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勝手に一般公開?してみたよ(2) [▼研究実況 Now!]

前回の続き、「勝手に一般公開?」の様子です。

次に生物サンプルを見せていただきました。なんとこれらは触ることができるのです!
詳しくはこちら!
●日本エヌ・ユー・エス株式会社(JANUS)
 http://www.janus.co.jp/
 ホーム >> 環境 >> トピックス >> プラスティネーション標本

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たとえばオオマユイガイはこんなかんじ。
ああ、なんかカットされた感じなのですが、さわれます。硬いです。

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たとえばゴエモンコシオリエビはこんな感じ。殻の表面にたくさんついているヒゲにも
さわることができます。

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深海魚もこんなかんじ。ホウライエソ。
長さ10cmくらいで大人なんだとか。意外にちいさんだねぇ。

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そしてこちらが「スケーリーフット」。鉄の鱗をまとった巻き貝です。
インド洋の熱水地帯で発見された奴。もうほとんどポケモンですね。
私も大興奮です! もちろん自分で持たせてもらって写真を撮りました。パチリ。

080724-153221.JPG
こちらは生々しいですが、生です。
冷凍保存されていたシロウリガイ。これも初めてみました。
なんでもヘモグロビンがあるらしくて、それで中が赤いらしい。
グロ注意でしたが、写真は適度にピンぼけでよかった。。。

そんなこんなを、極限環境生物圏研究センターの研究員の方にご説明いただきました。
その方は絵本も出されていて、深海生物の面白さやナゾを本当にうまく説明されていました。
脱帽です。お忙しい中、ありがとうございました。

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引き続き、たまたま陸地に降りたばかりのこいつとご対面。
2008_07250004.JPG
「しんかい6500」。いつ見ても、かっこいいですね。
いかにも潜水艦!って感じです。参加者でしんかい6500の前で記念撮影をしました~

2008_07250005.JPG
こちらはそのすぐお向かいに鎮座する「しんかい2000」。こちらはすでに展示用ですので、
外装が外されていて分かりやすい。しんかい6500としんかい2000の比較などしていると
あっという間に時間が過ぎました。

でも私、水中ロボットでの調査経験は数々あれど、潜水船にはまだ乗ったことがないんです。
いろんな人から聞いた知識で参加者に説明をいたしましたが、、、やっぱり乗りたいなぁ、、、
いまの忙しさが少し落ち着いたら、ぜひ!といつも思っています(笑)

あと、さきほどの生物サンプルはわざわざ「しんかい6500」の横で展示をしてみました。
「この潜水船で採ってきたんだよー」と言いたかったんですが、ひとの興味は1つの物に集中
しがち(いかんせん、私も生物サンプルで興奮しすぎであった)。生物サンプルを潜水船から
若干離れた場所で展示してしまったためもあり、結局は生物は生物、潜水船は潜水船、と
説明が完全に別れてしまいました。うーむ、ファシリティー(設備)と科学成果を結びつけて、
展示をしようとしましたが、意外と難しいもんですね。ひとつ勉強できました。

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このあと、一旦涼しい会議室に戻って、
(暑い整備場じゃなくて、ここで生物サンプルを見れば良かった!)
深海生物のDVDを見たり、展示館で船などの模型を見たり、ボテちゃんに会いに行ったり
して、見学会は終了~  ボテちゃんは人気でしたね!いつまでも長生きしてほしいなぁ。

と、そんなこんなで開催された「勝手に一般公開?」。
参加者の皆様にはお楽しみ頂けましたでしょうか?
私はこのブログの読者の方々とお会いできて、本当に楽しかったです!

説明者としては、私自身はゆっくりとご説明できてよかったなぁと思う反面、科学的なことには
それほど踏み込めなかったのが反省点。というか難しいですね、科学を「見せる」ということは。
私自身、外部研究者に研究所をグルッとご案内することはよくあるのですが、一般の方を自ら
ご案内するのは初めてでした。そうすると、専門知識を端折って研究所を案内するので、
どうしても「モノ」が主体になっちゃう。
生物サンプルのように、見せる展示物をちゃんと作っておくことが重要だな~と実感しました。

さいわい、見学会終了後は、一般向けのセミナーを行いまして、参加いただいた方々の多くは
そちらにもご参加いただけましたので、研究の雰囲気は少しはつかんでいただけたかしら?

さらにはセミナーの懇親会にもご参加いただいた方もおられました。
なんだか、研究の話というか、科学コミュニケーションって皆さんどうやっておられますか?
的な話に終始してしまいました。ちょっとマニアックですみません。

…などなど、いろんな方にご協力いただきまして、なんとか「勝手に一般公開?」を
実施することが出来ました。生物サンプル、岩石サンプル、実験室ご提供、その他関係者の
皆様と、ご参加いただいた皆様に感謝いたします。
次回は未定ですが、(8月はちょっと忙しくなってきましたので、延期の予定です)
また研究の現場をご案内できる機会を設けたいとは考えておりますので、お楽しみに!

追記(8/1):
ブログ「てげてげ草紙」さんに、当日の生物サンプルの写真がアップされました。
私の写真よりずっときれいです。ハオリムシもいるよ!
●JAMSTEC見学記【その2:深海生物を見て触って大興奮】 
 http://pm-tegetege.blog.so-net.ne.jp/2008-07-28
●JAMSTEC見学記【その3:有人探査船「しんかい2000」「しんかい6500」などなど】
 http://pm-tegetege.blog.so-net.ne.jp/2008-08-11
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みきぱぱ

>プラスティネーション標本
なんかお菓子のオマケみたいですね。(笑)
私は学生の頃魚類の透明標本が欲しかったのですが、
作るのけっこうめんどくさかったんですよね。(^^;
きれいですよ。
↓透明標本の作り方。
http://www.s.kaiyodai.ac.jp/museum/public_html/exhibitions/exhib_fishes_sub/column_fish_skeleton.htm

>次回は未定ですが
第2弾があるのですか?!
私も仕事を休んでいこうかなあ。
by みきぱぱ (2008-07-28 20:51) 

竜

楽しそうですねぇ。実は私もギリギリまでどうしようか迷っていたのですが、こっちの職場の一般公開を週末に控えていたため断念しました。その代わり、といっては何ですが、下記のリンク先の本を読んで「しんかい6500」や「しんかい2000」の活躍ぶりを堪能いたしました。「しんかい2000」って退役したわけではなく、あくまでお休み中なんですね。私も深海調査船に乗ってみたいけど、ちょっとチャンスはなさそう。

次回、都合付けばなんとか参加したいです。


by (2008-07-28 23:09) 

satokot

たのしそうですねぇ(^_^)実際に触れるっていうのがすごいです。生物標本って「ぎゃ~。気持ち悪い~。」と言いつつもツンツンつついてしまいそう(笑)
by satokot (2008-07-29 08:40) 

素風

楽しかったですー。プラスティネーション標本、ツンツンつつきまくりました。深海生物の絵本を買い損ねたのが心残りです。家族で「海の研究っていろんなことを扱っているんだねえ」「楽しかったねえ」と語り合っています。本当にありがとうございました。
by 素風 (2008-07-29 11:32) 

湯

ポ、ポテちゃん・・・
会いたかったぁ・・・


by 湯 (2008-07-29 11:41) 

kahiro

こんにちは。
うわ~触れるかな?
ふと、海鼠が浮かびました。あれは触ったことがない
by kahiro (2008-07-29 15:46) 

ハニーm

以前、書店で平積みの深海生物の表紙が迫力! でややたじろぎました。
でも、なまこもホヤも下戸の父の影響で小学生のうちに味を覚えました。
いまはどちらも結構な値ですね。

ボテちゃん、13年も不思議です。。長生きしてほしいですね
by ハニーm (2008-07-29 23:24) 

いとまっち

その節はありがとうございました。
まだ興奮状態で頭の整理が出来ませんが、大変有意義な見学だったと思います。

今日の日経の夕刊でJAMSTECが海底122℃の環境で微生物の繁殖に成功したようなことが書かれていました。以前は読み流していたと思いますが、今回のことで大変興味深く感じました。

個人的には水っぽいクラゲやナマコ・ウミユリみたいな軟体静物もプラスティネーションされれば、グニュグニュ触れていいのになーと…(・∀ ・)。

そして。MANTAさんは熱い!「熱い研究者!」って感じです!
というか皆さん熱い!
熱い研究の最前線を見た!という感じです。ありがとうございました。
by いとまっち (2008-07-29 23:28) 

さなえ

楽しそうですねえ。ドタバタしていてとうとう参加できませんでしたが、私が参加していたら、ドタバタが乗り移っていたかも。次回もあるとのことですので、ドタバタが沈静化していたら参加したいなあと淡い希望を抱いています。
by さなえ (2008-07-30 12:16) 

MANTA

>私は学生の頃魚類の透明標本が欲しかったのですが、
みきぱぱさん、ご紹介ページ見ましたよ。ああ、、、わたしはだめだ。
あんな骨と皮になってしまうなんて、、、なので生物系の研究者にはなれま
せん(キッパリ)

>実は私もギリギリまでどうしようか迷っていたのですが、こっちの職場の
>一般公開を週末に控えていたため断念しました。
竜さん、コメントありがとうございます。そりゃ、そちらの一般公開を優先しな
きゃ!(笑) こちらは「勝手に」一般公開でしたから。
ご紹介いただいた「深海のパイロット」は名著だと思います。私もよみました。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2006-06-07

>生物標本って「ぎゃ~。気持ち悪い~。」と言いつつもツンツンつついて
>しまいそう(笑)
satokotさん、正解です。ツンツン、ナデナデしてきました。
うーむ、深海生物の世界は神秘と謎に満ちあふれているなぁ…
by MANTA (2008-08-01 05:29) 

MANTA

>家族で「海の研究っていろんなことを扱っているんだねえ」「楽しかった
>ねえ」と語り合っています。
素風さん、そう言っていただけるのが一番嬉しいです。一人に紹介させて
頂いたことが「楽しかったよ~」と口コミで広がっていく。そうして海の研究
っておもしろそう、と思っていただく。それが私の願いです(笑)。

>ポ、ポテちゃん・・・会いたかったぁ・・・
湯さん! 「POTE」ちゃんじゃなくて、「BOTE」ちゃんです。
芋になっちゃいますよ。そんなボテちゃん先輩は今日もまだまだお元気です。

>うわ~触れるかな?
>ふと、海鼠が浮かびました。あれは触ったことがない
kahiroさん、沖縄に行かれたことはありませんか?波打ち際にアホほど
浮いていますよ。しかもデカイ奴が。さわると、、、ブニっと固いです。
プラスティネーションは柔らかいところはぜんぶ固くなっています。
by MANTA (2008-08-01 05:36) 

MANTA

>以前、書店で平積みの深海生物の表紙が迫力! でややたじろぎました。
ハニーmさん、この本かしら?
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2007-07-29
でも中身は結構可愛いんです。まるでポケモン図鑑ですね。
そのうち、ボテちゃんも本に載ればいいのにな~

>熱い研究の最前線を見た!という感じです。ありがとうございました。
いとまっちさん、こちらこそ長い時間ありがとうございました。

>今日の日経の夕刊でJAMSTECが海底122℃の環境で微生物の繁殖
>に成功したようなことが書かれていました。
そうなんですか!知らなかった。でも深海生物を繁殖させるのが大変だって
私もあまり知りませんでした。生の研究者に聞くと勉強になりますね。

>楽しそうですねえ。ドタバタしていてとうとう参加できませんでしたが、
>私が参加していたら、ドタバタが乗り移っていたかも。
さなえさん、大丈夫です。十分ドタバタした見学会でした!(笑)
次回ですが…、ちょっと未定です。でも今回、参加いただいた方に楽しんで
頂けたようですので、またいずれ近いうちに同様の見学会をこのブログで
企画してみたいと思います。首をながーくして、お楽しみに!
by MANTA (2008-08-01 05:43) 

batta

標本触るの大好きです。超がつくくらい…
もちろん
生体さわるのはもっと大好きです。毒のあるの以外なら(^_^;)

ヘモグロビンを持ったシロウリガイ
そうなんだ~
初めてしりました。

海の生き物の世界と熱帯雨林の生き物達…どっちが奥が深いのか…
……
やはり海かな~なんて思います。

マジで、タイミングがあうことがあったら参加してみたいです~。

by batta (2008-08-01 22:51) 

アヨアン・イゴカー

>「スケーリーフット」。鉄の鱗をまとった巻き貝です。
インド洋の熱水地帯で発見された奴。
これは面白い!鉄の鱗ですか。

>極限環境生物圏研究センター
こんな素敵なセンターがあるのですね!極限環境と言うのは、生物の持っている能力の可能性を押し広げてくれますし、生物とは何かと言う根本的な定義を考えさせてくれるのでしょうね。
by アヨアン・イゴカー (2008-08-02 08:01) 

kahiro

こんにちは。
いえ、行ったことないです。
そうですか~アホほど。(~~)
こういうことは、慣れるの大丈夫。

あちこち移動が多いようですね、
荷物なんて、コンパクトですか?
身の回りの整理整頓も、できるほうですか?
by kahiro (2008-08-02 13:52) 

SAKANAKANE

参加された方が、ホントに羨ましくなります。行けなくて残念でした。
プラスティネーション標本は、未体験で興味津々です。
シロウリガイも、中身は初めて見ました。
ボテちゃんにも、会いたかったな~。
休日か、平日の夜間の開催は、無理そうでしょうか?
by SAKANAKANE (2008-08-02 16:06) 

MANTA

>海の生き物の世界と熱帯雨林の生き物達…
>どっちが奥が深いのか…  やはり海かな~なんて思います。
battaさん、そうですねぇ。。。どっちなんでしょうね。生物の種類とかは、
海と陸はどっちのほうが多いんだろう??

>>「スケーリーフット」。鉄の鱗をまとった巻き貝です。
>インド洋の熱水地帯で発見された奴。
>これは面白い!鉄の鱗ですか。
アヨアン・イゴカーさん、そうなんですよ。詳しくはこちら!
http://fushigi.at.webry.info/200704/article_4.html
ほとんどゲームのキャラですよね。なんでこんな風に進化したのか??
by MANTA (2008-08-05 07:49) 

MANTA

kahiroさん、ぜひ沖縄にいってみてください!いいですよ~
あと身の回りの整理整頓ですが、整理しない整理術を身につけて
しまいました(笑)

>プラスティネーション標本は、未体験で興味津々です。
>シロウリガイも、中身は初めて見ました。
SAKANAKANEさん、私も初めて見たんです。中身が真っ赤とは…
やっぱし私は地球物理学者が向いています。

平日の夜間開催ですか。その手はありましたね。検討してみます。
ただ諸事情により、相当先になることをお許し下さい!
by MANTA (2008-08-05 07:51) 

アヨアン・イゴカー

>また、この生物は“ブラックスモーカー”と呼ばれる熱水噴出口のごく限られた場所=チムニー(2m×2mの範囲)にしか生息していません。(5m離れた場所にも移動して生息できないそうなんです。)
>生物学者を困惑させているのが磁石に反応するこの鉄の皮膚で、組成の仕組みも謎らしいです。

MANTA様 早速上記のURLで見てみました。驚きですね。熱水の付近にしか棲めないというのもびっくりです。磁石に反応するとは、もう、これはSF漫画の世界のようです。

by アヨアン・イゴカー (2008-08-07 22:47) 

MANTA

アヨアン・イゴカーさん、この生物の例一つ取ってみても、「常識」とは所詮
人間の作り出した物ということがよく分かりますね。同時にその「常識」を
打ち破ったり書き換えたりするのもまた、人間なのです。

…一見うまいこと言ったようにみえますが、実はなにも言ってません(汗)

by MANTA (2008-08-08 05:45) 

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