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働く人々 -乗船レポート三陸はるか沖(21) [ シリーズ実況 Old..]

さてディナークルーズで寄り道してしまいました。乗船レポートを終わらせましょう。
調査船ではたくさんの人が働いています。今日はそんな様子を一挙ご紹介。

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まずは海底観測装置の準備の様子。これは海底水温計。
海底に投入する直前の組み立て作業中にパチリ。ネジをしめて、ロープで止めて。
この装置もオモリを切り離して浮いてくるタイプなので手順を間違えないように。
間違えるとロープが絡んだりして、浮いてこなくなります!!ドキドキだ。

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場面かわって、毎朝の作業前のヒトコマ。「安全確認ヨーシ」と声をかけ、円陣の中を
”エア指さし確認”。こうして互いに声を出して、一日安全に作業できるように心がけます。

その横には投入直前の熱流量測定器(温度計)
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「今日も一日がんばろー」「オー」


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クルーズ [▼研究実況 Now!]

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いまからディナークルーズですわ
どんだけ船好きやねん(笑)

…というわけで、今日はプライベートで乗船です。
乗船するのは「シンフォニー東京湾クルーズ」です。
http://www.symphony-cruise.co.jp/

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出港する隣の船。我々の船もまもなく出港です。


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続アナログなヤツら -乗船レポート三陸はるか沖(20) [ シリーズ実況 Old..]

調査乗船は終わりましたが、エピローグとして乗船中の写真をご紹介。
まずは船の上で見かけたアナログなモノ達。

アナログといっても、歯車仕掛けやアナログ回路で作られているわけではありません。
中身は超ハイテクなのですが、なんとなく「これって懐かしい」と思わせる装置が船の上には
多く見かけられます。どこか古き良き大航海時代を感じさせる、というと大げさすぎですね。

人間はパソコンなどを扱うようになったとはいえ、所詮は目・耳・口・手先・足先で機械からの
情報を受けたり、機械に指示を出したりします。まして船は即断即決が必要な場所なので、
アナログメータや大きなレバー・ボタンなどで船の装置類を操作するのは当たり前に感じます。
そう考えれば、きっと普通の工場とか街角にも「アナログなヤツら」はたくさんいるんでしょうね。
あと鼻を使った情報授受はあまりしませんねぇ。。。がんばれ、鼻。

さて最初の1枚は、羅針盤
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電気式のコンパスで、中に磁石が入っているわけではありませんが、その外観は昔から
変わらないようです。これを使って、何度方向に併走する船あり!とか確認するようです。

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むろん双眼鏡も必要。レーダーだけではなく、目視でも状況確認するのは当然のようです。

船の向きを変えるには、操舵輪を使います。これも大航海時代と同じ。
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この操舵輪はブリッジ(艦橋)ではなく、後部操舵室のもの。
調査船「かいれい」は前だけでなく船尾にも操舵室があるのです。
ウィンチを使って海底へ観測装置を下ろしているときなどに使います。
そんな後部操舵室にライバル発見!

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帰路へ -乗船レポート三陸はるか沖(19) [ シリーズ実況 Old..]

乗船レポート、長らくのお付き合いありがとうございました。調査は無事に終了。
写真は本航海最後の潜航を終えて、浮上途中の無人探査機「かいこう」君を
待つ、調査船「かいれい」。いい天気で、海上のうねりもほとんどありませんでした。
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静かな水面と対照的に、船のほうではどでかいウィンチが頑張っています。
毎分70mくらいの速度で、かいこう君と調査船を繋ぐケーブルを巻き取っているのです。
「現在水深2000m」というアナウンスがスピーカーからたまに聞こえます。

その時のブリッジ(船橋)の様子。緊張感もありますが、穏やかな空気が流れ始めています。
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写っているのは船長と、かいこうチームの運航長です。船長が二人いるような状態です。

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海底到着 -乗船レポート三陸はるか沖(18) [ シリーズ実況 Old..]

…というわけで! 海底に着きました(ハヤッ!)


操縦盤の様子。数日前の火の入っていない状態とは雲泥の差ですね。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2008-09-09
周りは人もいっぱい。かいこう運航チーム、研究者、ときどき船長もお見えになります。
オペレーション中は緊張感満点です。特に、ランチャーとビークルの離脱・結合時と、
海底での作業時は緊張が走ります。

海底についてまず最初にしたことは、先日海中に投入した観測装置を探すこと。
音響ソナーとかで探します。まさしく「沈黙の艦隊」です。
探すこと30分、、、、ありました。


ちゃんと海底に座っておりました。また会ったね!
こうして自分が整備した装置と(映像越しとはいえ)海底で会うのはちょっと不思議な感じです。

「かいこう」は「しんかい6500」とは違って、テレビ映像でしか海底を見ることはできませんが、
その代わり、こうして画面を見ながら「ああでもない、こうでもない」と何名もの研究者同士で
議論できます。これが、無人探査機の一番のメリットですね。あとロボットだけに重作業向きです。

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海底装置のアップ。海底になにかたくさんいます。

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ナマコ!! センジュナマコです。水深5200m。
一見、動いていないように見えます。しかしあとでビデオを早送りしてみてみたら、
すごーくゆっくりと歩いていました。「キング オブ だるまさんがころんだ」です。
(関西的には「キング オブ 坊さんがへぇ こいた」)

ナマコ、かわいいです。今回の航海のマスコットになりました。
あ、映像だけですよ。ナマコ本体は採取していません。いまも海底で生きていることでしょう。
しかし考えてみれば、海底にはこれだけたくさんのナマコがいるんですね。
宇宙人がきたら「オウ、地球はナマコの星だ」と思いかねない勢いです。

さて、肝心の海底での調査ですが。。。失敗しました。今回は無人探査機「かいこう」君に
新兵器「人工電流送信装置」と「送信アンテナ」を搭載して、海中で電流を流しました。
この電流を、上の写真にある海底装置(海底電位差計)で受信できれば、海底の堆積物や
地殻の様子が分かります。無人探査機を使った試みとしてはたぶん世界初です。
うまくいけば、海底の活断層調査や金属鉱床調査に威力を発揮!のはずだったのですが…
残念ながら途中で人工電流送信装置の調子が悪くなってしまいました。
ああ… サポートして下さった方々に申し訳ないです。

黄色い「かいこう」君が「シッポ」(送信アンテナ)をつけて電気を流す様から
「かいこう君じゃなくて、ピカチュウ君だ」という話も潜航前にはございましたが、
まさか不発とは… 勉強仕直してきます。
とはいえ、ほんの少しでもデータを取ることができたのが不幸中の幸いでした。

くそ!来年こそ、成功するぜ!とリベンジを誓う私でありました。
まだつづくぜ。

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かいこう -乗船レポート三陸はるか沖(17) [ シリーズ実況 Old..]



前回の続き。
お待たせいたしました、出撃する”こいつ”、すなわち「ROVかいこう7000II」
です。水深7000mまで潜れる、世界唯一の無人探査機(ROV)です。

写真1枚目は「台車」から吊り上げられるところ。
「かいこう」君は普段は船の格納庫(でっかい!)に入っているのですが、
そこから船尾までは青色の台車(これまたでっかい!)でユルユルと運ばれていき
ます。船尾で、Aフレーム(クレーン)に吊り上げられて、いざ出陣!

写真2枚目は着水直前の「かいこう」君。ようやく全身が見えましたね。
「かいこう」君自身ももちろんでっかいので、着水直前と揚収直前にしか全身を拝
むことが出来ません。「かいこう」君の上半分は「ランチャー」といって、その下
のロボットっぽいところを「ビークル」と呼びます。ランチャーとビークルは海底
付近で分離合体します(正式には「離脱」と「結合」です)。

なぜ分離合体するのか? 水深7000mまで潜れる「かいこう」君に電気を送るには
太いケーブルが必要なのです。太いケーブルを引き摺りながら海底を右往左往する
のは難しい。そこで技術陣は考えました。
「船とランチャーの間は太いケーブルで繋いで、ランチャーとビークルの間は細め
 のケーブルで繋げば、いいじゃね? 動きやすいんじゃね?」

ということでかいこうシステムはランチャー・ビークル方式を採用しています。
さて次回はいよいよ海底の映像です。
つづく。

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出撃だ! -乗船レポート三陸はるか沖(16) [ シリーズ実況 Old..]



乗船レポートの続きです。
さあ、出撃です。”こいつ”の場合は「発進!」とか「出撃!」という言葉が
似合います。写真1枚目は、格納庫から船尾の甲板へとせり出していくところ。
脳内BGMはウルトラホーク発進のテーマでお願いします。
(若い世代は置いてけぼり)

写真2枚目は、お顔のアップ。結構キュートな顔をしています。
さてと、これから水深5400mの世界まで参りますか?
Here, We Go!
つづく。

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嵐の前の -乗船レポート三陸はるか沖(15) [ シリーズ実況 Old..]



乗船レポートの続きです。
調査も大詰め、いよいよ”こいつ”の出番になりました。

写真はまだ静かな”こいつ”のコクピット。すべてのスイッチが切られていて、
たくさんのブラウン管にはなにも映っていません。この静かなコクピットから、
新たなドラマが展開される、というのは多少大げさかな?

写真2枚目はコクピットの拡大。操縦桿が写ってます。
ボタンもたくさんあって、コクピットっぽい。
けど、なんかアナログチックなやさしい感じもしますね。
赤いボタンも気になります。これも緊急用のボタンなんだろうかな?

以上、静かに起動をまつコクピットからお送りしました。
つづく。

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ピストンコアラ -乗船レポート三陸はるか沖(14) [ シリーズ実況 Old..]



乗船レポートの続きです。
昨日はピストンコアラーを使って、海底の泥を採りました。
鉄のパイプを海底に突き刺して、海底の堆積物を採取するのです。
その様子を、こちらのページにアニメーションを置いています。
→ http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2007-05-26

写真の1枚目は、海底へ下ろす前のピストンコアラーです。先端方向から撮影しま
した。先端はビニール袋で覆って、異物が入ったりしないようにしておきます。
コアラーの全体の写真はこちらで紹介しております。
→ http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2006-03-03

ちなみにコアラーの重さは500kgくらい。重くないと海底に刺さりません。
揺れる船の上で、コアラーがこけたら大変。なのでロープで固定しておきます。
(ラッシングといいます) ロープに巻いてある白い布は「ここにロープが
あるので引っかかってケガしないでね」という目印。

また鉄のパイプが乗っかっている木星の台(写真左下)は「馬」と呼ばれています。
こういった愛称がついた道具を船の上では多く見かけます。
「馬」は今日も、4本足で鉄パイプを乗せています。

鉄パイプの中には塩ビ管が入っています。採取された泥は塩ビ管ごと引き抜かれて、
研究室「ラボ」で分析にかけられます(写真2枚目)。今回は1m長の柱状の泥(コ
ア)を3本ほど=海底面から2.5mの泥を採ることができました。コアの両端は泥が
空気にさらされないようにキャップをしてビニテ(ビニールテープ)を巻きます。
 海底面に近いほうは白いビニテ、より深い側には赤のビニテで巻く、と決まって
います。
なんで赤が下なんだろうか? 私の感覚では赤は太陽、白は海底の砂、なのですが
逆なんですね。昔に誰かが決めたルールが何十年と受け継がれているのでしょうか?

ちなみにテレビに写っているのは番組ではなくて、甲板の様子です。
ラボにいると外の作業の様子は分からないので、カメラの映像を映しています。
つづく。

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ようやく夕日 -乗船レポート三陸はるか沖(13) [ シリーズ実況 Old..]


毎日毎日、曇りかガスっぽい(霧っぽい)日が続きます。
陸地も天気はいまいちなのでしょうか? 秋の涼しさも到来でしょうか?

それでもごくたまに、また不鮮明ではあるのですが、夕日が見えることはあります。
写真はそんな1枚。「これで?」と言われるかもしれませんが、こんな夕日でも見
えるだけありがたいです。

さらに先ほど、船から夜空を見上げたら、、、、満点の星空!!
あまりに星が多くて、どれが何座かよくわかりません。
どうやら空高くに天の川を渡るはくちょう座に、琴座・わし座が見えるようです。
北の空にはおおぐま座はもちろん、こぐま座も見えました。
西の水平線には、三日月が沈みかけ。月の黄金色の光が水面に揺れています。
水面は「みなも」と読んでいただければ幸いです。

忙しい1週間がようやく終わり、久々に静かな夜を迎えた調査船でした。
つづく。

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海の男 -乗船レポート三陸はるか沖(12) [ シリーズ実況 Old..]



1週間のご無沙汰です。大丈夫、生きています。まだ船の上です。
あいもかわらず、三陸はるか沖で調査中。

いやー、この1週間は忙しかった! あまりこのブログでは「忙しい」と
言わないようにしていますが、いろいろあった1週間でございました。
その様子はオイオイとご紹介するとして。

今日の写真は、いつもの海底観測装置の投入の様子。十文字のアンテナ付きのヤツ
です。このアンテナを使って、水中に流れている電流を測ります(正しくは電場)。
地磁気も測定しますので、この装置のことを「海底電位差磁力計」といいますが、
長ったらしいので英語略称の「OBEM」で通っています。

写真1枚目は投入直前の吊り上げ状態。船尾(トモとよびます)で釣り上げて、
このあと徐々に水面へつり下げていきます。装置が海水に半没したあたりで
ロープを引っ張ると、フックが開いて装置は水の中へと消えていきます。

写真2枚目はその瞬間!
右側の船員さんがフック開放のロープを引っ張っています。
頼もしいですね。海の男といった感じです。
これらの船員さんの経験と力で、海の研究は支えられています。
感謝、感謝。

まだまだつづくよ。

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