東海に挑む−海底(11)

前の記事からの続きです。

昨日は豊橋沖海底へ海中ロボット（ROV）「ハイパードルフィン」を潜らせました。
そのときの様子を紹介しましょう。

　　ハイパー君の制御ルームの様子

たくさんの画面を見ながらパイロットはROVを操縦します。研究者も画面を見ながら
運航長やパイロットに「あれを撮ってください、これを取ってください」とお願いをします。
映像だけじゃなく、ソナーやパワーメータ、船やROVの位置の様々な情報も画面に表示
されます。とにかく一度見れば、海底観測の最近の進歩がよく分かることでしょう。

　　温度計（金属の棒）を地面にさそうとしてます。

ヒトデらしい生物が水深1300mの海底にたくさんいました。
ウニの仲間も画面右上にみえます。映ってないけど魚もいたよ。

　昨日の朝、潜る直前のハイパー君

バスケットに先程の温度計を取り付けてもらってるところです。
温度計は長さ1mほどの金属製。これをなんと、輪ゴムでバスケットにしばりつけます。
ROVを着水させたときや潜航させるときの水流では外れず、マニピュレータ（ロボット
アーム）で簡単に切れるような、ほどよい強さに止めることができるようです。輪ゴムは
海底観察で大活躍です。日本輪ゴム協会（あるのか？）から表彰されても良いほどです。

ハイパー君の「豪腕」マニピュレータも映ってますね。握力は700kgだそうですよ！しか
もかなりすごい動きをします。動画で取ったので下船後にまたお見せしましょう。

つづく。

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おまけ：
輪ゴムと同様に海底で大活躍するのが「スーパーボール」。
子供のころ、壁や地面にぶつけてポンポン跳ねさせて遊んだ、あのゴムボールです。
これは水に浮く上に、深海の圧力でつぶれません。ROVで持っていく観測装置に10cm
くらいの長さのロープでスーパーボールをつけておくと、マニピュレータで装置をつかんで
海底に置いたり、海底から回収したりするとき用のちょっとした浮きとして重宝します。
日本スーパーボール協会（あるのか？）から表彰されても良いほどです。
いや逆か。「海底観察に多大なる貢献をいたしました」ということで、本ブログでは、
スーパーボールと輪ゴムを表彰したいと思います。

※この記事の続きをよむには下記を御覧ください。
　http://obem.jpn.org/field056.html

コメント 4

ROVってこんなに深くに潜れるんですね。北大のは300メートルくらいしかいけないくらいです。(>_<)
by おしょろ (2007-05-03 00:58) 

- JAMSTECのROV「かいこう」は初代が10000mまで、2代目は
7000mまで潜れますよ。　＞　おしょろさん
来月、かいこう君と「お出かけ」予定です　（＾＾）

北大のROVはよく知らなかったのですが、水産調査用でしょうか？
http://www.hokudai.ac.jp/bureau/populi/edition09/special-2.html#p6
名前はあるのかなぁ？
by MANTA (2007-05-03 10:01) 

>北大のROVはよく知らなかったのですが、水産調査用でしょうか？

たぶんこれですね。
http://www.kwk.co.jp/marine/index/rov.htm
このROVは顧客にニーズに合わせてつくるためバリエーションが多いのが特徴です。私の会社でもこれを使っています。

日本で使われるROVの8～9割（根拠なしですが）は水産調査用かと思われます。
したがって、耐圧水深も500ｍまでのものが多いようです。
300ｍ潜るだけでも立派なものだと思いますよ＞おしょろさん。

ちょっと宣伝です。
もう終わってしまいましたが、3月に水中ロボットのイベントが開催されました。こちらのHPをご覧ください。
http://www.j-sco.jp/aquarobo/tatsumi/
参加作品の画像と動画
http://www.j-sco.jp/aquarobo/tatsumi/member.htm

もうひとつ。
今年もJAMSTECの一般公開でRC潜水艦のデモを行う予定です。
ぜひ見に来てください。（私は司会をする予定です汗）
by みきぱぱ＠きょうこん (2007-05-06 22:57) 

- おお、いろいろあるのですね。
JAMSTECにも小型のROVがあります。あまり使われないようですが、
写真をとりましたのでまた近いうちにご紹介をば。

一般公開のRC潜水艦、デモをまだ見たことは無いのです。
こっそり見に行きたいとおもいます（＾＾）
by MANTA (2007-05-07 07:49)