存在が示唆されています。これは磁力計を使った受動的な電磁探査ですね。このように実際に穴を掘らずに地下を探査する技術を「物理探査」といいます。地球以外の他の惑星や衛星でも実施できるのです。
エウロパの氷はかなり分厚くて、水のある深さまで掘削するのは難しいだろうと
考えられていました。ところが今回の発見では、浅い部分に水があるらしい。
なので、ちょっと掘削するだけで、液体の水や生命と出会えるかも??と、
期待が膨らむニュースなわけです。
では、この研究成果はどうやって達成されたのでしょうか?
※原論文はこちらです。
Double ridge formation over shallow water sills on Jupiter’s moon Europa
https://www.nature.com/articles/s41467-022-29458-3
今回は2つの発見を組み合わせることで、エウロパの地表浅部にも液体の水が
あるのでは?と予測できたようです。
発見その1:
エウロパ表面(衛星写真)に見られるたくさんの線状の模様が、
地球のグリーンランドでみられるものとソックリなことに気がついた。
原論文より。右が木星の衛星エウロパ、左がグリーンランド。似てますね。
発見その2:
グリーンランドの氷の下を地中レーダで可視化した結果、氷床表面から
約30m下に滞留する水があることが分かった。またこれが再凍結して
割れることで独特な線状の模様ができたと分かった。
原論文より。線状の窪みの下には、水があるらしい。
なんと衛星写真と地球上での物理探査を組み合わせて、遠く木星の衛星の
謎を解いていたんですね。面白い研究です。しかもこの研究チームは日頃、
気候変動(地球温暖化)の研究をしているそうです。惑星学者ではなかった
ことも興味深いです。
さて、これが本当かどうかは、エウロパに探査機を送り込めばよいわけです。
そして氷をちょっと掘削すれば、そこにはなんと、、、!
こりゃ、地球外生命体の発見、すなわち「未知との遭遇」もそう遠い話では
ないですね。2050年頃かしら??(テキトーな推測です)。
様々な知恵・工夫・閃きのコンボ技が科学の謎を解く!という例です。
地球外生命-アストロバイオロジーで探る生命の起源と未来 (中公新書 2676)
- 作者: 小林 憲正
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2021/12/21
- メディア: 新書
地球は水の惑星ですが、太陽系の他の惑星や衛星にも「液体の水」は
ありそうだと言われています。液体の水があるということは、そこでも
生命が生まれて進化している可能性が考えられます。
5月2日の下記のニュースによりますと、木星の衛星「エウロパ」の地表付近
には液体の水があるらしいと、米国の研究グループが報告したそうです。
●木星の衛星エウロパ、地表浅部に水存在か 研究
https://www.jiji.com/jc/article?k=20220502042940a&g=afp
エウロパは氷で覆われた衛星です。画像は下記から。
(大量の水が存在する木星の衛星「エウロパ」の奇妙な模様の秘密)
https://wired.jp/2020/08/11/space-photos-europa-attempt-no-landing-there/
エウロパは分厚い氷に覆われていて、その下には大量の水があることが
これまでの探査機(人工衛星)のデータから分かっています(※注)。
しかもエウロパの(氷の下の)海の底では、海底熱水活動もあるらしい。
●エウロパの地下海に熱水活動の証拠
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11780_europa
地球でも海底熱水噴出地域では、光合成に頼らない生物達が独自の生命圏を
形成しています。こりゃ、エウロパ独自の生命がいる可能性大ですな。
※注:探査機に搭載された磁力計データから、間接的に水の存在が示唆されています。これは磁力計を使った受動的な電磁探査ですね。このように実際に穴を掘らずに地下を探査する技術を「物理探査」といいます。地球以外の他の惑星や衛星でも実施できるのです。
エウロパの氷はかなり分厚くて、水のある深さまで掘削するのは難しいだろうと
考えられていました。ところが今回の発見では、浅い部分に水があるらしい。
なので、ちょっと掘削するだけで、液体の水や生命と出会えるかも??と、
期待が膨らむニュースなわけです。
地球外生命体 実はここまできている探査技術 (マイナビ新書)
- 作者: 井田 茂
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2017/12/27
- メディア: Kindle版
では、この研究成果はどうやって達成されたのでしょうか?
※原論文はこちらです。
Double ridge formation over shallow water sills on Jupiter’s moon Europa
https://www.nature.com/articles/s41467-022-29458-3
今回は2つの発見を組み合わせることで、エウロパの地表浅部にも液体の水が
あるのでは?と予測できたようです。
発見その1:
エウロパ表面(衛星写真)に見られるたくさんの線状の模様が、
地球のグリーンランドでみられるものとソックリなことに気がついた。
原論文より。右が木星の衛星エウロパ、左がグリーンランド。似てますね。
発見その2:
グリーンランドの氷の下を地中レーダで可視化した結果、氷床表面から
約30m下に滞留する水があることが分かった。またこれが再凍結して
割れることで独特な線状の模様ができたと分かった。
原論文より。線状の窪みの下には、水があるらしい。
なんと衛星写真と地球上での物理探査を組み合わせて、遠く木星の衛星の
謎を解いていたんですね。面白い研究です。しかもこの研究チームは日頃、
気候変動(地球温暖化)の研究をしているそうです。惑星学者ではなかった
ことも興味深いです。
さて、これが本当かどうかは、エウロパに探査機を送り込めばよいわけです。
そして氷をちょっと掘削すれば、そこにはなんと、、、!
地球外生命 9の論点 存在可能性を最新研究から考える (ブルーバックス)
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/07/24
- メディア: Kindle版
こりゃ、地球外生命体の発見、すなわち「未知との遭遇」もそう遠い話では
ないですね。2050年頃かしら??(テキトーな推測です)。
未知との遭遇 40周年アニバーサリー・エディション(初回生産限定) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2017/10/18
- メディア: Blu-ray
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