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緊急事態宣言は7月上旬まで? [▼連載【新型コロナウイルスと社会】]

緊急事態宣言の延長が話題となっている。
●【独自】9都道府県での緊急事態宣言、延長で調整…「来月20日」期限案が浮上
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b03a49930452ada89d56915dbd86dc37389d84d
●田崎史郎氏、緊急事態宣言の延長期間を断言
 「オリンピック開会式の1か月前には解除しておきたい」
https://news.yahoo.co.jp/articles/a8b1faf9ca2a70f36436064db50cbddf85ec0560

この延長の件、先週の頭からもう話題になり始めている。
●専門家、宣言解除に高ハードル 変異株に危機感―新型コロナ
 https://www.jiji.com/jc/article?k=2021051500407&g=pol
●焦点:4―6月GDPに下方圧力、宣言再延長を警戒 マイナス成長も
 https://jp.reuters.com/article/japan-economy-gdp-idJPKCN2CZ049

teramachi.JPG
   昨年春の緊急事態宣言@京都市内。日曜日の昼間だが、
   ガラガラである。このような事態はもう避けたいのだが、、、

「お願いだから、今月末で緊急事態宣言が解除されますように!」
と、手を合わせて祈っておられる方々には申し訳ないが、
緊急事態宣言の再延長は、どうみても確実である。
少なくとも6月中旬、もしかしたら7月上旬まで続くと考えたほうが良い。

その根拠も極めて簡単かつ明白である。以下に記す。
(ちなみに下記は5/13に、私から知人へ送ったメールの抜粋・改変である)

1)1月の感染ピークから緊急事態宣言の解除までは約1ヶ月半。
前回の(1月の)感染拡大時はいわゆる第3波であるが、この頃の
新型肺炎の(日々の)新規感染者数のグラフを見てみよう。
(大阪府の場合)
osaka.JPG
※NHKのWebサイトより(クリックで大きくなります)
 https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/pref/osaka.html
新規感染者数のピークは1月10日前後、緊急事態宣言の解除は3月1日だった。
つまり感染のピーク→解除までは1ヶ月半程度は必要ということだ。

2)今回の感染(第4波)のピーク(大阪府)は4月末。
osaka_now.JPG
※Yahooニュースより(クリックで大きくなります)
 https://news.yahoo.co.jp/pages/article/covid19osaka
大阪はようやく新規感染者数が減少に転じ始めたようである。
このグラフをみると、新規感染者数のピークは4月末頃だろうか?

3)4月末の1ヶ月半後は、6月中頃。
第3波の感染拡大・減少の傾向と、今回の第4波の傾向が合致するならば、
新規感染者数が減って大阪府の緊急事態宣言が解除されるのは「6月の中頃
と予想できる。ただし、前回の緊急事態宣言は解除が早すぎたのではないか
と批判された。また、第3波と第4波の感染ピークを比べると、今回のほうが
2倍くらい、感染者が多い。ということは、6月の中頃でも新規感染者数は100名
を下回らないように思われる。従って、6月末頃~7月上旬までは緊急事態宣言が
継続されると考えられる。

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これは大阪府の場合であるが、他の都道府県で見ても同様であろう。
例えば東京の場合、第3波のピーク(1月10日前後)から宣言解除(3月21日)まで
2ヶ月強かかっている。また第4波の感染ピークは5月10日前後である。
東京都の場合、第3波と同様に考えるとすれば、宣言解除のタイミングは
7月中旬となる。今回の第4波では、東京都の感染者は第3波ほど増えていない
ので、もう少し早めに解除は可能かもしれない。

上記は甚だ大雑把な話であるが、数式などで検討した結果も、5月上旬にすでに
発表されている。これによれば、5月末に緊急事態宣言を解除した場合、
東京都内の新規感染者は再び増えて、7月中旬には緊急事態宣言が必要なレベルに
なる。他方、7月上旬に解除する場合は、新規感染者数は7月~8月は少なめに
抑えらることができ、緊急事態宣言レベルにまで増えるのは10月頃である。
●宣言の効果と経済的影響 “強い規制を短く” 専門家が指摘(5月6日)
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210506/k10013015731000.html

東京では7月~8月にオリンピックが開催される。冒頭のYahooニュースで
田崎氏は「オリンピック開始の1ヶ月前=6月20日頃に緊急事態宣言を解除する
のでは?」と予測しているが、上記を鑑みれば、オリンピックの開始直前まで
緊急事態宣言を維持し、オリンピック中の新規感染者数増加を抑えようと、
国は考えているのではないだろうか?
それをサポートするかのように、IOCは先週、以下のように述べた。
●IOC、緊急事態宣言下でも東京五輪は開催
 https://www.bbc.com/japanese/57209716

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先週末、菅総理はこう述べたそうである。
●菅首相、9都道府県の緊急事態延長是非「月末にも判断」
https://news.yahoo.co.jp/articles/5cc2a805160f3dcc67e3825a6e84408ba7554b94
これに対するネットの反応(Yahooニュースのコメント欄より)は以下であった。
「月末までの期限の延長を月末に判断ってどういう事?
 どっちでもいいから、早めに決めてください。
 準備とか色々あるんですよ。」

菅総理の中ではもう決まっている。
よほどの材料がない場合は、緊急事態宣言は延長なのである。
(しかし、そんなに急に感染者が消え失せる理由も事例もない)
だから「月末に判断」と言っているのだ。
「いや、宣言解除は7月上旬くらいのほうが良いのではなかろうか?」
菅総理はさらに、そう考えているのではないか? と私は思う。
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