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立て、温度計 -乗船レポート三陸はるか沖(7) [ シリーズ実況 Old..]


さきほどの続き。「体温計」を海に入れようとしています。
こうして半分吊り上げた状態にして、船の外へ出し、それから真っ直ぐに立てます。
ワイヤー2〜3本、ウィンチ複数台を使いながら慎重かつ実に器用に操作を行います。

ウィンチの操作指示を出すのは一等航海士(Cheif Officer。略してチョッサー)。
前の写真で黄色のレインウェアを着ている方です。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2008-08-26

吊り上げた温度計(700kgの重量物)が揺れないようにロープを引いたり緩めたり
して、水に入るまでをうまくバランスを取ります。この指示を出すのは甲板長
(Boat Swain。略してボースン)。ウィンチ操作とロープ操作、このタイミングが
絶妙です。チョッサーとボースン、甲板員や機関士の方々はマイクや笛を使い、声
をかけながら操作をしていきます。

この地殻熱流量計(ようするに温度計)を、これから水深5200mの海底に下ろしま
す。温度計にはカメラとかスクリューとかが付いているわけではなく、(温度セン
サーが付いてはいますが)ほとんどただの鉄の棒です。それをウィンチ操作と船の
位置調整だけで水深数千mの海底の目標地点までおろして、海底に突き刺して、温
度を測り、さらに引き抜いて無事に船の上まで回収します。なんか凄いですね。

つづく。ちなみに今日のお昼は、うどんでしたー ツルツル。

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お熱を測ります -乗船レポート三陸はるか沖(6) [ シリーズ実況 Old..]


乗船レポートの続きです。
三陸沖はちょっと天気が悪くなってきました。少し揺れています。

さて今日はこれから、地球の温度を測ります。
写真の赤茶色の棒が「体温計」です。
(棒が長いので、カメラを傾けないと全部は入りませんでした)
(首を右に傾けて見てね)

これを船からつり下げて縦にして、海底までワイヤーで下ろしていきます。
でブスっと海底に突き刺します。黄色い部分が鉄の錘(700kg!)なので、
刺さるのです。で、突き刺したまま20分間待ちます。
あれですね、体温測るときにワキの下に3分間体温計を挟むのと同じです。
そう思うと、700kgの鉄の温度計も可愛く思えてきます(よね?)

この装置は「地殻熱流量計」といいます。地下の温度が高い場合や、暖かい地下水
などが海底付近まで上がってきているときに、高い値を示します。こうして温度を
測ると地球って生きてるんやなぁ〜 と実感。

でも毎回都合良く深海に突き刺さるわけではありません。
今日は刺さるかな〜 刺さらないと困るのよね〜

つづく。

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アナログなヤツ -乗船レポート三陸はるか沖(5) [ シリーズ実況 Old..]



乗船レポートの続きです。
ここは三陸はるか沖。岩手県の沖の、日本海溝のそのまた沖の、太平洋。
天気はずっと曇ってます。今日はまあまあ、晴れ間が見えます。
でも寒い。半袖だと寒すぎる。長袖シャツを着たけど、まだ寒い。
しょうがないのでレインウェアを一番上に羽織って外で作業しています。
日本の陸地も寒いのでしょうか・・・?

さてそんな調査船はハイテクの固まりなのですが、随所がローテクっていうか、
なんとも言えないアナログチックなアイテムがそこここに。今回はそんなものもご
紹介。

写真1枚目は超音波で位置を測定する装置。海底に降りていく最中の海底観測装置
の深さや水平位置を、超音波を使ってリアルタイムに決定します。ハイテクですね。
だけどもなんとなく昭和な香りがします。設計されたのが昭和の頃なので、それも
無理はありません。

写真2枚目はそのアップ。液晶表示とかじゃなくて、電光表示だったりします。設
定ボタンもいっぱいあって、カチカチ押していきます(私じゃないですよ、電子長
などが操作を行います)。表示されている「2360」という数字が、いま海底5800m
を目指して潜っていってる最中の観測装置の深度。水深2360mを降下中なわけです。
(投入時の記事はこちら:http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2008-08-22

この装置、海底に到達して爆発したり、マラソンのごとく折り返して海面に浮いて
くることもなく。無事に水深5800mに着陸(着底)しました。よかった、よかった。

つづく。
アナログなやつも随所で再登場します。
あ、アナログといったけど「2360」はデジタル表示だった。まあいいか。

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投入だ -乗船レポート三陸はるか沖(4) [ シリーズ実況 Old..]



乗船レポートの続きです。毎朝早く、寝るのも遅い。
レポートも滞りがちですがお許しを。

やっとこさ、自分が持ってきた観測装置の準備が終わりました。
例によって例のごとく、十文字の長いアンテナ付きの海底観測装置です。
自重で海底まで落ちていきます。後日、超音波で指令を送ると錘を切り離して浮い
てきます。こういうタイプの海底観測装置を「自己浮上式」と言います。

今回も、海底で電気や磁気を測定します。場所は、三陸はるか沖。
日本海溝より海側の、斜面の傾斜地に設置します。

写真1枚目は、海底装置の吊り上げ直前。私自身はチェック作業を終えて
一番ドキドキしている時間帯です。

写真2枚目は、装置を海面に付ける瞬間。このあと、装置のつり下げフックを開放
して、海水中へ投下します。「レッコ」といいます。もとは「レッツゴー」だった
みたいです。船用語ですね。

めざすは水深5800mの世界。近くに段差100mほどの崖もあるけど、大丈夫かなぁ…
いや、大丈夫。いってらっしゃいー

つづく。

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ネムイです -乗船レポート三陸はるか沖(3) [ シリーズ実況 Old..]

眠いです… 出港からこっち、観測機器の整備であまり寝ていません…
でもこれから本番です。水深6000mの海底へ、観測装置を設置します!
がんばれ!


出港してから房総半島が見えてきました。陸が近い~
でもいまはすでに三陸はるか彼方の沖合です。


ついさっき、ぼーっとしながらとった観測機器達の写真。
これから出撃だ!用意はいいか!(まだ)

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いってきまーす -乗船レポート三陸はるか沖(2) [ シリーズ実況 Old..]

080818-104805.jpg見送り.jpg
大勢の方に見送られながら研究所の岸壁から出港です。
いてきまーす!

東京湾は船が多いです。あの貨物船は東京湾に入っていくところ。
どこから来たんやろうね。そして私たちは三陸はるかはるか沖に向かいます。

しかし台風が早く通り過ぎてくれてよかったわぁ

つづく。

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いよいよだ -乗船レポート三陸はるか沖(1) [ シリーズ実況 Old..]

080818-094556.jpgkairei.jpg
夏、海、調査。
そう、これから調査航海のはじまりです。
向かうは、三陸の遙か彼方の沖合。
そこに待つものは…?

いまはまだ港の中。
まもなく出港です!

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また東海へ…着岸(12) [ シリーズ実況 Old..]

GW、みなさま如何お過ごしでしょうか?
私は船をおりて、それはもう、慌ただしい日々を過ごしております。
あ、乗船レポート? 覚えてますよ。いよいよおしまいです。

航海終盤で無事に装置も回収しまして、東京湾に帰って参りました。
出港したときとはうって変わって、まずますの晴天。
多くの船とすれ違います。漁船に、貨物船に、、、
2008_04230046.JPG
自衛艦も!「102」という番号が見えます。なんという船なのでしょうか?

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また東海へ…お連れさん(11) [ シリーズ実況 Old..]

下船してもなぜか続いている「乗船レポート」、もうちょっとで終わります。

ハイパードルフィン君(水中ロボット)の大活躍のおかげで、無事に水深1000m
から海底観測装置を拾い上げることができました!
2008_04230020.JPG
これね。海底で電気を測る装置です。

水深1000mって、簡単に書いてしまった。海の研究者の感覚では1000mって
富士山よりも高く(深く)ないし、太平洋に出てしまえば水深6000m近くなんだから
まだまだ浅い海だ!っておもうんやけど、日本一高いビル「横浜ランドマークタワー」
(高さ296m)の3つ分も潜ったところに置いてあった機械だ。やっぱし凄いね。

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また東海へ…目線(10)  [ シリーズ実況 Old..]

乗船レポート、下船して、GWになりましたがまだ続いております。
今回はいつもと違う視点で。

2008_04210028.jpg
出撃直前のROV「ハイパードルフィン」。
※ROV=Remotely Operated Vehicle=遠隔操作が可能な無人水中探査機です。
 ようするに水中ロボットです。ただケーブルでつながっている「リモコン」タイプです。

2008_04210029.JPG
船尾のクレーン(Aフレーム)で高々と吊り上げられました。
このとき、ハイパー君目線だとこんなかんじ。

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また東海へ…回収(9)  [ シリーズ実況 Old..]

下船してからもなお続く、乗船レポートです(毎度のことですが)。
調査航海の初っぱなに海底へ設置した装置を、終盤に回収しました。
これを持って帰らないと、港へは帰れません!

今回の装置は(このブログでもちょいちょい登場してますが)、海底で磁気や電気を
測る装置=海底電位差磁力計です。英語の頭文字を取ってOBEMと呼んでいます。

obem_landing.jpg
 イラストだとこんなかんじ。自分で書いたよ~

海底付近で、海水の中を流れている電気を測定すると海底やその下(マントル)の
電気の通りやすさが分かります。「えっ!海水に電気を流すの?」
いえいえ、海水の中には非常に弱い電気が常に(自然に)流れているのです。
それを利用しますから、しびれることはありません(きっぱり)

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また東海へ…終了(8) [ シリーズ実況 Old..]

調査船「なつしま」からの乗船レポート、8回目です。

今回は短い航海でした。いろいろ書き足りないうちに、もう調査は終了してしまい、
港へ向かいます。しかし天気が持ったのが幸いでした。最初はもう風がゴウゴウと
吹きすさんでいてどうなることかと思ったよ。

調査船「なつしま」は一路、東京湾に向けて、太平洋を颯爽と航走中。
2008_04210023-741395.JPG
こちらは船の応接室。この調査船「なつしま」は1981年製。今年で27歳です。
世界や日本のアチコチの港を巡りました。その時に頂いたパネルやメダルが
応接室にたくさん飾ってあります。大阪、清水、那覇… 
いろんなデザインがあって見てると楽しいですね。

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また東海へ…帰還(7) [ シリーズ実況 Old..]

調査船「なつしま」からの乗船レポート、7回目です。

海底に潜ったハイパードルフィン君は、その鋼鉄の腕でバシバシと
海底地震計とか磁力計とかのメンテナンス作業をします。
…あれ?チタン製だったかな?
2008_04230033.JPG
海底で電位を測る「海底電位差計」を回収作業中。
無事に海底から回収できました。

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また東海へ…Go!(6) [ シリーズ実況 Old..]

調査船「なつしま」からの乗船レポート、6回目です。
調査が追い込みにはいると、レポートする余裕が無くなりますね。
がんばります。

2008_04230019.JPG
さてハイパードルフィン君、いよいよ潜ります。
まず船尾のクレーンで吊り上げ。

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また東海へ…Ready(5) [ シリーズ実況 Old..]

調査船「なつしま」からの乗船レポート、5回目です。

これからROV(無人探査機、つまりロボット)が出動します。
ROV「ハイパードルフィン」。すでに800回以上、海底まで行っています。
2008_04210024-791137.JPG
ただいま潜航直前の動作確認中。

ハイパードルフィンの運航チームが、着水前に電気系統や
油圧の駆動系統の入念なチェックを行っています。
マニピュレータ(ロボットアーム)も踊ってます。
(動作試験のために片腕で7つある関節をグニグニ回すのです)
(踊っているようにみえます)

7つも関節がありますがこれで人の腕と同じことが出来ます。
っていうか、人間の腕ってそんなにいっぱい関節があったんですね。
ちなみに水中に潜るロボットの部分を「ビークル」と呼んでいます。
Vehicle=乗り物 という意味です。

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また東海へ…夕日(4) [ シリーズ実況 Old..]

おはようございます。
調査船「なつしま」からの乗船レポート、4回目です。

天気は徐々に回復してきました。昨日は夕焼けも見えました。
2008_04210016-725377.JPG
船のカンテラ風ライトの向こうに日が沈んでいきます。

船室の塩まみれの窓から撮ったら、ソフトフォーカスっぽくなりました。
(といってみる…)

そして今朝。晴天の東海沖です。よかった。
これから潜航調査を開始します。ROV「ハイパードルフィン」 出動!です。

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また東海へ…投入(3) [ シリーズ実況 Old..]

おはようございます。
調査船「なつしま」からの乗船レポート、3回目です。

洋上は、先日のノロノロ低気圧の影響で風が強かったのですが、
なんとか調査作業を行うことが出来ました。

まずは、海底観測装置の投入。
2008_04180012-701157.JPG
これはOBEMといって、海底で地球の磁気や電気を測定する装置です。
十文字に長く延びた灰色のアーム(足とか羽とか、みんな好きなように
呼んでます)が特徴です。これが電気を測るためのアンテナです。
磁気は黄色い球(耐圧ガラス球)の中の磁力計で測ります。

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また東海へ…出港(2) [ シリーズ実況 Old..]

天気はいまいちですが、いよいよ出港です。

img760-790628.JPG
船は湾内をゆっくりと進みます。清水港はデカイですね。
写真は造船所でしょうか?大きなクレーンが立ち並ぶのを見えます。

そうこうするうちに、清水港の外へ。
だんだんと波が荒くなっていきます。

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また東海へ…レポート開始!(1) [ シリーズ実況 Old..]

さて、いきなり、雨の中、静岡県は清水港に来ております。
なぜって?調査船へ乗るために決まってるじゃないですか!
そうです。当サイト名物、乗船レポートの開始です。
natsu-769628.jpg
私たちと入れ替わりに調査船「なつしま」から下船される研究者たち。
海底で生物をサンプルされたようです。 お疲れ様でした?

部屋に入ってみると、ベッドがこんなことになってました。

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寒いなぁ [ シリーズ実況 Old..]

帰って参りました。いいですね~、陸地は。
温かい家庭、せわしない職場、賑やかな街角。
音楽、テレビ、食事、ブロードバンド環境。
普段、なにげなく触れていて、当たり前にあるものが、船の上にはない。
もうすっかり下船ライフ、満喫です!

とはいえ… 先週の今頃は海の上だったということも、はや、遠い過去のように
感じます。海から戻るといつもそうです。あれは夢だったのではないか… などと
思ったりします。

  こんな美しい夕日を海の上でみたんだっけなぁ…

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乗船レポートPHS:最後の晩餐(21) [ シリーズ実況 Old..]

とうとう最後の海底装置投入作業が終わりました!
写真は乗船中、最後の夕飯です。
左から、サーモンのカルパッチョチック、
寿司に、マグロのお刺身。奥には牛刺にメロン。

 :
 :
 :
生定食!!
最後までやってくれました(笑)
コックの皆様、3名で30名弱の食事作り、ありがとうございました。
日々、おいしくて笑える?食卓でした。

船員の方々にもお世話になりました。
結局20台以上の海底装置を回収して、30台弱の海底装置を新たに設置できました。
朝も夜も関係なく、荒れた日も凪の日も関係なく、
作業作業の日々。船員の方は数日の着岸の後に、また別の調査へとでかけられる
そうです。お疲れ様です。

あと、乗船研究者の方々、揺れる船内で装置が壊れたり、
クジラがみえたり、夕日が綺麗にみえる日が少ない時化気味の航海でしたね。
いろいろありましたが、まずはお疲れ様でした。

最後にこのブログの読者の方々。
長々とレポートにおつきあいいただきまして、ありがとうございます。
これまでの乗船レポートとは違って、科学的なウンチクは極力抑えて、
楽しげな船内生活をできるだけそのままにレポートしてみたつもりです。
船の上からはブログを読めないので、帰ってからの皆さんのコメントが楽しみです。

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日本、寒いそうですね。いや船も北上を続けましたから、それなりに
寒くはなってますが、航海の大部分は半袖でOKでした。
なんでも東北では結構雪が積もってるとか。そっかぁ、もうすぐ12月かぁ
今回は新聞もあまり読めなかったので、なんかプチ浦島太郎ですわ。

そんなこんなで、乗船レポートはこれでおしまい。
次回からは通常のブログに戻ります。さて、なにを書こうかなぁ??

※この記事の続きは下記をご覧下さい。
 http://obem.jpn.org/field040.html#AM07
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乗船レポートPHS:夜明け(20) [ シリーズ実況 Old..]

さていよいよ調査終了です。
今回の調査では、海底装置の投入・回収地点に船が着いたら
即、作業開始。ですから、夜中や夜明けに作業開始という日もありました。


写真は夕方ではなく、夜明け。
ホントウにこんな色でした。
私のデジカメは、ウソっぽい色合いで有名?な某社製ですが、
この時は時間があったので、本当の色に近づけて撮影。
投入前の装置を前に、入念なチェックがなされてます。

この直後、クレーンで吊り上げられて、装置は海面へバシャン!
2時間ほどかけて海底まで無事たどりつきました。
また来年あおうではないか!

こんな風に、ときには夜中3時起きで夜中12時まで働く、といった
不規則な日もありましたが、概ね普通の就寝・起床時間でした。
らっきー。

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こうして20台を越える海底装置を設置し、同じく20台を越える装置を回収しました。
あとは日本へ帰るだけ。でも帰るまでが遠足ですから!
つづく。

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乗船レポートPHS:鳥(19) [ シリーズ実況 Old..]

調査船にはよく、鳥が集まってきます。
写真はそんな一羽。

マストの先に止まっていて、なんか優雅そうです。
しかし実際には、船はけっこう揺れてます。
鳥も一生懸命にマストを握っています。
よくみると足に力が入っているのが分かります。

たぶん、彼は魚を探しているのです。
船が近づくとトビウオが飛んで逃げます。
それを狙っているのでしょう。

そういえば昨日、甲板にトビウオが打ち上げられていました。
きっと飛び跳ねたはいいけど、海ではなく、
船の上に落ちてしまったのでしょうね。
拾った研究者が、一夜干しを作っていました。
せめて食べて供養?したいと思います。

さて彼ははその後、食事にありつけたのでしょうか?
我々と同じように飛び跳ねた一匹をゲットできたことにしておきましょう。
しかし何という名の鳥なのだろう?

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ちなみにこれは知人から借りた10倍ズームつきのデジカメで撮影。
動物を捕るときは、ズームはいいですねぇ。新しいデジカメがほしくなりました。
つづく。

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乗船レポートPHS:船室(18) [ シリーズ実況 Old..]

そろそろゴールが見えてきた調査航海。あと一息です。
今日は揺れに揺れております。大時化?ですね。
こんな日は船内の様子でも。といっても私の船室です。
まあ、あまり見たくないかもしれませんが(苦)
こんなところで3週間も生活しております。

まず左手。2段ベッドです。
今回はひとりで使わせてもらっているので、上段には持ってきた
本や資料を置いています。あまり読んでませんが…

奥はトイレとシャワー。ドイツ製のこの船、各船室にトイレや
シャワーが付いています。日本の船では共同浴室や共同トイレですので、
贅沢ですね。トイレの手前には2段に重ねた衣装ケース。
これは私の私物入れ。服とか洗顔用具とか食べ物とか。
乗船時にはたいていこの2箱と一緒に乗ってます。
服の出し入れなど便利です。元々そのための物ですから。

右手が作り付けのテーブル。パソコンが乗ってますね。
赤いのが椅子です。この椅子はしっかりしていますが、
写真に写っていないもう1つの椅子がこけまくります。
いまはもう使わずに、こかしっぱなしにしています。
手前右手が冷蔵庫。小さいけどちゃんと冷やしてくれます。

この日は掃除をしていましたので、掃除機も写っています。
綺麗な部屋で調査中です。

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ベッドで寝転がって、本を読むとリラックスできます。
この部屋の外は「職場」。良くも悪くも、通勤時間ゼロの生活です。
つづく。

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乗船レポートPHS:待ちかまえ(17) [ シリーズ実況 Old..]

今回の調査では、海底に装置を設置するだけではなく、
1年前に設置した装置の回収も行います。
設置と回収を繰り返して、3年間の海底観測を実現しています。

写真は海底から浮いてきた装置を回収する寸前。

乗船レポートPHS:海底地震計(9)」でも紹介しましたが、
海底装置は重りを切り離して、海面まで自分の浮力で浮いてきます。
写真中央右に見える黄色いかたまりが、浮き立てホヤホヤの装置本体。
これを捕まえようと、屈強な船員さんたちが「かぎ付きの竿」を
もって待ちかまえています。

写真中央下の方にも黄色い点が見えます。これは回収用の浮き。
この浮きから装置本体までロープが延びているので、
まずはこの”浮きロープ”のどこかを引っかけて装置を捕まえます。
竿で引っかけても良いですが、かぎ爪つきロープをエイっと船から投げて
浮きロープに引っかけます。なんだか、戦国時代のようですね。野武士、忍者。
でも最先端科学なのです(ねんのため)

浮きロープを捕まえたらこっちの物。
船の側面(舷側と言います)までたぐり寄せて、かぎ付き竿で装置を引っかけます。
しかし海底装置は重い!100kg超!なので、人力で引き揚げることはできません。
さて、どうするか?

じつはこの竿、非常にうまくできていて、かぎを装置に引っかかると、かぎの部分
が竿からはずれます。かぎには密かに別のロープがつけられていて、この”かぎロー
プ”をクレーン先端のフックに結ぶとと、あら不思議。装置とクレーンがロープで
つながってしまいました。これで重たい装置をクレーンで引き揚げられるのです。

私も自分でやったことがありますが、揺れる船から水面の装置の回収するのは
結構難しい。しかもクレーンに吊った装置が揺れると超危ない。
何度やっても緊張する作業です。
こうして回収した装置は、1年分のデータをたんまり蓄えていてくれました。
船員さんや船長、そして1年頑張った装置に感謝です。ありがたや、ありがたや。

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ちなみに回収の時の船員さん、目がランランと輝いています。
なんとなく、魚、それも大物を狙っている顔に見えるのは私だけでしょうか?
つづく。

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乗船レポートPHS:お茶漬け(16) [ シリーズ実況 Old..]

本日、2本目。食事の話。
船の食事時間は陸地とちょっと違います。
朝食は7:00、昼食は12:00、夕食は17:00。
夕食は早めなので希望者はカップ麺や巻き寿司などの夜食を
お願いすることもできます。

でも不要です。みよ、このボリューム。

おとといのメニューは、今航海で一番凄かった。
ホタテの前菜に、スープにステーキ。
タコの唐揚げに、春雨の酢の物、デザートにブドウ。
座ったままだとファインダーに収まらないので、立って撮影。
お皿が多すぎて食卓からはみ出し気味です。
一品ずつ頂いては皿を重ねていって、
船が揺れてもお皿が落ちない「安全地帯」を確保していきます。

フルコースのように見えますが、レストランではありませんから、
ウェイトレスがいるわけではありません。
スープなどは自分で注いで持って行きます。食器も自分で片付けます。
メニューもありません。食べきれずに残す研究者も多いです。
食堂は機会があればまたUPしますが、そう大きいわけではないです。
8人掛けのテーブルがあって乗船研究者が一堂に集って食事しています。

お腹の空き具合は日々それぞれ。
ご飯(お米)を食べないでおかずだけ頂く日もあります。
しかし一方で、乗船研究者の間でブームなのは「お茶漬け」。
食卓には醤油やドレッシングと共に、永○園のお茶漬けの素が常備されてます。
一人がお茶漬けを食べ始めると、すごくおいしそうに見えて
つられてヅルヅルとやり始めることになったりします。

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先日またシイラが釣れたので、お刺身を頂きました。
淡泊で、でも脂がのっててオイシイ。同乗者の一人は、
それをお茶漬けにしてました。「マヒマヒ茶漬け」ですね。
ただ食べ過ぎ、太りすぎには要注意!
つづく。

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乗船レポートPHS:暑いコンテナ(15) [ シリーズ実況 Old..]

乗船レポートも15回を数えました。長い航海もいよいよ終盤です。
いまは小笠原諸島 父島のずっと東、太平洋の真ん中にいます。
昨日は衛星電話の圏外にでてしまったらしく、ブログ更新ができませんでした。
なので今日は2本立て。まずはコンテナの話。

船の上では、海底装置の最終調整を甲板に置かれたコンテナの中でやってます。
(それと大波で壊れた部分のチェックも…)
みかけは港などでよく見るコンテナです。「乗船レポートPHS:調査準備(3)」や
「乗船レポートPHS:2台仲良く(12)」でも写真の隅のほうに写っています。
違うのは入口にドアが付いていて、中はベニヤ張りの部屋になってる点。
エアコンも付いています。炎天下でもコンテナ中で涼しく作業〜

…のはずでしたが、出港早々からエアコンは故障。
機関長にも直せないといわれました(泣)。
外の日光の下で装置の組み立てをしてから、コンテナ内の蒸し風呂で回路の調整。
これはなにかのダイエット教室か? ブートキャンプ?


写真はそんなコンテナの中での作業の一幕。
奥に緑色の扇風機が見えるのがわかりますか?
せめてすこしでも涼しく、と機関部からお借りした物です。
手前では耐圧ガラス球をあけて、再整備しています。
研究者が一生懸命磨いているのが、ガラス球の上半球。
これを下半球とあわせて、ゴムテープでシールすると、
水深6000mでも壊れない、水漏れ無し、というすぐれものです。
ただしガラスなので扱いを誤ると欠けたりヒビが入ります。

揺れる船の上で、割れ物を扱って大丈夫かって?
我々はプロですからね、まかせておいてください
といいたいとこですが、かなり神経をすり減らしながら作業しています。

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この1週間、船は北上してきたのでだいぶ涼しくなりました。
おかげでコンテナの中もだいぶ過ごしやすくなりました。
ガラス球のチェックも終わって、大破した装置のリカバリーもなんとかなったし。
そんな昨日突然! エアコンが勝手に直りました。
えー、いまさら?(笑)
つづく。

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乗船レポートPHS:緑の閃光(14) [ シリーズ実況 Old..]

夕方です。誘われるように、甲板に出ると
まさに沈まんとする太陽!
海の上では、これがたまらなく美しいです。
一緒に船に乗っている仲間たちと、夕日を見ながら
いつまでもしゃべっていたりします。

この日はたまたま一人で夕日を見ていました。
雲を突き抜けて、水平線に沈む夕日。日中は曇ってたのに、
こんな綺麗な夕日が見れるなんて。デジカメでパチリ。

と、その次の瞬間。
沈む夕日が黄色から緑色に変わりました。
一瞬だけ。時間にして0.2秒くらいでしょうか?
じっと太陽を見ていたのではないので、残像ではありません。
はじめてみました。グリーンフラッシュです。

グリーンフラッシュは自然現象です。
すんだ空気のもとで沈む夕日を見ていると、光の屈折の関係で普段は分からない
太陽からの「緑色の光」を一瞬だけ見ることができるのです(詳しくはこちら)。
噂には聞いていたけど、こんなに雲がある日にも見えるなんて…
意外だ。そして感動だ。

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慌てて乗船者のみんなに話したけど、だれも信じてくれない!
あー、本当に太陽が緑色だったんだってば。
グリーンフラッシュの瞬間の写真はないけど、ほらみてよ、綺麗な夕日でしょう?
でもそういう私自身も「あれは本当にグリーンフラッシュだったのだろうか…」
と不安になってきた。
神様、もう一度チャンスを! 今度は連写モードで撮るから!
つづく。

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乗船レポートPHS:クジラ(13) [ シリーズ実況 Old..]

天気は良くなりましたが、今度は大陸の高気圧からの
吹き出しの風のために、うねりが大きくなってきました。
部屋では、また書類が飛び散ってます。

とはいえ天気がいい日は、海の生物にであえるチャンス。

写真は、クジラのしおふき! 黒い背中もちらっと見えますね。
そんなに大きなクジラではありません。体長5mくらい?
クジラは船と並行してゆっくり泳いでいました。

船はクジラに徐々に追いつき、追い越していきます。
さいなら。。。
さりゆくクジラをズームでとると、何か分からない黒い姿が写ってました。
背中?ヒレ?
どんな種類のクジラ? 何を食べてるの?
仲間はいるの? 親は? 子供は? ふるさとは?
さっぱり分かりませんが、そういう謎めいた姿も良いかもしれません。

そういえば船の上で映画「ディープブルー」を見ました。
2年ほど前にDVDを買っていて、せっかくだから陸上ではなく
海の上で見よう!と航海の度に持っていけど、開封されず(汗)
今回やっと見ることができました。凄い水中映像ですね。
海鳥とイルカとサメとクジラが一同に集っていたり、
シロクマもカワイイし、ペンギンは太ってるし、シャチは怖い。

今回出会ったクジラも、映画のように旅しているのだろうなぁ
と思うと感慨深いです。

別の日にはイルカの群れも見えたようです。
こちらは見逃しました。残念。

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あのクジラは何を食べているか分かりませんが、
我々の今日のお昼ご飯は、天丼+天そば でした。
陸地でもなかなかお目にかかれないゴールデンコンビ。
明日はカレーライス+カレーうどんだよー(うそ)
つづく。

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乗船レポートPHS:2台仲良く(12) [ シリーズ実況 Old..]

いま父島の西の沖にいます。しかし相変わらず島影一つ見えず。
ここ数日天気が良く、海況も良いので作業するのにも
部屋でのんびりするにも助かります。


写真は2台の海底装置を同じ場所に設置というか、
船から連続投下する直前の様子。
手前のオレンジ色の球体が海底地震計。
乗船レポートPHS:海底地震計(9)」で紹介しました。
奥でクレーンにまさに吊られようとしているのが海底電位差磁力計。
乗船レポートPHS:海底装置(6)」で紹介したものです。

海底地震計でも地下の様子が分かります。
でもそれでは「地震の波の伝わり方」しかわかりません。
地下のマントルのどこに地震の波が速く伝わるところがあるか、
どこに遅く伝わるところがあるか、などなどは分かりますが
それではマントルがどういう状態か?までは分かりません。

そこで電気や磁気の登場。海底で電気や磁気を測定すると、
深さ数百kmのマントルの中の電気の通りやすさが分かります。
地震と電気の2つの伝わり方が分かれば、マントルがどんな物質で
できているか、温度はどれくらいか、どれくらい硬いか柔らかいか、
などがある程度分かるのです。

またどちらの装置も海底に1年間以上置いておかないといけません。
なので2年前から海底装置の設置と回収航海には
地震学者と電磁気学者が仲良く一緒に船に乗っています。
ちなみに私は電磁気担当。

装置の種類も違うし、測っているものも違いますが、調査対象は同じマントル。
互いに協力しつつ、競争しつつ、のコラボレーションです。

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天気がいいです。11月なのに日焼けします。
つづく。

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