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博士になるには [ 科学コミュニケーション]

連載「科学コミュニケーション」の趣旨とはちょっと違うんですが、
今日は「博士になる方法」について少し書いてみます。

さて、受験シーズン到来。大学だけではなく、大学院の入試の時期でもあります。
教員もその準備に向けて、あわただしい毎日です。当大学の工学部の場合、大学院
修士課程(2年間)への進学希望者はとても多いです。所属学部生のほとんどは大学を
卒業後、修士課程に進学します。一方で、大学院博士課程(修士を終えてからさらに3年間:
修了後にはあこがれ(?)の「博士号」を貰える)に進学しようという学生は少ないです。
なんで少ないのかなぁ? お茶を飲みながら、ちょっと考えてみました。

まずは私の育った理学部の場合。修士が終わると、二者択一が待っています。
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ようするに大学などで基礎的研究を続けたいのであれば、青矢印のように

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名物は一つでよい? [ 科学コミュニケーション]

一般向けのセミナーで研究内容を発表したり、研究予算への応募書類を書くときに、
なにをアピールすればよいかいつも悩みますが、最近はある「やり方」を決めています。

そうですねぇ、、、ひとつ、例え話から始めましょうか。
あなたが遠くにドライブに出かけたとします。そろそろお昼時。お腹が空いてきました
ので、道沿いのレストランに入りたいと思います。できれば地元の名物を食べたいですね。
でも車で走りながらだと、どのお店がよいかじっくりと考えるわけにはいきません。
そうこうするうちに、道の両側に2軒のお店が見えてきました。

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片方は「手打ちそば」の看板のみ。もう片方は、和洋中、、、さまざまな料理の看板。
さて、あなたはどちらのレストランに入りますか?

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科学の功罪 [ 科学コミュニケーション]

昨日、ある駅前を歩いていた。私はロータリーの向こう側の地下鉄入口に行きたいのだが、
真っ直ぐには行けない。写真にあるエスカレータに乗って、ロータリーの上の大きな歩道橋
(広場)を通って、反対側のエスカレータを降りないといけない。

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屋外型エスカレータは普通のよりメンテナンスが大変そうです。

まあ別によいのだが、地上を歩いても地下鉄入口に行けるようにしてくれたら、
エスカレータを登り降りしなくてよくなるし、一日中エスカレータを動かし続けるのも
なんか無駄な気がする。。。でも一方では、「ロータリーに侵入してくる自動車から
歩行者を守る」という大事な目的もありそうだ。あとエスカレータがなければ、往来が
なくなりそうなので、ロータリーに面するデパートなどの経済活動にも影響を与えそうだ。

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まあこんな感じに、とかくいろんなことには良い面と悪い面というか、功罪というか、
あちらがたてばこちらが立たずという場面が多い。
科学についても同じであろう。しかし、ついどちらか一面しか強調されないことも多い。

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言葉遊びとコミュニケーション [ 科学コミュニケーション]

まずはこちらの文章を読んでほしい。
「こんちには みさなん おんげき ですか?わしたは げんき です。
この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか
にんんげ は もじ を にしんき する とき その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば
じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて
わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。
どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?」
(ITmedia「確かに“読めてしまう”コピペに2ch住人が「人間すげー」と驚く」より)


読めましたか?きっと読めたことでしょう。私は笑いながら読みました。
どうやら人間は自分がよく知っている単語であれば、その単語がきちんと書かれて
いなくても文章を理解することができるようなのです。人間って、凄いよね!
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  ビバ!シナプス!

ではこれが英語だったらどうでしょうか? 元ネタは英語なのです。

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わかりやすいプレゼンのお手本 [ 科学コミュニケーション]

不定期連載「科学コミュニケーション」の第2回目です。
科学セミナーやら、サイエンスカフェやらに出てみると、講師の先生が
一生懸命にご自身の研究の話をしてくださっているのですが、つまるところ
「なぜその研究がとても大事なのか?」がわかりにくい場合があります。

これは科学コミュニケーションに限らず、通常の研究の場でもしばしば起きます。
たとえばつい先日まで、卒業論文や修士論文に追われている学生の
プレゼンを多数見ましたが、わかりにくいプレゼンもしばしば。
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そのグラフはなぜ大事なの? っていうかなんの役に立つの?

しかしつい先日、お手本のようなプレゼンを見ることができました。

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科学技術と生きてみる [ 科学コミュニケーション]

まずは異なる撮影者による、3枚の写真をご覧ください。
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ただの紙コップですが…

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近づいてみたり…

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角度を変えてみると、見え方や役割がずいぶん違って見えます。

写真を撮るとき、対象物をためつすがめつして撮影しますね。
芸術の世界では一つのモチーフをいろんな目線で何度も描きなおすのは当たり前。
そうして多くの人に楽しんでもらえる作品ができあがります。
では科学はどうでしょうか?

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科学者と記者との間には [ 科学コミュニケーション]

先日の記事「新聞記者にはガッカリだ」はえらい古い(しかもわざわざ取り上げなくても良い些細な)新聞記事を紹介したにもかかわらず、たくさんのコメントをいただきました。ありがとうございます。

中にはマスコミ関係者の方のコメントや、サイエンス誌のポリシー原文を掲載頂いた方もおられました。あかさたな様のコメントを読むと、JAXAの人たちはサイエンス誌との契約ルールに従っただけで、攻められるべき点はなにもありません。これは科学者の立場を代表したコメントといえるでしょう。一方で、ありゃ様のコメントでは、サイエンス誌とのルールを守るという事情も含めて、科学者がもっと説明をすべきだったのではないか?という主張です。これは報道側の代表的意見でしょう。

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新聞記者にはガッカリだ [ 科学コミュニケーション]

いや全員ではないです。メタンハイドレート関係の調査結果のプレス発表の際の記者さんたちはすごく勉強をされていて、「記者ってちゃんと科学のこと理解して報道してるのかなあ?」なんて考えてた自分が恥ずかしかったです。さすがプロです。ただ、こういう記事をみるとがっかりします(ずいぶん前の記事で恐縮です)。我々はマスコミを喜ばすだけのために研究をしているのではないのです。

●探査機はやぶさ:成果、米サイエンス誌が取材規制 影響力に研究者追随
 6月7日新聞社WEBサイト掲載記事:こちら

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