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緊急地震速報(動画) [ 知識ゼロから学ぶ地底のふしぎ]

NHKを見ていると「10月1日からテレビとラジオで緊急地震速報を配信します」
というPRが繰り返し流れている。この緊急地震速報とは何だろうか?
地震から命を救ってくれるかもしれないこの速報、国民の認知度は3割程度だ。

●<緊急地震速報>ネットで世界中からアクセス…認知度3割
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070831-00000044-mai-soci

論より証拠。こちらのビデオ映像を見てほしい。これが緊急地震速報だ。


上記のNews記事で取り上げられているYouTubeの映像がまさしくこれである。
訓練ではなく、中越沖地震の際に東京で撮影された本物の映像だそうだ。
まだ見たことがない方はぜひ、そしてすでにご存じの方ももう一度見てほしい。
そしてもっと近くで地震が起きた場合を想像してほしい。例えば、このビデオでは30秒ほど
だった揺れ始めまでの「猶予時間」が10秒以下と短くなり、かつ5倍以上の大きな揺れが
やってくるとしたら? そのたった10秒は、あなたにとっては「不必要な10秒」だろうか?

あらためて緊急地震速報とはなにか?これは地震波の特性を利用して、地震の揺れの
到達時刻や大きさを、可能な限り素早く(揺れが伝わるよりも速く!)利用者に知らせる
新しいタイプの地震情報である。

 緊急地震速報の端末画面のイメージ。地図上には押し寄せて
 くるP波(黄)と強烈な揺れを伴うS波(赤)が表示される。

地震波には地面を速く伝わるが揺れは小さい「P波」と、そのあとで大きな揺れを伴って
やってくる「S波」がある。全国に展開した地震計ネットワークで、P波などの地震波を
いちはやく感知して、S波が伝わる前に震源から離れた地域にこれから揺れることを伝える
わけである。地震波よりも電気通信の速度の方が速いのでできる技だ。
(中越沖地震の時の揺れの伝わる様子 → 中越沖地震に、また思う

ただし、これは地震予報ではない。地震が起きてから速報を発するので、震源地に非常に
近い場所では速報が間に合わないことがある。→緊急地震速報は命を救うか?
ある程度の確率で地震発生予測をする仕組みは別途必要である。

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それでも上のビデオを見ると、緊急地震速報は役立つものだと思う。
例えば、あなたの傍らで遊んでいる子供に覆い被さる時間を与えてくれるだろう。


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これは説得力の大きい映像ですね。緊急地震速報、自宅はもちろん、愚息の学校にも設置してほしい。今は夜中に地震があっても、揺れ始めてからがばっと愚息に覆いかぶさっているので、大きい揺れのときに間に合うのか、と毎回不安になります。いざとなればあたふたしてしまうかもしれないけれど、10秒の差は大きいですもの。
by (2007-09-02 02:42) 

HIROMI

緊急地震速報、10秒前であっても必要だと思う。近くの火は消せるし。それから、タンスの側から離れられます。素風さんがおっしゃるように、学校には是非とも欲しいですね。ドアを開け、子どもたちには机にもぐらせます。
by HIROMI (2007-09-02 08:25) 

masamasa

マクロミルなどのアンケートサイトでは“緊急地震速報”のついての
アンケート(速報に対してどう行動するか)をかなり前からしていました。
ネットをしている人の緊急地震速報の認知度は何割ぐらいかな?
ただ、いつもテレビとラジオをつけているわけではないので、不安です。
by masamasa (2007-09-02 08:47) 

HMS

 厳しいようですが、私は「現時点では」「不要」派です。

 例えば米軍の台風進路予想は航空機や船のような「他に有用な代替手段がなく、かつ自己責任において情報を利用できる(組織)者が利用する」ことを前提に公開されていますが、どこぞの気象情報会社はそれを携帯配信で一般市民ユーザーに流しています。

 自助の正しいありかたと現用技術での遠隔予測がきちんと確立されていない(=アテにならない)状態で上記のようなことをされてもまともに対応できないばかりか、そんないい加減なサービスをあてにして自助がおろそかになるほうが怖いです。それらを理解していたからこそ、当初気象庁は緊急地震速報を「組織として対応できる場所」に配信限定したように思いますが?

 もっとも「がけ崩れ予測メール」は業務改善命令が出ましたが(笑)。
by HMS (2007-09-02 11:47) 

MANTA

- 確かに説得力ある映像ですね! > 素風さん
この方はいつもビデオを回してたのかな?
ともかく本物の映像を見ると、この速報をどう利用すればよいか、
市民ひとりひとりが考えることができますね。

- HIROMIさん、学校ではまだ導入されないのですか?
そのあたりは地方自治体に任されているのでしょうか?
by MANTA (2007-09-02 14:00) 

MANTA

- masamasaさん、日本民間放送連盟の調査だけでなく、気象庁の
調査でも認知度は3割程度のようです。ネット上での認知度は
よく分かりませんが、5割程度と言うところでしょうか?
ちなみにTV・ラジオだけでなく、パソコン用ソフトもあるようです(有料の
ようです)。また携帯電話会社も対応を進めています。
専用の受信機はすでに販売されていたと思います。

- HMSさんのご意見はその通りです。高速道路上で緊急地震速報を
聞いた車が急停車!追突!というケースや、速報は揺れる前に必ず出る
と思いこんで日頃の防災への備えを怠るケースが懸念されています。
このあたりは10/1の開始に向けて、かなりの宣伝活動がなされると
思われます。その折に、私としては「震源域では速報は間に合わない」と
正直に国民に伝えてほしい、そのうえで意義を述べてほしいと思って
います。
by MANTA (2007-09-02 14:39) 

もにょち

うぅ~ん…
考えさせられますね…(‐"‐;)
地元でも、もう数十年のうちに必ず地震が起こるといわれていますが、たった数秒でなにができるだろうと、むしろ慌てふためいて大惨事につながりはしないかと、いろいろ考えてしまいます…。
…研究室にいたら、TV/ラジオがないので、知らされてもわからないし…(v_v;)
by もにょち (2007-09-02 15:46) 

映像の少年が握っている白い棒状のものは任天堂Wiiのコントローラに見えます。Wii購入記念撮影中に地震が起きたのかもしれないと思いました。愚息の通う学校で今日地震を想定した避難訓練が行われましたが、緊急地震速報を受信する装置は導入されていないようです。
by (2007-09-02 17:52) 

letterwritingday

30秒ってこんなに長かったんだ…と思いました。よりよい方向へ科学が発展しますように…
by letterwritingday (2007-09-02 19:31) 

竜

緊急地震速報はなかなか評価が難しそうです。ヘリコプター救急医療にお詳しい西川さんという方のサイトにこんな記事(http://www2g.biglobe.ne.jp/~aviation/kogoto070723.html)があります。最初、読んだときは正直ちょっと「カチン」ときましたし、他にもけっこう歯に衣着せない論調の記事も多いのですが、この方ご自身がドクターヘリの整備を精力的に推進していらっしゃる背景を考えると、含蓄ある記事ではあります。恐らく、緊急地震速報が真価を発揮するのはM8以上の巨大地震が発生したときなのでしょうねぇ。S波到達までの時間的余裕がある程度ありつつ、到来したときは被害をもたらすような揺れになるとか、津波からの避難に際して10秒でも早く行動を起こせるようにするとか。
by 竜 (2007-09-02 22:21) 

MANTA

- おお、凄い反響です。映像の効果ですね。

>たった数秒でなにができるだろう
でも私は「その数秒」がほしいとおもいます。それはきっと、私の阪神淡路
大震災の経験から来ているのでしょう。次の記事ですこし紹介します。

>よりよい方向へ科学が発展しますように…
含蓄あるお言葉です。私は基礎科学といえど、社会に資する科学を
進めるべきだとおもっております。緊急地震速報は、社会に十分資する
ものではないかもしれません。それでも人類が地震に積極的に立ち向かう
始めの一歩だと思っています。
by MANTA (2007-09-03 08:03) 

MANTA

- 素風さん、そういう偶然もありえますね。ただ撮影者は建設関係の
企画の方で、緊急地震速報の端末のモニターをされていたようです。
きっといつ地震が来てもいいようにカメラを用意していたのでしょう。
いずれにしても冷静ですばやいカメラさばきでした。

- 竜さん、そういう反論はあるだろうと思っておりました。
ご紹介された記事は多くの「誤解」を端的に含んでますので、
これを例にとって私なりに考えてみたいと思います。
長くなりますので、次の記事にて。
by MANTA (2007-09-03 08:19) 

阿頼王

MANTAさんへ
確かに"30秒”あれば、それなりの措置("火の始末”とか、"丈夫なテーブルの下に避難”とか)は出来ますが、これ、震度3ですよね。阪神大震災級の地震だと、速報されても、困りますよね。もう遥かに"地震”の概念を越えた揺れでした(地震というより"爆弾”が爆発したのかと思いました。おまけに寝込みを襲われて、頭の中は"真っ白”でした)。「テレビとラジオで緊急地震速報」と言われても、24時間テレビやラジオにへばりついている訳にはいかないですよね。
それに、ちょっと疑問なんですが、最近多い"直下型地震”にこのシステムは機能するのでしょうか? 直下型の方が、地震としても"強烈”ですし……。もし、直下型に対応出来ないのであれば、このシステム、ある意味"形だけ”"ポーズだけ”で、それ程の効果は見込まないような気がします。そうなると、これは(極論ですが)"政治的ポーズ”に過ぎないような気がしますが……。
by 阿頼王 (2007-09-04 05:54) 

MANTA

- 阿頼王さん、緊急地震速報は直下型地震の真上の地域(震源地)
では間に合いません。それでも私は「役に立つ」と思っています。
次の記事をお読みいただければ幸いです。また被災者のご意見も
お聞かせいただけると助かります。

>寝込みを襲われて、頭の中は"真っ白”でした

緊急地震速報は目覚ましがわりにはなると思いますよ。
頭の真っ白度も、ちょっとましではないでしょうか?
by MANTA (2007-09-04 07:10) 

MANTA

追記です。気象庁による認知度調査は6月に実施されてました。
●緊急地震速報、流して大丈夫? 9月導入、認知度わずか3割
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070607-00000020-san-soci
「インターネットで実施した」らしいので、これがマクロミルのアンケート
だったのかも?
by MANTA (2007-09-12 08:48) 

ちょうど今(9月26日09:15)テレビ朝日のスーパーモーニングで「地震警報装置」について特集しています。この記事に掲載された動画も紹介されています。東京のお宅なんですね。先日の中越沖地震が伝わってきたときの映像だそうです。この映像が撮影されたときは震源が遠かったこともあり、45秒前に警報が鳴ったそうです。このご家庭では警報装置導入にあたりお子さん二人も含め何度かテストで警報を鳴らして訓練したことと、撮影時東京に伝わった揺れが震源地に比べるとかなり小さかったこともあり、ある程度余裕をもって撮影にのぞんだようですね。
このニュースでは、緊急地震速報があくまでも地震が起こってから伝えられるのだという重要な点(震源地近くでは速報を伝える時間がない)などが抜けているように見えましたが、それでも速報を前提にした防災訓練があると心構えが違うかも、と改めて考えさせられた報道でありました。
by (2007-09-26 09:29) 

MANTA

>撮影時東京に伝わった揺れが震源地に比べるとかなり小さかった
いや、それは揺れてみて初めて分かることで、例えば頭の中では
45秒あれば遠い地震=そんなに揺れないかもと思っていても、
実際はカメラなんて放り出して机の下に隠れると思います(汗)
あ、そうか。緊急地震速報は震度も伝えてくれるんだっけ。
でも隠れると思います(苦)

>速報を前提にした防災訓練
必要ですね。「各自で心構えを」だけでは効果がないばかりかかえって
危ないように思います。とはいえ私もなんもやってません…
by MANTA (2007-09-26 12:53) 

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