SSブログ

調査航海実況 ~セミナー~(4) [ シリーズ実況 Old..]

どうやらこれから向かおうとする場所で台風が発生したようで、
今日から3日間ほど、台風の動向まち。
こういう暇が出来たときには、船上セミナーが催されます。
今日は本航海の目的でもある「スタグナントスラブとは何なの?」というタイトルで
セミナーがおこなわれました。

先日ちらりと書きましたが、スタグナントスラブは海底のなれの果てです。

海底といいましたが、正確には海底を含む海洋地殻と海洋最上部マントルを併せたものを
硬い板に見立てて「海洋プレート」と呼びます。海洋プレートは、やや流動性に富む上部
マントルの上をすべるように移動し、やがて日本列島などの陸のプレートの下に沈み込み
ます。その際に海洋プレートと陸のプレートの間で地震が起きたり、海洋プレートから陸
のプレートに供給された水などがマグマを生み出して、陸上に火山を形作ったりします。
さてその先、沈み込んだ海洋プレートはどこに行ってしまうのでしょうか?

最近の地震学的研究によれば、海洋プレートは陸のプレートの下まで潜り込んでも、滑り
台をすべるようにマントル内を斜めに沈んでいくのですが、地表から深さ660km付近に達
するとそれ以上沈み込まないで(滑り台を滑り降りたみたいに)水平に横たわってしまう、
ように見えます。あるいは海洋プレートがその深さに溜まっているようにも見えます。溜
まった海洋プレートのことをスタグナント(=停滞した)スラブ(=板)と呼んでいます。

しかし陸地の観測だけからでは、深くにあるスタグナントスラブの形や厚さやその内部の
構造を明確に捉えることは出来ません。これを海底での観測で明らかにし、物質科学やマ
ントル対流シミュレーションと比較して、なぜ海洋プレートがその深さで溜まるのか? 
溜まった海洋プレートはその後どうなるのか? それはマントル対流や地球の進化にどん
な影響をあたえるのか?といったナゾを解き明かすために、今回の航海が行われているの
です。

あーたくさんかいた。むずかしいですね。
でも今日の発表者のS先生、K先生、Bさんの発表はもっとわかりやすかったです。
とくにK先生のお話はわかりやすく、勉強になりました。

そういえば、セミナーの写真を撮るのを忘れてしまいました。残念。

※この記事の続きをよむには下記を御覧ください。
 http://obem.jpn.org/field040.html
nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(1) 
共通テーマ:moblog

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。