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頭を冷やすのは誰か? [ 地球温暖化を学ぼう]

サミット開催中である。今日は主要テーマである”地球温暖化対策”に関して
北海道で議論されているはずだ。

●洞爺湖サミット きょう温暖化対策討議 長期目標どう米説得
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080708-00000079-san-pol

ネット上の各所でも温暖化対策賛成派と反対派が議論を戦わせている。特に反対派は、
・二酸化炭素排出量削減は温暖化抑制の効果はない!経済活動を阻害するだけだ!
・「地球にやさしい」なんて偽善だ!
・そもそも福田内閣が気に入らない!
などなどの思いから、どうやって二酸化炭素を「善玉」にしようかと躍起に見える節もある。

そういった政治・経済的な議論はどんどんやるべきだ。しかし、
・「地球の気温は実は上がっていないのではないか?」とか
・「二酸化炭素の増加は地球温暖化の原因ではなく、結果ではないか?」
といった、一部の科学データの”見た目”に基づく議論はもうそろそろやめてはどうだろうか?


Earth Egg by azrainman (protected by CC Licence

ここで地球温暖化対策反対派の誤った理解例を一つあげよう。
●温暖化懐疑論のまとめ(池田信夫Blog)
 http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51294137.html

※先に断っておくが、私は彼のブログが好きである。書かれている情報の真偽は
ともかく、彼の文章の書きぶりが好きなのである。論点が整理されているからこそ、
あえて反論してみたくなるのである。

これは一つ前の記事「地球と一緒に頭も冷やせ!」やさらにその前の一連の記事を
読まないと詳細が分からないが、彼の主張はかいつまんで言えばこういうことである。
(以下1~5は「温暖化懐疑論のまとめ」からの引用)

1)そもそも温暖化は起きていない(寒冷化が起こる)
2)温暖化は自然現象であり、人為的な要因は重要ではない
3)温暖化をCO2削減で止めることは不可能だ
4)地球温暖化のリスクよりその対策(京都議定書)のコストのほうが大きい
5)CO2排出権取引は非効率であり、課税で解決すべき

このような地球規模の科学的・政治経済的議論を行う場合、問題を要素にわけずに
ゴチャゴチャにした上で「できる・できない」論や「好き・嫌い」論で応じる論客が多いが、
池田氏は科学的な部分にも踏み込んでちゃんと議論をされている。私も3については部分的に、
4~5については概ね同意する。しかし残念ながら1の「そもそも温暖化は起きていない」は
誤っており、2の「人為的な要因は重要ではない」については一部誤って理解されている。

地球温暖化について考えるとき、4つの項目にわけて考えねばならないと私は考えている。
1)地球は本当に温暖化しているのだろうか?
2)地球温暖化の原因は、人為的に排出されたCO2なのか?
3)近い将来、地球温暖化は大きな問題になるのだろうか?
4)地球温暖化に対する効果的な対策は?その実施体制は?

概ね池田氏の分類と同じである。また悪名高き?IPCC(気候変動に関する政府間パネル)
の第4次報告書のワーキンググループも上記と同様の区分けである(1,2=グループ1、
3=グループ2、4=グループ3)。つまりこれらの区分けで議論することは正しい。
では個別に見ていこう。

1. 地球は本当に温暖化しているのだろうか?
まず「地球温暖化」の定義を確認しよう。Wikipedia(日本語版)ではこう書かれている。
地球温暖化(ちきゅうおんだんか)とは地球表面の大気や海洋の平均温度が
長期的に見て上昇する現象である。

また英語版ではこう書かれている。
Global warming is the increase in the average measured temperature of
the Earth's near-surface air and oceans since the mid-twentieth century,
and its projected continuation.
訳すと「地球温暖化とは、20世紀中頃以降から将来へかけての、地球表面の
大気・海水温度の平均測定値の増加である」

またTerminology(用語)の部分ではこう書かれている。
The term "global warming" refers to the warming in recent decades
and its projected continuation, and implies a human influence.
訳すと「地球温暖化とは、ここ数十年内から将来へかけての温暖化を意味する」

さて池田氏はブログでは、”2007年以降、世界の気温が0.7℃以上下がって
いるので地球は寒冷化しているのではないか?”と指摘している。
しかし地球温暖化の定義が「数十年スケールの温度増加」であるとすれば、
この程度の気温低下は温暖化の範疇には入らない。

では数十年スケールで地球は真に温暖化しているのだろうか?答えは明白にYesだ。
この詳細を書くと長くなるので、次回以降の記事に書いてみよう。

2. 地球温暖化の原因は、人為的に排出されたCO2なのか?
これは1よりも複雑な問題である。池田氏は2を否定する資料として2つをあげている。
2-1) 「気温変化」が「CO2濃度変化」を引き起こしている可能性が否定できない。
 ●地球温暖化バブル(池田信夫ブログ) ※図2をご覧下さい
 http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51294058.html
2-2) 太陽活動の影響で、気温の変化はほぼ説明できる。
 ● 地球温暖化論のウソとワナ(池田信夫ブログ) ※図2をご覧下さい
 http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51294063.html

2-1の記事の図を見ると、なんと気温変化のほうがCO2変化よりも先だ。
CO2が気候変動の要因ならば逆ではないか!というわけである。
また2-2も図をみると、太陽活動の変化こそが気温変化の原因にみえる。
しかし2-1、2-2とも残念ながら誤りである。
なぜ誤りか? これもここには書ききれないので次回以降の記事に書いてみよう。

---
今日はここまで。
なんか引っ張るみたいでごめんなさい。でもこの問題、ちゃんと議論しようと思ったら
ページ数が必要なので、ご了承下さいませ。

おわりに、興味深いフレーズを一つご紹介。
Science and Communication Blogさん経由で知ったブログ、
「若だんなの新宿通信」さんから引用。

●温暖化そのものではなく、そのプロセスが問題
 http://tf244.blog107.fc2.com/blog-entry-339.html
>シンプルな絶叫の方が、クールな分析を上回る。
>でも、それでいいのか?

引用文中での「シンプルな絶叫」は地球温暖化に関する詳細な科学的検討過程を
無視して、一部の結果だけを都合良くスローガンにするということであろう。
そう言う意味では「エコは大事!」「地球にやさしく!」もシンプルな絶叫である。
「地球温暖化は、温暖化を信奉する一部の研究者と政治家が予算を獲得のために
でっち上げたものだ!」という叫びもむろんシンプルだ。
地球温暖化対策賛成派も反対派も、クールに分析いただいた上で、熱く語って頂きたい。

※この記事の続きをよむには、サイドバーの「カテゴリーの紹介」をご覧下さい。
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スパイラルドラゴン

MANTAさん、こんにちは。
環境省やIPCCが主張している「温室効果のメカニズム」の最大の矛盾点は、大気の99%を占める窒素と酸素は非温室効果ガスに分類していて、温室効果ガスが無かったら、地球(地上の観測地点)の平均気温が-19℃になってしまうと主張している点です。

この理論に従えば、湿度が殆ど無い砂漠の気温は、二酸化炭素のみによって加熱されることになりますが、二酸化炭素の濃度は0.04%程度しかありませんし、99.9%を占めている窒素と酸素は地表放射の遠赤外線を吸収しないことになっていますので、大気に著しい気温差が生じてしまします。

でも現実には、昼間に日陰がなければ、空気は一様に加熱されています。

そのメカニズムは、大気中の99%を占める窒素と酸素が、太陽光により加熱された地表面との熱伝導(接触加熱)により加熱されているからです。

そして、二酸化炭素が地表放射の遠赤外線を吸収した際の振る舞いは、振動誘起状態になり周辺を取り囲んでいる窒素・酸素分子と衝突する、無放射緩和過程を経て失活することで、地表面からの熱エネルギーを拡散し、最終的には宇宙空間へと放出しているのだと思います。

つまり、二酸化炭素による保温効果などは、地球大気の体積比から検証すれば、その熱的影響力など、限りなくゼロに近い物でしかないのです。

参照:「地球の保温システム」で見過ごされている、窒素・酸素による保温効果(仮説)http://blogs.dion.ne.jp/spiraldragon/archives/7019014.html
by スパイラルドラゴン (2008-07-08 13:33) 

飛騨の忍者 ぼぼ影

実際のところはどうなのでしょうか。
地球に住む全ての人たちが環境維持に勤め、恩恵を享受できれば
by 飛騨の忍者 ぼぼ影 (2008-07-08 15:28) 

MANTA

スパイラルドラゴンさん、コメントありがとうございます。
「2.地球温暖化の原因は、人為的に排出されたCO2なのか?」改めて別記事にしますので詳細はそちらをおまちいただくとして、空気の断熱効果では地球温暖化を説明できません。空気は動かない場合は断熱効果が高いですが、対流があれば効率よく熱を輸送します。エアコンがどうやって部屋全体を暖房するかを考えてみるとよいでしょう。詳細はこちらをご覧下さい。
<Q. なぜ空気層あると、断熱効果があるのでしょうか>
http://questionbox.jp.msn.com/qa3658221.html?StatusCheck=ON
by MANTA (2008-07-08 18:25) 

MANTA

>実際のところはどうなのでしょうか。
ぼぼ影さん、それは「実際に地球にとって大きな問題かどうか?」という
ことでしょうか? 私個人としては地球温暖化よりももっと本質的な問題
に取り組まないといけないだろうと考えています。それが何か?は、
また後の記事で! (とてもここに書ききれない)
by MANTA (2008-07-08 18:31) 

yutakarlson

■洞爺湖サミット開催-CO2削減にいまこそ創意工夫を
こんにちは。いよいよ洞爺湖サミットが開催されました。いろいろなことが話しあわれるでしょうが、その中でもco2削減に関してはかなり重要な議題になると思います。ただし、サミットでいろいろ決まったとしても、国家レベルの話です。各々の国は自国に帰って、法律を整備したり、公共工事などてインフラを作成するのだと思います。その法律や基盤の上で実際に実施するのは民間企業やNPOということになると思います。そうした意味からも、今は民間企業や、社会に co2削減に関して真の意味で「創意工夫」が求められているのだと思います。ここに書くと長くなってしまいます。詳細は私のブログをご覧ください。
by yutakarlson (2008-07-08 21:10) 

yutakarlson

■地球温暖化詐欺-co2説はプロパガンダか?
こんにちは。洞爺湖サミットも開催され、世の中環境問題の話題であふれています。しかし、この話題の中で確実に多くの人に認識されていないことがあります。それは、地球温暖化=co2は、一学説に過ぎないのであり、誰もそれを正しいと証明した人はいません。ただし、間違いであるのとの反証はいくつかあがっています。これに関して、最近「地球温暖化詐欺」という動画がYouTubeに掲載されています。私のブログにも掲載しました。多くの人がco2説に惑わされています。私自身は、低炭素社会をつくるため、co2の排出をなべく減らそうということには賛成で意義のあることだとは、思っていますが、co2 が地球温暖化の原因になっているという説、それから、地球が温暖化に向かっているという説には反対です。詳細は是非私のブログをご覧になってください。
by yutakarlson (2008-07-08 21:18) 

薔薇少女

難しい事は解りませんが、『もったいない』精神と『どケチ』根性(よく言えば節約?)で、日々暮らしています!
洞爺湖サミットで出された食事の残飯はどうなるのでしょうか?

世の中の色んな事がどんどんIT化され、デジタル化され、
付いてゆけなくなってしまいそうです。
テレビも数年後には地デジに変るし、携帯も(ソフトバンク)2010年には
第2世代携帯は終了すると、昨日突然告知が来たし、耐用年数が過ぎても大事に大事に使って来た物が、全くその機能を失うなんて、受け入れ難いです。
物を大切に使うというのも、CO2排出を減らす事にもなるのではないのですか?
次元が低いコメントで申し訳ありません・・・

by 薔薇少女 (2008-07-08 22:31) 

MANTA

yutakarlsonさん、コメントありがとうございます。私がCO2の問題に
ついてどう考えているかは、このあと何回かに分けてこちらの記事に書き
ますのでまたご覧下さい。ポイントは「個別の問題に分けて考えよう」です。

----
>次元が低いコメントで申し訳ありません・・・
いいえ!薔薇少女さん。地球環境問題はみんなに関わる問題なのです。
次元なんて関係ないのです。

>洞爺湖サミットで出された食事の残飯はどうなるのでしょうか?
>物を大切に使うというのも、CO2排出を減らす事にもなるのではないの
>ですか?
これが普通に暮らす人にとっては一番気になることでしょう。(もちろん私
だって!) 後日の記事でまた触れますが、こういうことだと思ってます。
・「簡単なエコ」=地球にやさしいなんてたいそうな物でなく、できることから。
 むしろ「家計にやさしいエコ」と考えればよいでしょう。
・「簡単でないエコ」=本気で地球環境やこれからの未来を考えるので
 あれば、相当の身銭を切らないといけないでしょう。例えば、環境税が
 導入されて消費税が15%になる、その代わり地球温暖化は防げるし、
 自然エネルギーの使用も推進される。

レジ袋や残飯を減らすエコと、それと違うエコが2種類存在します。
あなたはどちらのエコを選びますか? と後日の記事で問います。
by MANTA (2008-07-09 04:23) 

bobby

MANTAさん、私も池田信夫blogを愛読する者です。彼のブログの良いところは、世の中の辻褄の合わないところに首を突っ込んで容赦ない批判をするところだと思っています。私が理解する限り、池田氏は温暖化を肯定も否定もしていません。批判しているのは、疑問の多いIPCCのレポートと、欧米政府の作為的な温暖化対策と、それに踊らされている愚かな日本の政府やメディアについてです。だから「温暖化懐疑論のまとめ」には、2と3と4と5が含まれています。

>ここで地球温暖化対策反対派の誤った理解例を一つあげよう
つまり池田氏は温暖化反対派ではなくて、あえていえば懐疑派ではないでしょうか。かく言う私も懐疑派です。IPCCレポートのようないいかげんなものではなくて、批判の余地のないデータと分析を示してもらえれば、それで納得できるのです。現状では、池田氏がいろいろなところから見つけてきて繰り返し記事で示しているように、反対データが多くて、納得できません。

科学的なデータうんぬん言われる人為的温暖化論者(科学者)へまず伺いたいのは、1万年前に終了した氷河期から次の氷河期までの地表温度変化についての信頼性の高い仮説(温度のピークは何時頃に来て下降はじめるのは何時頃か)、6000年前の地球が今より高温であった事(考古学的仮説)の理由、現在は間氷期の温度傾向のどの位置にあって、それらをふまえて今の温暖化が人為的でなければならない理由、それをまず示していただきたいと考えています。

かりに温暖化しているとして、それが間氷期における数百年あるいは数千年単位での挙動にすぎないのか、人為的な理由が被さっているのか、まったくあたらしい自然現象なのか、そもそも間氷期の地球表面の挙動がデータ不足で不明確な現在、確定的な事は(科学者として)何も言えない筈ではないでしょうか。それなのに人為的だと決め付けるという事は、もはや科学的とはいえないのではないかと、素人考えながら思う次第です。
by bobby (2008-07-10 17:26) 

MANTA

bobbyさん、コメントありがとうございます。

>池田氏がいろいろなところから見つけてきて繰り返し記事で示しているように
>反対データが多くて、納得できません。
その解釈に誤りがあったり、データの一部だけを切り出して都合良く議論
しているので(池田氏が、というわけでなくその元データの紹介者が)、
間違いを指摘しようというわけです。次の記事もお読み下さい。

氷河期などのお話もいずれ触れます。ただし、過去の数少ないデータに
ついて議論するよりも、現在の高精度データをちゃんと見る方が先です。
気長にお待ち下さい (^^;)
by MANTA (2008-07-12 13:15) 

MANTA

一連のコメントを読み直しましたが、スパイラルドラゴンさんの下記のコメント
は明らかに誤りですので追記します。同氏はあちこちのブログで同じような
主張を繰り返していますが、反論コメントは受け付けておられないようです
のでここに記しておきます。

間違い1:湿度が殆ど無い砂漠の気温は、二酸化炭素のみによって加熱
  されることになります。(中略)大気に著しい気温差が生じてしまします。
そのために緯度方向に大気大循環がおき、結果として地表の温度が均一
化されています。熱輸送のうち、対流をお忘れなく。

間違い2:大気中の99%を占める窒素と酸素が、太陽光により加熱された
  地表面との熱伝導(接触加熱)により加熱されているからです。
明らかに誤りです。温室効果ガスによる赤外線の放射がなければ、世界は
平均して-16℃程度になります。熱伝導では-16度よりも空気を暖められ
ません。断熱効果も、物を暖めることはできません(保温のみ)。
唯一、大気の赤外線の吸収・放射のみが地球からの熱エネルギーの
散逸を押さえ、地表の温度を-16度より上げることが出来ます。

間違い3:無放射緩和過程を経て失活することで、地表面からの熱エネル
  ギーを拡散
温暖化懐疑論者の間では「失活」という言葉が流行っているようですが、
地表から大気が得たエネルギーを失う唯一の方法は宇宙空間への放射
です。このとき同等のエネルギーが地表方向へも放射されます。
仮に宇宙空間へのみ放射が行われて、地表への放射がないとすれば、
放射なしと同じですので、やはり世界は平均-16℃の世界になります。

以上については、本連載の6回目の記事で解説しますので
そちらをご覧下さい(8月中旬Up予定)。
by MANTA (2008-08-06 03:12) 

予報士

温暖化否定論者はまず日々の気象データを全く見ていない、昭和以前の正常な気候データとの比較を行っていない、短期的で小規模の気温低下はことさらに強調するくせに、数十年スケールで起こっている異常高温の多発を過小評価する、一般人が理解できない難しい化学的過程の中に、明らかに矛盾した理論を勝手に創作して、人為温暖化を簡単に否定しようとする・・などの傾向が見出せますね。否定派の意見は矛盾だらけなのに、IPCCをはじめとする温暖化人為論には何一つ矛盾がありません。データを正しく読めば、真理はただひとつ、こんなに簡単なことがなぜ理解できないのか?と思います。布団をかぶせれば暑くなるのは当然ってことです。布団をかぶせたのに、全然暑くならない、もしくは布団をかぶせたことが原因じゃなく、別の原因で暑くなったのだと、布団を重ね着しながら議論しているような愚かさを感じますね。
by 予報士 (2008-08-15 15:45) 

MANTA

予報士さん、コメントありがとうございます。

>否定派の意見は矛盾だらけなのに、IPCCをはじめとする温暖化人為論
>には何一つ矛盾がありません。

矛盾に立ち向かうのが科学です! 否定派の方々の意見にはどのような
矛盾があるのかをこのブログで書いてみております。またご意見いただければ幸いです。

ところで、IPCCの報告に何一つ矛盾がないかと言えば、さにあらず。
そんなお話もまた本連載のあとのほうでするとおもいます。気の長い
お話ですが、おつきあいいただければ幸いです。
by MANTA (2008-08-16 09:10) 

t

ちょっと分からないのですが、大気からなぜ地表に放射が起こるのですか、低温側から高温側への放射というのがよく理解できないのですが?定常状態では正味地表への放射は起こらないと思いますが?

不勉強なものでご教示お願いします。
by t (2008-09-19 02:35) 

MANTA

tさん、コメントありがとうございます。
大気から地表への放射は起きます。放射される熱エネルギーは大気の温度
と放射吸収率に応じた量です。一方、地表から大気へも放射は起きます。
地表の温度・放射吸収率は大気よりも大きいので、地表から大気へ放射
される熱エネルギーのほうが、大気から地表へ放射されるものよりも大きい
です。従ってトータルでは高温側(地表)から低温側(大気)へ熱エネルギー
が輸送されています。
by MANTA (2008-09-19 08:21) 

大げさのたぐいです

1,現在平均気温が0.6~0.7℃上がっている→正
2,現在CO2濃度が100ppm増えてる→正
3,CO2が100ppm増えたせいで 0.7℃上昇→大げさ
4,現在のCO2増加が続くと20年で1℃上昇→大げさ

CO2の正味の効果はIPCCでも1.66W/㎡としています。
1.66も根拠は不明ですが、1.66W/㎡増に釣り合うのは0.3℃程度です

100ppm増で0.3℃ では、20年で1℃上昇なんてありえませんよね?

そもそもホッケースティックのグラフが正しいのだとすれば過去数千年気温が安定していたという事になります。 その間火山の噴火や海流の変化等気象変動を引くトリガーは沢山あったでしょう。それなのに安定していたという事は、気温を安定化されるフィードバック機構を持っていたという事になります。
なぜCO2にソレが働かないと考えているのか不思議でしょうがありません
by 大げさのたぐいです (2010-02-10 10:22) 

MANTA

大げさのたぐいさん。コメントありがとうございます。
>そもそもホッケースティックのグラフが正しいのだとすれば過去数千年気
>温が安定していたという事になります。(中略)気温を安定化されるフィード
>バック機構を持っていたという事になります。
あるいは逆に、「ホッケースティックのグラフはウソだ、本当は過去にも気温
変化は激しかった。だから今の温暖化は自然現象なので、放っておいても
かまわない」と言う人もいますね。

こういう議論をする人は大事なことを忘れています。20世紀以降のCO2濃度は
地球がかつて体験したことがないほど増加しています。なので過去との対比
による未来予測はあまり意味がありません(例えば、今回”フィードバック”
が働く補償はどこにもない)。

>100ppm増で0.3℃ では、20年で1℃上昇なんてありえませんよね?
ありえるのか、ありえないのか? それをこの連載で考えてみたいと思って
います。ご愛読いただければ幸いです。
by MANTA (2010-02-11 11:54) 

大げさのたぐいです

>今回”フィードバック”が働く補償はどこにもない
これはおかしな話です。フィードバック機構があるなら、ソレは物理法則であって、「どこにもない」という事はソレさえ判らないって事になりませんか?
コンピュータシミュレーションでの気候再現が十分な能力であるなら、そのフィードバック機構が過去働いて、現在働かない理由も解析出来ていなければおかしな話でしょう?
そういう意味では説明責任を果たしていないと思えますよ。
ホッケースティックのグラフと同時に極端な未来予測をしてるのですからね。

by 大げさのたぐいです (2010-02-12 06:18) 

MANTA

>コンピュータシミュレーションでの気候再現が十分な能力であるなら、そ
>のフィードバック機構が過去働いて、現在働かない理由も解析出来てい
>なければおかしな話でしょう?
大げさのたぐいさんはどうやら、気候の負のフィードバックがあるとして、常に
負方向に働くと思いこんでいるようですね。しかしフィードバック機構自体の
時定数や位相特性が外的要因によって変化する場合、負のフィードバック
が正のフィードバックへと変化することは容易に想像がつきます。また、短
期間では負に働くフィードバックも、長期間では正に働くことがあるようです
(例:植物からのCO2排出と気温)。

ですので、はっきりいうと「何が起きるかわからない」が正解だと私は思い
ます。気候のフィードバックについては実に様々あって、これを理解して気候
予測することは気候学者の長年の(究極の)夢でしょう。ただ興味深いご指摘
です。いずれ、この連載でも様々なフィードバック機構を取り上げてみます。
by MANTA (2010-02-12 20:55) 

大げさのたぐいです

だから、コンピュータシミュレーションで再現出来ているなら
>負のフィードバックが正のフィードバックへと変化することは容易に想像がつきます。
と"想像"ではなく、どの時点で、どういう要素が変化したのか判らないといけません。 

地球は宇宙空間に対してエネルギーの出入りで平衡していなければいけません。 CO2の影響は平均0.3℃の気温上昇で平衡します。 0.7℃で平衡したというコンピュータシミュレーション結果が出たなら、アルベド変化や水蒸気量変化も計算過程で出ている筈ではありませんか?

そしてその結果が出されているなら、アルベド変化がホントにCO2要因で変化してるのか等が議論されるでしょう?

まるでCO2要因で0.7℃上昇したかのように大げさに言う片棒を担ぐのはどうかと思いますよ
by 大げさのたぐいです (2010-02-13 07:33) 

MANTA

>>負のフィードバックが正のフィードバックへと変化することは容易に想
>>像がつきます。
>"想像"ではなく、どの時点で、どういう要素が変化したのか判らないとい
>けません。 
また改めて記事にするつもりですが、大げさのたぐいさんはフィードバックに
強い興味をお持ちのようですから、ご自身でお調べになるとよいでしょう。
一例を挙げておきます。
http://www-cger.nies.go.jp/qa/20/20-2/qa_20-2-j.html

>まるでCO2要因で0.7℃上昇したかのように大げさに言う片棒を担ぐの
>はどうかと思いますよ
どうも本記事をお読みいただかず、コメントされているようで遺憾です。
そのような表現が一か所でもあればご指摘ください。本ブログではどこにも
「CO2が地球温暖化の要因だ」などと書いてはいないはずです。

あとコンピュータシミュレーションで解明できたからすべて解明できたはず、
という思い込みもやめたほうがよいでしょう。シミュレーションとは何かを少し
勉強されることをお薦めします。
by MANTA (2010-02-13 11:37) 

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