SSブログ

電磁気で地震予知 ~未科学的地震予知 (11) [ 知識ゼロから学ぶ地底のふしぎ]

さて前回の続き。今回は未科学的地震予知の一例として、ラドン濃度変化を用いた
地震予知を取り上げてみよう。ラドン濃度異常などの地震の前兆現象を観測するのが
悪いというわけではない。しかしそれで地震予知がすぐにできるとは思わないでほしい。

未科学とは何かを知り、科学的な地震予知を知ろう。

----
先日、イタリアでラドン濃度を測定して地震予知に成功した!とする報道が流れた
「日本は何をやっているか!」という意見もあったようだが、我々日本人はあいかわらず
「黒船」に弱いようである。日本でこそ、古くからラドン測定を通じた地震予知が試み
られており、阪神大震災の時には(事後であるが)地震予知成功に肉薄するデータを
取れたとする例もあるのだ。以下がかつての紹介記事(2年も前なのか!)
●いまさらラドンで地震予知?~1
 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2007-01-19
●いまさらラドンで地震予知?~2
 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2007-01-20

この記事をきっかけとして、このラドン濃度研究者から後日(2008年秋)、ラドンを
用いた地震予知に関する補足論文が送られてきた(著者の方に御礼申し上げます)。
●地震とラドン濃度異常(I):従来の観測例
  http://ci.nii.ac.jp/naid/110006824983/   =論文1
●地震とラドン濃度異常(II):兵庫県南部地震前に観測された大気中ラドン濃度異常
  http://ci.nii.ac.jp/naid/110006977587/   =論文2

それらには、これまでに日本や海外で行われたラドン濃度観測と地震予知研究の流れが
紹介されており(レビューといいます)、著者ら自身の手法や追加解析の結果などが
紹介されていた。大変分かりやすい文章であったが、だからこそある結論に達した。
すなわち「ラドンでは地震予知はできない」である。
以下に、その根拠を述べる。つまりこの記事は書評(論文評)である。

続きを読む


nice!(7)  コメント(3)  トラックバック(2) 
共通テーマ:学問

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。