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しんかいの休日 [▼研究実況 Now!]

サンディエゴの山火事は沈静化に向かっているようです。
とりあえずよかった。早く普通の生活に復旧できるよう祈っております。

さて、先日ご紹介した「しんかい6500」ですが、
写真を整理していたら今年のお正月の写真がでてきました。

年次点検整備中でしたので、バラバラの「しんかい6500」です。
例の耐圧殻も写ってましたのでご紹介。

こちらは整備後の「しんかい6500」。昨年5月の一般公開のときの姿。
衝撃のバラバラ写真はこのあと!すぐ!

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ドン!!

…はい、「しんかい6500」です。
1枚目の写真と大体おなじ角度ですが、外側の樹脂板を外して、中の機械などを取り出すと
こんなお姿に。チタン製のフレームと、耐圧殻と一部装置だけになっております。


耐圧殻のアップです。透明樹脂製の「のぞき窓」は点検のために取り外されていて、
ベニヤ板?かなにかで蓋されています。搭乗口のハッチは上側なので写ってません。


反対側の後方からパチリ。まるで魚の骨ですね。


外装品は外されています。これは垂直尾翼。


これは主推進器(メインのプロペラ)。


こちらは中身。まずはバラストタンク。これに空気または水を入れるのですが、水面付近
でのみ使います。普通の潜水艦ではないので、水面に漂う際にしか使わないようです。
詳しくはこちら… っていうか私も「しんかい6500」で潜ったことはないので、
このページの知識しかないです(泣)
→ http://www.jamstec.go.jp/j/about/equipment/ships/shinkai6500.html


これは主蓄電池。「しんかい6500」は電池で動くんですよ。


その他の内臓たち、もとい、浮力体。
木に見えますけど「シンタクティックフォーム」という、こまかーい粉状のガラス玉
を固めたものです。これ、深海の圧力でもつぶれませんし、水に浮きます。

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以上、しんかい6500の仕組み、おわかり頂けたでしょうか?
あ、いまはこんなバラバラじゃないですよ。これは今年のお正月のお姿。
こうして毎年の整備もすっかり終わり、ハッチの不具合も直って
深海へダイブ!ダイブ!しておりますよ。


ちなみに、ここが「しんかい6500」の整備場。普通の工場って感じです。


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コメント 17

letterwritingday

ちょっと意外な感じがしました。バラバラのしんかい6500。
by letterwritingday (2007-10-28 20:44) 

Murano-Brain

設計者が考えていくと魚の形になってしまったのか
魚をイメージしていたから骨組みが魚の形になってしまったのか
大変面白く拝見いたしました
by Murano-Brain (2007-10-28 21:36) 

ゆりあ

完成品からは想像出来なかったけど、こんなにもパーツをはずすと骨組みだけになってしまうんですね。
でも、人の命がかかってる乗り物だからしっかり整備されて良かったですね^^
by ゆりあ (2007-10-28 23:44) 

HOKUTEN

綺麗に食べた魚・・・。
の様な姿ですね・・・。
外殻から耐圧ではなくて、コア部分だけだとは聞いた事がありますが、まさに・・・の、姿ですね。
普通の人ではめったに見られないんでしょうね・・・。
by HOKUTEN (2007-10-29 01:04) 

chicory

なんかプラモデルを見てるようですが、
これが深海にもぐるんですねー。
でも「しんかい」って、そのまんまの
命名ですね!
by chicory (2007-10-29 09:08) 

nanako☆彡

うわ~っ、懐かしいですって言っても「しんかい」6500では無かったかも?
もっと小さかったような?
息子が小学校の時、神戸の科学館で展示してあるの観ました。

こんなにバラバラになってもちゃんと又潜れるのですね~。
by nanako☆彡 (2007-10-29 12:47) 

yuko

最新の技術も最後は人の手作業ですよね~。
人間の凄さを感じます(o^v^o)
by yuko (2007-10-29 18:03) 

MANTA

>ちょっと意外な感じがしました。
>完成品からは想像出来なかったけど、
letterwritingdayさん、ゆりあさん、驚きのコメントありがとうございます。
私にも意外でした、案外”シンプル”だったので驚きました。

>魚をイメージしていたから骨組みが魚の形になってしまったのか
Murano-Brainさん、きっと必要な形を考えると、魚の格好になったのだ
と私は思います。

>綺麗に食べた魚・・・
まさに「ごっそさんでした」ってかんじですね > テレマーカーさん
by MANTA (2007-10-30 03:33) 

MANTA

>なんかプラモデルを見てるようです
あ、shinさん、それいいですね。しんかい6500クリアモデル(内部パーツ
取り外し可能)とかって、誰か作らないかなぁ。
その昔、ザクのカットモデルに、萌えました…

>こんなにバラバラになってもちゃんと又潜れるのですね~
nanako☆彡さん、これは年に1度のオーバーホールですからね。
普段はたぶんここまではやりません。

>最新の技術も最後は人の手作業ですよね~
yukoさん、そうです、それを伝えたかったのです。
けっしてバラバラ潜水船をおもしろおかしく見せたかったわけではなく。
ここまで徹底的に整備するからこそ、究極の深海へ自信をもって
挑めるのだと思います。
by MANTA (2007-10-30 03:42) 

成魚

貴重なお写真を見せていただいて感謝です
元気になってよかったですね >しんかい
ちきゅうさんはトラブルがあったみたいでちょっと心配です
お久しぶりの成魚でした
by 成魚 (2007-10-30 13:23) 

薔薇少女

うわあ~ぁ、本当にご馳走様の、おさかなさんだぁ・・・・・
こうやってたゆまぬ人の努力によって、しんかいの成果が
発揮できるのですね。

>サンディエゴの山火事は、沈静化に向かっているようで、一安心ですね。
被害にあった大勢の方々、消防士の方々、被災された全ての方に、
お見舞い申し上げたいです・・・
by 薔薇少女 (2007-10-30 16:53) 

MANTA

- 掘削作業では、穴がちょっと埋まってしまったり、ドリルパイプがはずれ
たりは、よくあることかもしれません。 > 成魚さん
まあ、じっくり見てあげましょう。

メカメカしい最新機器でも、こうなるとちょっとかわいい?ですよね > 薔薇少女さん
消防士の方もほんとうにお疲れ様です。あと一息!(かな?)
by MANTA (2007-10-30 19:47) 

hal

深海ってただの鉄の箱かとおもいきや違うんですね!驚きです。

深海って1台しかないんですか?

もっと増やして研究加速?といった話はないのでしょう?
by hal (2007-11-01 12:08) 

薬作り職人

初めて来ましたが、すごい写真ですね。
深海探査船って、映画の「日本沈没」でのイメージしかなかったんでが、この写真を見るとものすごくリアリティ感じます。
by 薬作り職人 (2007-11-04 18:23) 

sou

すごいですね・・・・
こんなに細かくバラバラにできるものとは
思いませんでした。
息子の影響で、乗り物に関心を持っているので
何だかワクワクしながら見てしまいました。

「シンタクティックフォーム」という素材?ですか?
これにも興味津々です。
by sou (2007-11-07 11:10) 

MANTA

>深海ってただの鉄の箱かとおもいきや違うんですね!
そうなんですよ! halさん。
そういっていただけると記事にした甲斐があります (^^)

しんかいシリーズは2台あります。
水深2000mまで潜れる「しんかい2000」と、水深6500mまで潜れる
「しんかい6500」と。でも2000の方は引退してしまいました。
有人潜水はコスト高なのです。また有人潜水船がただたくさんあれば
深海の謎がすべてわかる、というものでもないのです。
近年は水中ロボットの活躍が大きいです。でもロボットでもできないこと
がある。有人潜水船1つ+複数のロボット、というのがいまのところの
ベストな組み合わせのようです。
by MANTA (2007-11-30 19:30) 

MANTA

>ものすごくリアリティ感じます
なにせ本物ですから(笑)。私も本物の研究者であり、船にも乗ります。
SFじゃなくて、外国じゃなくて、こんな凄いものを日本が持っているって、
すてきと思いませんか?

>「シンタクティックフォーム」という素材?ですか?
素材です。といっても元はガラス玉(ビーズの細かいもの)。
最近はセラミックでできた深海用浮きというのもあって、アメリカは
それを使って10000mまで潜れるロボットを制作中だとか!
by MANTA (2007-11-30 19:35) 

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