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貿易赤字は原発停止のせい? [ 資源エネルギーを考える]

先週の一番のニュースといえば、やはりこちらではあるまいか?
●日本、31年ぶり貿易赤字=2.5兆円、大震災で輸出不振―11年
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120125-00000033-jij-bus_all

重く伸し掛かる負担。以前もでてきたクリップアートです。

貿易赤字の一因は火力発電用の石油・天然ガス・石炭=化石燃料の需要が急増したため、
だそうだ。確かにニュースソースである財務省のサイトを見てみると、化石燃料(鉱物性燃料)
の輸入額は2010年より5兆円以上増えていて、たしかに大ブレーキ。
●平成23年分貿易統計(速報)(財務省貿易統計)
 http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/2011/201128c.xml

ただし、輸入した化石燃料のすべてを火力発電所で使ったわけではないだろう。
正直、火力発電所の燃料代はどれくらい増えたのか?

私なりの大雑把な結論を先に書くと、約1兆円の化石燃料が原発停止に伴う火力発電増で
必要となったようだ。ということは原発が動いていても、先に述べた5兆円のうち4兆円程は
赤字である。おそらく化石燃料そのものの高騰(下記)の方が貿易赤字の要因として大きい。
●石油価格はだんだん上昇 → http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2011-08-27
●原油価格はなぜ上昇するか? → http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2011-09-04

「貿易赤字は原発停止のせい」とは一概に言えなさそうだが、じゃあ安心だ、などと
はいえまい。2012年は原発完全停止もありえる。この場合、火力発電にかかる
燃料代は2011年よりもさらに1~2兆円上乗せとなるだろう。
今後、資源価格のさらなる高騰もありえるので、この額はもっと増えるかもしれない。

以下に、「燃料代は1兆円増だった」に関する見積もり方法を記しておこう。
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