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マリアナ釣り紀行? ~ねむい~ (7) [ シリーズ実況 Old..]

乗船レポートの続き。


前の記事で回収した装置。海水がついたままだと錆びるので清水で洗い流します。
さながらシャンパンシャワー。


嬉々として水を浴びせかけているアメリカ人技術者。今回のアメリカ人メンバー4名のうち、前回の装置設置と今回の回収の両方に参加したのは彼だけ。喜びと安堵感もひとしおでしょう。

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マリアナ釣り紀行? ~回収つづき~ (6) [ シリーズ実況 Old..]

乗船レポートつづきです。

浮いている装置に船を近づけます。ここが船長の腕の見せ所。なにせ4000トン級の船を自
在に操るのですから。

船に近づいた装置。船員さんが竿を伸ばして、装置を引っ掛けようとしています。
船員さんの体が目いっぱい伸びているのが分かります。おちそう!

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マリアナ釣り紀行? ~回収の様子~ (5) [ シリーズ実況 Old..]

乗船レポートつづきです。

では先ほどのアニメーションのように装置を釣り上げて回収してみましょう。
まず、船のブリッジの一角にある「指揮室」で船の底に備え付けられている超音波発振器
(トランスデューサ)と、超音波の発生装置を接続します。船の底で超音波を出すんです
が、ブリッジで操作をするんですよね。

準備ができたら海底の装置に向けて超音波信号を送ります。
  ビヨビヨビヨ… = 生きてるか〜?(超音波信号ってだいたいこんな音)
待つこと数秒、海底から返事が返ってくると一安心。海底に装置があることが確認されました。

次におもりの切り離し指令を超音波で送信。
  ビヨービヨービヨー… = あがってこい〜
これでおもりが切り離されるはずです。
おもりの切り離し方法にはいろいろありますが、多少時間がかかる場合があります。
待つこと10分… この時間が一番いやですね、私は。

指揮室でどきどきしているオーストラリアの研究者たち。

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マリアナ釣り紀行? ~今回のえもの~ (4) [ シリーズ実況 Old..]

乗船レポートつづきです。

さて今回の「釣り紀行」、いったい何を釣るのでしょうか?
残念ながら生き物ではありません。海底で9ヶ月もの間、人知れず観測を続けてきた観測
装置を「釣り上げる」のです。

装置の数は全部で47台! 内訳は
・アメリカから16台
・オーストラリアから14台
・日本から17台
です。

これらが水深3000m〜6000mくらいの海底に設置されたのは昨年12月の話。
「設置」といってもクレーンを使って、装置を船の上から水中へ下ろすだけ。
クレーンのフックを解放すると、装置そのものが重たいので、あとは勝手に海底まで沈んでいきます。
ブクブク…

さてこれをどうやって釣り上げるのか?
アニメーションにするとこんな感じ。

グルグル繰り返し再生してます。海中に魚も装置も船もいないところがスタートです。
まあボーっとみてやってください。

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マリアナ釣り紀行? ~回収開始~ (3) [ シリーズ実況 Old..]

さて乗船レポートつづき、出港編です。

グアム出港ですから、まる1日もかからずに調査海域に着きます。
その間に、船上生活のミーティング、調査内容のミーティング、機材の整理などなど…
忙しくすごして早朝5時からの調査に備えます。

今回のミッションは、海底に設置した装置の回収。この装置、地下400kmくらいまで調査
できるすぐれもので、去年12月に海底に設置されました。(このときのやつね)
この間、9ヶ月。人知れず、黙々と海底でデータを取った装置を今回の航海で回収するのです。

どんな装置か、まずは外観のみお見せしましょう。

海底から水面まで浮いてきた装置。十字の腕が特徴的です。

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マリアナ釣り紀行? ~グアムにて~ (2) [ シリーズ実況 Old..]

さて乗船レポートつづき、グアム編です。
グアムで乗船するときにやっかいなのは、グアムの街「Tumon」から、グアムの港である
「Apura港」までが遠いこと。車で約30分。タクシーで移動することが多いのですが、料
金を結構とられるので、今回はグアムの船舶関係の代理店に送迎をお願いしました。有料
ですが、ちょっと安めです。料金交渉でもめることもありません。

代理店への連絡は私が担当。ホテルに着いたら代理店に電話して明日の送迎の確認をしま
した。英語での電話はいつも緊張します。つたない英語がなんとか通じたみたいで翌朝ホ
テルまで迎えに来てくれました。


無事にたどり着いた港に停泊中の調査船「かいれい」です。ここまでたどり着
くといつもホッとします。しばらくお世話になる「我が家」です。ちなみに空が真っ黒な
のは夕方だからです。夕方にはいつも一降りあるのです。スコール?

さてまもなく出港。過酷な仕事が待ち受けています…

おまけ:

グアムで見かけたカタツムリ。でかい!

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※この記事の続きをよむには下記を御覧ください。
 http://obem.jpn.org/field042.html

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マリアナ釣り紀行? ~グアムへ~ (1) [ シリーズ実況 Old..]

しばらくお休みをしておりましたが、みなさまいかがおすごしでしょう? > 誰となく

私は実はいまは海の上、調査船「かいれい」に乗船中でございます。これから数日間、調
査船からのレポートをお送りしてみましょう。記事内容には若干時間遅れがありますが、
まあおゆるしください。

さて、今回の調査海域は「マリアナ」です。あまり聞きなれない方もおられるかもしれま
せん。日本の南方、グアムを含む島々をマリアナ諸島とよんでいます。あ、案外「グアムっ
てどこ?」って人は多いようですね。私も昔そうでした。Google Mapなどで一度見てみてく
ださい。

調査の内容や目的はぼちぼち紹介するとして、まずは今回の旅路のはじめ、グアムから。

飛行機で約4時間、けっこう近いです。まずは飛行機を降りたところで写真をパチリ。
空が青いです。

とりあえず腹ごしらえ。

グアム観光の中心地、Tumon。日本人がたくさんいました。
が、まわりには日本のファミリーレストラン系イタリアンとか、米国のステーキチェーン店とか。
うーむ。個人的には米国の牛肉を食べてみたい気もしましたがやめました。
10人くらいでぞろぞろ歩いて入ったのは小さなレストラン。Tumonのメインストリート沿
いに南西に歩いていって、Holiday Plaza Hotelの斜め向かいにあります。通り沿いのカ
ントリー調の小屋。内装は中華っぽい?で、でてくるのはタイ料理。だけどベトナムっぽ
いものもでてくる。まあ、ある意味グアムらしいインターナショナルさですね。

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味? 実はおいしかった。またいきたいです。
つづく。こんな感じでだらだらやりますよー > 誰となく

※この記事の続きをよむには下記を御覧ください。
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月にはナゾの模様がある [▼科学ニュース New!]

先の「月面!クラッシュ」の新聞WEB記事からたどっていって、次の記事を見つけました。

「正体不明、月の渦模様」(アストロアーツ)
http://www.astroarts.co.jp/news/2006/07/04lunar_swirl/index-j.shtml

なんでも、月にはコーヒーに浮かべたクリームのような渦模様があるそうで、これは小型の望遠鏡でも見えるくらいデカイらしい。むかしはクレータのようなでこぼこがあってその影なんだろうと思われてましたけど、クレーターとは関係なくて、ほんとうに「模様」があるらしい。

しかもこのナゾの模様のところでは、磁場が強いそうです。
惑星の磁場の原因は大きく分けて次の2つ。
1) 惑星表面の岩石が弱い磁石になっているため
2) 惑星中心付近(コア)で液体状の高温金属がグルグル回って発電しているため
月は小さいため、月の内部はすっかり冷え切ってしまって、2の液体状のコアはないと考えられています。その証拠に月は全体としては磁場が弱いのです。渦模様のところの磁場は月の表面の岩石の分布を示しているのでしょう。

となると…
・なぜ渦模様状態で月の岩石が分布するのだろう?
・いつできたのだろう?
 いまは月の磁場は弱いので、最近生まれた岩石は磁石にはなりにくい
 (クリップは、棒磁石にくっつけてはじめて磁石になる)
 月がまだアチアチで、液体状のコアがあり、強い磁場を持っていた頃にできた模様なのだろうか?
 古いねぇ…

なぞですねえ。

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17世紀にガリレオもひょっとしたらみたかもしれない月の模様。
まだ解けないナゾなんてそこらへんにあるもんですね。

私にとってのナゾのひとつは、
「巨大地震は青森・岩手沖ではおきるのに、すぐ南の福島・茨城沖ではなぜかおきない」
だれか答えを知ってたらおしえてー。
…しかし最近、海のニュースより宇宙のニュースのほうが多いなあ…


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月面クラッシュ! [▼科学ニュース New!]

先日こんな見出しの記事をみました。

●月面クラッシュ!無人月探査機「スマート1」
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060904-00000002-san-pol
またなんか失敗したのか!とおもっちゃったけど、今回は役目を終えた無人の探査機(衛星)を計画通りに月面にぶつけたんですね。なんか荒っぽいようですけど、舞い上がった岩石の組成を地球や宇宙空間の望遠鏡から観察するそうです。生物がいない月だからこそできる大実験です。

こちらに「スマート1」のイラストがあります。
●ブログ「(特)総合防衛分室」さん
 http://blog.goo.ne.jp/vfr800fi_blue/e/243450983d7c7fe136eb4b8663379b7d

ちなみに衝突時の写真はこちらです。
●カナダ・フランス ハワイ望遠鏡
 http://www.cfht.hawaii.edu/News/Smart1/
明るく光っていますが、どうやら残っていた燃料が爆発したらしい。あらら。使い切ってなかったの? これじゃ、舞い上がった岩石の組成を調べるのは無理そうだし、月の地下に氷はあるのか?なんてのもわからないねえ…

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日本沈没 回答編7(おわり) [ 連載 Old..]

コメントへの回答のつづき、やっと完結です。
そういえば、日本沈没、韓国でも公開されるそうですね。外国での反応はどうなんでしょうね?
http://ameblo.jp/k-singer/entry-10016256648.html

Q.JAMSTECが協力してるからには、ある程度は(←ここがポイント?)、科学的に正しいんですよね?

空間か時間か、どちらかのスケールがおかしいだけで大体あっているとおもいます。

<時間スケールが正しい沈没の例>
日本全部を1年という短期間で沈めるのは無理ですが、ある狭い地域だけを沈めるのはもっと短時間で可能です。断層運動による地殻変動(数m)や津波(短期間ですが数十mにおよぶ)に地球温暖化による海面上昇が加われば、平野の大都市は一部は大地震とともに沈みます。
現に南海地震の際、高知市は地震による平野部の沈降と津波のため、街から水が引くのに1ヶ月かかったそうです。
●高知地方気象台ホームページ
http://www.osaka-jma.go.jp/kochi/jisin/jishin.htm

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日本沈没 回答編6(エンディング) [ 連載 Old..]

前回の回答編に質問いただきました。いつまでも続くこの企画です。

Q.私は映画のエンディング、すなわちあの方法でどうして日本沈没を防げるのかの方が疑問です。
1)仮に日本沈没があのストーリで起こるとして、太平洋プレートを壊せばそれを本当に 止められるのか?
2)仮に止まるとしてプレートを壊すのに必要なエネルギー量は?(必要な弾薬量は?)
3)その結果、予想される津波などの被害は?

というご質問が、ある研究者より寄せられました。さすがプロ。質問が具体的ですね。だからこそ、お答えしやすかったりします。

1)太平洋プレートを壊す=巨大地震と考えれば良いでしょう。巨大地震かそれに相当する破壊を起こしてやれば日本列島は太平洋プレートなどに引きずり込まれなくなるはずです。
日本列島には東から太平洋プレートが、南からはフィリピン海プレートが押し寄せています。太平洋プレートと日本列島の境界(日本海溝など)の長さは大雑把に見積もって1500km、フィリピン海プレートと日本列島の境界(南海トラフなど)もだいたい1500kmくらい、あわせて3000kmくらいです。2004年にスマトラ島沖で発生したマグニチュード(M)9.3の地震では、プレート境界が長さ1300kmほどにわたって破壊したと考えられています(スマトラ島沖地震 Wiki)。ちなみにこれは東京から熊本までの線路の長さとほぼ同じ!
ですからM9ぐらいの地震が3個程度おきれば、日本列島と沈み込むプレート達を断ち切れます。すべて同時に起きればM9.6くらいになります。ありえないかというとそうでもなくて、1960年チリ地震はM9.5です。

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南国高知 [▼研究実況 Now!]

昨日は室戸沖海底ケーブルの陸上局にはじめていきました。高知大の方々とともに。
このケーブルのデータを共同で解析して防災や漁業に役立てれんかなーと相談したの
でした。M先生、Kさん、Nさん、ありがとうございます。
いい天気でしたが台風のせいか、波が高い。紹介したかったんですがこのPHSでは一枚
も撮影しとらんかったよ…
代わりに高知大キャンパスを撮影。空にのびゆくパームツリーだ。南国やなぁー


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空港 [▼研究実況 Now!]

今日は高知です。羽田空港きれいになったなあ。最近はチケットレスなので楽だし。
海もみえるし。
ふとみたら沖に白鳳丸がいたよ


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日本沈没 回答編5(地球温暖化) [ 連載 Old..]

もういっちょ、つづきです。

Q.テクトニクスで沈めるよりも、海水面上昇で沈めた方が、簡単?

地球温暖化、ですね。実は私もよく知らなかったのでちょっと調べてみました。

なるほど、ヒマラヤの氷河はけっこうな速度で解けているようですね。
こちらに写真がありました。
●名古屋大学大学院環境学研究科雪氷圏研究グループ
 http://snowman.hyarc.nagoya-u.ac.jp/Research/Nepal/HV/rs1.html

ただ地球温暖化による海面上昇では日本を沈めるにはいたりません。
現在のグリーンランドと南極の氷床が溶けると、海水準はおよそ80mを上昇するそうです。
海水準変動 Wiki
Wikiページには具体的な算出方法は示されていませんが、地球上の氷の総体積と海の総面積から、概ね計算できます。
●氷山と水位と地球環境((株)アープさん)
 http://www.arp-nt.co.jp/rensai/index-sono2.html
これによれば、海水温上昇など複雑なことを考えない場合、70mほど上昇するようです。

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日本沈没 回答編4(水蒸気爆発、周りの国々) [ 連載 Old..]

およせいただいた映画「日本沈没」へのコメントに対する回答集、まだつづいてます。
ついてきてますかー!(誰となく)
実は私も、もう映画を忘れ気味なのですが、はじめてしまったのでしょうがありません(苦笑)

Q.地下水と地震の関係で、「地下・水蒸気爆発要因説」なるものを聞いたことがありますが?

ご質問の説は、火山の非常に浅いところであれば起きますが、地下深くでは起きません。

20世紀はじめ、地震の発生要因は複数あって、地震に種類があるように考えられていました。
 「地滑りによる地震」          ←地滑りで落ちてきた土砂が地面を揺らす?
 「マグマの急激な貫入による地震」  ←これかなあ?水蒸気爆発要因説
 「断層運動による地震」        などなど…
1950年代になって地震計の観測網が整備されてくると、地震の"揺れはじめ"に規則性があることが分かってきました。

  断層を境にして、地面が下から「突き上げ」られて揺れはじめる地域と
  「突き下げ」られて揺れはじめる地域が規則正しく分布します

図を見て分かるように、この規則性は「断層が急速に動いたため」と考えると説明できます。
こうして「地震は断層運動によって発生する地面の振動だ」と分かったのです。
詳しくはこちらの本の第0章をご覧ください。

地震と断層

地震と断層

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京大学出版会
  • 発売日: 1994/10
  • メディア: 単行本


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