続:北海道”胆振地方"中東部での地震 [ 知識ゼロから学ぶ地底のふしぎ]
日中になり、続々と情報が入ってきている。
大規模な地すべりである。
2008年の岩手・宮城内陸地震でも似たような地すべりが発生した。
しかしあの地震のマグニチュードは7.2、震源の深さはわずか8km程度であった。
今回の地震のマグニチュードは6.7(7.2のおおよそ5.6倍のエネルギー)であり、
震源の深さも37km程度だそうな。この地域はよほど地盤が弱いのか?
毎日新聞では、この地方の地表で確認されている「石狩低地東縁断層帯」との
関係は不明瞭としているが、たぶんこの断層帯の深部延長部で発生したのだろう。
ただし、気象庁の速報をみると(下記)、今回の地震を引き起こした断層の走向
はほぼ南北であって、石狩低地東縁断層帯の走向とはあわないようにも思う。
https://www.jma.go.jp/jma/press/1809/06c/kaisetsu201809061030.pdf
既知の断層帯の隣(深部)にあった未知の活断層がずれ動いたのだろうか。
震源は37kmの深さだが、断層のズレはそれよりももっとずっと
浅いところまで達したのだろうか?そうなのかもしれない。あるいは、
断層のズレが浅いところまで達していなければ、、、断層の浅い部分には歪が
たまっているので、余震やさらに大きな地震が発生する恐れがある。
十分な注意が必要だ。気象庁や大学・各機関が現在データ解析中であろう。
続報をまとう(気象庁HPでは、定期的に情報がアップされている)。
→平成30年報道発表資料
https://www.jma.go.jp/jma/press/index.html?t=1&y=30)
ちなみにこの地域は北海道の西半分へ、北海道の東半分が衝突している地域だ。
(日高山脈はこの衝突でできあがった)
●衝突によって生まれた日高山脈とアポイ岳
http://www.apoi-geopark.jp/apoi/theme_a2.html
なので、この地域の地殻は日本の他の地域よりも多少厚くなっている。
今回のように深い場所で地殻内地震(内陸型地震)が起きたのも理解できる。
(それにしても深い)
「地質」に「電気」とは冗談のような、しかし本当の話。
日本地質学会の発表会が停電の中、北海道大学で継続されているらしい。
●札幌大会 地震・台風 対応(日本地質学会)
https://confit.atlas.jp/guide/event/geosocjp125/static/typhoon
電気が使えない=プロジェクターが使えない、
なのでポスター発表だけ実施中とのこと。まじか。
「貴重な発表の機会を学生に!」なんて親心よりも、学生の身の安全を考えて
すぐ撤収っしょ? 地質学会が被災したとか、まったくもって笑えない。
あと政治的な事件だったら、いろんな主義主張も含めて、発表会強行とか
わかるけど、自然災害にこういう形で立ち向かうのはやめるべきでしょう。
地質学会はなーにかんがえとりゃーすか?
はい、こちらは「安定」の名誉教授情報でした。
上川瀬名さま、ありがとうございます。
Mainichi:北海道震度6強:震源37キロ 異例の深さ - 毎日新聞 https://t.co/prpK70PCWI09/06 Yomiuri:RT @< a href="https://twitter.com/tshashin" target="_blank">tshashin: #地震情報 はこちら→https://t.co/i88LiamLkd #北海道 で #震度6強。震源に近い #厚真町 では大規模な #土砂崩れ が見られました。倒壊した家屋も(9月6日午前6時28分、北海道厚真町で、本社チャーターヘリから 鷹見安浩撮…09/06
大規模な地すべりである。
2008年の岩手・宮城内陸地震でも似たような地すべりが発生した。
しかしあの地震のマグニチュードは7.2、震源の深さはわずか8km程度であった。
今回の地震のマグニチュードは6.7(7.2のおおよそ5.6倍のエネルギー)であり、
震源の深さも37km程度だそうな。この地域はよほど地盤が弱いのか?
毎日新聞では、この地方の地表で確認されている「石狩低地東縁断層帯」との
関係は不明瞭としているが、たぶんこの断層帯の深部延長部で発生したのだろう。
ただし、気象庁の速報をみると(下記)、今回の地震を引き起こした断層の走向
はほぼ南北であって、石狩低地東縁断層帯の走向とはあわないようにも思う。
https://www.jma.go.jp/jma/press/1809/06c/kaisetsu201809061030.pdf
既知の断層帯の隣(深部)にあった未知の活断層がずれ動いたのだろうか。
震源は37kmの深さだが、断層のズレはそれよりももっとずっと
浅いところまで達したのだろうか?そうなのかもしれない。あるいは、
断層のズレが浅いところまで達していなければ、、、断層の浅い部分には歪が
たまっているので、余震やさらに大きな地震が発生する恐れがある。
十分な注意が必要だ。気象庁や大学・各機関が現在データ解析中であろう。
続報をまとう(気象庁HPでは、定期的に情報がアップされている)。
→平成30年報道発表資料
https://www.jma.go.jp/jma/press/index.html?t=1&y=30)
ちなみにこの地域は北海道の西半分へ、北海道の東半分が衝突している地域だ。
(日高山脈はこの衝突でできあがった)
●衝突によって生まれた日高山脈とアポイ岳
http://www.apoi-geopark.jp/apoi/theme_a2.html
なので、この地域の地殻は日本の他の地域よりも多少厚くなっている。
今回のように深い場所で地殻内地震(内陸型地震)が起きたのも理解できる。
(それにしても深い)
< a href="https://twitter.com/hidarihiji_hibi" target="_blank">hidarihiji_hibi: なんと、「地震」で「停電」している北海道大学では昨日から「地質学会」と「電気学会」が開催されているのである09/06 geoign: 地質学会、旅費要件は本末転倒だけど最初で最後の学会発表だったりする学生もいると思うのでね… ポスターセッションは天井か立木にでも貼り付ければ1日2日に開催日数を圧縮できると思う。< a href="https://twitter.com/geoign/status/1037545225416134660" target="_blank">09/06 < a href="https://twitter.com/GoITO" target="_blank">GoITO: 北海道の地震、停電のさなかでの日本地質学会札幌大会、1968年「プラハの春」の渦中のプラハで万国地質学会が開催されていたという逸話を思い出した。09/06
「地質」に「電気」とは冗談のような、しかし本当の話。
日本地質学会の発表会が停電の中、北海道大学で継続されているらしい。
●札幌大会 地震・台風 対応(日本地質学会)
https://confit.atlas.jp/guide/event/geosocjp125/static/typhoon
電気が使えない=プロジェクターが使えない、
なのでポスター発表だけ実施中とのこと。まじか。
「貴重な発表の機会を学生に!」なんて親心よりも、学生の身の安全を考えて
すぐ撤収っしょ? 地質学会が被災したとか、まったくもって笑えない。
あと政治的な事件だったら、いろんな主義主張も含めて、発表会強行とか
わかるけど、自然災害にこういう形で立ち向かうのはやめるべきでしょう。
地質学会はなーにかんがえとりゃーすか?
< a href="https://twitter.com/Yokohama_Geo" target="_blank">Yokohama_Geo: 村井俊治・東大名誉教授が『週刊ポスト』@< a href="https://twitter.com/news_postseven" target="_blank">news_postseven 誌で発表していた「AI地震予測」に、今年実際に発生した震度5弱以上を青字で重ねた。「警戒レベルが高い」としていたレベル4とレベル5の地域では、まったく発生していない。このよ…09/06
はい、こちらは「安定」の名誉教授情報でした。
上川瀬名さま、ありがとうございます。
追記:
●高速で崩れる流動地すべりか、台風影響も 北海道地震
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180906-00000053-asahi-soci
●北海道・胆振地方の地震「震度7観測」と気象庁発表
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180906-00010020-fnnprimev-soci
ちなみに胆振地方とはこちら。
http://www.tt.rim.or.jp/~ishato/tiri/tenki/t-hokkaido.htm
●北海道震度6強 なぜ起きた?専門家の解説
https://www.fnn.jp/posts/00359500HDK
液状化被害もすごい。上空からの映像だったので詳細が分からな
かったが、液状化地域では帯状に大きく地盤が沈下しているように
見えた。もともと川があったのか?
by MANTA (2018-09-06 18:01)
地すべりの誘因に、もそっと考察が欲しいな。
>「この地域はよほど地盤が弱いのか?」
熊本でも同種のものがあったような気が。。。
地すべりの下端部に注目。
by Working Dad Oversea (2018-09-07 05:27)
Working Dad Overseaさん、ご意見、ごもっともです!
昨日たまたま、地震災害に詳しい知人と会ったので、尋ねてみたところ…
・あの地域は地盤はかなり柔らかい(フカフカ)。
・札幌市内などで液状化が起きるのも、石狩平野はかつてほとんどが
泥炭地だったから。
・千歳空港はよく分からないが、あの地域はこうした地盤の弱い場所
が点在しているため、地震の規模や深さに比べて、あちらこちらで
被害が大きかったのでは?
とのこと。なるほどとおもって、地盤の様子を「J-SHIS地震ハザード
ステーション」で調べてみました。調べ方はこちら。本も買ってね (^^)
http://obem.jpn.org/poplar/ref.html
・・・おお、石狩平野、地盤弱い! 今回、地すべり被害などあった
厚真町も地盤弱い。地質図を見ると(シームレス地質図)、厚真町の
近くの山は堆積層だそうな。山ももろく、地すべりを起こしたらしい。
地すべりの様子をよく見ると、山の斜面が白っぽい。あれは地下水
なのか? いや滑りやすい地層が山の中にサンドイッチされていた
ように見えます。この点は熊本と似ていますね。
by MANTA (2018-09-07 12:53)
追記:苫小牧沖では、日本CCS調査株式会社が地中への二酸化炭素処分
実験を行っていました。地震の当日は圧入は行っていなかったそうです。
なお本実験は、日本という場所に二酸化炭素などを地層に貯めて二酸化炭素排出量を削減する技術を適用可能かどうかを調べるための試験です。
地層に貯めた二酸化炭素が自身によってどのような挙動をするか、
これも試験項目に一つです(こんな大きな地震が起きるとは思って
なかったとは思いますが)。また二酸化炭素圧入によって、今回の地震
が起きたなどということはありえません。
by MANTA (2018-09-08 09:23)
ツィッター経由でこんなコメントを頂きました。
おそらく地質学会に参加中の学者さんでしょう。
・札幌では身の危険や復旧の邪魔になることは殆どないと思います。
いずれにせよ今日明日に北海道脱出するのは難しいでしょうし。
・深い地震なので他の浅い内陸型地震に比べると余震で被害は出に
くいと思います。
・何を無理するのかちょっとよくわかりません。まあリスクの捉え方
は人それぞれで尊重されるべきですが。」
リスクの捉え方を人ぞれぞれに任せる地質学会の姿勢には疑問を感じ
ざるを得ません。事実、プロの見方はこうです。
・「平成30年北海道胆振東部地震」について(第5報)(気象庁)
https://www.jma.go.jp/jma/press/1809/06i/201809061730_5.html
"1週間程度、最大震度7程度の地震に注意してください"
・北海道で震度6強 専門家「さらに大きい本震の可能性」
今後の地震に警戒を呼びかけ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180906-00000023-hbcv-hok
・北海道震度7 主要活断層帯を刺激する恐れも
https://mainichi.jp/articles/20180907/k00/00m/040/170000c
地震に停電、落ち着いて学会発表に集中できる状況でもないのに、
無理やり発表させられる学生がいたら…などとは考えないのでしょうか?
そして結果として昨日(7日)に地質学会は中止となりました。
(地質学会HP:http://www.geosociety.jp/)
ここにはこんな記述もあります。
「なお、本日注文されたお弁当は、メニューが変わりますが
11時ごろ会場へ配達される予定です」
…ツィッターでも指摘されていましたが、地質学会さん、お弁当の情報
よりも、今回の地震に対する声明や見解をWebに掲示するほうが、
公益性は高くないですか?
by MANTA (2018-09-08 09:29)
胆振東部地震の断層面を調べてみました。
断層は北から東周りに11度の北北東から南南東に走っているとの計算結果がでました。対地角は、東南東が52度の角度で沈んでいました。
まあ、素人の私が計算しやすいように条件を調整して計算したので、実際はどうなんでしょうね。
ちなみに、断層面が地上に現れる位置は、日高線の勇払駅付近と室蘭線の由仁駅付近を結ぶ線上でした。
by 伊牟田勝美 (2018-09-15 22:06)
伊牟田勝美さん、コメントありがとうございます。
傾斜52度ですか? かなりゆるく傾いている印象です。
気象庁などの続報も調べてみたいと思います。
by MANTA (2018-09-21 08:27)
少しデータ量を増やして、再計算してみました。
前回は、9日までの有感地震(205件)を使いましたが、今回は17日までの256件で計算してみました。
方位は9.4度、沈降角は53.3度でした。
断層面の延長線が地表に現れる場所は、気象庁の推定深度分布図の震度7や震度6強の地域の中央付近です。
でも、干渉SARの画像とは一致いないような・・・
なお、自ブログには断層を三方から見た図を載せています。
by 伊牟田勝美 (2018-09-22 13:37)
伊牟田勝美さん、拝見しました!
断層と震源の位置関係がよくわかります。
どちらも3次元ですから、なにかよいビューワーがあると良いのですけど
ねぇ、、、気象庁様。
by MANTA (2018-09-22 16:03)
国土地理院から、3Dビューワーが出たようですね。
https://maps.gsi.go.jp/index_3d.html?z=11&lat=42.64229334082883&lon=142.0089340209961&pxsize=1024&ls=std%7C20180906hokkaido_epicenter%7C20180906hokkaido_hypo%7C20180906hokkaido_faultmodel%7C20180906hokkaido_scale_line#&cpx=-0.579&cpy=-135.282&cpz=32.174&cux=-0.006&cuy=-0.278&cuz=0.960&ctx=2.729&cty=21.957&ctz=-54.624&a=1&b=0&dd=0
by 伊牟田勝美 (2018-10-22 23:01)
私のPC環境ではいっこうに再生されません、、、
難しいですね。またあとで挑戦してみます!
by MANTA (2018-10-23 09:07)