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日本沈没 回答編3(アイソスタシー) [ 連載 Old..]

まだつづきます。

Q.ひょっとして、アイソスタシーって、もう古い?
おーアイソスタシー。懐かしい。地球科学を専門とする人は一度は習うでしょう。
アイソスタシーは物理法則から導かれるので、古いも新しいもありません。まずは論より証拠。こちらの写真をご覧ください。

アイソスタシーのモデル  ※リンク切れ:コメントを参照下さい。
 岡山県教育センターさま >(各研究室から)化学 >理科総合A,B演示実験資料集(H15年版)
       >地学領域 >B7 アイソスタシーのモデル

「図3.木材の浮かび方の違い」を見れば分かるように、水に木材を浮かべてみると、厚い木材ほど高く浮き上がり、薄い木材ほど低めです。この釣り合い状態を「アイソスタシー」とよびます。木材=地殻(軽い岩石)、水=マントル(重い岩石)に置き換えた仮説が「アイソスタシー仮説」です。つまり「高い山には根っこがある」という考え方です。

アイソスタシーはもともと山での重力の値を説明するために考え出されたものです。山は空気よりも重い、ということは山のほうに重力が向いてしまうはずだ、しかし現実は思ったほど山に引っ張られなかったのです。なぜか?やまの根っこが深くまであり、そこは周りのマントルよりも軽いので「空気より重い山」と「マントルより軽い山の根っこ」が互いに打ち消しあうので、場所による重力の変化が小さくなるのではないか、と考えられたのです。

ここ日本でもアイソスタシーは成り立っているのでしょうか? その1で出てきた飛騨地方、ここは過去200万年の間もっとも激しく隆起した地域ですが、山の高さの割には場所による重力の変化が小さいことが知られています。ということはアイソスタシーが成り立っていそうです。くわえて、
 「飛騨地方が激しく隆起した + アイソスタシー 
   = 飛騨地方の隆起が激しい原因は。、地殻が年々厚くなっているからではないか?」
なんて仮説も生まれるわけです。そうかなあ、そうかもしれませんね。実際、火山もあるし。

でもホントに飛騨地方ではアイソスタシーが成り立っているのでしょうか…その実態は実はよくわかってません。

理由1)マントルも地殻も動いている
アイソスタシーは静かな湖面のようなマントルのうえに、地殻がそーっと乗っかっている状態で成り立ちます。ということは、マントルの流れなどのために地殻に余計な力がかかってると、アイソスタシーは成り立ちませんね。

 流れに引きずり込まれる木材

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日本沈没 回答編2(日本浮上) [ 連載 Old..]

その1のつづきです。またネタバレ、ね。

Q.「日本沈没」ではなくて、「日本浮上」はどうなんでしょう・・・?
先の記事に事実としての「日本隆起」を紹介しました。太平洋プレートなどが押し寄せてくる日本列島は現状でも十分浮きつつあるようですね。

ここでは将来起きるいろんな現象でさらに日本が隆起する可能性を考えて見ましょう。基本的に
日本の沈め方の逆を考えればよいです。

1)火山活動を盛んにする。
まず日本列島を軽くしましょう。一番簡単なのはマグマを増やして火山活動を活発化させるのです。以下、”風が吹けば桶屋が儲かる”方式で、、、
 ある日、沈み込む太平洋プレートからたくさんの水が放出される
 → 日本列島の下に、たくさん水が供給されるようになる
 → 水が増えるとマグマができる(岩石の融点が下がる)
 → 火山噴火がおきて溶岩や火山灰が日本の上に降り積もる
   + マグマが日本列島の地殻にくっつく
 → 日本列島の地殻に軽い成分が多くなって、浮いちゃう。
   + 地殻が厚くなっちゃうので、アイソスタシーで陸地が盛り上がる。
  ※アイソスタシーは「その3」で説明しますね。ちょっとまってね。

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日本沈没 回答編1(わだつみ、タケキン、日本隆起) [ 連載 Old..]

映画「日本沈没」は上映から1ヶ月半、オリコンではまだ4位だそうですね。ヒットしてよかったなぁ。これをみて「地球博士になる!」って子供もいるのかなぁ?

さてこれまでお寄せいただいたコメントの中には日本沈没などに関するご質問もございました。もうすっかりお忘れかもしれませんが、ここで一気呵成に答えさせていただきましょう。すでに一部回答させていただいたものも混じってますがお許しを。ネタバレありですがもういいですよね?

Q.「わだつみ」っていう潜水調査船、ホントにあるんですか?実在する名称を使っているの?
 「わだつみ」は小松左京氏の原作「日本沈没」(1973年)にでてくる潜水船の名前です。「しんかい2000」の完成は1981年。つまりフィクションが現実より先んじていたわけです。今回のリメイク映画では、本物の潜水船開発に先んじた原作に敬意を表して「わだつみ」の名を使ったのでしょう。

ただリメイク映画は原作とはかなり違っています。しかも監督さんは「本物」へこだわりが強い方です。なのになぜ「わだつみ」の名を使ったのでしょう? 勝手な推測ですが、リメイク映画中で潜水船を2つも沈めるにあたって本物の名前を使うのに製作者が躊躇した(あるいは使用許可が出なかった)のではないでしょうか? 真実をご存知の方、教えてくだされ。

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名古屋沈没 [ 連載 Old..]

日本沈没のホームページを見ていると…
http://www.nc06.jp/
「北海道沈没!東京沈没!京都沈没!!九州沈没!!」

…あれ、名古屋は?

そう、名古屋飛ばしです。元名古屋市民としてはゆるせません!

とおもったら、名古屋ローカルで「名古屋沈没」の宣伝ポスターがある!
これがまた、すばらしい!

●ブログ「どんどんのバンバン日記」さん
 http://dondonkuromaru.blog24.fc2.com/blog-entry-159.html
 (映画のネタバレなし)

●ブログ「はやともの徒然日記」さん
 http://hayatomo.cocolog-nifty.com/diary/2006/07/post_1be3.html
 (映画のネタバレ含みます)

●ブログ「こっちゃんと映画をみまちょ」さん
 http://blog.goo.ne.jp/kocchanniku/e/e7c3f8b27432a4764f0c9e8cf0d93fea
 ポスター、きれいに撮れてますね (ネタバレあり)

どうすばらしいかは、名古屋人にしか分かりません。ナナちゃんが…
あと、これをみて思い出すのが金鯱号。いま韓国で元気のようです。

以上、名古屋ネタ満載で?お送りしてみました。

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おまけ1:
ちなみにこちらは本物の「名古屋沈没」です。
冗談抜きの、真実の重み、です。
皆様のご家庭でも、防災対策にはぬかりなきよう
http://www.geocities.jp/showahistory/history5/34b.html

おまけ2:
災害時で困るのは食事。とはいえ特別なものを買い揃える必要はなく、普段からレトルト食品などの買い置きをそろえておくと良いでしょう。我が家では諸事情により、愛知の「チタカ」さんのレトルトを普段からいただいておりますが、このたびasahi.comに紹介されたようです。記事にある「きのこカレー」とってもおいしいですよ。
asahi.com こだわり店長に聞く
あと、私のお気に入りはビーフカレーインド風とボルシチです(こちら)。クラムチャウダーもおいしい。
「おいしい備蓄食品」ってのもありですかね?

※この記事の続きをよむには、サイドバーの「カテゴリーの紹介」をご覧下さい。
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関係者コメントでみる日本沈没 [ 連載 Old..]

日本沈没、人気ですね。いやね、近所の図書館の予約状況をWEBで見ることができるんですよ。
で、原作「日本沈没」の貸出状況を図書館でみてみたら! 予約待ちが43人!
ちょっとまてよ、1人が2週間とすると、2年近くの待ち時間!? ひぇー

日本沈没 上    小学館文庫 こ 11-1

日本沈没 上 小学館文庫 こ 11-1

  • 作者: 小松 左京
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2005/12/06
  • メディア: 文庫


さてそんな「日本沈没」ですが、公開開始から日数もたちまして、関係者のコメントがあちこちでアップされるようになってきました。まとめてご紹介いたしましょう。

※ちなみに下記リンクにはネタバレを含む場合がありますよ。

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正しい日本の沈め方(完結編) [ 連載 Old..]

前の記事に書いたようにリメイク映画「日本沈没」にでてくる沈没要因では、日本はどうも沈みそうにありません。そこで、科学的に正しい「日本沈没」を考えてみましょう。なお、あくまで科学的なお遊びですので、念のため。あと、説明はまとめてマンガにしましたよ。

今回の記事もネタバレありです

●無理やりマントルに引っ張り込む
(1) まず沈み込む海洋プレートで、日本列島を無理やり引きずり込んで見ましょう。先の記事に書いたように、メタンガスではプレート境界が滑ってしまいます。ならばメタンガスを出す微生物はプレート境界以外にすんでいて、かわりにプレート境界にすむ微生物は岩石と岩石をくっつける接着剤のような成分を出すことにしてみましょう(そういう微生物は現実には発見されてませんけど)。もう、地震もおきないようにがっちりとくっつけます。こうすれば、プレート沈み込みの速度を増しつつ、日本列島を引きずり込むことができるでしょう。
実のところ、現実のプレート境界では、急速なすべり(=地震)がおきやすい場所と、地震ではなくゆっくりすべりがおきやすい場所があるようです(あるいは時として地震になったりゆっくりすべりになる場所もあるみたい)。このプレート境界の強さを決めているのは、境界にサンドイッチされている泥の成分じゃないか?ともいわれていて、泥の成分は微生物と無関係ではないので「微生物が地震の起き方に影響を与えているのではないか?」という過激な説もないことはないのです。

(2) さらに日本海にも「沈み込み」を発生させて見ましょう。沈み込みは海溝(トレンチ)と呼ばれる水深の深い海底で起きていますが、あるときそこでの沈み込みが停止してしまい、近隣の別の場所で沈み込みが始まることがあります。これを「トレンチジャンプ(沈み込み境界移動)」といいます。現実の地球でも、陸地同士がプレート運動で衝突するところでおきたことがあるようです。日本海がユーラシア大陸へ沈み込みを開始したら、日本列島も当然引きずり込まれます。お、なんか沈みそうな気がしてきた。

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ここがおかしい「日本沈没」3 (デラミネーション) [ 連載 Old..]

さてつづき。

今回の記事もネタバレありです

●デラミネーションしたら日本は浮いちゃう
 劇中ではもうひとつ、「デラミネーション」という現象も日本沈没を引き起こすとされていました。デラミネーションとは日本列島の地殻の深い部分がはがれてマントルに落ちる現象です。「現象」といいましたが、地下を調査してデラミネーションが見つかったわけではありません(注)。もともとは大陸の岩石と日本列島の岩石の違いを説明するために考え出された仮説であり、現在その証拠探しの真っ最中です。

 「デラミネーション」とは、「薄く剥がれること」という意味(だとおもう)
 名古屋弁とは関係はない。
 マウスカーソルを図にあててみてね。剥がれるでよ。

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マントルって硬いのねん [ 連載 Old..]

ちょっと一息。

前回の記事で、マントルは超々々々々々ネバネバ、というか「硬い」と書きましたが、どの程度硬いのか分かりやすい実験がオーストラリアで行われています。ちょっと紹介いたしましょう。しかしそれは、なんとも「恐るべき実験」なのです。

それは…タールがどれくらい垂れるか、という実験。タールは一見なじみがないようですが、アスファルトの舗装などに使われている黒いやつで、ヤニの一種です。舗装したてのアスファルトを歩くとネバネバすることがあるじゃないですか?あれです。アスファルトも乾くとネバネバせず硬くなってますよね。タールはあっためるとドロドロになりますが、冷やすと硬くなります。ただし硬いといってもちょっとは流れ出る性質もあり、超々々々々々ネバネバした物質なのです。

そこでオーストラリアのクイーンズランド大学物理学部の初代教授は1927年からタールがどれくらい垂れるか、という実験をはじめました。それからおよそ80年後、教授が引退した現在も実験は続けられているのです。なんと気長な! さすが理屈っぽいイギリスに源流をもつ国、オーストラリア。

実験はこんな感じ。

そう、1滴垂れるのに10年弱かかるのです!これまでの約80年間で8滴垂れました。あほか。
 THE PITCH DROP EXPERIMENT (University of Queensland)
 http://www.physics.uq.edu.au/physics_museum/pitchdrop.shtml

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ここがおかしい「日本沈没」2 (メガリス) [ 連載 Old..]

さてさて、前回のここがおかしい「日本沈没」の続きです。

今回の記事もネタバレありです

●そんなに早く日本は沈まない。
 じゃあ、日本はずっと沈まないのか?いやいやそうともいえません。映画の冒頭で説明がありますが、日本の下には「メガリス」と呼ばれる巨大な塊があります。これはマントル深くに沈み込んだ海洋プレートの成れの果て、というか墓場、ともかく「塊」です。最近は地球科学の世界ではメガリスと呼ぶより「スタグナントスラブ」(沈滞した海洋プレート)と呼ぶほうが一般的でしょう。このメガリスは地下660kmのマントル内部にたまっているのですが、あるとき一斉にマントルのもっと深いところ(深さ2900kmまで)へおちるのではないか、とも言われています。確かな証拠はまだありませんが、数値シミュレーションでは可能性はありそうです。このときにメガリスの真上にある日本はどうなるのでしょうか?メガリスは厚さが200kmくらい、幅が数千kmです。日本も多少沈むかもしれません。数kmくらい沈むかも? あ、日本、沈みましたね。


 マウスのカーソルを図にあててみてください。日本が沈みます…

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日本沈没への質問募集! [ 連載 Old..]

日本沈没ネタ、まだつづきますが、ここで本ブログをご覧の皆さんから、映画「日本沈没」への疑問・質問を募集して、私が勝手に答えてみましょう。
 「この映画みたいけど、これってどうなんやろうか?」
 「この映画みましたが、ここがよくわかりません? これはどうおもいますか?」
 「こんなことってあるんかな?」
などなどございましたら、こちらのフォームからご質問ください。適当に期間限定です。

フォームにはメールアドレスもURLも不要ですのでお気軽にどうぞ。頂いたご質問には、こちらのブログでまとめてお返事させていただこうと思います。私の知識の範囲+たくましい空想力?で立ち向かいますが、まあ回答はご愛嬌ということで。回答に関しましては、ネタバレありなしをお選びいただけるようにしました。

ちなみに私は映画関係者ではありません。映画も劇場で1度見たきりですから、映画の内容に関しては私の記憶の範囲内でお許しください。また日本沈没と関係のないご質問、本ブログの趣旨(ってなんだっけ…)にそぐわないと思われる質問は勝手ではありますが不掲載とさせていただきます。

質問くるかな…

なお東京大学地震研究所のマネではありますが、こちらはネタバレありも含みつつ、非公式で楽しくやらせていただくということで、どしどしご質問ください!

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ここがおかしい「日本沈没」 (微生物) [ 連載 Old..]

「日本沈没」、いまあらためて予告編をWEBで見ましたけど、本編をもう1回じっくり見たくなりましたね。
http://www.nc06.jp/
ともかく細かい部分の表現が緻密でしたから。

しかしこの映画、まだ映画をご覧になっていない方もおられますし、うちの研究所も全面協力してますんで、前の記事では「科学面では満点」と書きましたが、細かい表現が緻密な割には随所ででっかいアラが目立ちます。特に科学面については、海の研究者として突っ込まないわけにはいきません。以下は映画好きの方から見たら相当マニアックな突っ込みですが、お許しを。

ちなみに今回の記事は思いっきりネタバレありです


(写真はイメージです。本文とは関係ありまへん。)

いいですか~

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「日本沈没」を見た [ 連載 Old..]

うん、面白い映画でしたよ。

映画の感想は主観的なものやから、ここに書くことは参考ということでお許しください。あとネタバレは一応ありません。が、映画を見ると決めている人は読まないほうが良いかもしれません。ともかく詳細は、ぜひ劇場などでご確認ください。

一言でいうと「とてもよくできた映画」でした。なにもかもリアル。船とか車とかは基本的に本物。掘削船「ちきゅう」も潜水船「わだつみ」シリーズも。崩れゆくビルはCGだけど、まあもう、本物でいいよね。本物が壊れていくことが、かえって夢の中で見ているように感じられました。現実感の喪失。阪神大震災のあとの街を歩いたとき、そういう感覚におそわれました。本当に日本が沈没するときも、案外こんな感じかもしれません。


 大活躍の「わだつみ6500」さ。

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いま映画館 [ 連載 Old..]

いまから日本沈没みまーす

レイトショーにきました。通常よりだいぶ安めでお得。
最近は上映1時間前までネットで予約もできますからいいですね。
いい席取れましたよ。

さあ、みるぞー。
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「日本沈没」公開開始 [ 連載 Old..]

昨日は「海の日」でしたね。当ブログでも盛大に祝うべきでしたが、連休最終日ということもありダラダラとすごしてしまいました。ちなみに海の日って、本当は7/20で、記念日として制定されたのは1941年なんですね。結構、由緒正しい。

さて、そんな連休でしたが、その初日に映画「日本沈没」が公開されました。

http://www.nc06.jp/
※Internet Explorerでないとうまく見ることができないようです。
 また最新のQuick Timeもインストールの必要なようです。

印象的なのが、各地方が沈没してるイラスト。昭和テイストです。私世代は小学校のころ、地元の公民館で上映されていた「ガメラ」や「ゴジラ」を思い出します。こんな感じのポスターが校門前に貼られてて、チケットとかもそこで売られてた記憶があります。当時はレンタルビデオとかDVDとかなかったもんねぇ。「日本沈没」は実際にはCGバリバリ映画なのに、このポスターは旧作へのオマージュか?

日本沈没

日本沈没

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2003/09/25
  • メディア: DVD


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査読とは(8) ~読者、そしておわりに~ [ 連載 Old..]

連載の最後に、論文公表における読者の役割を考えてみよう。「読者?論文を読むだけでしょ?」まあ確かにそうなのだが、読者は論文の正当性のチェックの役割も担っているのだ。

前回までに述べたように、投稿論文が学術誌に掲載可か否かの判断は、査読者・編集者といった複数の専門家の意見の集合体である。従って、学術誌に掲載された論文の内容はそれほど間違ったものではない。そうはいっても僅か数名で論文の価値をチェックしているのである。査読者も毎回毎回、投稿論文中の実験や観測を自前で追試しているわけではない。間違った判断をすることもありうる。

また科学や技術の常識は時として大きく覆されることがある。査読者や編集者も所詮はそれまでの常識の枠の中で判断している。それを大きく越える斬新な内容の投稿論文が(のちにそれは部分的には間違いであると分かったとしても)学術誌に掲載されることはありうる。その当時は真実と思えることも時がたてば嘘(=間違い)だった、とは科学の歴史そのものである。真実と嘘の境は科学最先端では紙一重なのである。ある研究者はそれを例えて、「永遠にばれない嘘は真実である」といった。また「嘘が10年ばれなければ一流の研究者だ」とも。嘘をつくことを奨励しているわけではない。あくまでジョークであり、例え話だ。

さて、やっと読者の出番である。学術誌に掲載された論文を読んだ読者が「おかしい」「不明瞭だ」と思う点があれば、それを学術誌に「論評(英語ではComment)」として投稿できるのである。対象論文の著者はそれに対する返答(英語ではReply)を書かねばならない。これを誌上で同時に公開するのである。読者はそれを読んで、どちらの言い分が正しいかを判断する。あるいはそのComment & Replyに対して別の読者がさらにCommentを寄せる場合もあるだろう。こうして学術誌上で議論を進めるのである。時間はかかるが、論文の真偽については白黒はっきりとするわけだ。ただ日本の学術誌上では、こういった誌上討論はあまり盛んではなさそうだ。海外の学術誌ではしょちゅうである。真偽についての詰めが甘いあたりに、日本の科学技術の伸び悩みの一因があるのかもしれない。

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査読とは(7) ~著者~ [ 連載 Old..]

さてここまで査読者・編集者の立場で査読を述べてきたが、ここで著者のことを振り返ろう。著者は、査読者の心得(第4回第5回)のところで述べた査読の軸となる5つのポイントを意識して論文作成をするべきだ。中でも「論旨の一貫性」と「完成度」を達成できていない原稿が見受けられる。ある程度の完成度でとりあえず投稿してみて査読者の判断をあおごうという著者もおられるようだが、査読者が原稿内容を一度誤解してしまうと話がこじれてしまう。やはり著者自身が納得いくまで推敲していただいてから、論文投稿いただきたい。

投稿後、査読結果は学会誌によるが大体2~3ヶ月もあれば帰ってくる。査読後の評価がよくないと、たいていの著者は憤慨する。論文として投稿するからには、著者なりに内容には自信があったのに、なにやら自身の「作品」にケチをつけられている気がするものだ。しかし思い出してほしい。査読者は第3回で書いたように、たいてい無給や薄給で査読を引き受けている。査読は研究業績にもならない(匿名査読者ならば査読したことすら他人に明かせない)。査読者は、著者が新しい研究成果を世に出す手助けをしたい、著者とともによりよい学会誌を作りたいというボランティアであり、協力者なのだ(のはずですが時たまそれを忘れているように思える査読者もいたりして…)。けっしてケチをつけているわけではない。

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査読とは(6) ~論文掲載の可否~ [ 連載 Old..]

シリーズ連載「査読とは」、今回を含めあと3回です。

査読者から査読結果が返送されれば、編集者の重要な仕事が始まる。まず査読結果が妥当かどうかを編集者が判断する。前々回前回に述べた点を査読者が留意しているかどうかをチェックする。再査読時(1度目の査読結果を元に著者が修正した原稿をもう一度査読する時)には、注意点が一つ加わる。原則として、1度目の査読で指摘しなかった事項を再査読時に新たに指摘してはいけないのだ。査読者と著者のやり取りを重ねて最終的によい原稿ができることが大事ではあるが、こうしないといつまでも査読が終わらず、査読者も著者も編集者も疲れ果ててしまう。

査読結果が妥当で、その判定結果が掲載可ならば、編集者は著者へ査読結果を送付し原稿受理の連絡をする。これで編集者の仕事はほぼ終わりである。あとは著者と事務局(印刷所)間で最終原稿の取り交わしや初稿のチェックなどを進める。一方、判定結果が要修正ならば、著者に査読結果を送付し修正箇所を連絡する。査読者が匿名の場合は匿名性を維持するよう注意する。最近は査読結果が電子ファイルとして送られてくることも多いが、査読者の使用ソフトによってはファイルの作成者名や会社名がファイル情報として残っている場合がある。このファイルをそのまま著者に送ってしまうと査読者名がもろバレである(実際私自身が論文を投稿した際に匿名査読者を知ってしまったことがある。知った側もなんとなく後味が悪い)。編集者は査読結果のファイル情報を必ずチェックしよう。学会によっては編集者が匿名の場合もあり、同様の注意が必要である。

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査読とは(5) ~査読者の心得その2~ [ 連載 Old..]

査読者のお話の第5回目だ。
査読者が査読時に心がける点のうち、3つ目は有効性だ。論文は読者によまれて価値があるものでないといけない。新しい内容であっても、その学会誌の読者=学会員にとって興味ある内容である必要があるのだ。すなわち、いくらすばらしい論文であっても、著者が投稿する学会誌を誤ってしまっては掲載には至らないのである。逆の例もある。学会誌ではしばしば特定のテーマに絞って特集や小特集を組んで普段は扱わないようなテーマを掲載することがある。著者はタイミングを合わせて投稿すればよい。特集や小特集の原稿募集は、学会のホームページなどで行われていることもあるので、チェックしてみる価値はある。ちなみに特集号は「ミニガイドブック」な要素を会誌に色付けしてくれるので、普段様々な分野の論文がばらばらと掲載されている学会誌にとって、マンネリ感を打破することができるし、また新規会員の開拓を行うチャンスでもある。

4つ目に必要なこと、それは論理の一貫性である。原稿の中で述べられた研究目的(明らかにしようとする謎)に対して、得られた結果を議論・解釈した上で、きちんと解答できているか?途中で使用した仮定は妥当か?といったことである。あらためていうこともない気がするが、査読を行っていると論理が一貫していない原稿もしばしば見受けられる。おそらく著者が自分の研究成果を大事に思うばかりに、「自分の結果やアイデアは正しいんだ」という思い込みの強さが論理的思考をくらましているのだろうと私は思う。冷静に、順序だてて論理を積み上げ、わかる部分とわからない部分を分けて考えないと、査読者にはすべてが嘘のように読める場合があるのだ。また途中の仮定も大事だ。仮定がいい加減だとそのあとの議論を積み上げることができない(査読者としてはその先を読むのが辛くなる)。「仮定」とは所詮、著者の言い訳である(仮定なしですべて議論できればよいのだが、有限の時間と能力の中では難しい場合が多い)。著者はぜひ上手な「言い訳」をするべきである。

これらに加えて完成度も重要な要素だ。いかにすぐれた論旨でも、図が汚れていたり、文章が難解であったりすると掲載には耐えない。どの学会誌でも「投稿規定」や「投稿細則」があり、論文の書式や書き方はきちっと決められている。これを守らないと、査読者が誤読する場合があるので、編集者の判断によってはそもそも査読プロセスにすら回らないことがある。

以上、査読者の心得を書いたつもりが、ところどころで「著者の心得」になっている部分もある。前述したように査読者はボランティアもしくはそれに近い形で査読に伴う多くの作業を引き受けるのである。スムーズでスピーディーな論文掲載を望むのであれば、著者は原稿投稿前にこれらの要点を自分なりに見直していただきたい、という私個人の思いが文面をゆがめてしまっているようだ。お許しいただきたい。いずれにせよ、査読者・著者の両名で、査読という学術的コミュニケーションを通じてあらたな科学的結果(=論文)を作り上げるのだから、ここに書いた5つの要点は互いに意識すべきであろう。

次回は、掲載の可否判断プロセスを含む編集者の仕事を述べよう。

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査読とは(4) ~査読者の心得その1~ [ 連載 Old..]

さて今日は査読の話の続きです。
(パート1~3はこちら→http://blog.so-net.ne.jp/goto33/2005-10-05-1
投稿された論文について査読者が決まると、査読者には早速原稿が送付されてくる。査読者は原稿を読み、一定期間(たとえば1ヶ月)以内に論文の掲載の可否を客観的に判定する。査読者の判定結果は学会により若干異なるが、だいたい以下のようだ。
1)そのままで学会誌に掲載(英語ではaccept)
2)字句修正などの軽微な修正後、再査読なしで掲載(accept with minor revision)
3)修正後、再査読(accept after substantial revision)
4)掲載不可(reject)
そしてもうひとつ、「専門分野が違う」として査読を断ること場合もある。査読者は判定結果とともに、判定結果の主な理由を明らかにする。また詳細なコメントや要修正箇所も示す。

査読者は論文を読んで好きなように感想を書けばよいというわけではない。査読者はいくつか心がけるべき点がある。

まず新規性だ。論文の内容は(基本的には)過去にない新しいものでないといけない。私個人、査読者として、新規性で悩む場合はしばしばだ。著者は論文を書くときに過去の研究を調べるものなので、たいていは「この論文のここは新しい」という主張を論文に盛り込んでいるものだ。しかしまれにそういう主張が少なく、査読者から見ても過去の研究との内容差が小さい場合がある(例1:手法をちょっと改良したのみで結果は同じ、例2:観測地域と結果はちょっと違うが手法も議論も同じ)。ちょっとの違いでも、過去の研究にはない新しいなにかをもたらしているはずである。査読者としては(基本的には論文として掲載したいので)、著者に過去の研究との違いの明確化を即したり、結果に対する解釈を十分に行ってほしい旨を伝える。具体的修正箇所も共に示す。査読者は自身の専門分野の研究例を調査(レビューという、英語ではReview)しているものだが、著者に修正を納得してもらうには過去の研究例を詳細に挙げる必要があるので、レビューをやり直すことも度々である。インターネットの発達した近年では楽になったとはいえ、レビューには時間がかかる。査読者が査読を断るとき、「専門分野が違うので(←ということにして?)レビューできない」ということが多いのではないだろうか?

次に信頼性だ。著者は投稿論文中で、実施した実験・観測の過程や使用した理論の組み合わせを、読者が再現できるように説明しないといけない。また得られた結果も明確に示さないといけない。実際の作業や結果のすべてを限られたページ数で書き記せないときは、著者はそれらの詳細をある程度は簡略化する必要がある。査読者は、実験・観測・理論の説明が簡略化されすぎていないか、また結果が適正に示されているかをチェックするのである。査読者だからといっても、著者とまったく同じ実験等を自前で再現できるわけではない(中にはその日、その場所でしか得られない観測データもあるのだ)。あくまで過去の様々な研究例と照らし合わせつつ判断するしかない。このあたりは「性善説」に基づいているので、たまに悪意に満ちた(取り憑かれた)研究者が、巧みな文章で査読をすり抜ける場合もある。対策としては、読者からの批判論文を受け付けて、誌面上で掲載論文の真偽を議論してもらうシステムを設けている(後述)。「論文」とは(完全とはいえないが)良くできたシステムであるのだ。

つづく
注:対象とする領域(地域)と得られた結果はちょっと違うが、手法も議論も過去の論文に準ずるものを、俗に「ケーススタディー」という。一見価値が低いように思えるがそうではない。室内実験・数値計算・野外調査、どの分野でも扱うべき課題は無数にある。従って、既存の技術や議論がこの広大な未知領域のどの範囲まで適用可能かを知る事は大切である。もし適用できない領域があったとしたら?それこそが新たな科学や技術の地平といえる。

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査読とは(3) ~査読者選定の難しさ~ [ 連載 Old..]

査読者を選ぶことは大変難しい。なぜならば多くの場合、学会は査読に対して無償、もしくは時給に見合わぬ安い謝金しか支払っていない。学会の財政状態は(おそらくどの分野でも)けっして裕福ではないのだ。ボランティア活動は就業時間内にはできない。企業の研究者は夜間や休日以外には査読の時間をとりにくいのだ(大学などの研究者もプロジェクト志向のため近年同様の状況になりつつある)。つまりは査読を引き受けていただけない場合が度々あるのが実情だ。私の場合は、査読をお引き受けいただけない場合は、別の方の推薦をお願いしている。専門家の数珠繋ぎでなんとかしようというのである。しかし何人かご紹介いただいているうちに、はじめに断られた専門家に戻ることもあり、しばしば苦笑する。結果、査読者選定に2週間もかかっていまうこともある。つまりは査読者選定は編集委員の重要な仕事の一つなのである。

査読の依頼をさらに難しくする要因は、論文の詳細や著者名を明かせないことである。論文の価値はスピードである。同じ内容の論文が2つあれば、先の論文が評価される。後の論文はともすれば二番煎じにつき掲載不可の憂き目に会う事もあるのである。こうなると査読を引き受けないかもしれない第3者に対して、うかつに論文の詳細を明かすわけには行かない。なぜなら査読の客観性を保つ為、査読者を論文の著者・共著者と同じ研究機関から選ぶことはできないからである。同じ分野の違う研究室の専門家、とはすなわち「ライバル」なのである。従って私の場合は、論文の概要、特徴(理論系か実験系か観測系かなど)、ページ数、図の数、編集委員の読後の感想のみを添えて査読の依頼を行っている。査読候補者にとっては、これだけの情報で膨大なボランティア的作業を引き受けることはためらいとなるだろう。また著者名を伏せているため、著者そのものを査読者として推薦いただくケースもあり、編集委員としても難儀する。学会によっては、査読者に判断材料を多く与えて査読者決定をスムーズにするために、投稿論文のまるごとコピーを査読候補者に送付するケースもあるという。一長一短である。

とはいえ私の分野では査読を快く引き受けていただけている。査読者には、学会の活性化と将来への発展性を理解いただき、ご協力いただいているのである。また逆に「○○社の調査のノウハウを論文のやり取りの中で聞きたい」という理由で、査読を引き受けてくださる専門家もいる。確かに査読結果をやりとりすれば、論文には書かれていない諸情報を知りうることになる。このあたりは非常に微妙な点ではあるが、論文査読という行為を逸脱しなければ許されることだと私は思っている。ともかく、編集委員としても査読者の努力を無にせず、会誌を有意義な場にしたいと常々考えている。

なお余談だが、「私は査読は引き受けない」旨をブログなどに堂々と書かれている研究者もいる。一編集者としては「ではいったいだれがあなたの論文を査読しているのか?」と問いたい。確かに「よい査読者を集めてよい学会誌を作りたければ査読に相当額の謝金を支払うのが当然」との意見もある。しかし学会とは企業ではなくコミュニティーである。会員一人一人の参加があってこそ、学会は盛り上がるのである。金銭のやりとりもある程度は必要であろうが「コミュニティーへの参加」の1つが論文投稿であり査読であると私は考えている。

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査読とは(2) ~査読者の選び方~ [ 連載 Old..]

まずどのようにして査読者(英語ではreviewerあるいはrefereeと言われる)が選ばれるのか、その過程から述べよう。この査読者が論文の掲載の可否に大きい影響を与えるのだから、論文を書く側としてはどのようにして査読者が選ばれているか気がかりだろう。

ほとんどの場合、査読者は学会誌の編集委員(Editorともいう)によって選ばれている。査読者の選び方は学会誌によって異なるが、大きくは次の2つが考えられる。

1) 投稿された論文毎に編集委員が査読者を決める場合
編集委員1名程度が投稿論文の担当者となり、個人のツテ等を頼りに査読者を選ぶ。むろんツテだけでは限界がある。後述のように査読は無償の場合があり、同じ人に何度も査読を頼むとそのうちやんわりと断られる。従って、編集委員は学術講演会(学会発表)などの場で耳をそばたて目を見張り、将来の査読者候補を探すケースも少なくない。あるいは「昨日の著者が今日の査読者」という場合もある。つまり論文の著者はその分野の知識が豊富であるだけではなく、査読時に必要な「主義主張に対する議論」の経験があるのである。過去に論文投稿経験のある者は査読者に足るということである。

2) 査読者の候補者が学会内で決められていたり、著者から査読者の推薦を受け付けている場合
この場合は、候補者や推薦者に対して編集委員から査読の依頼を行う。学会によってはほぼ自動的に査読候補者に査読をお願いするケースもあるだろう。査読者の第1候補者に査読を断られたら、事務局などから自動的に次候補者に打診をするのである。なお個々の論文について、査読者の自薦を受け付けている学会はないだろう。査読者の客観性が疑われる可能性があるためである。

いずれの場合も査読者は投稿論文と同じ分野に精通している専門家でないといけない。査読者には、投稿された論文の内容を十分理解し、投稿論文の内容に間違いがないか、過去に同様の研究がないか(もしある場合は投稿論文のどの点に掲載価値があるか)を慎重に判断する能力が必要があるからである。

つづく

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査読とは(1) [ 連載 Old..]

先日、査読を引き受けた。大体数ヶ月に1度、査読を引き受けている。
さて「査読」とは何か? この巧妙な仕組みこそが科学のみならず学問の正当性を支えている
といっても過言ではないだろう。
(そもそもどれくらい昔からこの「査読」制度は存在するのだろうか? どなたかご存知であればお教えください)

辞書を引くと査読とは
「〔学術雑誌に掲載するかどうかなどを決めるために〕論文などを第三者が読んで評価すること。」
とある。そのとおりで、第三者に論文を評価してもらうことで、その論文の出版の可否がきまるのである。具体的にはどんなシステムなのか?図を見てほしい。

ごらんのように査読というのは、論文が出版されるまでの過程の一つであり、かつ最も重要な部分である。ここでは複数回に分けて査読とその実状をお送りしたい。
なお私自身は某学会の編集委員も務めさせていただいているので、その辺の悩みや悲哀も途中におりこまれることになるであろうがご了承いただきたい。

つづく。

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