ランチタイムセミナー [▼研究実況 Now!]
私の研究所では、たまにランチタイムセミナーというのをやっています。
きっかけは事務の方が「研究者の方ってなにを研究されているんですか?」という一言。
じゃあ、事務の方とか誰でもが来れるようにお昼休みに分かりやすいセミナーをやってみよう!
で、今回で実に16回目。
ランチタイムですので、いろんな人が参加しています。
食堂からランチを持ち出している人とか、お弁当をもってきている人も多いです。
今回は地球深部探査船「ちきゅう」から帰ってきたばかりの研究者のお話でした。
「ちきゅう」は9月から三重県沖で海底へ穴を掘っています。年越しまで掘り続けます。
身振り手振りで船の様子を紹介。
今回は三重県沖であと20-40年くらいのうちに発生すると言われている
「東南海地震」の上で穴を掘っています。そういう特殊な船ですから、生活面でも
普通の調査船とは違うようです。でも食堂はすごく広くてメニューは充実していそうでした!
お茶もコーヒーも飲み放題です(ある分だけね)。
セミナーはお昼だけではなく、夕方にも開かれました(こちらは研究者向けです)。
いまは深さ1kmくらいの穴をいくつか掘っています。地震に関係する新しい発見が
いくつもあったようです。でも地震を起こす断層はもっと深い。海底下6kmくらい。
掘り抜くのはまだまだ先の話です。
セミナーを一般向けパートと、専門家向けパートに分けるの試みも面白いですね。
あー大変楽しいお話でした。さて、次回はどんなお話かなぁ…
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しかしセミナーを運営する側としては悩ましいですね。
セミナーとしてはよく続いています。続いている秘訣は「続けないこと」です。
途中、私が忙しくて1年くらいセミナーをやってなかった時期もありますし、
お話をしてくれる人がいるときに開催するというスタイルは良かったと思います。
でも最近は研究者も、事務の方も、参加する人はいつも同じメンバーになってきました。
質問も決まった人がやっている感じです。ランチタイムなんだからもっと気楽に来て、
気楽に話を聞いたり質問できるセミナーにしたいんですけど、プロジェクターを使うと部屋も
暗くなるし、どうしても学校の授業のようになってしまう。
大きめのディスプレーの周りに輪になって座ってセミナーをする、って感じがいいのですが、
なかなか難しいです。あるいはスタイルの問題じゃなくて、中身の問題かもしれませんね。
ちなみに「ちきゅう」の掘削の様子はこちらのホームページで公開されています。
すくなくとも毎週更新されています。凄いですね。
http://www.jamstec.go.jp/chikyu/jp/CHIKYU/status.html
おもしろそうですね。最近、そういうところに行く暇がないので、高等な話しに餓えてます。
by すうちい (2007-12-15 22:26)
1キロ掘るのにどのくらいかかるんだろう
楽しいセミナー頑張ってください^^
by (2007-12-15 23:22)
こんばんは。ランチタイムセミナーって素敵ですね。
ランチを頂きつつ素晴らしいお話しが聞けるっていいですね。
by kaoru (2007-12-15 23:33)
普段の生活だけでは
知ることのできない貴重なお話を
MANTAさんから聞けているのが
楽しみでもあり、勉強になります。
ランチタイムセミナー、
リラックスして受講できそうなイメージを
持ちました。
by sou (2007-12-16 08:32)
- すうちいさん、コメントありがとうございます~
こんな私でよろしければ、出前セミナーに伺いますよ!いらんかな?
お兄ちゃんさん、上の「ちきゅう発見」のページに毎日の掘削の様子が
レポートされています。毎日ほんと、いろいろあるようですが、1日に50m
くらいは掘り進めるようですね。ただ掘るだけではなく、岩石サンプルを
回収しながら掘るので時間がかかるようです。
>ランチを頂きつつ素晴らしいお話しが聞けるっていいですね。
kaoruさん、ありがとうございます。ほんとは研究所の外でもやりたい
のですが、まだまだです。
>リラックスして受講できそうなイメージを持ちました。
soraさん、そうですよね。科学コミュニケーションの話を研究者とすると、
「聞きたい人が聞きに来ればよい」と考える人は多いようです。
研究者は研究の話を聞くことに慣れているので、リラックスして聞けると
いう要素を実は見逃しがちです。主催者の私も注意しなければ。
by MANTA (2007-12-21 00:47)