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太陽活動だけでは地球温暖化は説明できない [ 地球温暖化を学ぼう]

さてサミットも終わってしまったが、そんなことは関係なく
地球温暖化に関する話題の続きである(その1その2その3)。

"地球温暖化懐疑論"なるものを見ていると、2つのグラフがよく紹介されている。
1つは「気温変化の後でCO2濃度変化が起きる」というグラフである。
この「Keelingのグラフ」には実は"手品の種"があることは以前の記事で解説をした。
もう1つは「地球温暖化は太陽活動で説明できる」というグラフである。

●Solar Activity and Climate

この最初のグラフがそれである。Fig.4にはより詳細なグラフもある。
赤色が太陽活動周期(太陽黒点周期とも言うようだ)。一般に太陽黒点数の増減は
11年周期と言われているが、よく調べると11年より長かったり短かったりする。赤色は
それを示しており、近年短くなる傾向=太陽活動が活発化していると言える。
黒色が北半球の平均地表気温の変化。太陽活動周期の変化と気温変化はそっくりである。

このグラフはFriis-ChristensenとLassenにより1991年にScience誌に掲載された。
ここでは2名の頭文字を取って「FC&Lのグラフ」と呼ぶことにしよう。

池田信夫氏のブログでも、このFC&Lのグラフは紹介されている。
●地球温暖化論のウソとワナ(池田信夫Blog)
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51294063.html
図2がそれであり、池田氏は「太陽活動の影響で、気温の変化はほぼ説明できる」証拠の
一つとしてあげている。

しかしこのグラフ、あちらこちらのサイトで紹介されているが、どういうわけか1980年以降の
グラフをみたことがない。続きがどうなっているか、ご存じだろうか?
ここにまたトリックがあるのだ。

続きはちゃんとある。実は、太陽活動と気温の対応が悪くなっている。

●It's Solar Cycle Length(Skeptical Science)


3番目のグラフ(Lassen 1999)を見てほしい。これがFC&Lのグラフの続きである。
T_SCLが太陽活動周期、T_Obsが気温変化である。
1980年頃から後では太陽活動周期は変わらないのに、気温はどんどん上昇している。
この図を描いているのは、FC&Lのグラフの著者の"L"、すなわちLassen自身である。
彼は(上記サイトのリンク先の資料で)「1990年頃から後は、太陽からのエネルギーは
北半球の気温変動をもはや支配していない」と自ら結論づけている。

同様の結果は、太陽活動周期との比較だけでなく、太陽黒点数や太陽光エネルギーとの
比較からも見て取れる。
●地球温暖化(4)温室効果と太陽活動 (連山)
 http://www.teamrenzan.com/archives/writer/nagai/warming-cause.html
●Solar activity & climate: is the sun causing global warming?
 (Skeptical Science)
 http://www.skepticalscience.com/solar-activity-sunspots-global-warming.htm
さらについ最近、興味深い研究発表が東大などのグループによってなされた。
●屋久杉を使って1100年前の太陽活動の復元に成功(東京大学)
 http://www.s.u-tokyo.ac.jp/press/press-2008-14.html
これによれば中世の温暖期として知られる約1100年前の太陽活動周期は9年程度で、
現在よりも太陽活動は活発であったといえる。一方、気温のほうは現在のほうが中世の
温暖期よりも高くなっている。

以上のように1980年頃以降の地球温暖化を太陽活動だけで説明することは困難である。

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さて、この程度の反論では太陽活動が温暖化の主要因と考える人々は満足するまい。
太陽活動周期も黒点数も、太陽からのエネルギーの指標の1つにすぎないからだ。
太陽エネルギーの評価方法を変えれば、1980年頃以降の気温上昇も説明可能な太陽活動
のグラフを作れるだろう。さらに、太陽活動変化と気温変化を結びつける「スベンスマーク効果」
(スベンスマルク効果)が彼らの太陽信仰を後押しする。しかしここ30年ほどの気温の上昇傾向
については、スベンスマーク効果を持ち出すと、実はなおさら説明できなくなる。

スベンスマーク効果とは、宇宙線の地球への飛来量が地球の雲の形成に影響するという
説である。下記サイトでは漫画で簡単に説明されている。
●太陽活動が地球に与える影響(名古屋大学太陽地球環境研究所)
 http://stesun5.stelab.nagoya-u.ac.jp/study/sub8.htm
このページ最下部の漫画を見てほしい。
太陽活動が盛ん→宇宙線飛来量が減る→雲が減る→日射増加→温暖化というわけである。
同じページに「雲量と宇宙線量」のグラフがあり、両者にはよい対応がある。
これを調べたのがデンマークの研究者、スベンスマークである。詳細は下記に詳しい。
●気候と経済(連山)
 http://www.teamrenzan.com/archives/writer/nagai/cycle.html

スベンスマーク効果を裏付けるようなこんな報告もある。
●ここまでわかった!地球温暖化の現実(第4回)(日経エコロジー)
 http://www.nikkeibp.co.jp/style/eco/special/070803_warming4/index4.html
氷河時代は地球の磁場が弱い時期に起きているらしいのだ。地球磁場の弱いときには宇宙線
飛来量が増えるので、氷河時代の要因もスベンスマーク効果で説明ができてしまう。
東京工業大学の丸山教授は地球磁場が近年弱くなっていることと、太陽活動がここ2年で減衰
してきていることから、今後は地球寒冷化が始まるのではないか?と指摘しているくらいだ。
●「CO 2温暖化主犯説」に物申す (選択)
 http://www.sentaku.co.jp/contents/interview/index.php?date=200802

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しかし、先の「雲量と宇宙線量」のグラフにあるように、雲量が宇宙線量の変化に速やかに
反応していることがかえってアダとなる。

その1:最近30年ほどの太陽光エネルギーは11年周期が卓越
●What Does NASA Mean by Solar Variations Don’t Matter? (The Blackboard)

人工衛星データによれば、1980年頃以降の太陽の放射光エネルギーは11年周期で変動して
いるが、長期の単調増加・減少傾向は見られない(上記ページの赤丸だけ見ると、1985~
1995年頃は若干増加傾向、2008年には若干減少傾向ではある)。

その2:最近30年ほどの気温変化は上下しながら上昇する傾向
これは以前の記事に示したとおりである。


その3:太陽光エネルギーと気温変化を対応させてみると矛盾に気づく
模式図で示すが、、、
fig1.jpg

fig2.jpg

赤が気温、青が太陽光エネルギーの変化である。もしも気温変化がスベンスマーク効果で説明
されるのであれば、太陽光エネルギーの11年周期も長期変化も、共に気温変化をよく説明せねば
ならない。しかし現実には気温の上下変化の振幅は説明できたとしても、長期の上昇傾向は説明
できない。やはり1980年頃以降については、太陽光エネルギーを主要因とする地球温暖化説は
成立せず、温室効果ガスなどの別の要因が地球温暖化において重要な役割を果たすようである。

冒頭で紹介した池田氏がここまでの科学的議論まで踏み込まずに、太陽活動が地球温暖化の
主要因としてFC&Lのグラフを紹介したのはやむを得まい。しかし丸山氏は気温変動の11年周期と
長期の増加トレンドが太陽活動では同時に説明できない矛盾に気づくべきなのだが。。。

----
さてこれまでの記事で
・地球温暖化が起きていること
・CO2の増加は人為的なものであること
・太陽活動のみでは温暖化を説明できないことを示した。
次回は、CO2の温暖化への寄与度をより具体的(定量的)に考えてみたいと思う。

※この記事の続きをよむには、サイドバーの「カテゴリーの紹介」をご覧下さい。
 例:再・太陽活動だけでは地球温暖化は説明できない
  http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2010-01-11

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※追記(7/21):コメントを頂いたので補足する。
・より長期的観点で考えると、中世の温暖期(約10~14世紀)や小氷期(14世紀半ば~
 19世紀半ば)などは太陽活動が強く影響してそうだ(火山活動の影響もあるとの説有り)。
 詳しくは下記サイトを参照いただきたい。
 ●太陽が気候変化の原因であり、CO2は無関係である(らくちんランプ)
   ttp://blogs.dion.ne.jp/spiraldragon/archives/7376104.html
 ただし本記事に書いたように1980年頃以降の気温上昇(地球温暖化)については、
 太陽活動のみでは説明は出来ない。
・太陽活動が気温に与える例としては下記のサイトを紹介する。
 ●ここまでわかった!地球温暖化の現実(第4回)
  http://www.nikkeibp.co.jp/style/eco/special/070803_warming4/index3.html
 可視光による放射(日射量そのもの)の変化や、紫外線による影響が挙げられているが、
 例えば日射量変化では現在の温暖化傾向を説明するのは困難そうである(詳細は次回記事)。
 そこでスベンスマーク効果(1つ目の図の左から3番目)など他の影響に注目が集まっている。
 ただし本記事で書いたように、どの効果も太陽活動の11年周期に伴って変化するため、
 1980年頃以降の温暖化傾向を説明できないと思われる。

※追記(7/27):上記「らくちんランプ」さんのサイトにトラックバックを打ちましたが、受け入れられ
 ませんでした。下記のスパイラルドラゴンさんが管理されているようですが、温暖化懐疑論者
 とは、科学者との対話ができない人が多いようです。ざんねんなことです。

※追記(2009/04/01):
(monさんからコメントを頂きました。ありがとうございます)
太陽は地球を温めますが、すぐに温まるわけではありません。なので、
・「今」の太陽活動と「今」の地表気温変動を比較してもダメなのではないか?
・過去の太陽活動変化が現在の気温変動に与える影響を無視してよいのか?
という疑問があります。
どれくらい昔の太陽エネルギー入射量変化が地球全体の気温に影響を及ぼすか、
これは難しい問題です。ここでは数値計算ではなく、観測値で考えてみましょう。つまり
1)ある時急に太陽エネルギーの入射を減らして、
2)再び元の入射量に戻してみる
3)その時の気温の変化をみる
こうすれば気温変化が太陽エネルギーの入射量変化にどれくらい遅れて
発生するかがわかります。そんなことができるのでしょうか?
都合のよいことに、1991年のピナツボ火山の噴火の際にそのような現象が起きています。
●The Physics of Climate Modeling(NASA)
 http://www.giss.nasa.gov/research/briefs/schmidt_04/
ここにある2つのグラフを見てください。上側が空気の「光学的厚さ」で、大気中の塵の
量の指標です。ピナツボ火山の噴火で大気中に舞い散った塵が太陽光を遮る様子が
見て取れます。下側はその際の地表温度変化の観測値(黒・赤・青)です。大気中の
塵のために気温が0.5度ほど下がってまた戻る様子がわかります。上下のグラフを
比べると、塵が太陽光を遮る期間と地表温度が低下する期間はおおむね一致しています。
このことから、太陽光の変化は比較的速やかに地表温度変化に反映されていて
過去の太陽の入射エネルギー変化が現在の気温変動に与える影響は小さそうです。
ですので(上記のとおり、11年周期と長期変動の傾向を同時には説明できないので)
最近の気温の上昇傾向は太陽活動変動ではやはり説明ができなさそうです。
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廉宅

太陽放射の変動と気温の相関が低いのは当たり前のことだと思います。実際はスベンスマルク効果よりも、太陽放射中の紫外線の変動や太陽磁場の変動などとの相関を取るのが普通です。「わら人形論法」で低レベルな懐疑論者を相手に論破したつもりになっても余り意味があることとは思えませんが・・・。
by 廉宅 (2008-07-21 03:47) 

廉宅

マウンダー極小期は、「小氷期」とも呼ばれるほどの気温低下が起こったそうですが、それについてはホッケースティック曲線を持ち出して否定されるわけでしょうか。スベンスマルク効果意外で小氷期をうまく説明する理論があればぜひともご教授いただきたい。
by 廉宅 (2008-07-21 03:56) 

スパイラルドラゴン

太陽黒点数や太陽黒点周期が、太陽照射エネルギーを表す指標だとする解釈は誤りです。
小氷期の頃の太陽照射エネルギーは、2000年初頭の頃より0.2%も低かったのです。
また、今年に入ってからの太陽照射エネルギーの最低値1360.7W/m2は、過去30年の平均値より0.4%も低い値ですので、これから地球の気候は寒冷化すると予想しています。
http://icecap.us/images/uploads/TSI.JPG

もちろん、地球の気温が低下すれば、大気中の二酸化炭素濃度も徐々に低くなるでしょう。たとえ人類が化石燃料の消費を抑制しなくても。

そして、太陽照射エネルギーの変化と、地球の気候変動とを比較する場合には、もう少し長期的な視点から検証すべきです。

参照:太陽が気候変化の原因であり、CO2は無関係である
http://blogs.dion.ne.jp/spiraldragon/archives/7376104.html
by スパイラルドラゴン (2008-07-21 06:56) 

MANTA

廉宅さん、コメントありがとうございます。
>マウンダー極小期は、「小氷期」とも呼ばれるほどの気温低下が起こった
>そうです
これは太陽活動低下のせいでよいのではないでしょうか?
一方で人工衛星データをも手に入れた1980年頃以降の地球温暖化に
ついては、太陽活動では説明できないというのがこの記事の主張です。
ホッケースティック曲線など不要です。

>実際はスベンスマルク効果よりも、太陽放射中の紫外線の変動や太陽
>磁場の変動などとの相関を取るのが普通です。
お好きな物でどれでもかまいません。どれを持ち出したとしても、1980年頃
以降の気温変動の(11年周期程度の)上下振動と長期の増加トレンドを
太陽活動では同時には説明できないと思いますがいかがですか?
by MANTA (2008-07-21 10:32) 

MANTA

スパイラルドラゴンさん、ページ紹介ありがとうございます。
>太陽照射エネルギーの変化と、地球の気候変動とを比較する場合には
>もう少し長期的な視点から検証すべきです。
そうですね。長期的に見れば太陽活動と歴史的な温暖化・寒冷化の関連
はありそうです。ところで1980年頃以降、現在までの地球温暖化は、最新
の衛星データを用いても太陽活動では説明がつかないというのが、この記事
の主張です。過去の温暖化・寒冷化と今の温暖化の原因を「同じだ」と
考えて議論される方が多いですが、「同じ」とすべき根拠はありません。

>これから地球の気候は寒冷化すると予想しています。
ご紹介いただいたグラフでは、ここ30年ほどの気温変化を説明できてない
とこの記事に書いたのですが、お読みいただいていますか?

>もちろん、地球の気温が低下すれば、大気中の二酸化炭素濃度も徐々
>に低くなるでしょう。たとえ人類が化石燃料の消費を抑制しなくても。
いいえ、残念ながらCO2濃度増加の大部分は化石燃料消費によるものです。
前の記事をお読み下さい。CO2濃度に関するコメントはそちらへどうぞ。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2008-07-13
by MANTA (2008-07-21 10:33) 

スパイラルドラゴン

>いいえ、残念ながらCO2濃度増加の大部分は化石燃料消費によるものです。

私が書いた内容は、寒冷期に突入したら、海が人類のCO2放出分など全て吸収してしまうということですよ。
海のCO2吸収量はケタが違いますので。
こんなこと、過去10万年のCO2濃度変化をみれば一目瞭然です。
まあ、あと5~10年後には、あなたの主張は全て崩壊するので、これ以上反論しませんけど、せいぜい頑張って人為温暖仮説を擁護してくださいな。
by スパイラルドラゴン (2008-07-21 10:36) 

アヨアン・イゴカー

大変面白く読ませて頂きました。私はこのように考えました。
太陽の黒点の活動と気温の上昇には関係がきっとあるのでしょう。(11年周期説も、全面的には受け入れられない気もしますが。18世紀以前についてははっきりとしたデータがなく、極光現象を推測させる史料、中国の文書に残された記述を元にしているからです。勿論、これは科学的な取り組みだと思います。)しかし、近年はそれ以上に人類の諸活動によって、CO2が排出され、自然が引き起こすブレを異常に大きくしてしまっているのだろう、それが温暖化を齎しているのだろうと。

18世紀の産業革命の時代と20世紀後半以降におけるエネルギーの消費量は比べ物になりません。このエネルギーの大量消費、人口の爆発、グローバリゼーション、これらと二酸化炭素の排出の相関関係も知りたいところです。

そして、「雲のアルベド効果」(cloud albedo effect)を知り、更なる興味が湧きました。

 このブログは読むのに時間が掛かりますが、実に勉強になります。
by アヨアン・イゴカー (2008-07-21 10:58) 

MANTA

>私が書いた内容は、寒冷期に突入したら、海が人類のCO2放出分など
>全て吸収してしまうということですよ。
10万年単位であればそうでしょう。
ところでそれは100年後、1000年後の未来予測ではありません。
意義ある予測のためには、現状把握をできなければなりません。しかし、
貴殿のお話では、太陽活動ではここ30年間の地球温暖化を説明できない
と言うことでよいと理解します。

>まあ、あと5~10年後には、あなたの主張は全て崩壊するので
当方の主張にはお答えいただかず、根拠なく自説をおっしゃるところが、
温暖化懐疑論者らしくて素敵だと思います。では。
by MANTA (2008-07-21 11:04) 

おおくぼ

以前、私のブログにコメントをいただいた者ですが・・・。

私は20世紀以後の二酸化炭素の増加の原因が、人間にあるという説には賛成です。

また池田氏や丸山氏がデタラメ(というか強引な詭弁)が多いというのも、同意できます。丸山氏の『「地球温暖化論」に騙されるな!』批判は自分のブログに書きました。興味がありましたら、読んで下さい。

けれど、二酸化炭素の増加が、平均気温に与える影響は、非常に微々たるものだと思えます。

また太陽11年周期にこだわって、平均気温の変化が、11年周期ではないから太陽原因説は間違いというのは早計だと思います。

あと記事を拝読して、混乱があるような気がします。
宇宙線は雲の量を変える原因です。
このことは、MANTAさんもよく存じていることは記事でも判るのですが・・・・。
太陽の光が変わらなくても、雲の量が変われば平均気温は変わります。
また地球は複雑なので、太陽磁場の変化と平均気温の変化一致する場所は少ないです。
例えば、北極と南極の20世紀の平均気温の変化を見て下さい。
相関性がいいのは、北極振動指数と太陽磁場です。
けれど、北極の気温は海流の影響も大きいので、太陽だけでは説明不可能です。
けれど、太陽の原因は明確に認められます。
by おおくぼ (2008-07-21 11:04) 

MANTA

>しかし、近年はそれ以上に人類の諸活動によって、CO2が排出され、
>自然が引き起こすブレを異常に大きくしてしまっているのだろう、それが
>温暖化を齎しているのだろうと。
アヨアン・イゴカーさん、私はそう思っています。
逆だったら良かったんですが=自然には寒冷化、人為的には温暖化で
差し引きゼロ。そうなる未来もありえますが、そうなる保証はありません。

>このブログは読むのに時間が掛かりますが、実に勉強になります。
もう少しうまくまとめられたらよいのですが… 私の能力はこの程度です。
書くのにも結構時間がかかっております(泣)
by MANTA (2008-07-21 11:13) 

K_Tachibana

今回のブログ記事と,東京本郷で行われた住明正さんをゲストに迎えたサイエンスカフェの内容をつなぎ合わせると,非常に理解がすすみます.
情報提供いただきありがとうございます.
木曜日,追浜でお会いできることを楽しみにしております.
by K_Tachibana (2008-07-21 13:38) 

MANTA

おおくぼさん、コメントありがとうございます。
>けれど、二酸化炭素の増加が、平均気温に与える影響は、非常に微々
>たるものだと思えます。
それについては次回の記事でお話ししましょう。

>また太陽11年周期にこだわって、平均気温の変化が、11年周期では
>ないから太陽原因説は間違いというのは早計だと思います。
いえ、気温変化に11年周期があるようにも見えますが、それを太陽活動で
説明すると、今度は気温の長期増加を説明できなくなります。この合理的な
説明があれば、太陽活動説を私は強く支持しますが、未だ見あたりません。

>太陽の光が変わらなくても、雲の量が変われば平均気温は変わります。
そうなのです。雲はいろんな要因で増減しますから、将来予測を一番難しく
する要因です。この点も勉強中。次回記事で触れられるかな?

>相関性がいいのは、北極振動指数と太陽磁場です。
そのようですね。陸地は温められやすく冷やされやすいので、太陽の影響や雲の影響も陸の多い北半球に出やすいと理解しています。
by MANTA (2008-07-21 14:20) 

MANTA

K_Tachibanaさん、サイエンスカフェでも温暖化は話題なのでしょうね。
社会に近接する問題(地球環境やエネルギー)については、かなり勉強
しないと、科学者といえども下手なことは言えないなぁ、と痛感しています。
またいろいろお教え下さいませ。
by MANTA (2008-07-21 14:36) 

おおくぼ

>「一方、気温のほうは現在のほうが中世の温暖期よりも高くなっている。」

これは地域差があると思います。
中世の温暖期の方が、現代より高い地域もありました。
また過去数千年間に温暖期と寒冷期は何度も繰り返しています。
この理由は不明です。

あとリクエストなんですが・・・
20世紀中の南極の平均気温は横ばいです。
その理由を説明していただけるとありがたいのですけど。
急ぎではないので、ゆっくり回答をお持ちしています。
by おおくぼ (2008-07-21 15:34) 

ぱしもん

はじめまして。

地球温暖化異説(CO2説以外の言説で、それを主に自然現象に還元する議論)の主張の多さにややうんざりしていた者ですが、今回科学的な議論を追っている中でMANTAさんのページにたどり着きました。

私は人文社会科学の側から環境をやっており、どうしても自然科学の側からの視点が不十分になりがちです。その点で、コメントの論争を含め、いろいろと勉強になりました。

最近つくづく思うのは、特に環境の言説は、単なる自然科学の問題ではなく、同時に政治的・社会的問題であるということです。

それで、人文社会科学の側から”社会的責任”という視点を通じて、地球温暖化異説に対する批判的なエントリーを書きました。よろしければ自然科学者としてのご意見をお聞かせいただければ幸いです。
by ぱしもん (2008-07-21 15:56) 

SAKANAKANE

このシリーズ、コメントでの論争?を拝見していても、ディベートのようで面白いですね。
「UFOは実在するのか」みたいな、低レベルな論法も見受けられますし、何故か感情的な主張まで有ったりしますし。やはり日本人にはディベートは苦手なのか?他の国々でも同じようなモノなのか?
専門知識の無い私は、ついついそんな楽しみ方をしてしまいます。
MANTAさんの説に対する感想は、シリーズの全ての内容を読み終えてからにしたいと思いますので、悪しからずご了承ください。
by SAKANAKANE (2008-07-22 01:45) 

MANTA

>>「一方、気温のほうは現在のほうが中世の温暖期よりも高くなっている。」
>これは地域差があると思います。
おおくぼさん、そのようですね。ヨーロッパでは情報は多いけれども、他の
地域の情報は少ないとか。このあたりの情報蓄積も必要でしょうね。

>20世紀中の南極の平均気温は横ばいです。
>その理由を説明していただけるとありがたいのですけど。
いやー厳しいところをつかれました。一連の記事をお読みいただけると
お分かりのように、ここでは全球規模で地球温暖化を考える、といたしました。
その裏返しですが、個別の地域の温度変化は、地域毎の状況が絡んでくる
ので私にはフォローしきれないのです。例えば南極の場合は、周りが海だ
とか、氷が溶けるときの潜熱の影響では?とか空想はできますが、それ以上
は門外漢の私にはフォローできません。どなたかご存じならお願いします。

by MANTA (2008-07-22 08:42) 

MANTA

>人文社会科学の側から”社会的責任”という視点を通じて、地球温暖化>異説に対する批判的なエントリーを書きました。
ぱしもんさん、コメントありがとうございます。リンク先の記事、拝見しました。
社会的責任は、温暖化信者も非信者も、それぞれ強く持っていると思います。
ただそれに目がくらんで、科学的な議論までねじ曲げる傾向があるので、
私の分かる範囲で科学的な記事を書かせていただいている次第です。
ご参考になれば幸いです。

---
>このシリーズ、コメントでの論争?を拝見していても、ディベートのようで
>面白いですね。
SAKANAKANEさん、ありがとうございます。ディベートにはやり方があって
その1つとして「論点を明確にする、論点を途中ですり替えない」というのが
あります。2年も前の記事ですが、こんなのを書いてました。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2006-07-19
この記事の論点は「太陽活動ではここ最近の30年間の温暖化を説明でき
ない」なのですが、「違う!」と言ってくれる人はまだいませんね。

>やはり日本人にはディベートは苦手なのか?
>他の国々でも同じようなモノなのか?
圧倒的に苦手です。そもそもそういう教育をうけてませんし。
「朝まで生テレビ」がディベートだと勘違いしている方も多いようです。

このシリーズ、ダラダラと続きそうです(次回で1つ区切りになるかな)。
またご意見いただけますと幸いです。
by MANTA (2008-07-22 08:56) 

竜

いやー敬服いたします>MANTAさん

以前、温暖化懐疑論を盛り込んだマイケル・クライトンの小説「恐怖の存在」を読んで、引用されている論文誌まで集めて(幸い電子出版されているモノが多かった)、反論ポイントをメモった記憶がありますが、結局余裕もなくて挫折しました。そもそも、この手の話で懐疑論者の中でどれだけ、IPCC第4次評価報告書(IPCC AR4)の全文に目を通した人がいるのだろうかと常々疑問に思います。私自身は、人為的なCO2の増加"だけ"に温暖化の原因を押しつける議論や、温暖化と海水準変動を単純にリンクさせることには、「ちょっと待った」と言いたくなるくらいの立場です(だいたい、IPCCからしてCO2だけを問題にしているだけではない)。が、CO2の人為変化の影響を軽視する気もありません。
#ただ、京都議定書程度の取り決めで食い止められると考えるほど
#甘くは考えていませんが。

ただ、測地屋としては、温室効果ガスとして最強の水蒸気の変動を定量的にモニターする手段がようやく確立しつつあることや、大陸氷床の融解や海水の熱膨張はいずれ地球の自転変動に影響が出てくるはずなので、そうした評価を注視していきたいとは考えています。その上で、総合的に気候変動を理解したいと思います。

上のURLはなかなかの労作です。ご存じかもしれませんが。


by (2008-07-22 22:17) 

竜

お恥ずかしい、推敲不足でした。
(だいたい、IPCCからしてCO2だけを問題にしているだけではない)
→(だいたい、IPCCからしてCO2だけを問題にしているわけではない)

あと、「下のURL」です。
#この記事からは"上"

コメント欄汚し、失礼。
by 竜 (2008-07-22 22:23) 

廉宅

>>マウンダー極小期は、「小氷期」とも呼ばれるほどの気温低下が起こったそうです
>これは太陽活動低下のせいでよいのではないでしょうか?

小氷期の原因については、IPCCでは一言も触れていません。その太陽活動のせいというのは何か根拠でもあるのでしょうか。あまり憶測でものを言う人には見えなかっただけに少し残念な気もします。
by 廉宅 (2008-07-23 00:57) 

MANTA

竜さん、廉宅さん、コメントありがとうございます。
お気づきと思いますが、私自身はIPCCのレポートをできるだけ参照しないで
記事を書こうとしています。IPCCのレポートはよくできていますが、これを
政治的メッセージととらえる人が多いからです。なのであえて、IPCCは無視
して私見を述べております。

小氷期の原因については私もよく存じません。結果だけ見れば14Cや10Be
との相関は高いようですので、宇宙線(太陽活動)との関連性は強いと
お見受けする程度です。この点、コメント歓迎です。

by MANTA (2008-07-24 01:02) 

Yoshinori_K

Booming discussion ?

I would suggest you don't have to respond to sort of "way off" comments.

You might want to save your time. :)
by Yoshinori_K (2008-07-24 06:21) 

MANTA

Thank you for your suggestion, Mr. Yoshinori_K.

>I would suggest you don't have to respond to sort of >"way off" comments.

This is BLOG. I would like to talk with various people here.
Some comments may be out of my opinion, but talking with non-scientists is my fun. Also, it will be my skill on science communications. :)
by MANTA (2008-07-24 08:24) 

bobby

温暖化と太陽輻射との関係が出たついでに、温暖化・寒冷化と海洋大循環の関係についてもご説明頂けましたら幸いです。現在、北極と南極では大量の氷が解けて、大量の真水が局地の海に流入していますが、それがトリガーとなって、ヤンガードリアス・イベントが現代に再現する事は有り得るでしょうか?
by bobby (2008-07-28 01:53) 

MANTA

>それがトリガーとなって、ヤンガードリアス・イベントが現代に再現する
>事は有り得るでしょうか?
bobbyさん、すみません、コメントを頂きながら見落としておりました。

おそらくは、bobbyさんがWEB検索で得られる以上の知見を、私は持ち
合わせていません。根が物理屋の私には現在の地球温暖化を物理過程
として理解することには情熱を燃やしますし、ある程度理解可能なのです
が、ずっと過去については空想の範囲をでません。ごめんなさい。
by MANTA (2008-08-07 19:24) 

予報士

仮にもし、中世温暖期レベルの太陽活動で、温室効果ガスの濃度が現在のような高濃度だったらと思うとさらに恐ろしくなりました。ここ10年間のような異常高温多発レベルよりももっとひどい温暖化が起こっていた可能性があります。人為によるエアロゾルの増加が、温室効果ガスによる温暖化のかなりの部分を相殺しているというのが最新の科学の見解ですから、戦前のように澄んだ大気だったら、現在の温暖化はもっと酷くなっていたでしょう。太陽活動がそこそこのレベルで、かつ、人為による大気汚染、日傘効果が温暖化のかなりの部分を相殺していることになり、それでもこれほど近年実際に観測された気温が異常に上昇していますから、温室効果ガスによる温暖化は予想以上に酷くなっていると言えますね。
いずれにせよ、太陽放射が原因とする説は、完全に誤りといえます。衛星による精密な1970年代以降の太陽定数の測定値を見てみますと、この30年間はほぼ横ばいなのに、1970年代以降、急激な気温上昇が起こっております。変数は温室効果ガス以外にありませんから、答えは自明です。温暖化否定論者は、科学データの矛盾を突かれると最後は逆切れします。答えに窮してしまうからです。科学の真理はただひとつであり、温室効果ガスと日々の気象観測データ、種々の科学的証拠が人為による地球温暖化を明確に示している。時間スケールや空間スケールを無視して高温や低温を論じ、話をうやむやにしてしまう、否定論者はそうでもしないと自説が保てないからです。冒頭の否定論者とのやり取り、興味深く読ませていただきました。ただ、仮にもし、地球温暖化が一定のレベルでとまり、数十年後にやや低温期が来たとするならば、それは人為による温室効果ガス増大の効果をはるかに上回る勢いで、太陽放射が極端に(少なくともマウンダー小氷期以下まで)弱まるなどの顕著な負の要因が無ければ無理だと考えます。しかしその可能性は1パーセントにも満たないのではないか?と考えます。このブログは非常に勉強になり、参考になります。また最新の知見があればご教示ください。
by 予報士 (2008-08-15 21:07) 

予報士

あと、太陽活動については、1960年ころにいったん黒点数の顕著な極大があり、1970年代頃に極小があり、1980年代以降、再び黒点数が1960年代頃と同等かわずかに低いレベルの多さで推移していますね。1980年代前半あたりまではまだ温室効果ガスによる影響が極端に大きくなかったため、この太陽活動の増減と、北半球の陸域の平均気温が非常によく対応しているのが興味深い。1970年代あたりで氷河期再来説が浮上した相対的低温期にぴったり太陽活動の影響が当てはまる。もちろん1970年代あたりで工業化・経済振興によるとみられるエアロゾル増大が、北半球の気温を一時的に低下させた要因だと思われる。さらに言うと、もし温室効果ガスが人為によって増えていなかったら、1970年代はもっと寒冷期だったと考えられる。しかし1980年代後半からの極端な全球平均気温の上昇は、太陽活動のみではとても説明できない、ということでしょうね。地球の気候を決めるのは、太陽放射、エアロゾル、温室効果ガス、の3つが非常に大切だという所以です。現在、顕著に変化しているのは温室効果ガスのみです。追記、失礼しました。
by 予報士 (2008-08-15 21:42) 

MANTA

予報士さん、詳しいコメントありがとうございます。

>仮にもし、地球温暖化が一定のレベルでとまり、数十年後にやや低温
>期が来たとするならば、
来たら今度は「CO2で地球を守れ!」というお話になるのかしら?
でもその頃は石油も減ってきているでしょうから、石炭をバンバン燃やす
のかな?うーむ、、、

>その可能性は1パーセントにも満たないのではないか?と考えます。
これは私にはよく分かりません。実は氷河期のメカニズムもよくわかって
ないからです。地球シミュレータでは温暖化だけではなく、寒冷化のシミュ
レーションもやってみてるのかなぁ…

by MANTA (2008-08-16 09:32) 

海人

大気圏核実験が 1946年 ~ 1963年(条約締結年)
まで実施されておりますが、この期間気温が低下しております。



仮説として・・・
1800年代からのCO2増加により、気温は一貫して上昇していたが、大気圏内核実験を実施した期間のみ気温が低下した。
なんてのもありかなと。

エアロゾルが増えたのか、核実験による放射線でスベンスマーク効果に似た現象が起きて雲量が増えたのかまではわかりませんが。
太陽指標とのズレは、1980年からではなく、1940年頃から起きていたのかもしれませんね。

と、妄想してしまいした。
by 海人 (2008-08-26 12:10) 

海人

追伸:今回とても面白そうな内容だったので、書き込ませていただきましたm(._.)m
お邪魔しました。
by 海人 (2008-08-26 12:13) 

予報士

1945-1970年付近に掛けて特に北半球の気温が-0.2℃程度低下トレンドがあります。太陽黒点数から推察される太陽放射はこの期間、むしろ増加傾向となっているのに、半球規模で気温低下が観測されたのはおそらく戦後の極端な工業化による人為エアロゾルの増大、および火山性エアロゾルの増大の影響が大きいと見られます。

現在私が注目しているのは、2008年8月に太陽黒点がゼロとなり、想定よりも太陽放射が弱まっている傾向が見られることです。IPCCによれば太陽放射の17世紀以降の正確な見積もりにはかなり不確実性があり、今後の数値モデルによる温暖化予測は、1970-現在までと同等の太陽活動の条件下で温室効果ガスが増大した場合に、地球の平均気温がさらに上昇するというものです。

仮にもし2008年8月現在観測されている太陽活動の弱まり?とみられる黒点の極端な減少が、マウンダー期と同様、極端な太陽放射の弱まりを引き起こしたとしたら、温室効果ガスによる更なる極端な温暖化を相殺し、2000年代の高温期よりも気温が低下トレンドを示す可能性も出てきたということでしょうか?

衛星による精確な太陽放射測定でも、ここ数十年のトレンドはごくわずかに太陽放射が弱まる傾向を示しており、温室効果ガスの影響が全く無かったとしたら1990年前後に比べて平均気温はやや低下トレンドを示すはずです。

まだ黒点ゼロの期間がごく短期ですから、今後数年の傾向を見ていかないと、太陽活動がどうなるのか?は全く分かりませんが、長期のトレンドから推察すると、今後数十年の傾向として太陽活動は弱まっていくように見受けられます。そのことが温室効果ガスによる更なる温暖化をどの程度相殺するのか?に少し関心が集まっています。

太陽放射に関する知見のある方、その辺りも含めてご教示くだされば幸いです。
by 予報士 (2008-09-08 13:21) 

MANTA

海人さん、コメントありがとうございます。CO2だけじゃなく、それ以外の
効果がどの程度あるのか、因果関係を一つずつ考えるとよさそうですね。
>大気圏核実験が 1946年 ~ 1963年(条約締結年)
>まで実施されておりますが、この期間気温が低下しております。
エアロゾルといえば、ロンドンスモッグが1950年頃、四日市ぜんそくが1960-70年頃ですね。実はこのあたりのエアロゾルのお話は最近興味深い発展を遂げています。スベンスマーク効果なんて関係ない、おもしろいお話です。またいずれ、お楽しみに!(常に引っ張っていてごめんなさい)

------
予報士さん、黒点が減っているそうですねぇ。
●太陽の黒点が約100年ぶりにゼロに、地球の気候に大影響か
 http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080904_sunspot/
今後の動向は気になります。本文に書いたように、太陽活動だけでは1980年以降の地球温暖化を説明できませんが、もしも太陽活動が今後どんどん低下していったら…!石炭をどんどん使って温暖化促進!って日も来るのかなぁ。

我々は地球や太陽によって生かされていることを改めて実感します。
ただし太陽活動が今後ホントウに低下に向かうかどうかは全く分かりません。
太陽観測に期待が集まりますね。
by MANTA (2008-09-21 17:58) 

海人

なるほどエアロゾル興味深そうですね。


太陽活動に関しての面白い論文がありました。

http://users.telenet.be/j.janssens/SC24Clilverd.pdf
太陽の様々な周期。11年周期、22年周期、52年周期、88年周期、105年周期、212年周期、420年周期
を全て掛け合わせてみると興味深いデータが現れてくるというものです。
黒点数など、かなりの一致を見せております。

尚、それによる未来予測は、2010年~2040年までダルトン極小期並の活動の低下が続くとなっております。

by 海人 (2008-09-25 09:53) 

MANTA

海人さん、面白いですね。何百年という周期を持ち出してきて、過去も未来も
一気に説明してみようという試み。このままだと2100年には太陽活動
がかなり低下するのかぁ…

この論文にあるように、多くの人が言っていないアイデアに基づいて、過去や
未来を考えるのは楽しいですね!一方で私のブログの温暖化連載、ちょっと
教科書的になってしまったところがあり、反省(正直、私自身書くのが嫌に
なって連載を辞めようかと思ってた)。楽しく破天荒に地球温暖化を考えましょう!
次回、連載は急展開します。お楽しみに。
by MANTA (2008-10-15 19:54) 

おおくぼ

自分のブログに「1970代後半からの地球温暖化の原因は、海の温度の上昇が原因だ」という説を書きました。
まあ「風が吹けば・・・」みたいな内容なんですけど。
MANTAさんの研究の参考になれば幸いです。
by おおくぼ (2008-10-22 18:13) 

おおくぼ

1980年以降、太陽と地球の相関が弱いということですが・・・
それ以前は、本当に相関していたのか怪しいと私は思っています。
確かにグラフを見ると、1980年まで相関しています。
では、どうして1980年以後は相関しなくなったのかが不思議です。
二酸化炭素にしても、1980年頃から急に増えた訳ではありません。
1600年代のマウンダー極小期でも、そんなに地球の平均気温と相関してたのかは、怪しいと思います。
特に、数百年という過去の温度の記録は、少ないと思うのですが・・・。

ある地域の温度で、広く複雑な地球の気温変化を代表させるということに問題がある気がするのですが・・・。
例えば、海流や風の流れ、気圧の分布、雲の量を見ても、地域によってかなり違います。
それらの要素は数年〜数十年間、地域の平均気温に影響すると思うのですが・・・。

by おおくぼ (2008-10-27 01:38) 

ぺけ

温暖化問題を聞くたび思いますが、そもそも温暖化しているという根拠の観測データにはヒートアイランドによる気温上昇が含まれているのでは?
もしそうであれば、CO2による温暖化を説明する上でのデータには成りえないとおもいます。
by ぺけ (2008-11-09 05:04) 

MANTA

ぺけさん、下記の記事もお読み下さい。そこに書いております。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2008-07-10
by MANTA (2008-11-09 08:01) 

パンダ目

学も無い者で、恐縮いたします。
太陽黒点が約100年ぶりにゼロに。小氷期の始まりか?で検索。
そして、こちらを発見で、以下読ませていただきました。
そして・・・
さっぱりわからん・・・

どうなんでしょうね?
兵庫と岡山の境目の真ん中あたりの田舎に住んでいるもので、季節の移ろいは身近に感じておりまして。
仕事も冷暖房無しで仕事をしております。
感じていることを以下羅列します。
・温暖化って騒いでいたけれど、去年は9月も暑かったけれど、今年の夏は思ったより涼しかったな。
・暦通り、花が咲き雪が降り夏が来て彼岸花も暦にあわせて咲いたけれど・・いつもと違うの?
・台風来ないね。
・やたら今年の秋は雲が厚い・・・ので寒い。。
・今年は大雪になりそうな予感がする!


by パンダ目 (2008-11-11 00:35) 

パンダ目

雑学本から、
・1980年はセントヘレンズ山の大爆発で冷夏になった。
・19世紀末から20世紀初めにかけては四大火山爆発により冷害にみまわれた。
ビキニ水爆実験後でも冷害と世界的な異常気象に見舞われた。
・セントヘレンズ山と同じ規模の火山爆発で逆に暑くなった年もある。

南極中心部はマイナス60度、北極はマイナス30度から40度。
この違いは海は暖まりにくく冷めにくいから。陸地は暖まりやすく冷めやすいから。
今年秋の雲の発生状況と沖縄の今年の秋の暑さの原因は何ナノかなあ?

オルタナティブ通信というところの2008年8/23と10/13のところに「二酸化炭素排出権取引市場chicago climate exchangeは、投資会社GIMによって運営されている。このGIMの経営者が「環境問題」でノーベル賞を受賞した、アル・ゴアである。ゴアの主張する環境問題とは、「我が社の金融商品を、ぜひ、ご購入下さい」という意味であった。」って書いてあるけれど、これって本当ですか?
あと日本の技術で中国に原発100基作るって聞いていますけど。(知り合いのえらーい人に確認とったら本当だよって言ってた。)
郵便局のお金使うらしいですね。
扱っているデータは全部自分で拾ったわけではないですよね?
データの信憑性や測定する現場の変化とかないの?
政治的な絡みとか、プログラムの意図的な操作とか?
すみません。アホで。。
mantaさん


by パンダ目 (2008-11-11 01:06) 

MANTA

パンダ目さん、コメントありがとうございます。
>温暖化って騒いでいたけれど、去年は9月も暑かったけれど、今年の夏
>は思ったより涼しかったな。
さて、地球温暖化とはいったいなんなのでしょうか?
こちらの記事にちょっと書いてみました。お読みいただければ幸いです。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2008-07-08
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2008-07-10

金融商品については疎いのですが(苦)、環境ビジネスが各国でどう扱われて
いるかは実は興味深い傾向があります。それはまた今度こちらのブログに
かきたいと思います。
しかしいい加減、続きをかかないといけませんねぇ。もうちょっとお待ち下さい。
なにせ引越やら何やらでブログどころではありませんでしたから。

by MANTA (2008-11-11 06:08) 

MANTA

>扱っているデータは全部自分で拾ったわけではないですよね?
そのとおりです。これがいまの科学のかなり本質的なところかもしれません。
現在、科学のある分野ではデータを取る人と、解析する人、解釈する人
に分業がすすんでいます。地球関係の分野ではその傾向が顕著かも?
だからといって、自分一人で地球中のデータを取るのにも限界があります。
科学の新しいステージに入っていっているのだと私は思っています。

by MANTA (2008-11-11 06:10) 

パンダ目

お忙しいところ恐縮です。 
お答えありがとうございます。 ズバッと申し上げますが。。

データ取得が分業状態ですか?  灯台下暗しと申しますか、それは素材を人任せにしている、いわば脳と感覚器官の神経を切っている状態ではないでしょうか?
嫌味になりますが、
脳細胞に二酸化炭素が充満して麻痺している状態という言い方もあります。
まあ私、同じですが・・・
慣れてくれば当たり前の状態になります。。

辛口ですがあえてこの際・・・
(辛口お好きですか?)
スペンスマルクというのを最近知りました。
松浦晋也さんのを読みました。
あと中本正一郎さんの地球シュミレーターのも読みました。

都合の悪い論文は削除され、世相に都合の悪い研究テーマは予算を貰えないということを、ちらほらあちらこちらで見受けますが、本当でしょうか?
科学者さん達も違った意味で大変な環境になっていますね。
そういった意味では、研究者さんを取り巻く環境も空気の入れ替えが必要なのでしょうかね?
それと関係ないのですが、
アーロンルッソという人物知っていますか?
最後の質問。manntaさんはどのような社会問題意識を持ち、どのような理想とする未来へのビジョンをお持ちになられるのでしょうか?
それと「お金と研究と今の生活」というテーマで何か思うことをお聞かせ願いたいのですが?
お邪魔して失礼しました。
by パンダ目 (2008-11-11 23:10) 

MANTA

パンダ目さん、ありがとうございます。

>データ取得が分業状態ですか?灯台下暗しと申しますか、それは素材
>を人任せにしている、いわば脳と感覚器官の神経を切っている状態では
>ないでしょうか?
おっしゃるとおりです。私は自分でデータを取ります。そうしている研究者も
多いでしょう。しかし一方で「地球は広い」と言うことも忘れてはいけません。また自分では取れないデータもあります(ずいぶん過去の記録など)

>都合の悪い論文は削除され、世相に都合の悪い研究テーマは予算を
>貰えないということを、ちらほらあちらこちらで見受けますが本当でしょうか?
誤解を恐れずに言えば、研究者にとっては自説に反する論文は、すべて
「都合の悪い論文」です。そして事実としては、科学の仮説は屡々覆され
ます。都合の悪い論文が世に出ない、というのは論文が受理されなかった
人達のグチだと私は考えています。

>manntaさんはどのような社会問題意識を持ち、どのような理想とする
>未来へのビジョンをお持ちになられるのでしょうか?それと「お金と研究
>と今の生活」というテーマで何か思うことをお聞かせ願いたいのですが?
それはテーマが壮大ですね。このコメント欄にはとても書ききれませんが、
ブログの随所で私の意識をかいていると思います。今後の記事をお読み
いただき、またご批判いただければ幸いです。
by MANTA (2008-11-12 07:47) 

おおくぼ

最近、海洋研究家の大河内直彦さんの大作『チェンジグ・ブルー(気候変動の謎に迫る)』(岩波書店)が出ました。




丸山茂徳さんの紹介している説は、雲の効果のごく一部の効果だけを拡張しただけだと思います。
例えば雲は水蒸気と同じか、それ以上の温室効果があります。
だから宇宙線の飛来の増加で低層の雲が増えても、地球が寒冷化するかは疑問です。


ところで、こんな説があります。

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=29078080&expand
by おおくぼ (2008-12-13 21:27) 

MANTA

記事を拝見しました。文字通り前人未踏の領域に踏み込んでいるようですね。
だからこそ過去と現状のちゃんとした把握が改めて必要と思います。
by MANTA (2008-12-16 19:58) 

MANTA

こんな記事が出ていました(英文)
●Cosmic Rays Do Not Explain Global Warming, Study Finds
 http://www.sciencedaily.com/releases/2008/12/081217075138.htm
「宇宙線(の変動)は地球温暖化を説明しない」というタイトルです。
一方で、同じ時期の米国の学会で丸山先生が自説を展開していましたが、
根拠がとぼしく(スベンスマーク効果の論文紹介のみ)、決着は付いた
のではないかと思います。

下記の日本語のブログで知りました。
●ブログ「温暖化いろいろ」さん
 http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/15879.html

by MANTA (2008-12-23 10:12) 

Emblemer

 はじめまして。 Kristjánsson論文に対する世間の評価を調べようと思ったらこのサイトに流れ着いてきました。だいぶ賑やかなサイトみたいですね。人為的温暖化論でここまでコメが多いブログは日本語では初めてです(といってもほとんど知らないけど)。
 さて「宇宙線(の変動)は地球温暖化を説明しない」とありますが、実際にこの論文目を通されたでしょうか?MANTAさんは記事の紹介として書かれたのは承知しておりますが、実際の論文の中身では本人達の研究を根拠に温暖化に関してなんらかしらの結論を下している箇所は僕が読んだ限り見当たりません。もっとも結論の最後で「For the ongoing global warming, however, the role of galactic cosmic rays would be expected to be negligible, considering the fact that the cosmic ray flux has not changed over the last few decades – apart from the 11-year cycle (Lockwood and
Fr¨ohlich, 2007).」と他人の論文を元に温暖化について一言触れてますがwww。
 中身についてもいろいろな表現を使っておりますが概して「相関はしているけど統計学的に明白なほどではない」、「最終的な結論を下すには更なる研究が必要」という論調です。
 MANTAさんは研究者のようなので不正確な引用はおそらく好まないものと思われます。記事の紹介としては正しくても論文の紹介としてはMANTAさんの本意にかなわない論文であると思われます。時間があれば是非ご自分で目を通されてください。
 それにしてもこの記事には何でこんなタイトルが付いたのやら。記者に本人が言ったのでしょうか?論文の内容からは信じられませんが。日本語版のwikiにも同じようなこと書いてあるし。不思議なものです。
 
 ttp://www.atmos-chem-phys.net/8/7373/2008/acp-8-7373-2008.pdf

 MANTAさんはSvensmark説に対しては批判的なようですがスベンスマルク本人のレポートはお読みになられましたか?スベンスマルク説を批判されるのでしたら本人のレポートを元に引用しながら批判されるとより説得力があるのでは?何より効果的だと思います。批判はどのタイムスケールについてでしょうか?スベンスマルク説そのものについてでしょうか?
 もういくつかお読みだとは思いますが一応リンク貼っときます。

 ttp://www.space.dtu.dk/English/Research/Research_divisions/Sun_Climate/Publications_full_text_SC.aspx

 ttp://www.space.dtu.dk/English/Research/Reports.aspx

中でも ttp://www.space.dtu.dk/upload/institutter/space/research/reports/scientific%20reports/isac_final_report.pdf

 は新聞のようにまとめられてて総論的になっております。

 時期違いのコメントに返事がもらえるやら?お返事くださると嬉しいです。長文失礼しました。

 

 

 
by Emblemer (2009-01-25 09:23) 

MANTA

Emblemerさん、きちんとしたコメントありがとうございます。

>実際の論文の中身では本人達の研究を根拠に温暖化に関してなんら
>かしらの結論を下している箇所は僕が読んだ限り見当たりません。
ごめんなさい、私は温暖化は完全に専門外なので、論文を読むことまでは
していません(このブログは私個人の趣味ですのでさすがにそこまでは…)
しかし上記記事に書いたように、Lassen自身はのちに太陽活動と温暖化の
関係に否定的な研究結果を出しているので、Emblemerさんのコメントに
納得です。

スベンスマルクの論文も同様に読んでません。この連載シリーズは、極力
ネット上で得られる情報を元ネタとし、これを読んだ読者もそれらをたどれる
ように、ということをモットーとしています(あと忙しくて読めない…泣)
スベンスマルクの結果は15年程度の雲量変化は説明できるかも知れま
せんが、30年間の温暖化傾向とは合わないのは明白です。あったとしても
一部分なのだと思っています。

ここにとても興味深いグラフがあります。地表温度変化から、単調増加傾向
&火山活動やエルニーニョによる短期変動を取り除いたものは、宇宙線の
変動ととてもよく似ているらしいのです。
”Svensmark and Friis-Christensen rebut Lockwood's solar paper”
http://www.skepticalscience.com/Svensmark-Friis-Christensen-rebut-Lockwood-solar-paper.html
逆にいえば、地球温暖化として知られている地表温度の単調的増加は
宇宙線の変動では説明できないということです。短いページなのでよろしければ
ご覧ください。私もご紹介いただいたサイトをこれから拝見いたします。



by MANTA (2009-01-29 08:35) 

Emblemer

 お忙しい中お返事ありがとうございます。サイトのご紹介ありがとうございました。Skeptical Sienceは僕も時々のぞくのですが今回紹介してくれたページは初めてでした。
 Skeptical Sicence(以下SS)でのスベンスマルク説への論駁はちょっとやりすぎかなと思います。このデーターはもともとスベンスマルク達のLockwood達への反論論文に掲載されているものですが(僕が紹介した中にあります)、海や対流圏は気温と宇宙線がよく相関していることをあげた上で、その一方で地表面はあまり相関がよくないもののトレンド除去をしたりするときれいな相関が出てくる、という流れの中での話しなので、SSでの説明はあまり関心しませんでした。
 MANTAさんはここ30年の温暖化と宇宙線量との関係から宇宙線説には否定的なようですが、太陽磁場はここ100年上昇傾向にあります。このスケールでは位相差も大きく出てしまうので、30年ではスケーリングとして微妙な関係が出てきてしまうのは仕方が無いと思います。またこのスケールではENSOなど海洋が間違いなく鍵を握っていそうなので宇宙線論者もこのスケールでは気温と宇宙線の相関を語ってはいない様です。
 また一方で人為的温暖化説では「温室効果ガスの増加によりOLRが閉じ込められやすくなり温暖化がおきる」ということになっておりますが、実際の衛星観測では地球から出てくるLW(long wave)が増えてしまっており、逆にSW(short wave)が減ったことにより温暖化がおきているようです。これはIPCC-AR4-ch3-p278-fig3.23に掲載されております。また観測との不一致では有名なfingerprintの不一致の事もあります。
 宇宙線説は定量的に計算するところまではまったくいたっておりませんが、人為説も定量的に計算しても一番肝心なところが観測と合っていないのですから、説得力が勝っているとは僕には思えません。雲のフィードバックもむしろマイナスであるとの研究論文が出てきているようです。
 科学を愛するものとして議論がどちらに転ぶにしても今後の成り行きを見つめて行きたいと思います。どちらが正しいにせよ人類史に残る出来事になってしまいましたから。日本語で温暖化論が読めるのはうれしいです。今後の連載楽しみにしております。 

 
by Emblemer (2009-01-30 18:35) 

MANTA

>このデーターはもともとスベンスマルク達のLockwood達への反論論文
>に掲載されているものですが(僕が紹介した中にあります)
Emblemerさん、凄いですね。Skeptical Scienceのサイトを読んだこと
ある人には初めてお会いしました。そうでしたか、誤引用でしたか。

>太陽磁場はここ100年上昇傾向にあります。
とはいえ、Skeptical Scienceのグラフにあるように実際に地球に降り注ぐ
宇宙線は増加傾向にはなさそうなので、スベンスマルクのいうような単純な
雲発生モデルはやはり成り立たないと思っています。…って、このグラフは
スベンスマルク自身が作ったんですよね!?あれ?
ご紹介いただいた資料をじっくりと拝見したいと思います!

>実際の衛星観測では地球から出てくるLW(long wave)が増えてし
>まっており、逆にSW(short wave)が減った
そう、衛星がカギですよね。LWが赤外線、SWが日射の周波数くらいと
すると、後者は私も同様の結果をScienceで読みました。このあたりが
温暖化の真実を考える鍵になりそうですね。私なりの温暖化ストーリーを
そのうちこのブログに書きますので、お楽しみに!
by MANTA (2009-01-31 08:36) 

mon

私は、基本的には最近の温暖化は人為的なものだと思っております。
>1980年頃から後では太陽活動周期は変わらないのに、気温はどんどん上昇している
ただ、上記の理屈というのは、ちょっとピンと来ません。
たとえば暖房で部屋を暖める時のことを考えると、部屋の温度の微分は暖房の強弱それ自体で決まるのが普通です。
一方「1980年頃から後では太陽活動周期は変わらないのに」という言い方は、「暖房の強弱調節を1980年以降上げたり下げたりしていない(つまり微分はほぼゼロ)のに部屋の温度が上がっている」と言うような言い方に聞こえます。
でも、実際は、強弱に変化がなくても、強弱の値自体が「(移動平均で考えて)やや強」にさえなっていれば、長期的に部屋の温度は上がっていくわけですよね。
気温はむしろ、強弱の値の積分に影響されるのですから……。
だから「与えるエネルギーの(11年移動平均での)変化はゼロに近いのに気温は上がっている」
ということは、別におかしなことではないんじゃないでしょうか。
そう思って、「地球温暖化問題懐疑論へのコメント」にある図3.1を見ると、
http://www.cir.tohoku.ac.jp/~asuka/index.htm
なんとなく、20世紀後半は「やや強」になっているようにも見えます。
とはいえ、色々なフィードバック効果を考慮した上で見積もりとして上昇分を説明しきれないというのは十分ありうることで、たぶん、やはり人為的二酸化炭素の影響は無視できないことになるのだろうなとは思ってはいるのですが。

by mon (2009-03-23 00:23) 

mon

先の記述はちょっとわかりにくいかもしれません。ちょっと言い換えてみます。
E を太陽活動を示す値、気温をTとして、EによってTが決定されるという式は、ざっくりと以下のようになると思います。
T(t)=f(E(t))+∫g(t,E)dt
T と E の相関だけで議論するっていうのは、2項目の積分(過去の太陽活動の現在に与える影響)を無視しているような気がするということです。

by mon (2009-03-23 01:06) 

mon

たびたびすみません。先の式
T(t)=f(E(t))+∫g(τ-t,E)dτ
と書いた方がよいですね……。
積分範囲は-∞~t ということで。
by mon (2009-03-23 01:10) 

MANTA

monさん、するどいコメント!です。ありがとうございます。
上記記事に追記しました。過去の太陽の入射エネルギー変化が現在の
気温変動に与える影響をきちっと議論することは難しいですが、ピナツボ火山
噴火のときの気温変化をみると、その影響はちいさそうです。
by MANTA (2009-04-01 18:16) 

Co2

海の研究者様。
かなり遅れてのコメントでもうしわけないのですが、最近のCo2による人為的温暖化論者のかたは、ここ(というより2003年以前)30年間の温暖化傾向と太陽活動変遷の間に相関が見られないため、Co2原因説を強く主張される方多いと思うのですが、こう考えてみてはいかがでしょう?ここ100年の温暖化傾向は基本太陽活動の活性化に基づく長いスパンの19世紀の寒冷化からの回復であり(海洋が暖まるの時間かかりますから)1960年前後の寒冷化は太平洋数十年周期のクールモードと太陽活動の低迷化によるもので、2003年あたりまでの温暖化はホットモードによるものだといえないでしょうか?
そして現在は太陽活動も200年ぶりクラスの低迷。サイクル24はダルトン極小期並みの活動になるという予測もあります。そしてそのような状態で太平洋数十年変動もクールモード。まだ19世紀の寒冷化からの影響は残りますが、太陽活動の低迷も太平洋数十年変動のクールモードもあと20年(もしかしたら30年)ほどは続くかもしれません。
by Co2 (2009-07-30 00:20) 

MANTA

>ここ100年の温暖化傾向は基本太陽活動の活性化に基づく長いスパン
>の19世紀の寒冷化からの回復であり、、、
Co2さん、コメントありがとうございます。しかし相関がないのに因果がある、
とするには無理はありませんか?ホットモード、クールモード等、太陽活動
が「なんらかのプロセス」を経て、地球を長期に暖めたり冷やすことはあるかも
しれませんが、記事本文の追記に書いたように、太陽光の変化は比較的
速やかに地表温度変化に反映されています。「なんらかのプロセス」を考える
のがよいのか、二酸化炭素で説明するのがよいのか?私は後者、あるいは
どちらでもなく、もっと単純な事由によると考えています。
by MANTA (2009-07-30 08:55) 

iさん

50年前の黒点観測の感覚からは、温暖化主因は100%黒点で0%co2と存じます。(気温が上がるとco2濃度が上がる)起因はサッチャーなのですか?ロンドンに行きましたが、テムズ沿いのマンション価格が下がると困るアングログローバルスタンダードco2主因説。(北極海の氷が溶け無くなった瞬間、メキシコ湾流は止まり、雨は雪に変わり降りやまずロンドンは氷の下に)昨年よりの黒点が減りだした7月半ばの関東地方の某日、お空見上げるとまるで旧盆明けの秋の空の様。寒冷化の始まりでしょうか?温暖化で食べて居る方々ごめんあそばせ。
by iさん (2009-07-30 21:22) 

Co2?(こちらのほうが正解。前回の投稿の際ミスしました)

>太陽光の変化は比較的速やかに地表温度変化に反映されています。
これは短期の変動だと思うのですよ。事実太陽光の遮蔽が減少した後は元のレベルに戻っている。
もっと短期的に見た場合、晴れてる日と曇ってる日では気温ちがいますよね。それの数ヶ月〜数年単位版のお話だと思います。ではまだ確実には解明されていない太陽活動(可視光にかぎらない)と数十年〜100年単位の中〜長期の気温変動システムってあるんじゃないでしょうか。20世紀のなだらかな温暖化傾向に関してはそう予測したほうが、Co2主因説よりもすっきりする気がしています。

屋久杉の年輪解析や月の深部温度調査などによる太陽活動と気温変動の相関に関する状況証拠はありますし。

20世紀後半の上昇に関しては太陽活動によるなだらかな上昇にプラスしてPDOや他様々な影響があるのかなと。

*理系的精緻な言葉を使えないところはご容赦を。

by Co2?(こちらのほうが正解。前回の投稿の際ミスしました) (2009-07-30 21:26) 

MANTA

>50年前の黒点観測の感覚からは、、、
iさん、感覚で済むのでしたら、科学はいりません。

----
>屋久杉の年輪解析や月の深部温度調査などによる太陽活動と気温変動
>の相関に関する状況証拠はありますし。
Co2さん、中途半端な知識に基づく思い込みは止めた方がよいでしょう。
屋久杉の話は、上記記事の東大の成果を一度読んでみてください。

>ではまだ確実には解明されていない太陽活動(可視光にかぎらない)と
>数十年〜100年単位の中〜長期の気温変動システムってあるんじゃない
>でしょうか。
解明されていないシステムに押し付けるのならば何だってできます。
なんなら、「温暖化は神が与えたもうた人類への課題である」でよいでしょう。
あるいは先日の記事に書いた、「ツングースカ大爆発は宇宙人がUFOで…」
となんらかわりません。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2009-07-15
by MANTA (2009-07-31 07:06) 

早秋

太陽活動と気温とだけの相関を見る場合、太陽活動は11年周期ではなく、55年周期で捉えられています。
11年周期と気温とは合わないとの見方は、太陽活動を(も)主因とする側から既に示されています。
相手が既に認識していることと同じことを指摘しても、なんら反論にならないと思われますが。
by 早秋 (2009-11-07 07:52) 

MANTA

>11年周期と気温とは合わない
11年周期と気温変動は相関がありますよ。スベンスマルク自身がそういって
います。そのあたりは、近いうちに記事にしようかと思っていますが、温暖化
の記事はノイズが多いので続けるかどうするか悩んでいます。
気長にお待ちください。

by MANTA (2009-11-19 04:43) 

早秋

以下の点をもう少し丁寧に踏まえた説明が必要でしょう。

・「1980年頃から後では太陽活動周期は変わらないのに、気温はどんどん上昇している。」「1980年頃以降の地球温暖化を太陽活動だけで説明することは困難である。」
下記のグラフによれば、太陽照射エネルギーは漸増傾向を見せている。
http://eco.nikkeibp.co.jp/style/eco/special/070803_warming4/index3.html

・「スベンスマーク効果を持ち出すと、実はなおさら説明できなくなる。」
下記のグラフ上、宇宙線の減衰量は常にマイナスである、すなわち宇宙線の絶対量は減り続けている。
http://stesun5.stelab.nagoya-u.ac.jp/study/sub8.htm
by 早秋 (2009-11-20 08:10) 

NO NAME

太陽活動だけでもずいぶんと説明がつくんだねえ、お天道様々ですな。
by NO NAME (2010-04-13 00:54) 

MANTA

本文をお読み頂いていないコメントのようですね。最近は説明がつきません。
ただし、お天道様々なのは確かにそうです。
(こちらの数式等をおって頂くとよいでしょう)
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2008-12-16-1
by MANTA (2010-04-13 08:02) 

本文をお読み頂いていないコメントのようですね。

本文+コメントを読んでのコメントなんがだね、本文だけじゃあ内容が薄いからね。
by 本文をお読み頂いていないコメントのようですね。 (2010-04-13 19:41) 

アマディー

こんな記事を見つけました。

'Missing' heat may affect future climate change
http://www.technobahn.com/news/Missing_heat_may_affect_future_climate_change_2010041512000043.html

気候変動に影響をおよぼす「熱」がどこにいっているのか、わからない・・・ということのようです。結局わからないことだらけ。

結局現時点では将来の予測は極めて難しいような気がするのは私だけでしょうか?
by アマディー (2010-04-18 13:17) 

MANTA

アマディーさん、ありがとうございます。ご紹介の記事、私も読みました。
なるほど、熱のうち半分くらいは海に消えてしまっているかもしれないとのこと、
興味深いです。一方で、2003年ごろまでは数値計算と観測は一致していた
らしいです。なにかが起き始めているのかしら?
by MANTA (2010-04-30 20:25) 

MANTA

追記:スパイラルドラゴンさんからコメントを頂いておりましたが、(2008-07-21 06:56)
>小氷期の頃の太陽照射エネルギーは、2000年初頭の頃より0.2%も
>低かったのです。
2008年当時、あいまいにしかお応えできませんでしたが、先日書いた記事
がずばり返答になってました。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2010-07-04
温暖化懐疑派は「気候変動はCO2によるものか?太陽活動によりものか?」
という二拓論に走りがちですが、上記でも読んで勉強いただければと思います。
by MANTA (2010-07-19 09:59) 

KTS

MANTA様、はじめまして。時期遅れのコメントをお許し下さい。

一連の記事・コメントを拝見しました。(参照記事は一部読み飛ばしましたが;)
大変おもしろかったです! 就寝前に読み始めたところ、明け方になってしまいました。各主張の根拠とウィークポイントなど、知らなかった事実が多く勉強になりました。ありがとうございます。わかりやすく、しかし必要な議論は取りこぼさないよう真摯に書かれており驚きました。コメントへの対応に関しても、お疲れ様です^^; (同位体の下りなどなど)

蛇足になるのですが、上の早秋様の挙げてらっしゃった2つの図は読み方が間違っているような気がするな、とこっそり述べておきたくこの記事へコメントを付けました。MANTA様があえてスルーされているのならばすみません。
by KTS (2010-10-05 06:02) 

MANTA

KTSさん、コメントありがとうございます。同位体の部分は宿題のまま、ホッタ
ラカシでお恥ずかしい限りです。やっと次くらいに連載記事にできそうです。

早秋さんの御紹介記事でしたが、本記事の反論にはなってませんでしたので
お返事することもございませんでした。なおその後、関連記事として下記を書いて
おります。いずれも早秋さんの指摘が誤りであることを示しています。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2010-01-11
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2010-07-04
御参考になれば幸いです。

by MANTA (2010-10-06 01:26) 

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