まじ溶けるって！

「いや、ほんと、もうかんべんして！」
JAMSTECのロボット"ハイパードルフィンはそう思ったに違いない。

　　命からがらだった？ハイパードルフィン

なんでも彼は、海底火山のすぐ近くまで行かされて、噴火を撮影させられたらしいのである。
いやいや、すばらしい。しかもこのときには海面には異常もなかったらしい。どうやら私たちの知らないところで、熱いマグマがグツグツとでているらしい。実はマリアナ方面からは海中を伝わって「変な音」が聞こえる事が昔から知られていたのだ。やっぱり火山だったのね。

＜海底火山＞激しい噴煙など撮影　海洋研究開発機構など成功
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060525-00000013-mai-soci

asahi.comに分かりやすいイラストが載っている。
またmainichi-msn.co.jpには写真も載っている。
あ、もちろんすべての写真はJAMSTECのプレスリリースページに載ってるね。
http://www.jamstec.go.jp/jamstec-j/PR/0605/0525/index.html

なんか、噴火してるところの3mまで近づいたらしいね。人間と違って、ロボットには温度計が何個かついている程度。だからどっかを「やけど」していてももちろん気がつかない。船上に揚収してから「あーこげてるよー」ってわかる。悪い場合は油圧系統のパイプなどを焼いてしまう。ハイパードルフィンは推進機関（スラスター）も腕（マニピュレータ）も全部油圧で動いているので、人間で言うと血管を焼いてしまうようなものだ（痛！）。まあ、一番痛いのはもちろんロボットではなく、それを整備するハイパードルフィンチームの方々なのである。何事もなかったのかな？お疲れ様です。

ただロボットや潜水艇の外装（FRP製の装甲？）を熱で焼いてしまう、というのは、ある種の勲章のようですね。かつてしんかい6500が就航したばかりのときに、アメリカの潜水艇のチームがそれをみて「きれいな潜水艇だねー」と皮肉をこめていったらしい。その後、もちろんたくさんの「勲章」をいただくことになるのですけどね。

ところで新聞記事によれば、オレンジ色に熱せられた岩石が噴き出している様子が撮影されたらしいのですが、プレスリリースの写真には水中に噴出す煙のようなものしか見えない。なんかしょぼい写真だし、オレンジ色なんて見えない。もしかして、もっとすごい動画が存在したりして…　楽しみ。

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コメント 5

TVニュースでやっていたのをちらっと見ました。ハイビジョン撮影で、飛び出す火山弾がリアルでした。海底での火砕流も写ってはず。TVの前に座りなおしたら別のニュースに変わっていました。素人目には迫力のある動画でしたが、研究者の方にとって価値のあるものかは、自分にはわかりません。採取した海水とハイビジョンを組み合わせれば、いろいろ分析できるのだろうと想像しています。
by 乾物屋 (2006-05-26 08:55) 

ハイパードルフィンに、よくがんばったね、って声をかけてあげたいです。
直近3mとは…。恐れ入りました。ぎりぎりまで寄ったんですね。
ハイパードルフィンチームの方々も、お疲れ様でした。
by もぐもぐ (2006-05-26 23:32) 

- おー見そびれた！海底で火山弾や火砕流の映像が取れたなんて聞いたことありません。すごい価値ある映像だと思います。これは世界有数の学術誌「Nature」に掲載されるわけですね。

ぎりぎりですね。マニピュレータだしたらパイプとか溶けると思います。チームの方々の功績が大きいですね。最新科学を支えるのはやはり現場の「人」です。

…お、いま映像を見れました！NHKの週間ニュース。
ほーっ、すげー！
by MANTA (2006-05-27 08:54) 

　溶けるんだね。
　やっぱり。
>ハイパードルフィンは推進機関（スラスター）も腕（マニピュレータ）も全部油圧で動いているので、人間で言うと血管を焼いてしまうようなものだ（痛！）。
　ヴァイタルパートは別系統にしてないんだ。

　全然関係ないけど、インドネシアは地震が多いね。
　http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/5022558.stm

　
by ちゃめ (2006-05-27 17:57) 

- あ、「パイプ」じゃなくて「ホース」でした。普通の油圧用ホースですからね、溶けますよ（金属パイプは溶けません）。水は100度で沸騰、といっても深海では圧力がかかってますから、最悪300度とか400度になります。油圧系統の詳しいところはよく知りませんが、メインの油圧タンクや油圧の昇圧器は1つだったと思います（未確認）。

インドネシア、地震多いですね。どうなってるんでしょうか？なんかこんなときこそ、日本の国際貢献が必要と感じます。
by MANTA (2006-05-28 09:25)
by MANTA (2006-05-28 10:59)