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マリアナ釣り紀行? ~今回のえもの~ (4) [ シリーズ実況 Old..]

乗船レポートつづきです。

さて今回の「釣り紀行」、いったい何を釣るのでしょうか?
残念ながら生き物ではありません。海底で9ヶ月もの間、人知れず観測を続けてきた観測
装置を「釣り上げる」のです。

装置の数は全部で47台! 内訳は
・アメリカから16台
・オーストラリアから14台
・日本から17台
です。

これらが水深3000m〜6000mくらいの海底に設置されたのは昨年12月の話。
「設置」といってもクレーンを使って、装置を船の上から水中へ下ろすだけ。
クレーンのフックを解放すると、装置そのものが重たいので、あとは勝手に海底まで沈んでいきます。
ブクブク…

さてこれをどうやって釣り上げるのか?
アニメーションにするとこんな感じ。

グルグル繰り返し再生してます。海中に魚も装置も船もいないところがスタートです。
まあボーっとみてやってください。

手順その1:まず船で海底にある装置の近くまで行って、超音波信号で呼びかけます
  船 :「生きとるか〜?」
  装置:「生きとるよ〜」
  船 :「寒いやろ、ぼちぼち上がってこいや〜」
  装置:「あーつかれた、そうするわ〜」

 まあ関西弁のやり取りのわけはないのですが、こんな内容の超音波通信を行います。
 すると海底の装置は、くっ付いていた「おもり」を切り離します。あら不思議、
 身軽になった装置が浮いてくるではないですか(っていうかそういう風に設計してるんですけどね)

手順その2:船は装置が浮き上がってくるのを待ちます。
 これが結構たるい。装置は前回の写真のようにチョイおおきめですので、浮いてくるのに
 時間がかかる。1分間に数10mずつしか浮いてこない。
 とくにアメリカの装置はのんびりあがってきます。1分間に20mずつ浮いてきます。
 仮に水深6000mだとして、6000÷20=300分! なんと5時間も待ち時間がかかります。
 なんでや!もっと「浮き」つけとかんかい!

手順その3:海面まで浮いてきた装置をクレーンで吊り上げます。
 海面に浮いた装置を探します。発見後、船ですぐさま近づき、装置にロープを引っ掛けて
 クレーンで回収します。

というわけで、検索サイトからお越しいただき、カジキマグロやダイオウイカを釣り上げる様を期待された方、すみません。でも研究者は海でこんなものも釣ってるんです。まあお付き合いください。
つづく。

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※この記事の続きをよむには下記を御覧ください。
 http://obem.jpn.org/field042.html

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アメリカジンデース

ウチラノワルクチイワントイテヤー
マターリイコマーイ
by アメリカジンデース (2006-09-30 09:57) 

MANTA

- ナゴヤベンノアメリカジンナンテ、オラヘンデー
by MANTA (2006-10-03 18:16) 

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