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乗船レポート(3) 〜海底装置〜 [ シリーズ実況 Old..]

今回は「海底電位差磁力計」を投入しました。Ocean Bottom Electro-Magnetometer、略
してOBEMと呼んでいます。これは海底で磁気や電気を測定して、地下の電気の流れやすさ
を測定する装置です。これによって以下のようなことが分かります。
・メタンハイドレートの分布(メタンハイドレートは高い電気抵抗を示すので)
・プレート境界周辺の地下水の分布(地下水は岩石に比べて電気を通すので)

1番目は、将来の資源開発に役立ちます。米国ではすでにメタンハイドレート調査にOBEM
が使われ始めているようです。負けるものか!という気持ちです。OBEMの設置点にはメタ
ンハイドレートの掘削孔があり、掘削結果と比較できるので試験する場所としては最適で
す。

2番目は、いわゆる「東海地震」と関係しています。先に述べた掘削孔のずーっと真下が
偶然にも、東海地震の想定震源域なのです。ここはフィリピン海プレートと日本列島(ユー
ラシアプレート)がくっついている場所で、時たまズレる=巨大地震発生するのです。こ
のプレートのズレは、地下の水の分布と関係があるのではないか?と仮説を立て、電気を
使って地下深くの水の分布を探ろうというわけです。

え?二兎を追うもの一兎も得ず?うーむ… まあそういわず、がんばってみます!

写真1:OBEMを投入作業場所まで移動中。そろりそろり。
写真2:投入直前のOBEM。黄色いのがガラス球(浮き)。この中に記録計などが入ってい
ます。磁力計はガラス球左横のアルミ製円筒容器内です。十字のパイプは海中での電位差
測定用のアームです。

※この記事の続きをよむには下記を御覧ください。
 http://obem.jpn.org/field044.html
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乗船レポート(2) 〜目的〜 [ シリーズ実況 Old..]

さて今回の調査では"ターゲット"がいくつかありますが、その一つが海底下の「メタンハ
イドレート」です。メタンハイドレートは海底下の低温・高圧条件でできる特殊な「氷」
ですが、その中にメタンを大量に閉じ込めています。火をつけると燃えながら溶けるとこ
ろから、別名「燃える氷」と呼ばれています。

東海沖の海底にはメタンハイドレートが眠っていることが、石油天然ガス・金属鉱物資源
機構の調査によって明らかになっています。メタンハイドレートは普通の堆積物よりもずっ
と高い電気抵抗を示すことで知られています。そこで海底に微弱な電流を流してみて、海
底の電気抵抗を調査して、メタンハイドレートを探そうというわけです。今回活躍する装
置は2種類です。
・昨年夏に完成した新兵器「海底電気探査」で地下浅いところのメタンハイドレート調査
 (10日ほど前の写真の「新兵器」とはこのことです)
・1年前に完成した「海底電位差磁力計(頭文字をとってOBEMといいます)」
 を海底に設置して、地下深いところのメタンハイドレート調査
これらの詳細はまたおって紹介しますね。

実はこの調査、同様の測定装置を使って昨年夏に日本海で実施してます。幸運なことに、
前回は海底の下のメタンハイドレートを捕まえることができました。この発見は、21日に
新聞などに掲載されました。(Yahoo!ニュース>トピックス>サイエンス>代替エネルギー
でも見ることができます)。またプレス発表の内容詳細はJAMSTECのホームページでご覧
いただけます(http://www.jamstec.go.jp/からすぐたどれます)。
今回もうまくいくといいのですが、あいては海と地球ですから何が起こるかわかりません。
まずは安全第一。

写真は昨年夏に日本海で取れたメタンハイドレート。まっしろ。氷ですが炭酸みたいにメ
タンの泡がでてます。

※この記事の続きをよむには下記を御覧ください。
 http://obem.jpn.org/field044.html
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乗船レポート(1) 〜準備〜 [ シリーズ実況 Old..]

以前予告いたしましたが、現在は調査船に乗船してます。船の上からメールで書き込みを
しますので、調査の雰囲気が伝われば幸いです。

今回の調査エリアは東海沖です。私は御前崎から乗船しました。御前崎って大きな港だっ
たんですね。はじめて行きました。調査船は港には着岸せず、代わりに小型のモーターボー
トに迎えに来ていただきました(交通艇といいます)。

写真上は調査船の甲板です。広いでしょ?この船は特別に甲板が広いので、一つの航海で
いろんな調査をすることができるのです。今回も海底を観察したり、堆積物を取ったり、
海底観測装置を設置・回収したり、いろいろやりますよ。

写真下は耐圧容器の整備の様子。金属製容器の場合は、Oリングというゴムのわっかをフ
タにつけてこれで浸水を防ぐのです。思ったより原始的ですが確実です。
(しかしちょっと散らかりすぎですね… 反省)

※なお、船上ではWEBは見れませんので、コメントやTBへは当面対応できません。
あらかじめご了承ください。

※この記事の続きをよむには下記を御覧ください。
 http://obem.jpn.org/field044.html
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