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乗船レポートPHS:海底地震計(9) [ シリーズ実況 Old..]

ただいま沖ノ鳥島の東方を北上中。
天気が悪いと思ってたら、台風ができてしまいました。
いやはや。昨日は天気が悪すぎて、作業ができず。
(荒天待機といいます)
今朝は少し持ち直しました。これから海底地震計を設置します。


写真のオレンジ色の物体、これが海底地震計です。
通常の海底地震計よりも大きくて、高性能です。
乗船レポートPHS:海底装置(6)」で紹介した、海底電位差磁力計(OBEM)
と同じように、自分の重さで海底まで降りていって、設置終了。

回収方法も簡単。オレンジの玉の左側に取り付けられた、
青というか黒いもの。これは「超音波受信機」です。
船からの「重りを切り離せ!」という超音波信号を受信できます。
重りを切り離すと水より軽くなるので、海面まで浮いてきます。
最後は船で拾い上げます。

この海底地震計10台ほどを1年間ほど海底に置いておいて、自然の地震の揺れを
記録します。日本で起きるものだけでなく、地球の裏側で起きる地震もキャッチ。
こうして地震のデータがたくさんたまれば、地下の様子を知ることができます。
地下数百kmあるいは1000kmより深いところ、マントルの中のどの部分が
地震の波が速く伝わるか、遅く伝わるかが立体的にイメージできるのです。

まるでSFの世界ですね。でも現実ですよ。
地球の中を手に取るように知る時代が来ています。
ただ「スタートレック」などのように、ピーッと地球をスキャンできるわけはなく、
海底でじーっと、1年間も地震を待ち続けないといけません。これも現実。

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ちなみに下の写真は「回収後」の海底地震計。1年前に設置されたものを、今回の
航海で回収しました。で、同じ場所へ入れ替わりに、新しい電池満載の海底地震計
を設置しました。トータルで3年間の海底データを得る予定で、今年が3年目です。
この航海も長いですが、プロジェクト自体はもっと長いです。
つづく

※そういえば2年前、このブログのスタートを飾ったのは
フィリピン海での1年目の調査レポートでしたっけ。詳しくは
サイドバーのカテゴリーの紹介 > 調査航海実況(2005年フィリピン海調査乗船記)

※この記事の続きは下記をご覧下さい。
 http://obem.jpn.org/field040.html#AM07
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MANTA

皆様、Niceありがとうございます。
by MANTA (2007-12-22 19:32) 

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