続 東海に挑む ～さらば！～(7)

前回からの続きです。

問題なし！というわけではないですが、海底ケーブル先端の「海底コンセント」こと、
いよいよ分岐装置君を深さ1300mの深海底に下ろすことになりました。

　　　　カメラを向けると笑顔！

船員さん総出で、装置を船尾のクレーン（Aフレーム）の下に移動させます。
この船の船員さんはフィリピン出身の方が多いです。

　　　　船尾が明るい

ケーブル敷設用のいろんな装備を巧みに交わしながら、揺れる船の上で重さ500kgの
分岐装置がAフレームの下に運ばれていきます。


　　　　海況はまずまず

GPSを用いて定点保持できるケーブル船は、この程度の波風では揺れません。

　　やっとこさ、外に出た分岐装置。

上から見るとこんな感じ。耐圧容器は1つ（中央の銀色）、黒いブーツから写真上へ伸び
る白くて長いのが、海底ケーブル。これが50km先の陸上へと繋がっています。
めちゃながい糸電話を想像してしまう。
小さくてわかりませんが、オレンジ色のハンドルが5つ。ここが水中着脱コネクターです。
次の航海ではここに地震計や津波計、磁力計をつなぐのじゃ…

もうこの分岐装置君とは、私は会うことはないかもしれない。なにせ海底でながーい期間、
地震や津波を観測するために海底ケーブルにつけた「コンセント」ですから。
ちょっとやそっとでは修理なんてしません。次に会うのは10年後か20年後か…

そんな感慨など関係なく、設置作業は進みます。
小さいけど、アニメーションでどうぞ。

ケーブル船のマールイお尻を交わしながら、船尾のAフレームで分岐装置の巨体を
吊り上げて、海水中へドボーン。もちろん放り投げるのではなく、しっかりしたロープ
（実は使い古しの海底ケーブル。リサイクル。）でそろそろと海底へ下ろしていきます。
さらば！分岐装置君！　もうおまえとは会うもんか！
（会うときは不具合で修理するときやもんね）

このときの様子はこんなかんじ。

分岐装置を下ろすロープの「張力計」をみれば、分岐装置が海底に着いたかどうか分かります。
ロープにかかる力が…　お、急に下がった。歓声と拍手！（とりあえず2名で）
陸上でドキドキしながら待ってた人も、歓声と拍手！（きっと3名くらいで）
ほっと一息です。もうすこし余分にロープを繰り出してから、切離装置を動作。
ようやくケーブル船と分岐装置が切り離されました。設置作業は終了です。

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ちょうど夕暮れ。忙しい1日をちょうど振り返ってみる。

※本シリーズの続きは下記でご覧頂けます。
　http://obem.jpn.org/field056.html

コメント 6

MANTAさま
お久しぶりです。
エントリーが再開されたので、興味津々で読んでおります。
でも、まだ勉強不足でよく分かっていないのですけれど。

５月１２日のJAMSTECの一般公開に行くことにしました。
海洋調査船「かいよう」の体験乗船にも申し込んだので、抽選に当たるといいな、と思っています。
by み・くり (2007-04-20 22:01) 

- コメントありがとうございます。　＞　み・くりさん
「2、3日に1回！」のペースはまもろうと思いつつ、さすがに今回は
無理でした。普段使いまくっている「忙しい」という言葉は、このブログだけ
では使わないようにしようと思ってましたけど、まあ無理は禁物ですね。
またぼちぼちと再開いたします（まだ3月の乗船レポートですけど）。

海底ケーブルを使った調査は、大掛かりですし分かりにくいですね。
またこんど解説をかこうかな？
by MANTA (2007-04-21 12:03) 

あ、そうそう、一般公開で何かしゃべることになりましたよ（ボソ）
by MANTA (2007-04-21 15:56) 

一般公開での講演、楽しみにしています！
それから、乗船レポートもとっても興味深くて楽しみです。

「かいようの」抽選は外れてしまいました。
１４４０名の応募があったとのこと、外れて当然かな・・。
午後乗船分の当日申し込みには当たるといいのですが。
by み・くり (2007-04-29 00:26) 

- 講演…　この連休にネタ探ししてたりします（苦）　＞　み・くりさん
科学の「小難しい話」だったらいつでもできるのですが、
聴衆に「おおっ」と思ってもらえるネタというか企画を考え中。
結局なんもでてこなかったら「ネタなかったのね…」と同情してください。
by MANTA (2007-04-30 11:34) 

- いよいよ今週になりました　＞　一般公開
午後のご乗船、当選することを祈ってます！
あと乗船がかなわなくとも、停泊している船は自由に見学できますよ。
（午後遅めからですが）
by MANTA (2007-05-08 09:29)