うらしまが海底を調査 [▼科学ニュース New!]
深海巡航探査機「うらしま」というのをご存知だろうか?先日ご紹介した探査機「はやぶさ」は自律的な航行が可能で、危険の際には自分で判断して上昇などを行う。こういった技術は宇宙だけではなく、海中でも可能となっている。「うらしま」は特に巡航能力に優れた自律型潜水ロボット(AUV=Autonomous Underwater Vehicle)であり、これまでに深さ3000mを越える潜水能力や、200kmいや300kmを越える巡航能力を示してきた。
うらしまの1/10模型(でか!)。内部構造がみえる。結構スカスカ。
●深海巡航探査機「うらしま」、水深3,518m →
JAMSTECの発行雑誌「Blue Earth」第56号(2001年11・12月号)
詳しくは→ http://docsrv.godac.jp/scripts/WebObjects.exe/MultiSV3.woa/wa/guest
●「うらしま」、220kmを走破 →
●世界記録樹立の「うらしま」 →
当時(2005年)のプレスリリースはこちら「巡航探査機の世界新記録航続距離317kmを達成」
http://www.jamstec.go.jp/jamstec-j/PR/0503/0301/
※ちなみにケーブルつきのリモコン式潜水ロボットを一般にROV(Remotely Operated Vehicle)と呼ぶ。
さてそんなうらしま君だが、このたび、はじめての海底調査に成功した。ただ動き回るだけだった今までから考えると大きな進歩だ。
●http://www.jamstec.go.jp/jamstec-j/PR/0606/0602/index.html
深海巡航探査機「うらしま」により伊豆半島東方沖において地すべり痕確認
-深海底微細地形 の把握に成功-(速報)
…といっても、いまのところ海底の岩石を取ってきたりするわけじゃなくて、サイドスキャンソナーで海底の微細地形や底質を調べるだけなんだけどね。それでも、急傾斜地に地すべりの痕らしい海底面の異常を撮影することができた。これからは惑星探査と同様に、海中や海底で自律型ロボットが活躍する時代だ。特に災害時などの緊急出動や、あるいは定期巡回といった、普通の有人調査船やROVではできないようなことができるようになるので、静かで変化がないと思われている海底の世界観もまた違ったものになるかもしれない。無人機か有人機かという議論も大事だが、こうやって無人機の能力が上がるにつれ、海底でできることの選択肢が増える喜びと、なにをどの道具立てでやっていくかのビジョン構築の難しさが感じられる今日この頃。
正面から見て。こういった装置にはなぜかかならず「顔」がある。
※サイドスキャンソナー=音響を使って、写真のように海底面を撮影する装置
詳しくはこちら →
MANTAさんこんにちは。
模型にはありませんが、「うらしま」の内部には浮力材が入るので、スペースは割と狭いと思いました。うろ覚えですので間違っていたらごめんなさい。
潜水船ネタにからめてまた宣伝です。m○m
今年の8月お台場の船の科学館で、第2回潜水艦デザインコンテスト(N-CON)が開催されます。詳細はこちらをご覧ください。(安管室長N氏のHPです)
http://homepage3.nifty.com/nishimura_ya/n-con/
その他にも10月のテクノオーシャンに向けてイベントも企画中です。
JAMSTECに勤務されている大勢の方たちのご協力お願いします。
水中ロボコンのMLはこちらをご覧ください。
http://homepage3.nifty.com/nishimura_ya/post/sf_yahoo.htm
by みきぱぱ@きょうこん (2006-06-09 12:44)
1/10でこのサイズってことは、すごく大きいんだね。
魚雷ぐらいのサイズだと思ってたよ。
人工物で水中を移動するものは「魚雷型」が多いね。
最適な形状なのかな?
マッコウクジラに似てなくも無いなぁ。
AUVとUUVは違うのかな?
平和利用と軍事利用で呼び方が違う?
by ちゃめ (2006-06-09 13:28)
- みきぱぱさん、こんにちわー。船の科学館では定期的にイベントやられてますよね。気になってはおります。
UUVってのは始めて聞いた。調べてみると有索型と自律型の2種類あるようなのでUUV=ROV+AUVかな? でもすごいね、攻撃型も開発されてるんだね。
http://www.f5.dion.ne.jp/~mirage/hypams04/uav.html
by MANTA (2006-06-10 10:34)