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ターンテーブルとマフィア [▼研究実況 Now!]

昨日TVを見ていたら、某お台場テレビの番組で、俳優の長門裕之さんがこんなことを言っていた。

芸能界は(レコードプレーヤーの)ターンテーブルみたいなもの。真ん中にいる人は居心地はいい。端のほうにいる人はとばされないようにしっかりとつかまっていないといけない。

うまいことをいう。科学の"業界"も似たようなものだ。おかしなもんで、科学という一種の哲学の世界でも、流行廃れは確かにある。その時流を捕まえた者は地位を約束され、予算を獲得し、多くの仲間を得る。そうでない者は、科学の世界に置いていかれないように、可能な限りのスピードで追いかけるのだが、その距離はなかなか縮まらない。従来はそんなメインストリームから離れた研究者でも生きていく事はできたのだが、最近は科学界のターンテーブルの回転スピードは上がる一方で、端のほうでしがみつくことで精一杯になっている。

こういうご時世になると、研究分野としての生き残りに全力を傾ける集団も出てくる。そんな集団を、私は心の中で「マフィア」と呼んでいる。"ファミリー"の保身のみを第一に考える集団である。かつてそんな彼らの研究集会に参加してみたが、「予算をいかに確保するか」と「研究環境を以下に守るか」の話しか出ない。学問として何が問題で、それをどう解こうか?という議論にはたどり着かない。あるいはどうやって一般社会へ啓蒙したり、若い研究者を確保するか?といった話をふってみても「金と家がないと子は養えない」といわんばかりである。私自身は"科学は国民の未来のためにある"と信じているが、科学者自身が自分の未来を語れなくなったら終わりである、と思う。世の中「マフィア」な科学者ばかりではないが、しかし「マフィア」な方々こそターンテーブル上で生き残っていけるのかもしれない。

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