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言葉遊びとコミュニケーション [ 科学コミュニケーション]

まずはこちらの文章を読んでほしい。
「こんちには みさなん おんげき ですか?わしたは げんき です。
この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか
にんんげ は もじ を にしんき する とき その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば
じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて
わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。
どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?」
(ITmedia「確かに“読めてしまう”コピペに2ch住人が「人間すげー」と驚く」より)


読めましたか?きっと読めたことでしょう。私は笑いながら読みました。
どうやら人間は自分がよく知っている単語であれば、その単語がきちんと書かれて
いなくても文章を理解することができるようなのです。人間って、凄いよね!
fig.jpg
  ビバ!シナプス!

ではこれが英語だったらどうでしょうか? 元ネタは英語なのです。
「Aoccdrnig to a rscheearch at Cmabrigde Uinervtisy, it deosn't mttaer in waht oredr the ltteers in a wrod are, the olny iprmoetnt tihng is taht the frist and lsat ltteer be at the rghit pclae. The rset can be a toatl mses and you can sitll raed it wouthit porbelm. Tihs is bcuseae the huamn mnid deos not raed ervey lteter by istlef, but the wrod as a wlohe.」
http://jinakanishi.tumblr.com/post/50699972/reading-test-jpgより)

実は私は最初にこちらを読みました。「なんだこれ?誤字だらけで読みづらいなぁ。。。
なるほど言いたいことはわかるけど」といった感想でした。日本語バージョンを読んだような
爆笑などなかった。単語一つ一つを追いかけて日本語に一度翻訳してから理解している
自分を改めて認識。 ああ、英語読解力が低いなぁ…

しかしこれも面白い。コミュニケーションのなんたるかを語ってくれているように思えます。
つまりは自分の知っている単語からなる文章であれば、文字順が違っても内容をすんなりと
受け入れることができるのに、難しい単語がたくさん並んだ文章であれば頭に入るのに
それなりの時間を要するわけですね。それがよく体感できる例です。

これは文字順が正しい文章でも言えそうです。例えば専門用語満載で科学の話をされたら
一般聴衆はノックダウンですね。これは一昔前に流行った「バカの壁」です。
人間には意識的あるいは無意識に、自分の知る世界以外からの情報を受け取らなかったり
考えなかったりする「境界線」があるのだそうです。この境界線はそう簡単には破れません。
なので科学の話を分かりやすくするためには、専門用語はあきらめて、聴衆の経験の範囲内
でも理解できるような内容に「翻訳」しなければなりません。
学者には、実はなかなか難しい作業ですが。

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ところで余談があります。先のニュース、どうもケンブリッジ大学の研究ではないらしい。
海外の誰かがネットで広めただけで(元ネタは2003年頃)、なぜ読めるのかについては
まだよくわかっていないらしい。しかし情報は誤ったまま、日本語版として流行り始めて
いるようです。あらら、何が真実なのやら(笑)
●「読めてしまう」文章ネタの起源と歴史(絵文録ことのは)
 http://www.kotono8.com/2009/05/10yometeshimau.html

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アヨアン・イゴカー

本当に読めてしまいますね。日本語のほうは、ひらがなの順序が入れ替わっていることに気づきませんでした。英語の方は、確かに、これは綴りが気になりながら、ちょっとひっかかりながらも、それでも読んでしまいました。
人の話も、半分くらい聞いて、分かったつもりになっている普段の自分を思い出しました。
こういう人間の性質を利用して、暗号文書を作ることも可能かもしれませんね。動物に条件付けの実験などをしている人間ではありますが、人間そのものも随分と無意識のうちに条件付けされていると感じました。
by アヨアン・イゴカー (2009-05-11 10:09) 

Hirosuke

英文テクニカルライターとして、非常に興味を持ちました。
後日、TBにて感想などを論じたいと思います。
今日は、これにて失礼致します。
by Hirosuke (2009-05-11 12:10) 

MANTA

>人間そのものも随分と無意識のうちに条件付けされていると感じました。
アヨアン・イゴカーさん、確かに私たち人間もいろんなところで無意識に判断し
行動しているのでしょうね。似たようなもので「錯視」というのもありました。
こうした脳の働きの研究はいま盛んにやられているのだと思います。

>英文テクニカルライターとして、非常に興味を持ちました。
Hirosukeさん、TBお待ちしております! ひとつのネタ(こんちには)が
科学コミュニケーションやら、暗号やら、翻訳やら、いろんな側面から語られる
のはおもしろいですね!
by MANTA (2009-05-13 08:13) 

綾波シンジ

いや、ほんと、あれ、微妙に2,3おかしい打ち間違いがあるぞ?と思いながらも、何のためらいもなく読んでしまってました。
「その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば」
をみて、「え?」となった。読み返すと、これはこれは凄いことです。
どこかのペーパーになっているのでしょうかね?

>「翻訳」しなければなりません。
これは確かにそうですね。自分の研究分野でもそれは言われています。学際的な面もあり、分かる説明をしろ、というの命題の一つであったりします。
「温暖化」問題なんかでは、簡単に説明しようとすると、そんな説明間違いだ(だから温暖化はウソ)というよく分からない話が広まったりします。
この翻訳のさじ加減は難しいですね。
by 綾波シンジ (2009-05-23 23:12) 

MANTA

>これはこれは凄いことです。どこかのペーパーになっているのでしょうかね?
綾波シンジさん、まだ分かっていないようです。これはたぶん騙し絵(錯視)
と同じで、脳内で情報がどう整理されているかという問題なので、面白い
学問分野だと思います。

>この翻訳のさじ加減は難しいですね
「翻訳」といっても、なにかの例えでごまかすわけではなく、そもそも何が問題
だったのか?なぜその発見に至ったのか?を解くことが重要と考えています。
科学は単な偶発的発見ではなく、「自然哲学」なのでできるはずです。

一方で「翻訳」は初心者が科学の入口を通るときに必要なのだと思います。
「温暖化はウソ」などという人はもう初心者の入口を入ってしまって、大人の
階段を登っているので(by H2O~)、専門用語も数式も交えてちゃんと
お話すればよいと私は考えています。
by MANTA (2009-05-24 15:53) 

yao

海外とメールのやり取りしてると、海外から来るのメールは結構誤字だらけ。(w
 outlook のオプションかどうか知らんが日本からのメールはしっかりスペルチェックかかるしね。でも、相手の文章の「それ」を 突っ込む ほど英語マニアじゃないし。結局英語はコミニュケーションツールと割り切ってます。

まあ、オイラのレベルも相手のレベル(英語が母国でない人がコンタクトするメインですから)も知れてますが。(w

ただ、イギリス人の英語がわかりずらい(マジに)。
by yao (2009-05-26 00:07) 

MANTA

>ただ、イギリス人の英語がわかりずらい(マジに)
yaoさん、私はアメリカ人の英語のほうが聞き取れません。
一方、アジア人の英語は聞き取りやすいですねぇ(^^)
by MANTA (2009-05-27 07:59) 

yao

ほとんどの人が「英国人の英語の方がわかりやすい」と言いますね。
私はなぜだかアメリカ英語の方がわかりやすいんですね。(^^)(なぜだろう?)
メールのやり取りでは、英語が母国語の人たちの表現が難しく、何度も読み返す必要に迫られます。(笑)

アジアン英語。ハイとてもわかりやすいです。
また、フランス人,オランダ人、ドイツ人の英語もわかりやすいですよ。まあレベルを合わせてもらっていますからね。
by yao (2009-05-30 12:57) 

MANTA

>まあレベルを合わせてもらっていますからね
yaoさん、私もそのおかげで何とか仕事になっているように思います。
いつも海外の研究者の皆さんにはご迷惑をおかけしっぱなしです(泣)
by MANTA (2009-05-30 14:48) 

SAKANAKANE

錯視についても、まだほとんど何も分かっていないようですし、まだまだフロンティアは有るんですね~!
by SAKANAKANE (2009-05-30 21:17) 

MANTA

錯視も面白いですよね。Wikipediaの「錯視」にはいろいろ紹介されて
いますが、下記が面白かったですよ。

杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー
杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー
杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー
ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏
ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏
ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏
杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー
杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー
杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー

ね?(笑)
by MANTA (2009-06-02 08:15) 

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