研究所の大先輩

私がこの海の研究所に来て、はや8年ほど。
私よりもずっと前から研究所にいる大先輩に、先日はじめてお会いしました。
その方は休むこともなく、毎日研究所に勤務されてます。
深海のことは私よりもずっとよくご存じだと思いますが無口な方です。


ずらりと並んだ、生物のサンプル。この部屋の奥に大先輩がおられます。


あ、カニですね。オオエンコウガニというそうです。
エンコウ？援助交際とは無関係ですか？


突然、あばれはじめました。そんなに怒らないで下さい。
冗談がすぎましたが、元気なエンコウガニです。

そしてそのとなりに、おられました。大先輩です。


ボテちゃん先輩。深海魚です。

相模湾の水深1200mから、この研究所の水槽にやってきたのが1995年。
以来13年間。ずっと毎日研究所通い、というか住んでます（笑）。
噂には聞いていましたが、やっとお会いすることがかないました。お元気ですか？


ちっとも動きません。ボテちゃん先輩は13年間、こうして水槽の中から外を見たり、
水槽に写る自分の顔を見たりして暮らしてきました。捕まったときが何歳か分かりませんが
御年15歳？16歳？ことし中学3年生あるいは高校生のお子さんと同い年くらいなのでしょう。


こちらは別の水槽にいたアカドンコという深海魚。ボテちゃん先輩もアカドンコの
仲間だそうですが、さすがにこちらの小童（こわっぱ）とは貫禄が違いますね。
ねぇ先輩！？


い、いつのまに後ろ向きに！
私がうるさかったからでしょうか？　無口な先輩は答えてはくれませんが、、、


ボテちゃん先輩の正面に回ってみました。
どうやら目があまり見えないようですね。お年なんでしょうね…

ボテちゃんについての詳細は下記資料に書かれております。
●JAMSTECのご長寿アイドル 水槽生活10年の“ボテちゃん”（BlueEarth 2004年11･12月号）
　http://docsrv.godac.jp/MSV2_DATA/12/be74_07.pdf
　※PDFファイルが開きます。

研究所を訪問される方も運がよければあうことが出来ます。
われらが隠れたアイドルです！


その日の外の景色。調査船「なつしま」が泊まっていました。
もうすぐお世話になりますね。よろしくです！

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関係ないですが、部活で通称「○○ちゃん」って呼ばれてる人は、後輩からは
「○○ちゃんさん、お疲れ様でした～」とか呼ばれますね。部室だといいけど、
街中だときっと恥ずかしい、と思う。

コメント 10

こんにちは。
ご存知かどうかわかりませんが、
俺は大学は生物専攻でした！

>運がよければ

どどどうすれば運がよくなれますか！？

>街中だときっと恥ずかしい、と思う。

慣れちゃえばたいしたことないですｗ。
by みみちゃん (2008-04-16 08:23) 

素人の素朴な疑問です。
深海魚と言うのは深海に棲んでいる訳でしょうから、上層部とは水圧も異なりますが、このような水槽で飼うことは問題ないのでしょうか？人間が潜水病になるような、反対の症状はでないのでしょうか？
竜宮の使いなどが海面近くで発見される時は、深海での異常が原因で、大体死んでしまうのではないのでしょうか？

只のつぶやきです。失礼しました。
by アヨアン・イゴカー (2008-04-16 09:34) 

私も！水族館に行くたびにアヨアン・イゴガーさんと同様の疑問を抱いておりました。この水槽には圧力がかかっているのかしら、もしかしたら水圧が低くても平気なのかしらなんていつも不思議になっちゃいます。
今回、MANTAさんの無口な大先輩への敬意あふれる表現が素敵でした。乗船レポートも楽しみにしてます。
by 素風 (2008-04-16 10:03) 

私、海の生き物に詳しくありませんが
深海魚って愛くるしい顔してませんか？
好きなんですよね～。
ボテちゃん先輩、落ち着いた
大御所なオーラを感じます・・・
by sora (2008-04-16 11:46) 

ボテちゃんさん、まだ種名がはっきりしてないそうじゃないですか。ひどい！

私は“おじさん”と呼ばれたくないので姪っ子に小さい頃から“ししょう”と呼ぶようにしこんでます。でも小さい頃、よく外で“ししょうちゃん！”と大声で呼ばれて、結構恥ずかしかったです。＾＾；
by すうちい (2008-04-16 18:43) 

ＭＡＮＴＡさんご無沙汰です。
私は姪、甥から「おいちゃん」と呼ばれていました。
寅次郎じゃないっつーの。

ところで
もうすぐ、一般公開の時期ですね。
今年も何か企んでいますか？

ブログはじめてみました。
by みきぱぱ (2008-04-16 23:34) 

＞どどどうすれば運がよくなれますか！？
みみちゃんさん（←これですよ、"ちゃんさん"）、私にはよく分かりません。
今回も許可をいただいて見せてもらいました。
当研究所の一般公開の日には「ラボツアー」があるので見せて貰えるのでは
ないでしょうか？今年は5月10日だそうですよ～

＞深海魚と言うのは深海に棲んでいる訳でしょうから、上層部とは水圧も
＞異なりますが、このような水槽で飼うことは問題ないのでしょうか？
アヨアン・イゴカーさん。ですよね～
私も生物関係はからっきし分かりません（きっぱり）。
浮力調整は浮き袋ではなく、油袋で行うので圧力が下がっても破裂すること
はないとも聞きますが、血液中の酸素とかはどうなっているんでしょうね…
詳しい方、ヘルプです！

＞この水槽には圧力がかかっているのかしら
素風さん、何の変哲もない普通の水槽だとおもいます。ただこの部屋
自体は深海のように低温に保たれてはいます。
あと、先輩には敬意をはらうように、と部活で習いました。はい。

＞私、海の生き物に詳しくありませんが
＞深海魚って愛くるしい顔してませんか？
私もそう思います。目が大きいからでしょうか？
でもボテちゃん先輩からは確かにオーラのような貫禄がが感じられますね。
ひょっとしたら日本語くらい理解しているかもしれませんね。まさか！PCも？
そしてこのブログを読んでいたりして。
そんな貫禄ですね。
by MANTA (2008-04-17 08:26) 

深海魚って、与圧の無い水槽でも、ちゃんと生きていけるんですね。
すると、MANTAさんも「ボテちゃんさん」と呼ぶべきなんでしょうか？
by SAKANAKANE (2008-04-21 03:43) 

＞ボテちゃんさん、まだ種名がはっきりしてないそうじゃないですか。ひどい！
すうちいさん、そうらしいですねぇ。なんででしょう？　種名もわからず飼って
研究になるのだろうか…　ナゾです。担当者にこんど聞いておきます。

＞ところでもうすぐ、一般公開の時期ですね。
＞今年も何か企んでいますか？
みきぱぱさん、5月は学会が2つもあって発表内容も異なりますので、
ざんねんながら今年はおとなしくする予定です。でも当日は私はどこかに
いますよ～　ここでもレポートするかも。

あ、一般公開とは下記でございます。5/10です。
http://www.jamstec.go.jp/j/pr/public_open/yokosuka/index.html
by MANTA (2008-04-30 07:16) 

＞深海魚って、与圧の無い水槽でも、ちゃんと生きていけるんですね
SAKANAKANEさん、そのようですね。深海魚といっても、普段は浅い
ところにいる種類も居ますから、圧力変化に強い深海魚もいるのかなぁ…
今度、担当者に聞いてみます。
ちなみに私は「○○ちゃんさん」と呼ばれたことはないです。
もし呼ばれたら？　こっぱずかしいですね。

by MANTA (2008-04-30 07:21)