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地球をシミュレート(1) [▼研究実況 Now!]

一昨日、JAMSTEC横浜研究所を訪れました。
http://www.jamstec.go.jp/jamstec-j/yokohama/
ここには有名な「地球シミュレータ」があります。

地球シミュレータはいわば「コンピュータのおばけ」で、現在の異常気象や地震などの予測の切り札と考えられます。というのも地球シミュレータの計算機内部の仮想空間には地球モデルや断層モデルを作り出すことができ、何千年という環境変化や地殻変動を短い時間でシミュレートできるのです。いわば過去や未来の地球の姿を予測する「タイムマシン」ともいえるわけです。


地球シミュレータが作り出した、今後100年間の気温上昇の予測。
1年あたりの平均上昇量だが、北極などは10度ずつ上がるのか! →詳しくはこちら

気象や地震など自然現象をコンピュータで再現するには、微細な変化と巨大な変化を両方同時に扱わないといけません(微細な例:雲の中の水蒸気が固まって雨粒になる、岩石に亀裂がはいる)(巨大な例:雨が川となって海に流れる、断層がずれて地震の揺れが日本列島中に伝わる)。どちらか一方を扱うだけでは過去や未来の予測結果に誤差が大きいのです。そこで地球シミュレータで従来よりもずっと細かく地球を分割して、微細な変化も巨大な変化も一度に計算してしまおうというわけです。


写真は地球シミュレータの入っている建物の概観です。体育館のような建物の内部は大きく2層に分かれていて、上層にコンピュータ群、下層には空調装置がまとまっています。そう、でっかいでっかいパソコンケースの中の上にCPU、下に冷却ファンが付いているとおもってください。でかい「パソコン」であり、「タイムマシン」なのです。


写真ドアは地球シミュレータの搬入口だったところです。いまはもう使われていません。つまりパーツごとの故障は修理できても、地球シミュレータまるごとの移設や取替えは簡単にはできないことを意味しています。自作PCとは違ってCPU交換などはできないわけです。

つづきます。

追伸
地球シミュレータ毎は年4月頃(週末)に開催される一般公開で見学可能です。それ以外の場合はこちらにお問い合わせください。→http://www.es.jamstec.go.jp/esc/jp/Contact/index.html

また見学申し込みをしなくても「地球情報館」の個人見学は自由です(無料)。地球シミュレータの模型や、半球スクリーン・立体スクリーンなどの映像を見ることが出来ます。開館時間など詳細は下記をご覧下さい。→http://www.jamstec.go.jp/jamstec-j/yokohama/ESM/index.html


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