スペースシャトルの落日 [▼科学ニュース New!]
忘れもしない、ある年の冬だった。スペースシャトル"チャレンジャー"が爆発した。すでに地球や宇宙のことを研究したいなぁと漠然と思っていた私には、大ショックだった。たぶんこの頃まで、科学は人類に夢をあたえる万能の玉手箱だ、とおもっていたのだろう。また、科学は万能ではない、と感じ始めたのもこの事故からだろう。それは私だけではなかったかもしれない。
時がたって2004年の"コロンビア"の空中分解事故のあと、違った意味でショックだったのは「2010年にはシャトルを引退させる」というアメリカの発表であった。なぜこれほどまで成功を収めた(と私は思っていた)宇宙船をやめてしまうのか、いまひとつ理解できなかった記憶がある。
そんなことが気にかかりつつ本書を読み、スペースシャトルのかかえる問題が少し理解できた。