SSブログ

海底を掘るって大変 [▼研究実況 Now!]

ある日突然、研究所の港にヤグラが浮かんでいた。
080623-103144.JPG

なんだ、なんだ? と思ったが、それはクレーン船だった。
080623-103220.jpg

よくみると…
080623-103043.JPG
どうやら海底の泥をとっているようだ。
そういえば聞いたことがある。港には泥や砂が徐々に溜まるので、
定期的に取り除かないと船が入れなくなってしまうらしい。
港もメンテナンスが必要なのだ。

080623-102955.jpg
岸壁には小舟。これで沖合のクレーン船へ人や物を輸送しているようだ。
小舟の向こうに見えるのは、調査船「よこすか」。
彼女も見知らぬ隣人に緊張気味に見える。

080624-122125.jpg
その翌日。クレーン船は岸壁に近いところにいた。

080624-122344.jpg
角度を変えて。クレーン船の横の台船にどんどん泥を積んでいくようだ。
この泥はどこか沖合で捨てるのだろうか?

考えてみれば、この作業、陸上だとたぶん中型のパワーショベル1台で難なく
終わるのだろう。それがほんの少し沖合というだけで、こんなに大きな装置が必要となる。
水深だって10mに満たないのに、水があるだけで作業は随分難しくなるのだ。

もっと沖合の水深数千mで、地下数kmを掘ろうなんてことが如何に大変かわかる
というもんだ。昨年、横浜港で見た地球深部探査船「ちきゅう」のことを思い出す。
そういえば「ちきゅう」は昨年から今年にかけての海底掘削で、スクリューを動かす
ギアの一部が壊れたらしい。重要パーツなので本格的に改善することにしたそうだ。

●地球深部探査船「ちきゅう」のアジマススラスター・ギアの損傷の対策と
 今後の予定について(JAMSTEC)
 http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20080625/index.html

原油価格も高騰の折り、ここはしばらく「ちきゅう」君にはお休みいただいて、
よりパワーアップして戻ってきてほしい。

----
さて港をしばらく見ていると、クレーン船の脇を
小舟がちょろちょろと動き回っているのに気づいた。

080623-103247.JPG
写真左はカーフェリーである。でかい船2つに挟まれて、けなげに働く小舟。
なんかかわいいね。

追記(6/28):上の写真だけだとなんか作業の迫力が伝わらないので、1枚追加。
080627-141916.JPG
土砂をすくい上げるところ。水ももちろん一緒に。ドバー。
このあと台船のうえに、ドサーっと積みます。この繰り返しです。
nice!(11)  コメント(9)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 11

コメント 9

薔薇少女

様々な人が様々な仕事をして頂いている事で、
地球は成り立っているのですね!!!
by 薔薇少女 (2008-06-27 21:56) 

レイン

水の中での浚渫や土木工事、たいへんな労力がかかるのですね。
by レイン (2008-06-28 08:31) 

みきぱぱ

MANTAさんこんにちわ。
台船横の小船は水中工事ダイバーの支援船と思います。

この前の日曜日にTBS系「情熱大陸」で、水中工事ダイバーの方を取材していました。
http://www.mbs.jp/jounetsu/2008/06_22.shtml
こういう工事現場は典型的な3K職場で、はっきりいって賃金も低いし、
現場のプロたちの高齢化も進んでいるようです。
設計コンサルタントは若い人が比較的多いですが、もっと現場の人間も大事にして欲しいと思います。

余談ですが、サルベージ作業を扱ったマンガがありますよ。
「我が名は海師」
by みきぱぱ (2008-06-28 09:21) 

MANTA

>様々な人が様々な仕事をして頂いている事で
>地球は成り立っているのですね!!!
そうですね、薔薇少女さん。なにかちょっとしたことをやろうとしても、
多くの人の労力とお金が必要と言うことです。ありがたや。
あと、このブログも様々な人のコメントで成り立っています!
(うまいこと言ってみた)。

>水の中での浚渫や土木工事、たいへんな労力がかかるのですね。
レインさん、私もなんとなくしか知らなかったのですが、間近に見ると大迫力
でした。海と言わず、陸でも工事現場ってよく知らなかったりしますよね。
もっと勉強したいです。
by MANTA (2008-06-28 13:29) 

MANTA

>台船横の小船は水中工事ダイバーの支援船と思います。
え!そうなんですか? 写真を1枚追加しましたが、浚渫工事は水が
バシャーって感じでなかなかダイナミックでしたよ。おかげで海の水は
真っ茶色でした。でも要所要所ではダイバーが潜ってチェックするのかな?

TBS系「情熱大陸」、見たかったです。ケーブルTVだと再放送の時間帯が
あるのですが、地上波はそれがないので寂しいですね…
by MANTA (2008-06-28 13:31) 

SAKANAKANE

浚渫船ですね。実際に見たコトは有りませんでした。
海中の橋脚工事とかの大変さは、想像も付きませんね。
by SAKANAKANE (2008-07-01 02:38) 

MANTA

>浚渫船ですね。
SAKANAKANEさん、そのようですよ。クレーンの背後には3本くらい
柱らしきもの(先端が赤く塗られている)が立っていて、これまた何に
つかうのやら。いろいろ気になる船です。
by MANTA (2008-07-01 06:13) 

みきぱぱ

MANTAさんこんにちは。
>クレーンの背後には3本くらい柱らしきもの(先端が赤く塗られている)が立っていて、これまた何につかうのやら。

社団法人日本作業船協会のHPから
http://www.s-jwa.or.jp/workvessels/set07.html

耐潮流スパッドという、ユニックトラックのアウトリガーと同じように、
海底に突き刺し船体を支えるものです。(だと思う^^;)
by みきぱぱ (2008-07-03 07:13) 

MANTA

>耐潮流スパッドという、ユニックトラックのアウトリガーと同じように、
>海底に突き刺し船体を支えるものです。(だと思う^^;)
みきぱぱさん、そのようです。毎日よーく見てると、あの3本の柱は
上がったり下がったりしているようです(上下する瞬間は見てませんが)。
上の写真でも1枚目と、5,6枚目では赤い部分の位置が違いますね。
あと、クレーン船をよく見ると、まったく揺れていません。
やっぱし海の中で作業するのって、大変だなぁ。
by MANTA (2008-07-03 08:50) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。