SSブログ

ため池に落ちると、なぜ命を落とすのか [ 科学コミュニケーション]

私は普段、「Yahoo!ニュース」で諸情報を見ていることが多いのですが
興味深い記事が公開されています。ぜひみんなに見て頂きたい。

●ため池に落ちると、なぜ命を落とすのか
 https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohidetoshi/20210510-00237132/


 上記記事中の動画

以下に記事の冒頭を引用します。
"5月9日午後、香川県丸亀市のため池に釣りに来ていた小学1年生の男の
子と33歳の父親の2人が死亡しました。なぜ、ため池に落ちると命を落
とすのでしょうか。繰り返される事故にどう対処すればよいのでしょう
か。
 9日午後3時40分頃、香川県丸亀市綾歌町のため池で、「人が落ちて
いる」と近隣住民から110番があった。駆けつけた救急隊員が、水中に
沈んでいる男性(33)と、水面に浮かんでいる小学1年の息子(6)を発
見。男性は現場で、息子は搬送先の病院でいずれも死亡が確認された。
 丸亀署の発表によると、ため池の水深は約6メートル。周囲に柵はな
かった。父子で釣りに来ていたが、帰宅が遅いため、妻が現場に行き息
子を見つけ、近くの住民が通報したという。同署は誤って転落した可能
性があるとみて調べている。
(中略)
 わが国におけるため池水難事故については農林水産省がデータとして
まとめています。平成22年から令和元年までの間に、毎年20人から30人
がため池転落で命を落としています。
(中略)
 典型的なため池といえば、陸から見て、波もない、流れもない、鳥の
さえずりに囲まれ、斜面も低く見える、全てにおいて安全を錯覚させる
ような条件を満たしています。八志沼はまさにその条件をすべてクリア
していました。"

そのような典型的なため池で、なぜ、事故が起きるのか?
この記事では、実際のため池での「実験」の様子を動画で紹介していま
す。時間はさほどかかりません。ぜひみてみてください。
こんなに普通のため池なのに、なぜか陸へ這い上がれないそうです。
(底なし沼とか、そういうことではありません)

日本のため池―防災と環境保全

日本のため池―防災と環境保全

  • 作者: 内田 和子
  • 出版社/メーカー: 海青社
  • 発売日: 2003/12/01
  • メディア: 単行本



フィールド版ため池と水田の生き物図鑑動物編

フィールド版ため池と水田の生き物図鑑動物編

  • 出版社/メーカー: トンボ出版
  • 発売日: 2014/07/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


私は防災の専門会では有りませんが、防災の周辺分野を研究しています。
その経験から感じること=誰しもが「怖い」「防ごう」とは必ずしも思
わない、ちょっとしたことに災害の種があるように思います。

人の思い込み(イドラ※)がいかに恐ろしいか、この動画はその一例のよ
うに思います。お時間のある方、いやない方も、ぜひ御覧ください!!

これはつまりはため池の「造り」に起因するようですね。
しかも、ため池の持ち主が犠牲になるケースもあるらしい。
だとしたら、一部に階段や、脱出用手すりをつけるといった、ルール作りが
必要な気がします。それでも既存の(もうできてしまっている)ため池は
改修は難しいですから(お金もかかるので)、記事にあるような「脱出ネット」
の普及が急がれますね。

--------------------------------
※イドラ
フランシス・ベーコン(哲学者)が説いたもの。
「人間は目に見えないもののことは全く考慮しない」
その代わり、下記の偏見、先入観、誤りなどに左右されがちである。
・種族のイドラ(錯覚:夕日が大きく見える)
・洞窟のイドラ(学校や本:個人の狭い価値観)
・市場のイドラ(噂話、偏見)
・劇場のイドラ(有名人の言葉)
以上、NHK「世界の哲学者に人生相談」より。
https://ami-go45.hatenablog.com/entry/2019/04/05/093427

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。