ロボットが国を守る日 [▼科学ニュース New!]
昨日は小型ROVの紹介をしました。
ごらんの通り水中ロボットの一種です。ROVとは「Remotely Operated Vehicle」の略です。
一般には「遠隔操作無人潜水機」と訳されます。遠隔操作といっても海中では無線操作は
ほとんど効きませんので、ケーブルにつないで操作する場合がほとんどです。なので、
「有索(=ケーブル付き)無人潜水機」と考えればよいでしょう。
Yahoo!ニュースによれば、このような無人潜水機をテロ対策に活用するようです。
●無人の潜水艇・水上艇を開発へ…特殊部隊対策で防衛省
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070514-00000101-yom-pol
※文中のUUVなどの解説はこちらをご覧ください。
http://blog.so-net.ne.jp/goto33/2006-06-30
海中の場合は、ケーブル付きでテロ対策するわけにもいかないでしょうから、
ケーブルなしの、自動操縦の無人ロボットが使用されるでしょう。
これはAUVとよばれるタイプで、Autonomous Underwater Vehicleの略称です。
通常、「自律型無人潜水機」と訳されます。ケーブルではつながっておらず、電力は電池
でまかない、搭載されたコンピュータ内部のプログラムによって、自動的に動作します。
日本にはこのタイプのロボットが、すでに複数台あります。たとえば
・JAMSTEC「うらしま」
活躍はこちら → http://blog.so-net.ne.jp/goto33/2006-06-09
・JAMSTEC「PICASSO」
(深海生物追跡調査ロボットシステム「PICASSO(ピカソ)」初の海域試験に成功
~小型船舶にも搭載可能、深海生物研究の発展に期待~)
http://www.jamstec.go.jp/jamstec-j/PR/0703/0319/index.html
・東大生産研「r2D4」
自律型海中ロボット「r2D4」深海溶岩大平原を発見
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_190109_01_j.html
・KDDI「アクアエクスプローラ」
自律型海中ロボット「アクア・エクスプローラ2」によるザトウ鯨の生態観測について
http://www.kddi.com/corporate/news_release/kako/kdd/press00/00-007n1.html
などです。これらの開発時のノウハウは民間製作会社に残っていますから、
それらをベースに自衛隊仕様のものを開発されるのでしょう。
海底調査技術が国をテロから守る道具へ使われるのはよいとおもいます。
ただ、軍事機密の名の下にノーチェックだと、先日の情報収集衛星と同じく、
無駄な開発ではないのか?といった疑念が晴れません。
全部白日にさらせ!などといいませんが適度な情報公開が必要でしょう。
また目的外使用になっていないかどうかもチェックがされるべきです。
いつのまにか攻撃専用兵器へ転用されていたら、それは国民への約束違反です。
ちなみに、自衛隊では無人航空機をすでに活用しつつあるようです。たとえばイラクでは、無人機
で偵察などをしているようです。また訓練用に、標的として撃墜された無人航空機も
あったようです。これらは無線操縦、つまり「でかいラジコン」と思われます。AUVは自分で
判断して行動しないといけないので、開発・運用面では無人航空機よりずいぶん難しそうです。
MANTAさん
私今このような本を読んでいます。
http://gunken.jp/blog/archives/2007/03/24_0000.php
(軍事研究4月号別冊、戦場革命!軍用ロボット&先端無人兵器)
陸海空の軍用ロボットが紹介されていますが、東大浦研のr2D4も参考として紹介されています。
すごいの一言ですね。
by みきぱぱ (2007-05-18 17:21)
- 先日「Discovery Channel」でも無人戦闘機の話をしていました。
なんでも、有人戦闘機の開発は、最新のX-31(だっけ?)が最後で、
それ以降は無人戦闘機のみになるのではないか?とのことでした。
そうなんだ~とおもいました。やがてはロボット同士が戦うのでしょうね。
なんか、なんのために戦うのか? という気もします。
by MANTA (2007-05-19 04:39)