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続:ポンポン山はなぜポンポンなのか? [ 知識ゼロから学ぶ地底のふしぎ]

前回の続きです。
https://goto33.blog.ss-blog.jp/2021-08-18-1
京都・大阪の県境にあるポンポン山はなぜポンポンと鳴るのか?
そこには空洞があるのか?
その可能性はあるといえば、あります。鉱山です。
下記をご覧ください。
gnav.jpg
 地質図ナビより(一部加筆)。
 https://gbank.gsj.jp/geonavi/

地図中のAが、ポンポン山です。ここの岩石は、様々な種類の岩石が混合体から
構成されています。付加体と言われる地質体です。詳細は下記をご覧ください。

●付加体:絵で見る地球科学(産総研)
 https://gbank.gsj.jp/geowords/picture/illust/accretionary_prism.html

次に地図中のB、Cをみてみましょう。どちらもAと同じような「緑っぽい暗い茶色」
の地域がすぐ近くにあります。この薄茶色が付加体を示しています。ポンポン山と
同じ地質体に属するB地点では、かつては銀・銅が採掘されました。
●多田銀銅山 悠久の館(猪名川町)
https://www.town.inagawa.lg.jp/kanko/rekishi/tadagin_douzan/1417955802147.html
またC地点には大谷鉱山がありました。
●大谷鉱山および行者山の錫・タングステン鉱脈(京都府)
https://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/geo/db/soi0019.html
前回のいわき市の場合は炭鉱でしたが、大阪や京都の山奥では金属資源が採掘されて
いたんですね。ポンポン山にも鉱山跡があって、そこで音が響いていたかも?

ただし、B・C地点の近くには、大昔に地下でマグマが上昇(貫入)してきた跡が
地質図上で見られます。マグマの熱によって高音になった地下水(熱水)が、
これらの金属鉱床を作ったのだと思われますが、A地点付近にはそのようなマグマの
痕跡はありません。なのでポンポン山には鉱山はなかったように思います。
(期待させてスミマセン)

鉱山以外に古墳だとか、戦国時代の砦だとかが造られて、それが埋もれて空洞に
なっている可能性は否定できません。

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別の説も考えてみました。地震です。
実はポンポン山の周辺は地震活動が非常に活発なのです。
下の地図を御覧ください。

RCEP.jpg
 ※リアルタイム地震情報(京都大学防災研究所)(一部加筆)
  https://www.rcep.dpri.kyoto-u.ac.jp/recent/#ja

小さな規模の地震(微小地震)は、毎日沢山起きています。上図は過去1ヶ月
の間に記録された微小地震の震央分布です。たくさん起きているでしょう?
A地点が「ポンポン山」ですが、常時、多数の地震が起きています。
これらの多くは人間が揺れを感じない地震(無感地震)ですが、
有感地震がA地点付近で起きることも多いです。

こうした数多くの小さい地震の揺れのため「まるで山がツヅミのようだ」
と考えられて、ポンポン山と呼ばれるようになった。
・・・なんて仮説はいかがでしょうか?

ちなみにB地点は和歌山です。ここでも微小地震活動が盛んです。
A地点もB地点も、なぜ常日頃、微小地震が多く発生しているのでしょう?
その理由はよくわかっていません。A地点もB地点も、いわゆる活断層のところ
で起きているようには見えないため、地下深部の地下水が関わっているという説
が考えられていますが、今後の調査・研究が待たれます。
またC地点でも地震活動が盛んです。ここでは8月16日にマグニチュード4.6の地震
が発生していて、余震がいまも続いています。これは活断層に沿った地震活動と
思われています。
●滋賀県 震度3以上の地震がきょうだけで2回も 土砂災害に警戒を
 https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2021/08/16/13701.html

…はてさて、なんでポンポン山なんでしょうねぇ?
謎はつきません。

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