SSブログ

しばらくぶりです!復活! [▼研究実況 Now!]


約2週間ぶりのご無沙汰です。生きてます、生きてまっせ!
年度末・年度始まりの慌ただしさとか、学会の予稿用意とか、お花見とか、いろいろと
あったのですが、逆にいろいろありすぎてブログの更新が滞っておりました。

しかし、ただ忙しかったのが理由ではなく、ちょっと落ち込んでいたりもしました。
冒頭のつぶやきがそれ。知り合いの研究者の論文が、かの有名な科学誌
「Nature(ネーチャー)」に載ってるのを見つけたのでした。おめでとう!
Naif, S., Key, K., Constable, S., & Evans, R. L. (2013). Melt-rich channel observed at the lithosphere-asthenosphere boundary. Nature, 495(7441), 356-359.

調査場所はこちら。
sub1.JPG
中米沖の沈み込み帯(点線の枠内)。ここの地下構造がこちら。

sub2.JPG
詳しい解説はしませんが、海洋プレートの下のマントルが溶けている様子(赤いところ)
がはっきり見えている。そこがベルトコンベアのロールのような働きをしているので、
プレートが移動する、というわけ。いままでも仮説として言われていたけど、
海底(よりもさらに下の)探査で、バッチリみえている。

----
ところがよくよく見たら、その翌週号にも彼らの論文が掲載されてるではありませんか!
しかも、前の論文の「続き」じゃなくて、全く別の地域での研究結果です。同じ研究室
から立て続けにNature誌掲載、こんなことってある? 私は聞いたことがないなぁ。
Key, K., Constable, S., Liu, L., & Pommier, A. (2013). Electrical image of passive mantle upwelling beneath the northern East Pacific Rise. Nature,495(7442), 499-502.

ridge1.JPG
場所は中米より南の海の底。東太平洋海膨と呼ばれる海嶺の下。

得られた地下イメージはこちら。
ridge2.JPG
深さ100km以上まで透視できています(おどろくなかれ、こちらも電気で透視している
のだ)。海嶺では、海洋プレートが左右に分かれていますが、その真下にはマントルが
溶けている部分が広がっていることが分かりました(赤い部分)。この赤い部分がほぼ
左右対称なのが、大発見です。海外のニュースサイトでも取り上げられています。
●Scientists Image Deep Magma Beneath Pacific Seafloor Volcano
 http://www.sciencedaily.com/releases/2013/03/130327144127.htm

これら2つの論文の著者は重なっていますが、調査地域は重なっていません。プレート
テクトニクスの有名なイラストに重ねてみるとこんなかんじ。上の図と比べてみて!
plate.JPG
http://pubs.usgs.gov/gip/earthq1/plate.html
 http://pubs.usgs.gov/gip/dynamic/dynamic.html

つまりプレートが生まれる場所(海嶺)と、死ぬ場所(海溝・沈み込み帯)と、
両方で凄い研究成果をだして、それをほぼ同時に報告するという。
この研究室にはいままで何度も訪問していて、このブログでもレポートしています
3月末は、きっと盛大に御祝いをされたのでしょうね。
私ももちろん、御祝いのメールをうちましたよ。

でもひとしきり興奮して(うちの大学院生にも「凄いよね!凄いね!」と知らせた後で)
寂しくなりました。なんかさ、負け負けなのを魅せつけられてさ。 はぁ、がんばろう…

あと、もう一つ。この3月で、4年間ほど続いた ある研究プロジェクトが無事に終了しました。
短い準備期間で調査航海を立て続けに行うときもあって、ホントウに大変なプロジェクトでした。
終わってホッとすると共に、新年度になって少し気が抜けてしまってました。

、、、さて、ぼんやりしてばかりではイケナイ。こちらもがんばりましょう!
とりあえず、まず、ブログ更新から。
科学の日進月歩は、人間の、カメよりも遅い(?)歩みの積み重ねなのだ。

次回予告: 京都の桜 昼編、夜編、あと京都のギャラリー展の紹介をするよ!
nice!(6)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 6

コメント 2

アヨアン・イゴカー

MANTA先生の論文も、きっとNatureに掲載されます。
残念ながら、気持ちだけですが、応援しています!
by アヨアン・イゴカー (2013-04-14 20:00) 

MANTA

ありがとうございます!! がんばります!!
ここ数年、とあるプロジェクトに忙殺されて、主著論文があまり増えていないので
まずはそこからです。Nature、Science誌にももちろん挑戦します!
(挑戦だけなら無料できる (^^) )
by MANTA (2013-04-15 06:42) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。