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乗船レポートPHS:海底装置(6) [ シリーズ実況 Old..]

さて今回のミッションは、フィリピン海に海底装置を14台設置すること
です。装置は黄色い球が目印で、「乗船レポートPHS:調査準備(3)」で
少しお見せしましたが、完成型はこちら。

  これね。OBEMと呼ぶのだ。

ヘリコプターのように、十字に開いた灰色の「羽」が特徴です。
この羽はアンテナです。ほら、人工衛星とかでも羽を開いたような
やつがあるじゃないですか? あの海底版と思って下さい。
アンテナを使って測るのは、電気や磁気。海底にこの装置を1年間
置いておいて、海水中を流れる微弱な電気や磁気の変化を測ります。
この装置を「海底電位差磁力計(OBEM)」といいます。
それでなにがわかるかって? その辺の難しい話はまた今度。
あわてない、あわてない。

エレガントに「羽」などといってますが、塩ビのパイプの先にセンサーが
付いたような簡単な仕組みです。羽1本の長さは大体2m。
差し渡しでおよそ5m幅です。これをクレーンで吊り上げて、
海水につけたらそのまま落とします。装置は水に浮かないので、
そのまま海底まで落ちていきます。
1分間に大体40mのスピードでゆっくりと沈んでいくのです。

この羽ですが、研究者たちは普段は「腕」と呼んでいます。
一方、調査船の船員さんは「足」と呼ぶことが多いです。
(船乗りにとってはタコやイカやクラゲの足に見える??)
ですが今回のレンタル船の船員さんたちは、なぜか「羽」と呼んでいます。
その発想はなかったわ。
私もこれからはエレガントに「羽」と呼ぶことにします。
黄色い球の中には耐圧ガラス球、さらにその中には記録装置と
バッテリーが入っています。これで1年間、深海で記録し続けます。
がんばってねー!

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まだまだつづく。

※この記事の続きは下記をご覧下さい。
 http://obem.jpn.org/field040.html#AM07
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