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査読とは(6) ~論文掲載の可否~ [ 連載 Old..]

シリーズ連載「査読とは」、今回を含めあと3回です。

査読者から査読結果が返送されれば、編集者の重要な仕事が始まる。まず査読結果が妥当かどうかを編集者が判断する。前々回前回に述べた点を査読者が留意しているかどうかをチェックする。再査読時(1度目の査読結果を元に著者が修正した原稿をもう一度査読する時)には、注意点が一つ加わる。原則として、1度目の査読で指摘しなかった事項を再査読時に新たに指摘してはいけないのだ。査読者と著者のやり取りを重ねて最終的によい原稿ができることが大事ではあるが、こうしないといつまでも査読が終わらず、査読者も著者も編集者も疲れ果ててしまう。

査読結果が妥当で、その判定結果が掲載可ならば、編集者は著者へ査読結果を送付し原稿受理の連絡をする。これで編集者の仕事はほぼ終わりである。あとは著者と事務局(印刷所)間で最終原稿の取り交わしや初稿のチェックなどを進める。一方、判定結果が要修正ならば、著者に査読結果を送付し修正箇所を連絡する。査読者が匿名の場合は匿名性を維持するよう注意する。最近は査読結果が電子ファイルとして送られてくることも多いが、査読者の使用ソフトによってはファイルの作成者名や会社名がファイル情報として残っている場合がある。このファイルをそのまま著者に送ってしまうと査読者名がもろバレである(実際私自身が論文を投稿した際に匿名査読者を知ってしまったことがある。知った側もなんとなく後味が悪い)。編集者は査読結果のファイル情報を必ずチェックしよう。学会によっては編集者が匿名の場合もあり、同様の注意が必要である。

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