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緊急調査 ~結果速報~(7) [ シリーズ実況 Old..]

昨日、伊豆東方沖地震の緊急海底調査の結果がプレスリリースされました。
「伊豆半島東方沖地震に関わる緊急調査の結果について(速報)」
http://www.jamstec.go.jp/jamstec-j/PR/0604/0426/index.html

また共同通信の記事にもなったようです。
「海底で高さ10mの泥流発生 伊豆半島東方沖地震で」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060426-00000117-kyodo-soci

詳しくは上記をご覧頂くこととして、今回分かった事は地震時に泥流が発生することと、発生した泥流は海底の装置を押し流してしまうことです。これからは海底への装置の設置方法を改良しないといけません。また泥流の跡は意外と残ってませんでした。泥の流れた跡のようなうっすらした新鮮な筋模様はあったのですが、石の転がった跡とかがけ崩れの痕跡はないのです。海底の装置が流されたことを考えると、なんもおきなかったわけじゃなくて、きっといろいろ転がったり落ちたりしたものがあったのに、その跡が泥や水の流れでかき消されてしまったんだと思っています。カマイタチみたいなもんでしょうか?海底測器だけ動かして跡をのこさず。

ミステリーの謎解きはこれからです。

※追伸:4/30の午後、伊豆半島で地震があり、一部で震度5弱の揺れが観測されたようです。
「伊豆東方沖地震:GWに水差す揺れ けが人や被害なく、交通網は平常通り /静岡」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060501-00000042-mailo-l22
これで終わってほしいですね。
ところでこの地震をダイビングしながら海底で体験した人がいるそうです。ひぇー。ご無事でよかったです。
http://blog.so-net.ne.jp/fumifumio/2006-04-30

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※この記事の続きをよむには下記を御覧ください。
 http://obem.jpn.org/field046.html


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ちゃめ

 興味深い投稿でした。
 まず、「石が転がった跡」ですが、石が供給されるのか?が問題かな?
 泥流の発生源がシルトや泥で構成されており、岩盤が崩壊したわけでなければ、石がある必然性に疑問が生じます。
「崖崩れの跡」が崖崩れの滑落崖を指すのか、崩落した土塊の二次堆積物を指すのかは不明ですが、シルトや泥を主体とした水中の泥流が、発生源の近傍で堆積する事はないように思えます。
 記事と写真だけを拝見して思うことは、1)泥流が発生したことは間違いないが、2)調査サイトは泥流の流送域であり、海底にその跡が残っている、3)泥流の主成分は泥やシルト(砂は?)であり、礫サイズのものは含んでいない、或いは、礫は崩壊発生源で付近で止まり、調査サイトまでは届いていない、ってとこでしょうか?
 なーんちゃって。
by ちゃめ (2006-04-27 19:43) 

キートン増田

写真付きで記事になっていますね。
http://www.asahi.com/science/news/TKY200604270341.html
by キートン増田 (2006-04-28 07:04) 

MANTA

- ちゃめさん、コメントありがとうございます。ご指摘の通りの現象がおきていたと思います。ただし海底の測定装置がひっくり返ったりしているところをみると、泥流の発生源で岩盤崩壊がなくても、泥流の流路に落ちていた石や貝殻が流された跡があってもおかしくないとおもうのです(不安定な小石・大石・貝殻はたくさんありました)。その転石の跡を期待していたのですがどうも見当たりません。

キートンさん、記事ご紹介ありがとうございます。
地震活動は幸いなことに収束に向かっているようですね。
<伊豆半島沖地震>終息に向かう 気象庁が見通し
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060427-00000120-mai-soci
by MANTA (2006-04-28 08:08) 

ちゃめ

MANTAさん>
 コメントレス、有難うございます。
 昔の仕事柄、「何故」に対する答えを想像する癖がありますので、私なりの「想像」を書いたものです。
 MANTAさんの批判や議論の意図は「完全に」ありませんので、ご理解ください。
 で、疑問に湧いた点が二点。
>不安定な小石・大石・貝殻はたくさんありました
 石が有るのですね!
 写真を見ただけだと、通常は極めて穏やかな堆積場だと思うのですが、「石」がある、という時点で、驚きです。
 やはり、海底土石流のようなもので供給されるのでしょうか?
 或いは、海底の生物化学的作用で形成された石状のもの(マンガンノジュールや鯨の骨をイメージ、適当です)かな?
 疑問のタネはつきませんね。
>海底の測定装置がひっくり返ったりしているところをみると
 受ける抵抗と比重の違いなのかな?

 謎解きの結果、期待しております。
by ちゃめ (2006-04-28 09:20) 

MANTAさん、はじめまして。
niceのお陰様でMANTAさんのブログを知る事ができました。ほんとうにありがとうございます!
群発には慣れっこになっている地元ですが、何がどうなっているのか等殆ど知らない・知らされないのが実情です。
今回の海洋調査のことも初めて知りました。大変なお仕事なのでしょうが、私も【謎の解明】期待しています。
皆さんのコメントを拝見していても専門的で解らない事ばかり・・・ですが、とても興味はありますので少しづつでも学んでいきたいと思っています♪
by (2006-04-28 11:44) 

MANTA

- ちゃめさん、この初島沖ステーションは伊豆半島から相模湾へ向けての斜面の途中(正確には斜面の終わりかけ)に位置しています。ステーションのある場所には石等は落ちていませんが、ステーションより上の斜面のあちこちに石が落ちていました。なかには直径2m程度の岩が、シロウリガイの上に落ちたあと(!)もありました。今回の地震で落ちたのではなさそうですが、泥にあまり埋まっていないところをみると古い話でもないように見えました(ここ10~20年くらいの出来事?)。推測ですが、これらの岩はおそらく今回の地震時の泥流よりももっと大規模な"土石流"で運ばれてきたのだと思います。地震起源だけではなく、火山や気象起源の土石流も考えないといけないでしょう。

ノジュール(小石のような固い塊。岩石ではなく、生物が作った物や自然にできた物)もけっこうあります。この地域にたくさんいるシロウリガイなどの深海の貝が死んでできるのだと聞きましたが、生物のほうは不勉強で自信がありません(苦)
by MANTA (2006-04-29 20:42) 

MANTA

- 3nyans222さん、はじめまして!
伊豆の地震活動、治まってきたようでよかったですね。
今回の地震、伊豆にお住まいの方々はどうだったのかなあ、とおもい訪問させていただきました。とりあえず、調査船で急ぎ駆けつけてみたものの、地元の方のお役に立てる情報が少なく恐縮です。でも潜ってみないとわからなかったことが、ちょっとずつわかってきました。これからも調査を続けていきたいと考えています。
あとできるだけ簡単に調査の様子を説明したいと考えてはいます。この記事は特別にコメントをたくさん頂いたのでちょっと長めですけれど。
by MANTA (2006-04-29 20:43) 

乾物屋

MANTAさん、はじめまして。
私もniceのお陰様でMANTAさんのブログを拝見できました。
海底での泥流というと「日本沈没」を思い出します。夏には、リバイバルされた映画が公開されますので、楽しみにしております。本棚には文庫版とDVDが揃っていますが、実物の泥流はいずれの作品をも凌駕するんだろうと想像しています。
by 乾物屋 (2006-05-01 22:47) 

ふみふみ

はじめまして、ふみふみです。
トラックバック、ありがとうございます。。

ダイビングで伊豆には良く行くので、地震は怖いですね~。。
私に地震の知識があれば、今回は良い経験になったかもですね?
by ふみふみ (2006-05-02 01:36) 

MANTA

- 乾物屋さん、Niceありがとうございます。「日本沈没」は楽しみですよね。いま漫画で連載もされてますね。ちなみにJAMSTECは本映画に全面協力しております。5/20の施設一般公開では監督さんをお招きしてトークライブがあるようですよ。(※ところで乾物屋さんのページ、最近の記事が消えてしまってますが…なぜ?)

ふみふみさんの記事、興味深く見せていただきました。ダイビング中に地震、もしかしたら陸にいるよりも安全かもしれませんが、でも考えただけで怖いですね。
by MANTA (2006-05-02 07:40) 

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