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ラジオで喋りました(今回の地震) [ 知識ゼロから学ぶ地底のふしぎ]

ご存知の通り、大阪北部でマグニチュード6.1の地震が発生しました。
これに関連しまして、Tokyo FMの朝の番組「クロノス」6月19日(火)
に出演して、今回の地震や関東地方の地震について、コメントをさせて
頂きました。番組パーソナリティの中西哲生さんとのやり取りは、
来週月曜日までならば、パソコンなどで聞くことができます。
(番組末尾で7分間ほど出演させて頂きました)

http://www.tfm.co.jp/ch/

お近くの東京FM系列のFMラジオ局のホームページ、もしくは
http://radiko.jp」にアクセス
  ↓
タイムフリー(過去の放送)を選択
  ↓
キーワードに「クロノス」、日付は「6月19日」
  ↓
90分間の番組のうち、最後10分間

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以下にコメント内容の要約
(※=参考となる資料)osaka1.JPG

Q. きのうの大阪北部の地震は活断層が多い場所で起きた言われていますが、
 それが原因で大きく揺れたのか?
A. 東西に走る「有馬-高槻断層帯」と南北に走る「上町断層帯」などの
 交差した所で今回の地震は起きた。まだ調査中ではあるが、南北と東西に
 走る断層2つがほぼ同時に動いたように見える。
 ※2018年6月18日大阪府北部の地震の評価(地震調査研究推進本部)
  https://www.static.jishin.go.jp/resource/monthly/2018/20180618_osaka.pdf
  (上図および下図も同資料より)
 osaka2.JPG
 ※有馬-高槻断層帯
 ※上町断層帯
 ※生駒断層帯
 ただし地震の規模は、阪神・淡路大震災と比べると規模はずっと小さい。
 今回と同規模の地震は毎月のように起きている。
 ※気象庁震度データベース
  http://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/index.php
 揺れが被害が大きかったのは、都市部の直下で起きたことに加えて、
 2つの断層の揺れが複雑に絡んだことと、震源が浅いこと、
 大阪平野の軟弱な地盤などが複雑に関係していると思われる

Q. 京都も地下水が多い地盤と聞いているが、揺れへの影響は?
A. 京都はたしかに地下水の多い盆地ではあるが、地下は砂の多い地層
 でできているため、地震で揺れやすいということはない。
 ただし京都市南部などは泥の地層も多く、注意が必要。

Q. 同じ規模の余震がやってくる可能性もある?
A. 余震の大きさは熊本地震より小さく、発生回数も少ない。
 ただし、活断層の交差点のようなところで今回の地震は起きている。
 熊本地震も布田川断層帯と日奈久断層帯の交差する場所付近で
 起きているため、大阪・京都でも十分に注意が必要。

Q. 今回の地震が南海トラフ巨大地震の発生に影響を与える?
A. むしろ逆であって、「南海トラフ地震が今回の地震を引き起こした」と
 考えられる。南海トラフでの巨大地震の50年くらい前から、西日本では
 直下型・活断層型の地震活動が活発化することが指摘されている。
 なぜ活発化するのか、その理由はハッキリしていないが、
 次回の南海トラフ巨大地震は2040年頃に起きるのでは?と言われていて
 すでに50年の範囲に入っている。今後、今回のような規模の地震、あるいは
 より大きな地震が西日本の内陸で起きる可能性は高いと私個人は考えている。
 なお今回の地震は規模が小さく、南海トラフ巨大地震の発生に与える影響は
 ほとんどないと思われる(気象庁見解と同)。
 ※西南日本の地震活動期と静穏期
  http://cais.gsi.go.jp/KAIHOU/report/kaihou65/07-04.pdf
   
Q. 群馬県・千葉県でも大きめの地震が起きているが、首都圏については?
A. 関東地方で起きる大地震(関東大震災クラス)は、200~300年の間隔で
 発生しているらしい。関東大震災からまだ100年しか経っていないので、
 あと100年くらいは大地震は起きないと言われている。
 ただし(南海トラフと同じく)関東大震災クラスの大地震発生の100年前
 くらいから、関東内陸部で地震活動が活発化していくことが知られている。
 いま、その入口に私達はいるのではないか?

Q. 各地で地震が多発する一方、備えも進んできている。
 私達が気をつけることはなにか?
A. やはり「都会の直下や近郊での地震」が要注意である。都会は人が密集し、
 便利な機能が集約されている半面、その裏側には(今回の地震でもみられる
 ような)脆弱さを持っている。

以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
nice!(8)  コメント(3) 
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コメント 3

keisuke

FM愛媛は6:50までしか放送していませんでした。ザンネン。。。
地震の活動期に遭遇したのは運が悪かったのかと思っていたのですが、実は日本の活動期の周期って人間の寿命に比べてべらぼうに長い訳ではないのですね。
代々のご先祖様も体験していると思うとアンラッキー感がちょっとだけ緩和されました。
by keisuke (2018-06-23 13:53) 

MANTA

はい、地震の活発期・静穏期は定期的に繰り返しているようで、
大地震の活発期は数年間~30年間ほど、静穏器は20~50年間ほどで、
互いに繰り返しているようにみえます。

さらに西日本では南海トラフ巨大地震(周期:100~200年)の50年ほど
前から内陸地震が増えること(M7やそれ以下の地震)、関東地方では
関東大震災クラスの巨大地震(周期:200~300年)の100年ほど前
から内陸地震が増えることが指摘されています。

阪神淡路大震災からもうすこしで30年。しかし南海トラフ巨大地震まではまだ時間がありますので、(これでも)いまが一番地震発生数が
少ない時期なのかもしれません。
今後、徐々に地震活動が高まっていくと私は思っています。

※ただ上記の理由が科学的に解明されているわけではありません。
 過去との対比でそう思えるだけであり、地震の活発期・静穏期の
 メカニズム解明が今後求められています。
 私も(その基礎の基礎ですが)研究を始めています。

by MANTA (2018-06-25 12:56) 

MANTA

参照(宣伝):戦国時代以降の地震の活発期・静穏期については
下記にまとめております。みてねー。
  ↓
日本列島大変動: 巨大地震、噴火がなぜ相次ぐのか
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by MANTA (2018-06-27 12:53) 

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