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調査航海実況 ~広帯域地震計~(9) [ シリーズ実況 Old..]

台風もおさまり、海に平和が戻りました。これで仕事も再開できるというものです。

今日はBBOBSこと広帯域地震計を紹介しましょう。自己浮上式装置ですので、
・設置するときは船上から投げ入れる。自重で落下(約90m/分!)
・浮上するときは錘を切り離す。浮力で浮上(50m/分くらい?)

オレンジ(あるいは季節柄、柿)のような概観ですが、これは耐圧チタン球殻です。本来
は金属色ですが、洋上で目立つようにオレンジに塗られています。この中に、高精度の地震計が内蔵されています。この地震計は水平状態で測定可能ですが、海底は水平とは限りません。
そこでオレンジの玉の中には装置を自動で水平に保つ機構も備え付けられています。その
ほかに方位計・記録計・音響通信装置なども入っています。ガムテープが気になりますが、
ケーブルが水中でばたつかないように抑える必要があるのです。ガムテープの張り方によっ
ては、チタン球が「顔」のように見えることもあります。

右側の青いリングは音響トランスデューサです。これで船上からの超音波を聞き取り、返
事をします。このような超音波通信を用いることで、船とBBOBSまでの距離を知ることが
できますし、BBOBSの錘を切り離す指令を船上から出すことも可能なのです。

BBOBSの下の赤い部分(除く、下に敷いてあるパレット)が錘です。錘が下についている
ので、写真のままの格好で海中を降下して海底に着底します。浮上時は錘を切り離して浮
いてくるわけです。ところで錘を切り離すと、重量バランスが変わり、若干重たい音響ト
ランスデューサを下側にして(写真から90度時計回りの状態で)浮いてきます。ですので
洋上でBBOBSを回収するときは、写真左側のロープにフックを引っ掛けます。浮上時に電
波を発信するラジオビーコン(写真右下、白い筒)も横向けについています。こうしてお
くとビーコンのアンテナはちょうど海面より上に出るわけです。

チタン球の中を昨日見せてもらうことができました。結構すきまだらけです(あたりまえ
ですね、詰めすぎると浮力を失って浮いてきません)。地震計だけではなくほかの観測=
たとえば電磁気観測など!=にも、チタン球は十分利用できそうですね。

S先生、ゆだんしてると中身が地震計から磁力計に変わってるかもしれませんよー

※この記事の続きをよむには下記を御覧ください。
 http://obem.jpn.org/field040.html
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コメント 1

chame

ん、投稿が増えないな。忙しいのかな?
by chame (2005-10-26 22:25) 

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