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展示模型を作ってみる ~反省会~ [ シリーズ実況 Old..]

さて本シリーズ最後です。研究所一般公開での「手づくリ展示模型」の反省会などもしてみましょうか。製作期間が短くてきつかった、などの製作者側の反省点はさておいて、展示してみた反省です。

今回分かった事は、模型をもってしても科学コミュニケーションはむずかしいということです。模型を呼び水にして、大人にポスターで研究成果を宣伝しようと思ったのですが、模型に夢中な子供も大人もポスターなんか見やしない(笑)。文字もすくなくして分かりやすいポスターを作ったつもりやったんけど。一方、ポスターを見る人は模型を見ずに、「日本海で見つかったメタンハイドレートは大事だから、竹島も大事と思うのです」と、熱く語られている。っていわれてもなあ、わたしゃ一研究者だし。

私は他の展示を見る余裕はなかったのですが、家内はいろいろ見て回ったようです。感想は「面白い」、だけれども「展示品の説明がない」「世界一の装置は分かったけど、それで地球の何がわかるのかが書いてない」とのご意見をいただきました。ごもっとも。研究者は一般にわかるようにブレークダウンして科学最前線を話す訓練を受けてないし、そういう意識がない人も多い。私達の模型にしても、結局子供用のオモチャにすぎなかった。今回初めて「体験型展示装置」を使ってみて、その特性がよく分かりました。例えば今回は模型は模型、ポスターはポスターと内容が分かれてしまっていましたが、次回は模型だけで科学的な成果も理解できるようにしたいとおもいます。次回があるかどうかは定かではありませんけども。

そういえば、今回の一般公開では、映画「日本沈没」の監督さんと当研究所の研究者との対談があったようです。サイエンスカフェでもやらなさそうな、おもしろい試みでしたね。監督さんは、ジェームズ・キャメロンなどが撮っている深海ドキュメントにも興味がおありのようですので、今後もそういう企画が続けばいいですねぇ。これこそ科学コミュニケーション、かな?

なお上記対談を私は聞けませんでしたが、「フィルメモリー」さま(http://filmemory.seesaa.net/article/18138850.html)で知ることができました。ありがとうございます。
また当日の司会者の方のブログも発見。お世話になりましたー(「瀧澤美奈子の言の葉・パレット」さま http://blog.goo.ne.jp/minacraft/e/4aa52829d78391b5c8dcf3b4a5752d7b

科学コミュニケーションについては、「科学コミュニケーションブログ」でいつも勉強させていただいております。もっと広く、科学コミュニケーションが世間に根付くよう、科学者として応援したいと思っています。
例えば "国際シンポジウム「科学を語り合う サイエンスコミュニケーションの方法と実践」"
http://blog.so-net.ne.jp/kagaku/2006-04-28-4
などは参考になります。あっ!今日開催だった…

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追記:せっかく作った模型ですんでしまっとくのは勿体無い… ということで、現在、本館4階の廊下に展示してます。遊びに来られた人、気が向いたら見てねー。

※ここまでの記事は下記ページをご覧ください。
http://obem.jpn.org/docs052.html


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ウォルター

トラックバックありがとうございます。
当日は、MANNTAさんたちが手塩にかけて製作・展示された「海底電気探査」の模型にもポスターにもあまり目を向けられませんでした。大層な盛況ぶりのご様子で何よりだったと思います。お疲れ様でした。こちらのブログであらためて展示模型の製作から完成・展示までの過程を拝見させて頂き、そのご苦労と完成・展示の模様にゆっくり観覧せずに残念で申し訳ない気持ちです。
当方のつたない文章で綴った樋口監督等の対談メモに触れて下さり誠に恐縮であります。ありがとうがざいます。
by ウォルター (2006-05-24 00:35) 

MANTA

- いえいえ、対談は聞けなかったので、貴ブログがホントウに参考になりました。「巨漢猫が大地真央さんに団扇で扇いでもらっている」ってのがいいですね(笑)
平先生の『地球内部で何が起こっているのか?』もおもしろいですけれど、深海に潜る、という点では藤崎慎吾他著の『深海のパイロット』が読みやすく参考になりますよ。お奨めです。
by MANTA (2006-05-24 08:59) 

ちゃめ

>研究者は一般にわかるようにブレークダウンして科学最前線を話す訓練を受けてないし、そういう意識がない人も多い。

 ここに、ビジネスチャンスがある。
 研究者に限らず、およそ専門家と言われる人は、この傾向が強い。
 営業マンにしても、同様。
 自分が売るものの情報を、顧客がそれを欲しがるように提供する、というのは営業マンのスキルの一つだろう。

 受け手が欲しいものを、受け手に判りやすく提供する。
 このサービスが今の時代には欠けている。
by ちゃめ (2006-05-24 12:46) 

runandgun

nice!有難う御座います。私のブログ初nice!です。模型つながりでご覧頂いたのでしょうね。私の模型は自己満足の世界なので、MANTAさんのように、何かを伝えるための模型や、実用性のあるもの作りって、いろいろ難しいところがありますよね。でも、CGではなく、実際に立体物で見せることによる説得力って、私は有ると思いますよ。
by runandgun (2006-05-24 19:13) 

MANTA

- ちゃめさん、なるほど! 「科学研究ってベンチャービジネスに似てるなあ」と最近感じてましたが、アウトリーチは「営業」にあたるわけですね。だったら研究者と違う「営業マン」が必要ですね。
科学コミュニケーションをビジネスにする試みは始まりつつあります。たとえば日本科学未来館では養成講座(有料)を開始する?した?ようす。その先はどうなるのだろうか?

アクセルパーシャル様、コメントありがとうございます。私も元々模型とかイラストは大好きなのです。今回はそれを仕事でやってみようと。立体の力、は大きかったと思います。もうちょっと見せ方を工夫すればもっとよかったなあ。
by MANTA (2006-05-25 07:44) 

taska

横浜の画像から来ました。コメント有難うございます。MANTA さんのブログ見させて頂きました。素晴らしい模型ばかりですね、興味しんしんです。私などは不器用でプラモデルさえ出来ません(笑)。また寄らせていただきます。
by taska (2006-05-25 16:39) 

タナヤン

nice!とコメントありがとうございます。
こういった動く展示模型は大人の私でも大いに気になります。
先日、閉館間際の交通博物館に初めて行きましたが、
そこでも動く展示物のボタンを子ども達は押しまくりでした。

科学をみんなに解りやすく説明することは
これからの社会にとても大切なことだと思います。
がんばってください。
by タナヤン (2006-05-25 18:13) 

MANTA

- taskaさん、コメントありがとうございます。私はあまり器用ではありませんが、これくらいならなんとかなるもんですよ。いや、なんとかしたのはKさんの腕前か?
あの横浜みなとみらいの模型はほんとにすごいですよね!私も今度見に行ってみようと思っています。

やっぱり、一般の人とか、これから研究の道にすすむかもしれない人たちにはできるだけわかりやすく、楽しく研究というものを伝えたいと思うのです。これからもいろいろと試みてみようと思います。ただ、この模型、光るだけで動かないっす。今度は動く模型に挑戦しようか?とKさんとは相談してますが… しばらく休憩(笑)
by MANTA (2006-05-26 06:38) 

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