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震度5強、地震はどこで起きた?(1) [ 知識ゼロから学ぶ地底のふしぎ]

昨日は東京都で震度5強を記録する地震が起きましたね。

●東京23区で震度5強の地震 2011年の超巨大地震以来10年ぶり
https://news.yahoo.co.jp/articles/2aebbfc434b70b0a2a5baf2fb12654fd13d4b386
 (下記の2つの図も本記事より)
map1.JPG
 各地の震度分布

map2.JPG
 被害状況の報告

2番目の図は、ウェザーニュース社のアプリ利用者からの報告のようですね。
すごい。こういうことはもっと流行るべきですね。アメリカでは似たサービス
を国がやっています(Shake Map)。地震計の少ない発展途上国などで、地震
時にどれくらい揺れたかがすぐ分かるので、大変重要な仕組みだと思います。
※震源から遠いカトマンズはなぜ揺れたのか?
 https://goto33.blog.ss-blog.jp/2015-04-28

被害も起きています。判明した怪我人の数が徐々に増えているようです。
●首都圏で重傷3人・軽傷29人、帰宅困難者120人を収容 震度5強
https://news.yahoo.co.jp/articles/c0fb1c272318fb239a44ed9896cbc5de19a05dbc
   ↓
●震度5強、首都圏51人けが 長引く交通乱れ、エレベーター閉じ込めも
https://news.yahoo.co.jp/articles/a5241c92b3d07cce97eb5cc9567d742c0974553d
●首都圏一部の駅で入場規制、数百mの長い列…帰宅困難者120人が一時滞在施設に身を寄せる
https://news.yahoo.co.jp/articles/309e014d097d124f9faf08820b4c4ee747398565
●山手線などの運休影響12万9千人の見通し
https://news.yahoo.co.jp/articles/8a0fd6baf27ac667602b60d211c96f36e6a1b4b1

コンビナートで火災が起きたり、電車が脱輪したり、怖いですね。
ところで今回の地震は、地下のどこで起きたのでしょうか?
千葉県の地下で起きたことは分かっていますが、そうではなくて、
プレート境界で起きたかどうか?ということです。

例えば、名古屋大学の山岡先生は次のようにおっしゃってます。
●専門家「今後1週間は余震に注意を」 首都圏で最大震度5強の地震
 https://news.yahoo.co.jp/articles/da1ada6439d297738944f597893f5b7e6b5e4389
沈み込む太平洋プレートと陸側のプレートの境界の「付近」で発生したそうです。
関東地域の下には、南側からはフィリピン海プレートが、東側からは太平洋プレート
がそれぞれ地下へ沈み込んでいて、入り組んだ地下構造になっています。
下記がわかりやすいです(原図は地震調査推進本部)。

●複雑怪奇な三重構造…東京の地下に潜む巨大な「地震リスク」
 https://gentosha-go.com/articles/-/20609
 関東地方.JPG

今回の地震は、丸4で示される場所、すなわち、
「フィリピン海プレートと太平洋プレートの境界付近で発生」した地震だと
思われがちですが、どうでしょうか? ここは、よく教科書などに書いてある
ように、陸側のプレートと海側のプレートの摩擦によって、プレート境界がずれて
地震発生する場所ですが、今回の地震はちょっと違う場所で発生したように
思います。というのは以下のような研究がすでにあるからです。

●2005年千葉県北西部の地震 ─震源メカニズム・強震動─
 http://taro.eri.u-tokyo.ac.jp/saigai/chiba/index.html
 http://taro.eri.u-tokyo.ac.jp/saigai/chiba/index.html

こちらの図3を御覧ください。2005年の地震は、今回の地震とほぼ同じ場所で
起きています。2005年の場合は、プレート境界で起きたのではなくて、沈み込む
太平洋プレート内部で発生したようです(いわゆるスラブ内地震)。上図の、
関東地域の地下のイラストで言えば、丸5のタイプに相当します。

ちなみに地震の揺れのデータを利用すると、断層面がどのように傾いて
いるかを推定することが可能です。どうやって? 続きます。

※本記事の一部は、Twitter「地震研究ノート」さんの書き込みを参考
 にさせて頂きました。
 https://twitter.com/jishin_lab/status/1446110554473385990

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MANTA

Facebookからコメントを頂いております。某大学の地学の授業で使用されるそうです。ありがとうございます!!
上記の2005年の地震の解析結果(東大)がとてもわかり易いですね。

また、最新の余震分布がすでに公開されています。ただし、発震機構解とは合致しませんね。余震分布は低角の沈み込みタイプでもないし、東落ちの高角の逆断層(プレート内)でもない。複雑な破壊パターンなんでしょうかね?
  ↓
https://jishin.go.jp/main/oshirase/20211007_nwchiba.html
ここには地表の地殻変動観測の結果も載っています。事前の変化はなかったようです。ドラマのようなわけには行きません。
> 日本沈没2020
by MANTA (2021-10-11 17:39) 

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