マントルって硬いのねん [ 連載 Old..]
ちょっと一息。
前回の記事で、マントルは超々々々々々ネバネバ、というか「硬い」と書きましたが、どの程度硬いのか分かりやすい実験がオーストラリアで行われています。ちょっと紹介いたしましょう。しかしそれは、なんとも「恐るべき実験」なのです。
それは…タールがどれくらい垂れるか、という実験。タールは一見なじみがないようですが、アスファルトの舗装などに使われている黒いやつで、ヤニの一種です。舗装したてのアスファルトを歩くとネバネバすることがあるじゃないですか?あれです。アスファルトも乾くとネバネバせず硬くなってますよね。タールはあっためるとドロドロになりますが、冷やすと硬くなります。ただし硬いといってもちょっとは流れ出る性質もあり、超々々々々々ネバネバした物質なのです。
そこでオーストラリアのクイーンズランド大学物理学部の初代教授は1927年からタールがどれくらい垂れるか、という実験をはじめました。それからおよそ80年後、教授が引退した現在も実験は続けられているのです。なんと気長な! さすが理屈っぽいイギリスに源流をもつ国、オーストラリア。
実験はこんな感じ。
そう、1滴垂れるのに10年弱かかるのです!これまでの約80年間で8滴垂れました。あほか。
THE PITCH DROP EXPERIMENT (University of Queensland)
http://www.physics.uq.edu.au/physics_museum/pitchdrop.shtml