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ちょっとアメリカに ~スクリプス海洋研究所~(1) [ シリーズ実況 Old..]

ここ数日更新をしておりませんでしたが、実はひそかにアメリカはサンディエゴに出張してました。まだアメリカにいますがもう帰ります。

今回はUCSD(カリフォルニア大学サンディエゴ校)のスクリプス海洋研究所に来ています。ここは 1903年に設立された由緒ある海洋研究所です。UCSDのほうが後からできたのです。


スクリプスの象徴、桟橋です。いまはコンクリート製ですが昔は木製で、長さが300mほど。その先で生物の観察をしたり、海水を分析したりしたところから研究が始まったそうです。
いい波がきているようで、サーファーがたくさんいます。ある研究者は、朝にヒト波のってから出勤するそうです。Cool!


スクリプス研究所の中の、"地球惑星物理学研究所(IGPP)"です。ここに来てました。ユニークな建物です。1階と2階が交叉していて、上から見ると十字架形です。2階部分は教授陣の部屋が並び、1階部分はさらに中2階と1階に分かれています。

中2階と1階は専門分野毎に1ブロックずつ割り当てられていて、中2階には大学院生・若い研究者・技術者の居室があり、1階には観測装置の製作・整備スペースがあります。1階と中2階は吹き抜けですので、装置の整備スペースと研究スペースがダイレクトにつながっている形です。この建築思想からも、IGPPが海底観測を基礎として研究を執り行っていることがよく分かります。また分野毎に部屋が隣り合っているので、分野間のコミュニケーションも科学や技術のいろんな面で盛んな感じを受けます。共有すべき項目と、個別に行うべき項目のすみわけを意識的に進めている感じを受けます。

日本の大学や研究所のように「このエリアは研究者の居住場所」「ここは技術者、別の部屋は学生用」というスタイルとはまったく違います。日本はある意味(かりに個々人は壁で区切られた部屋にいるとしても)大部屋的だと思っています。このほうが机の上の議論は進むかもしれません。ただ観測装置など物を機軸とした仕事はスクリプス型のほうがよいですね。

私個人はスクリプスのような小部屋形のほうがすきですが、よくよくみると割り当てられたスペースにものが入りきらないグループは、外にものを置かざるをえないようです。このあたりは日本的大部屋のほうが調整できてよさそうです。あと「これっていつからおいてある本だろう?この箱はもう捨ててもいいんじゃないかなあ?」と思うような過去の産物達を研究室のすみに見ることができます。この辺は日米共通ですね(笑)

※本実況の続きを下記で読むことができます。
 http://obem.jpn.org/oversea063.html
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