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ちょっとアメリカに ~スクリプスの方々~(8) [ シリーズ実況 Old..]

今回の訪米でお世話になったスクリプス海洋研究所の方々。


スティーブン・コンスタブル教授です。海底電磁気学の大家。まだ40代だと思います(たぶん)。学期末と言うことでテストの採点をされてました。お忙しい中をパチリっ。概して整理されたお部屋です。(書類が床にちらばっていたりしますが…)

お部屋の入り口には、なぜかお椀(ボール)一杯のチョコレートが。スティーブ先生に用事があってやってきた生徒、帰り際にパクっ、モグモグ。通りすがりの隣の研究室の教授も、スティーブがいなくても部屋に入ってパクっ、モグモグ。私のいた数日でボールにいっぱいあったチョコレートはきれーに消えてなくなりました。こういう雰囲気、だいすきです。

スティーブは机のまん前に年間スケジュールを書いたホワイトボードを貼ってます。そうとうお忙しそう。だけれども、しょっちゅう実験室のほうに降りてきて、技術者と話をしています。観測装置はかなり好きそう。観測データの解析も大好き。くわえてスティーブのすごいのは、データ解析の後の解釈。足りない部分はご自身で理論を引っ張ってきたり、数値計算をしてしまいます。海底電磁気学だけでなく、岩石学の部分や衛星データなどにも知見をお持ち。これらの観測・理論・数値実験を全部論文にしているところも凄いです。でも彼の基本は観測データのようでした。

ちなみに画面のエビはたんなるスクリーンセーバです(Macですね)。


今回お世話になったケリー・キー博士。ポストドクター(通称ポスドク:博士号をとった後、数年間の期間限定で雇われた研究員)ですが、解析ソフトの開発・データ解析・成果発表・観測装置の取りまとめ・乗船調査とマルチにこなしています。まさしくスティーブの片腕です。そう遠くないうちにスクリプスの正研究員になるのではないでしょうか?今回は彼に非常にお世話になりました。


ケリーと同室のポスドク、リー博士です。数値計算がご専門です。ほかにポスドク1名、大学院生2名、Engineer 2名、Technician 2名とお会いしました。ポスドクはこのように、2名で1室を使用しています。Engineerもそのようです。Technicianには机はないみたい?です。

スクリプス海底電磁気ラボの総勢は10名ほどの所帯で、その雰囲気は小さなベンチャー企業を想像すると分かりやすいです。スティーブ社長+若い従業員数名の小さな会社です。石油調査や装置開発の資金は石油会社から、海底の学術的調査の資金はNSF(米国国立科学財団)から、それぞれ出資してもらっています。スティーブ"社長"の支持の元、"従業員"一同役割をきめて働いて、出資元には石油調査や学術調査の結果をそれぞれ報告するのです。ベンチャーですから、一つ一つの仕事の積み重ねが極めて大事で、結果が即、次の仕事につながっていきます。いずれはヒット商品目指して、現在会社を拡大中!…とまあこんな雰囲気でしょうか?まあちょっと極端にデフォルメしすぎとおもいますが(実際にはもっとアカデミックです)、日本の大学や研究所とはずいぶんと趣が異なる事は事実です。


技術者(Technician)の方々。彼女が手にしているのは海底での記録装置です。技術者の方々はホントウに日々忙しく手を動かしておられました。装置のメンテナンスだけでなく、装置の新規製作とか新たな改良・開発とか、やることは無数にあるようでした。研究者よりも技術者のほうが夜遅くまで残って仕事してましたね。そんな中、技術者の方々には装置のことを丁寧に説明してもらいました。すごく楽しそうに説明していただいたので「あーこの人たちはこの仕事が好きなんだなあ」と感じました。印象的だったのが、かなり手作りであったこと。それこそが彼らのほこりのようにも思えました。

日本はどうだろうか…?買ってきた装置をただ並べているだけではないだろうか?装置の不具合があったらメーカー担当者を呼びつけて修理させてるだけではなかろうか?

というわけで、スクリプス海底電磁気ラボの皆様、1週間たいへんお邪魔をいたしました。
私の拙い英語の発表を聞いて頂き、議論もして頂きました。また解析ソフトやデータの一部をご提供いただいたり、共同研究の提案にのっていただいたりして、大感謝です。ありがとうございました。
(と、ここで日本語で書いてもしかたないのだが)

おまけ

彼らの建物の一角にある図書スペース(図書館は別にちゃんとあります)。アカデミックでしょう? 頭脳をうまく働かせるにはこのように落ち着いて考えることができるスペースは重要だと思います。ここでリラックスしたり、アイデアをまとめたり、議論したり。スクリプス海洋研究所では随所にこういった空間がありますが、日本の大学や研究所には案外ありません(あっても「物置?」とおもうような片隅にかろうじてソファーとほこりをかぶった古い文献がおいてあるだけ。みんな使いたがらない!)。狭い日本では望めぬ贅沢か…

まだつづく。次回は「スーパー&カー」。

※本実況の続きを下記で読むことができます。
 http://obem.jpn.org/oversea063.html
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