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乗船レポート(6) 〜海底電気探査(1)〜 [ シリーズ実況 Old..]

今航海では、新兵器の海底電気探査システムを使いました。
これは漫画に書いたように、ディープ・トウの後ろに160m程度の長さのケーブルを引っ張
り、このケーブルに電流を流して海底の電気抵抗を測定する装置です。このような探査は
陸上ではよくやられていますが、深海用としては世界初の装置です。メタンハイドレート
は電気抵抗の高い物質なので、海底電気探査によってメタンハイドレートを見つけられる
かもしれません。日本海で一度試したときは、メタンハイドレートじゃないと説明がつか
ないくらい高い電気抵抗が測定されました。(詳しくはJAMSTECの2/20付プレスリリース
をご覧下さい。http://www.jamstec.go.jp/

今回は日本海に続く第2回目として、東海沖の海底掘削孔の真上をディープトウ+ケーブ
ル=海底電気探査システムで通り抜けました。掘削孔で既に得られた電気抵抗と同じ値が
海底電気探査システムで測定できるかどうか、という試験でしたが結果は良好でした。
ただし今航海は天候が悪く、1度しか実施できませんでした。もっとたくさん測る予定だっ
たのにざんねん。

写真:甲板上に広げた電気探査用ケーブル。3往復くらいしてるのかな、160mってながい
わ。後ろのほうにちっちゃくうつっているのがディープ・トウ。
このころの天気はまだよかった…

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※この記事の続きをよむには下記を御覧ください。
 http://obem.jpn.org/field044.html
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コメント 13

かっぱ

海底の電気抵抗測定ですか。かなり高度な技術がいりそうですね。
 私は、地下水計測観測のお手伝いを行った事があります。図のディープトウの役割で、ケーブルを巻いたリールを背負って延々と数百m歩き、観測後リールに回収してまた歩く、というあまり技術のいらない?観測でした(苦笑)
観測の様子はこちら http://www.nav.maritime.kobe-u.ac.jp/air-sea/member/mitsuru/trip/bohai09/grand.html
by かっぱ (2006-03-01 16:48) 

ちゃめ

ピストンコアラーって、どのぐらいの深度まで取れるのかな?
マンガだと大した事無さそうだけど。
せいぜい10m?

だとするとメタンハイドレートって意外と土被り(土木用語)が浅いのかな?
層状に分布?塊状にランダムに分布?
あっ、自分で勉強しなさいですか、すいません。
by ちゃめ (2006-03-01 19:20) 

かっぱ

>ちゃめさん
いや、ピストンコアラはかなり深くまで行くと思いますよ。数百m位は(たぶん)。
by かっぱ (2006-03-03 08:40) 

ちゃめ

かっぱさん>
家主がいないうちに盛り上がっときましょう(笑)。

>いや、ピストンコアラはかなり深くまで行くと思いますよ。数百m位は(たぶん)。

そんなに届くんですか!?
私が見たことがあるピストンコアラーは旧「おのころ」から投げ入れたものだけで、長さは1mと3mでした。
by ちゃめ (2006-03-09 23:24) 

MANTA

ピストンコアラーは図にあるように、金属製(ステンレス)のパイプです。これを海底に突き刺すだけのシンプルなものです。長いもので20m、今回は6mでした。というわけで、ちゃめさん、正解です。かっぱさんのおっしゃられているのはおそらく海底掘削ではないでしょうか?掘削船「ちきゅう」だと水深2500mで海底下7500mまで掘れるかも?です。
http://www.jamstec.go.jp/jamstec-j/cdex/earth/main.html

おーまさしく電探ですね!>かっぱさん
今回やったのは、お使いになられた装置をもっと簡単にして耐圧容器に入れただけです。ケーブルもお使いになられたものとほぼ同じで、地面にはらずにディープトウの後ろに「金魚のフン」よろしく引っ張っただけです。装置はローテクですが、これを海底近くで曳航するには高度な操船技術+ウィンチ操作技術が必要です。陸上と違うメリットは、ケーブルを引っ張りながら移動できることです。これにより、広い地域の地下構造調査ができます。
by MANTA (2006-03-18 20:28) 

MANTA

余談:黄河調査のサイト、拝見しました。>かっぱさん
シーページを担当された、T先生とI飛さん、良く存じております(笑)
by MANTA (2006-03-18 20:33) 

かっぱ

家主が帰ってきちゃいましたね(笑)>ちゃめさん
Tさん、Iさんご存じなのですか!>NANTAさん
世間は狭い・・・8月に、西宮沖で地下水観測する予定です。
by かっぱ (2006-03-25 15:23) 

MANTA

おーそうですか。そこでも湧水があるのですね。
天気の良いことを祈っております!
しかし、いずれお会いすることになりそうですね(笑) > かっぱさん
by MANTA (2006-03-25 18:03) 

ちゃめ

でもまた留守のようですね(笑)。>かっぱさん
西宮で地下水というと「宮水」と単純思考で結び付けてしまいますが、西宮「沖」ということで、違いますよね。
by ちゃめ (2006-03-25 22:23) 

MANTA

いや、宮水と同じと思います > ちゃめさん
六甲山に降った雨はふもとで伏流水として湧き出します。これが宮水です。
これがもしかしたら海底でも沸いているのではないだろうか?ということで調査をされているのでしょう。宮水は淡水ですので、海底面上で地下水を捕らえて塩分濃度や温度を測定すると判別ができるのです。
…ってなんで私が答えているのだろうか?(笑)
by MANTA (2006-03-26 15:45) 

ちゃめ

Mantaさん>
ご説明有難うございます。
海で淡水を電探で捕まえる仕組みが良く判りました。
>いや、宮水と同じと思います > ちゃめさん
そうなんだ。
と思ったけど、僕の「宮水」とMantaさんの「宮水」は定義が異なるかも?
僕の使った「宮水」は第一帯水層、つまり沖積層(完新統だっけ?)に賦存する不圧地下水で、俗に言う「宮水地帯」の上流に存在するとされる貝殻層を通過してCaリッチになった、酒造会社が宣伝しまくっているところの「宮水」、という定義。
で、第一帯水層の水が「西宮沖」で湧出している事は多分無かろう、と推測した次第。
湧いてるなら多分、浜に近いところじゃないかな?と。
あくまで推測ですよ、推測(ホントはいろいろ知ってるけど、ここには書けません)。
で「西宮沖」と湧水という言葉から、僕がイメージしたのは更新統に賦存する地下水。
つまりMa13より下位の帯水層の水なんだけど、私の使った狭義の「宮水」はMa13より下位の帯水層は含まない。
ただ、六甲山近辺でMa13が海沿いのように厚い粘土層をなしていることはまず無いだろうから、第一帯水層とMa13下位の帯水層はどこかでつながっているのかもしれないね。
うわっ、長いコメントになっちゃった。
ごめんなさい。
by ちゃめ (2006-03-27 21:52) 

ちゃめ

Mantaさん。
凄いコメントが付いてますね。
「コメント認証」導入してみては?
"Blogger"には、有りますよ~。
しかも二種類も(まだ"Blogger"の宣伝するか、こいつは(笑))
by ちゃめ (2006-04-01 01:57) 

MANTA

まあいたちごっこですね。>スパム
by MANTA (2006-04-01 09:19) 

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