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続 無用の警報装置 [ 知識ゼロから学ぶ地底のふしぎ]

前回の続きである。
今回は写真なし、長文のみの記事である。

※なおタイトルは、前の記事を受けてのものである。私は「無用」とは考えていない。

【その3】
地震が起こった後の警報装置だなどと、つまらぬことに金と時間をかけるのは無駄だ。

「警報装置にお金や時間をかける」という認識は誤りだ。というのも日本列島の陸上の
地震観測網は「地震の調査・研究」を目的として既に相当整備されており、ここ10年で
世界一優れたネットワークに成長した(金も時間も「かけてしまった」)。緊急地震速報は
この観測ネットワークの情報公開の一環と考えればよい。従って緊急地震速報を始める
からといって、新規に多大な予算が必要となるわけではない。
もちろん地震観測ネットワークそのものは地震予知や地震研究を目的に構築されたシステム
なのだから、社会に恩恵がなければ無用の長物だろう。緊急地震速報などでの情報公開を
通じて、地震予知や地震調査へ国民から厳しい判断がなされる日が近づいたとも言える。
むしろ地震予知のあるべき「適正な道」を踏み出したといえまいか。

※なお同様の地球観測ネットワークを米国が構築中であることを付記しておく。
 http://www.earthscope.org/

【その4】
古い民家の補強には十分な予算をつけないから、今回も押しつぶされて犠牲者が出た。

地震予知は確かにお金がかかっている。年間の予算はいま200億円ほどだ。
しかし建物などの補強には、地方自治体などは累計でそれを遙かに上回る予算を
投じているようだ。

まずは地震予知の予算。毎年の予算は、これまでの総額はいくらなのか?
●地震予知計画の各次における予算及び機構定員整備状況(文科省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu6/toushin/07011910/001/011.htm
うわっ、なんとわかりにくい資料だ。途中から独立行政法人の担当分予算額は表示されなく
なるし。別の資料を見よう。ここにある金額がどうやら地震予知の毎年の予算のようだ。
●地震・防災分野における平成18年度予算のポイント(文科省)
 http://www.mext.go.jp/a_menu/kaihatu/jishin/yosan/06042810.pdf
18年度の予算は約160億円のようだ。これ以外に補正予算が付く年もあるようなので、
平均すると「概ね200億円」が地震調査関連に使われているようだ。

---
さて、全国の自治体は家屋などの補強にはどの程度の予算を投じているだろうか?
全国くまなく調べるのは私にはムリなので、下記のように簡易的に調べてみた。
1)「橋 道路 耐震工事 予算」でGoogleで検索する。
2)検索結果の1ページ目から、地方自治体の代表を選出する。
  災害対策に関する予算資料が見つかったのは、東京都港区と神奈川県南足柄市。
  都市代表、地方代表といったところか?
3)それぞれの自治体が災害対策にかける予算と自治体の人口から
  全国での自治体で使われている予算の概算値を算出してみる。

まず港区の場合。主な災害対策として、住宅等の耐震診断や改修助成に約1.2億円、
災害情報システムに約14.6億円、橋りょうの整備に約2.1億円。合計で約17.9億円だ。
●広報みなと:平成19年度予算特集号
 http://www.city.minato.tokyo.jp/koho/2007/km070221yosan/3.html
港区人口は約18万人で、日本総人口は約1億2800万人=港区の約711倍なので、
17.9億円x711=「約1兆2700億円」が全国の自治体で災害対策に使われている計算だ。

南足柄市の場合からも計算してみよう。
●19年度予算の主な使い方
http://www.city.minamiashigara.kanagawa.jp/8-kouhou/19kouhou/pdf190401/mi4-5.pdf
主なものは、学校の耐震補強に約1億円、耐震性貯水槽に約0.4億円。
人口は4万5千人程なので、1.4億x2800=「約4000億円」。
都市と地方で計算結果に大きな開きがあるのは都市のほうが災害に弱いと言うことか?

いずれにせよ、これらの概算からみて、全国では概ね5000億~1兆円が耐震補強事業
などに「毎年」使われているようだ。なおこれらには道路や公園の整備事業を含まなかった。
また国や県レベルでの災害対策費も含んでいない(例:国道や河川の耐震補強など)。

この巨額の災害対策費を前にして、そのわずか数%の予算規模で実施中の地震調査研究を
止めて「古い民家を補強すべき」といえるだろうか? しかもこの場合は地震観測ネットワーク
は維持できないので、どこで地震が起きているのか?どんな地震なのか?その被害予測は?
どの断層がどう動いたのか?余震は増えているのか減っているのか?といった基礎的情報は
すべて現地での見聞きに頼らないといけない。高い場所から見渡せば大体わかる、といった
簡単なものではない。

いまだ未達成の地震予知ではあるが、ここ10年間の進展はめざましい。災害対策費総額の
数%に過ぎない地震調査研究の予算は、将来への投資と考えればそう高くないと思うのだが
いかがだろうか?

---
一方、検索結果の1ページ目にはこんな資料もあった。
福岡市。ここは2005年の福岡県西方沖地震で被害を受けた玄界島を含む地方自治体だ。
予算案を見ると玄界島の復興に約27億円を投じている。
http://www.city.fukuoka.jp/download/159105395786.pdf
もしも、地震予知の200億円を災害復興費用に充てれば?復興予算は約10倍になり、
より早い復興が実現される。当たり前であるが200億円は「デカイ」のである。

ふと思ったが、地震予知の費用と復興の費用は「同じお財布」にしておくのはどうだろうか?
地震予知や調査での効果が出ず、経済損失が出た場合は、地震予知の予算から
補填するのだ。地震調査研究の関係者は今以上に死にものぐるいになるだろう。
あ、しかしこれは地震の発生数ともリンクするので、地震が少ないときほど地震研究の
予算が増え、地震が多くなるほど地震研究の予算が減るというおかしな事態になるかも
しれない。防災への投資とは難しいものだ。

【その5】
人を見殺しにしておいて、S波の何秒前に警告できたなどとはしゃいでいる場合では
ないだろう。

はしゃいでいる研究者や政治家がいるのであれば教えていただきたい。
少なくとも阪神淡路大震災を若干でも経験した私自身の思いはこうだ。
http://blog.so-net.ne.jp/goto33/2007-03-28

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余談だが神戸の震災以降、私は外出先でちょっと揺れると「ピクッ」と敏感に反応してしまう
ようになった。少しでも早く揺れを感じて、身を隠そうと考えているようだ。特に高架下で飲む時
など、電車が通って揺れる度に「ビクッ」としている。そのうち酔っぱらってきて「ここで潰されても
運命か」と思って諦めるのだが。そんな私にとっては緊急地震速報は頼もしい味方だ。
有料でも契約したいと考え中である。
震災を経験された方々はどうなのだろうか?


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コメント 21

成田艦艇団

コメントありがとうございます。
「ちきゅう」は13日11:00横浜出る港して12:00観音埼通過ですね、平日なのでお見送りできず残念です。
またの機会にと思っています。
今月の22、23日は横須賀マリンフェスタですね、JAMSTECの脇からの出港です、当日を楽しみにしているところです。
by 成田艦艇団 (2007-09-11 20:05) 

MANTA

- 情報ありがとうございます。 > 成田艦艇団さん
ちきゅう、いよいよですね。頑張れ!!
by MANTA (2007-09-11 20:51) 

ちゃめ

 拘ってるね~、この問題。

 まず、都市が災害に強いか弱いかと言ったら、「弱い」。
 被災地に対する交通アクセスの確保や、救援を擁する人数規模を考えると、東京で大きな地震が起きるなんて、想像するのも憚られる。
 神戸もひどかったけど、神戸の場合はずーっと海沿いだから、海上アクセスを有効活用できる条件だったんだよね。
 でも、東京はどうだろうか?
 湾岸地域は物資の補給を受けやすいと思うけど、新宿とか池袋はどうだろうね?

 で、震災経験者の意見を書いてみよう。
◆神戸の震災の時に、仮にこのシステムがあっても、殆ど役に立たなかっただろう。
 理由:
 あれだけの早朝だと、テレビもラジオもつけていないから、情報を入手できない。
 個人的に導入していたら、目を覚ますかも知れない。
 でも、神戸の場合は時間的余裕がなさすぎ(寝ぼけ+震源までの距離が近い)。

◆一般的に考えると、非常に有効
 とはいえ、機械類の自動停止や、「地震が来る」という心構えができるという点では、これは非常に有効と思われる。
 僅か数秒でも、知っているのと知らないのとでは、全く結果が異なる。
 ガラスや棚から離れて、柱や壁の近くに逃げるぐらいのことはできるし、ガスの火を消す事もできる。
 ただし、人がたくさん集まる施設(デパートや地下街、駅やオフィスビル)などでは、パニック対策が必要だとおもう。
 余震の被害を低減するのにも、十分に役に立つと思うよ。
 
by ちゃめ (2007-09-11 23:30) 

MANTA

- コメントありがとうございます。 > ちゃめさん
被災者の方のご意見が一番確からしいと思います。
震源地ではやっぱり間に合いませんか。役立つのはせいぜい
クレーンとかエレベータの自動停止装置くらいでしょうか?

「地震が来る」という心構え、大事だと思います。歩いてるときに、
後ろからいきなし どつかれたら、誰だって相当痛いですからね。

パニックは怖いです。緊急地震速報で与えられる時間はわずか数秒。
頭をカバンなどでガードして、身を低くする。これだけを練習しておく
ほうがよいかもしれませんね。

今回の記事を書くにあたって、いろいろと考えさせられました。
by MANTA (2007-09-12 17:39) 

HMS

ちょっと厳しめのコメントになりますが・・・

>神戸もひどかったけど、神戸の場合はずーっと海沿いだから、海上アクセ>スを有効活用できる条件だったんだよね。

 岸壁は崩れていますし、海底隆起(船底をこする)の可能性もある状況で船舶の有効活用というのは運航する側としては陸から(または陸へ)のアクセス手段が無ければ有効活用になり得ません。

 災害地における船舶派遣のメリットは陸上がどんな不衛生な状況でもそこから生活・衛生環境を切り離せるという船舶特有の環境にこそ意義があるのです。

>ガスの火を消す事もできる。
>パニックは怖いです。

 それがために今回の地震では無理に消そうとして沸騰中のお湯をかぶったりして「やけど」した人間が多数出ています。下手をすれば「死因が変わっただけ」になりかねません。

>クレーンとかエレベータの自動停止装置くらいでしょうか?

 事故が起きない限り一般道と異なり一定の速度で一方向に進む高速道路であればETCのように全車装備されて地震波を検知した瞬間に一斉停車(同じ速度であることが条件になりますが)させるのは制御技術的にはさほどの難事ではないと思うのですが。
by HMS (2007-09-12 21:33) 

ちゃめ

 他人のコメントは無視する事にしているのですが、事実と理論が混同されているようなので一言。

>船舶の有効活用というのは…アクセス手段が無ければ有効活用になり得ません。

 阪神大震災では、海上ルートでそれなりの量の物資・人員が輸送されました(統計があるかどうかは知りません)。
 何故そう胸を張っていえるのかというと、私も、「輸送」されたことがあるからです。
 当時を知る復興関係者の多くは、「船のお蔭でとても助かった」と言っています。
 もちろん、うすらでかい輸送船が接岸というはなしではありません。
 実際に体験した人にしか判らない話ですね。
by ちゃめ (2007-09-13 13:26) 

ちゃめ

 追記です。

>クレーンとかエレベータの自動停止装置くらいでしょうか?

 私は電車が止まったり、エレベーターが最寄階で自動停止するだけでも、警報システムの価値は十分に果たしていると思います。
 もし神戸の地震が日中に起きていたら、公共交通機関での死傷者はどうだったでしょう?
 それが神戸でなく東京のラッシュアワーだったら?
 警報システムで電車が緊急停止するだけでも、死傷者を抑えられるように思います。

>震源地ではやっぱり間に合いませんか。

 本震の場合は、早朝という時刻が足枷となり、実際は役に立たなかったと思いますが、その後に起きた余震を前もって知るという意味では有意義だと思います。
 P波を体感して、周囲の人に「余震が来る!」と警告するぐらいの時間は、実際にありましたので、これがシステム化されるなら有効活用できるでしょう。
 あと、余震の場合はラジオを聞いている人が増えるので、ラジオ経由の警報が有効だと思います(被災地でテレビは殆ど役に立ちません)。
 ラジオを聞いた人が、「余震が来る!」と大声で警告するような状況になるでしょうね(被災地では、殆どの人が他人を助けようと積極的に行動しますの。まぁ、それは復興と共に薄れてゆくのですが…)。
by ちゃめ (2007-09-13 14:00) 

HMS

 一部を全部のように言われてもねぇ・・・

>もちろん、うすらでかい輸送船が接岸というはなしではありません。
>実際に体験した人にしか判らない話ですね。

 その場合はどのような状況でどのような船をどのように使ったのかを明示していただかなければ「災害地における船舶輸送の有効性」に成り得ません。局所的な事例だけで事実だといわれても困ります。

 ああ、そうそう。一言付け加えておくと出身校は芦屋ですし、それに「うすらでかい船で接岸」したクチですので悪しからず。

 
by HMS (2007-09-13 19:53) 

MANTA

えーっと今は出先なので詳しくお返事できませんが、
>その場合はどのような状況でどのような船をどのように使ったのかを明示していただかなければ

ここで船舶の災害時の重要性を議論する必要はないでしょう。
ちゃめさんのご意見は震災を経験された個人としての意見として
尊重したいとおもいます。

ところでHMSさんも震災を経験されたのですか?
by MANTA (2007-09-14 14:57) 

HMS

 これ以上人の家の庭で論争を続けるのも忍びないので簡単に意思表示だけをば。

>ちゃめさんのご意見は震災を経験された個人としての意見として
>尊重したいとおもいます。

 個人としての意見としてなら良いのですが、被災者としてなら問題があります。

 私が気に留めたのは「現場の意見」と称して定量的にもなっていなければ、確率論的にも洗練されていない(要はかけるコストに見合うだけのメリットがあるのか?)ものを公の目に触れる場所に出したら異論を持ち込まれる可能性がありますよと。

 それを「実際に体験した人にしか判らない話ですね」と切って捨てるのなら「最初から言うな」ということです。検証のしようがありません。

 せめて国交省や海技研が手がけた緊急輸送システムの開発案件ぐらい引き合いに出して欲しいものです。

http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/01/010922_.html

>ところでHMSさんも震災を経験されたのですか?

 はい。海技大の人間としてですが。
by HMS (2007-09-14 18:18) 

MANTA

- やっとお返事できるようになりました。遅くなりまして恐縮です。

あらためてお二人のコメントを拝見しましたが、HMSさんにご紹介いただきました”緊急輸送システム”(←こういうのを国も考えてはいるのですね!)の冒頭には「阪神大震災においては、陸上輸送が途絶した状態において船舶輸送が大きな効果を発揮しました」とあります。であれば、岸壁が破壊されてアプローチが困難ではあったけれども、効果としては一定のものがあった、ということでよいのではないでしょうか?

私は船舶の専門家ではありませんし、ちゃめさんも「統計があるかどうかは知りません」と述べておられます。HMSさんがよい資料をご存じでしたらこの際ですのでお示しいただければ幸いです。
by MANTA (2007-09-23 05:55) 

MANTA

ちなみに、本題の緊急地震速報ですが、ETCなどによる高速通行車両の一斉停車は危険きわまりないと思います。
by MANTA (2007-09-23 05:55) 

HMS

MANTA さん、モスクワ出張お疲れ様です。

ざっと思いつくのは以下の資料です。

大災害時における海上輸送システムの実態とその在り方に関する調査研究 1995 関西造船協会

大災害時における海上輸送システムの実態とその役割 1996関西造船協会

神戸大あたりなら図書館に所蔵されていると思います。

他にも国交省関連や防災会議、海技研で若干関連資料が出ています。

例えば下記の研究会とか。
www.mlit.go.jp/kowan/bousai/01/shiryou3.pdf -

> 岸壁が破壊されてアプローチが困難ではあったけれども、効果としては
> 一定のものがあった、ということでよいのではないでしょうか?

 同時に上記のPDFでは船舶・港湾関係者の調整に2日を要したとあります。また荒川での実証実験でも日ごろから渡し舟などで現地における輸送システムが確立されている(そうでなければ橋が落ちていなくて、船&安全な船着場(ある程度の燃料備蓄も含む)が幸運にも存在していて、かつ運航要員が近傍に多数居るという偶然要素を必須とします。神戸の場合は幸運にもそれに近かったという点です)必要があると述べられています。

@ETCなどによる高速通行車両の一斉停車

 ですから無人制御列車と同じように「一定間隔で走行&運転手に運転をさせない」のです。現状で高速道路はその受け入れ許容限界まで車両を入れてしまっているのですから、適切な区間あたりの受け入れ可能車両数というものは交通技研あたりで求められているのではありませんか?
by HMS (2007-09-23 18:26) 

さくら

偶然にも?こんな記事が。

「緊急地震速報」来月から ラジオ局困った!
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070923-00000064-san-soci

「速報を受け入れる側の体制が整ってないと・・・」
と危惧するのはわかりますけど、
じゃあ、いつになったら体制が整えられるの?それまで待つの?
ってことにもなると思うんですよね。

何よりも、これは単体で運用する前提ではなく、
もっと日常の防災意識を高める切欠のひとつとして、
各人が自発的に活用していかなければならないのではないかと思います。

未来は夢見るものではなくて、そなえるものになったんですよー。
http://jishinexpo.exblog.jp/i0
by さくら (2007-09-23 21:19) 

MANTA

- HMSさん、資料ありがとうございました。PDFファイルを拝見しました。
これに文章をつけてパンフレットとして売り出してはどうだろうか?とも思うくらいよくまとまっていますね。港湾は防災対策がまだ追いつかない状況のようですが、東京・神奈川で地震がおきればやはり船舶のサポートに頼ることになりそうですね。

>無人制御列車と同じように「一定間隔で走行&運転手に運転をさせない」のです。
SFの話は楽しいですが、差し迫った緊急速報対応には間に合いません。だから私は今の時点では「ETCなどによる高速通行車両の一斉停車は危険きわまりない」といっているのです。ただ自動車の自動制御は実現が待たれる夢のひとつでしょうから、研究はされればよいとおもいます。逆に緊急地震速報が自動車の自動制御の重要なおまけの一つにはなるでしょう。
…ただしオート自動車の実用化の前に、速報そのものが「無用の警報装置」になっていたりして(苦)
by MANTA (2007-09-24 00:17) 

MANTA

- さくらさん、Yahoo記事のご紹介、ありがとうございます。
たしかに「じゃあ、ラジオ局はこれから先はどうするの?」となりますね。
実際には車内TVや携帯電話でも緊急地震速報をキャッチする車がいますから、いっそラジオ局が率先して、緊急地震速報を自動車に伝えるべきだと思います。FM、AM、渋滞情報。そうすれば一部ではなく多くの自動車が停車するので2次事故は起きにくいのではないでしょうか…あれ、そういえば高速道路の電光掲示板は緊急地震速報を伝えるのだろうか?
無論、記事にあるようにラジオ局だけでは判断できないことが多いので、国(気象庁)が率先して指導しないといけません。ここまでやったんだから、途中で逃げ出さずに最後まで、ね。

>何よりも、これは単体で運用する前提ではなく、
>もっと日常の防災意識を高める切欠のひとつとして、
>各人が自発的に活用していかなければならないのではないかと思います
その通りだと思います。緊急地震速報を、防災を身近なものと考えるキッカケにしないといけないと思います。

>未来は夢見るものではなくて、そなえるもの
地震EXPOですね。私も行きました。防災面だけではなく、科学コミュニケーションの面でもずいぶんと考えさせられました。
by MANTA (2007-09-24 01:05) 

HMS

MANTAさん、こんにちは。

>港湾は防災対策がまだ追いつかない状況のようですが、東京・神奈川
>で地震がおきればやはり船舶のサポートに頼ることになりそうですね。

 荒川のように河川交通がまがりなりにも存在する場所は良いですが、水門だらけの隅田川(損傷したり歪曲したりして水門が機能しないとか…)や段差ありまくりの多摩川では機能しないと思います。

 また橋やゼロメートル地帯が多いので、前出の条件を満たしていないと「橋が落ちたor交通路が寸断された後、そこに幸運にも残っていた船が手持ちの燃料だけで自宅が被災しているかもしれない近所の船の持ち主によって、ボランティアベースで帰宅難民を輸送する手伝いを24時間体制で行う」という想像するのも恐ろしい事態が現出します。

@ただ自動車の自動制御は実現が待たれる夢のひとつでしょうから、研究はされればよいとおもいます。逆に緊急地震速報が自動車の自動制御の重要なおまけの一つにはなるでしょう。

 実は私が上記を主張しているのは以下の事由によります。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007092000784

 法制化するのならばそれを運用可能な状況(環境)を整備するのが国(行政)の仕事で、かつ道路行政やってるのはどこの省庁ですか?と(笑)。実際に研究も行われています。

http://www.aist.go.jp/MEL/soshiki/tokatsu/press/DEMO2000/DEMO2000.htm
http://www.ahsra.or.jp/jpn/d01j/z_demo_j/demo02.htm
by HMS (2007-09-24 16:25) 

MANTA

>「ボランティアベースで帰宅難民を輸送する手伝いを24時間体制で行う」という想像するのも恐ろしい事態が現出します。

ボランティアかどうかは「船が震災時に役立つかどうか」という技術的議論とは無関係です。論点がずれています。

>法制化するのならばそれを運用可能な状況(環境)を整備するのが国(行政)の仕事

未完成の自動車自動制御技術を、緊急地震速報一つのために、高速道路走行の必須条件とせよ、との主張でしょうか?そのほうがよっぽど危ないとおもいます。
by MANTA (2007-09-24 18:12) 

HMS

 MANTAさん、こんにちは。

>ボランティアかどうかは「船が震災時に役立つかどうか」という技術的
>議論とは無関係です。

 なぜでしょう?接岸設備・船舶&運航要員はそこに交通手段として確立されていない限り、「事前に常置」しているものではありません。「船を震災時に役立たせるため」の条件として必要不可欠です。桟橋が破壊されていれば接岸出来ませんし、船や人員が無ければそもそも機能しません。荒川の実証実験にしたところで「もともと戸田の渡し船として機能していたから」選択されたのです。

>未完成の自動車自動制御技術を、緊急地震速報一つのために、
>高速道路走行の必須条件とせよ、との主張でしょうか?

 「緊急地震速報一つのため」だけではありません。「事故防止のための」です。船舶のAISなど陸上の自動車自動制御技術以上にとても完成された代物とは思えない(船舶側で誤情報を入れたらそれがそのまま他船のディスプレイに表示される)のですが、実際に国際ルール(SOLAS条約)になっています。

http://www.kaiho.mlit.go.jp/03kanku/14toudaibu/01tokusyoku/02_ais/about_ais_j.htm
by HMS (2007-09-24 19:24) 

MANTA

>なぜでしょう?
まずご自身のコメントをよくお読み下さい。最初に岸壁の耐震性のなどを問題とされたのはHMSさんです。それ以降、インフラの側面について議論がなされました。災害時に人が必要なのは当然です。しかし人員の有償無償(公的機関に頼るか、ボランティアに頼るか)の前提はなく議論もありませんでした。ここまでの結論としては「条件が整わなければ船舶は災害時に役立たない、条件が揃えば役立つ」です。まずこの点にご返答下さい。

ところが突如「ボランティアベースで帰宅難民を輸送する手伝い」の話を始めたのは貴殿です。まるで船による災害時の救援体制は船舶関係者にとって迷惑以外の何者でもないというような書きぶりです。災害時に船を動かせる人員の問題も述べたいのなら、先の問題にあとから混ぜるのではなく、新たに別な問題として提起してください。その場合も、近所の船の持ち主への同情を述べるのではなく、警察や保安庁・自治体・自衛隊などの公的機関の災害時の洋上体制の不備をあげるべきでしょう。

ただこれらの新たな問題提起は当記事の趣旨から大きく外れます。ご自身のブログなどで実施ください。TBは歓迎します。

>AISなど陸上の自動車自動制御技術以上にとても完成された代物とは思えない…
広い海と狭い車道、数十ノットと時速100km以上、航海士とドライバー、
これらを飛び越えて国際条約の話をされても的外れです。では。
by MANTA (2007-09-24 23:02) 

MANTA

こんな記事がありました。

●大地震によって陸路が遮断されたら、どうやって家まで帰ろうか・・・
 hhttp://blog.canpan.info/burari/archive/218
by MANTA (2007-12-08 16:52) 

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