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続:オンライン試験という、幻想。 [▼連載【新型コロナウイルスと社会】]

昨日の記事の続きである。
https://goto33.blog.ss-blog.jp/2020-08-16

アフターコロナ 見えてきた7つのメガトレンド

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後期は大学はどうなるだろうか?
文部科学省は「オンライン講義は特例的ではあるけれど、弾力的に運用して
いいよ」という通達を出している。
●本年度後期や次年度の各授業科目の実施方法に係る留意点について
 https://www.mext.go.jp/content/20200727-mxt_kouhou01-000004520_1.pdf

しかし一部報道では「大学は対面講義を再開すべし」と文科省は考えているようだ。
実際のところは、大学の6割は既に対面講義とオンラインを併用しており、残る4割の
大学も、そのうちの7~8割は9月以降に対面講義の一部再開を検討している。
●友達の顔もネット上でしか知らない…文科省、大学に対面授業促す
 https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20200722-OYT1T50081/
●6割の大学が遠隔と対面授業を併用。全面的な対面授業の再開は先行き見えず
 https://project.nikkeibp.co.jp/pc/atcl/19/06/21/00003/072200104/

対面講義再開の一因は、定期試験などの「成績の把握方法」にあると思われる。
(さらに言えば、大学の入学試験にも関わってくる)

オンラインでは試験を行うのは困難なのだ。
調べて見ると、案の定、大規模なカンニングの事例も報告されている。
●オンライン試験で集団カンニング 韓国大学、監視の目届かず
 https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200616/mcb2006160750007-n1.htm

・・・しかし本当に方法は無いのだろうか?少し考えてみた。
キャプチャ.JPG

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まず考えられるのは、面接試験である。
教員と学生の1対1で、どちらもカメラ・マイクをOnにした状態で、
口頭で試問。大人数のクラスだと大変だけど、これだとカンニングできない!
…と思ったけど、学生の"サポーター"がPCの画面に「〇〇って言えばいいよ」
って、チャットとかしてたら、教員にはわからないよねぇ。
・・・あかん。1対1の面接方式ではダメか。

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別の手を考えよう。
少し探してみたところ、下記は参考になる。アメリカの小学生の場合だ。
●カンニング防止!オンライン試験の実施方法。
 https://ameblo.jp/cyana/entry-12593158832.html
 (以下は上記サイトより)
ポイントは「画面を斜めに倒し、手元とスマホなどのデバイスが同時に
映るように置く」ことだ。なるほど、これは確かに不正をやりにくい。
少し改良するとすれば、こんな感じか?

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1. 学生には答案用紙を事前にダウンロードさせて、印刷させておく。
 教科書・ノート・Webは見ないように学生に伝える。
  
2. 学生のマイクは全員、オンにしておく(音声検索ができないように)。
3. 学生のPC(スマホ)のカメラは常時オン。
 学生はまず、カメラに学生証と顔を同時に写す。本人確認のため。
4. 試験開始前に、答案用紙と両手が同時に写るよう、学生にカメラ位置を調整
 させる。調整が終わったら、元のカメラ位置に戻し、PC(スマホ)の画面をみる。
  
5. 試験開始。チャットで試験フォームのURLを学生に開示。
6. 試験問題はPC(スマホ)の画面にランダムに出題される
 学生は問題番号と問題文を答案用紙に書き写す。
7. 写し終わったら速やかに、答案用紙と両手が同時に写るようにカメラを
 調整して、解答開始。
  
8. 1つの問題への解答が終わったら、PC(スマホ)の画面をみて、次の問題へ移る。
 以後、6~8を繰り返す。
  
9. 試験時間が終了したら、答案用紙を撮影して、写真を速やかに教員へ送る。
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これだったら、学生はWebサーチはできないし、両手が写った状態だから教科書や
ノートを参照することもできない。学生相互の教えあいも防げる。さらに学生各自
のネット接続の安定度も教員が画面でチェックできる。不安定ならば再試験だ。
一度に試問できる学生数も増える。Zoomの場合は最大で25名の顔を1画面に写せる
ので、1回25名&30分間の試験時間とすれば、2~3時間で100名の試験ができる。

しかしこれにも抜け道はある。上述の面接試験と同じく"サポーター"がいて、
別のPCの画面に正解を書き込めばよい。1クラスの試験を複数回に分けると、
"サポーター"が出現する可能性が高まる。なのでこの方式は25名以下(画面を
定期的に切り替えれば50名程度まで)のクラスならば可能だろうか?

…と、いろいろ考えたけれども決定的な問題点がある。
仮に、Zoomの画面越しに、学生がカンニングをしている様子が明らかだった
としても、証拠がない。カメラに不正の証拠がはっきり写るならばまだしも、
ぼんやり写っていては証拠にならない。むろん物証はムリ。となると、
怪しい行動をしたところで、学生はお咎めナシなのである。
先のアメリカの小学校の例のように「学生を信じる」ことをしなければ
試験は実施できないということだ。

振り出しに戻った。ようするに、オンラインでの(完全なる)定期試験は
あきらめて、それ以外の方法で学習達成度を図るしかなさそうである。

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追記:他大学などのいくつかの対策事例を見てみた(以下)。
・WebClassで試験を実施する際のカンニング対策は?
 https://www.akita-u.ac.jp/kcenter/divelop/eventa/item.cgi?pro&8
 →「ランダムに問題を表示せよ」とのこと。
・非対面試験で相次ぐ不正行為…苦心する大学(韓国)
 https://news.yahoo.co.jp/articles/a67ff7bc62ea8d8774bc5bd4134a60d8bcc63b8c
 →「叙述形式の問題」「オンライン監視プログラム」で対応
・オンライン形式のテストについて、東大生にアンケート調査してみた
 https://todai-umeet.com/article/55104
 →「Zoomのビデオ画面は録画され、後日確認」「試験時間を短く制限」
・オンライン期末試験のカンニング対策がすごい(中国)
 https://nihongonosensei.net/?p=22652
 →「2台の端末を使って監視」「1台は第三者視点で撮る」
  「試験中に電話、アプリの音声通話などが来たら0点」
・オンライン授業で試験。実施方法やカンニング対策は?(マレーシア)
 https://my-global192.net/virtual-learning-exams/
 →「2台の端末を使って監視」とのこと。中国と同じですね。
 その他の方式も紹介されていて参考になります。
 キャプチャ.JPG
 ただし、監視用カメラの影で別端末を操作していても、分かりませんね。
 手元も写すとなると、もう1台必要?? 何台いるねん(笑)
・その他、海外の例。
 参考1:【そこまでするの!?】世界の驚きのカンニング防止策10選!
  https://www.rin-world.com/entry/world-cheat-to-prevent-measures-10
 参考2:【画像】カンニングの犯行方法と試験監督の心構え・注意点
  https://jn1et.com/cheating/
  ※カンニング回数に応じて減点する「カンニング抑止術」が紹介されているが
   日本ではどうかなぁ、、、減点の公平性がやはり問われるでしょうね。
・全体を通じての感想:カンニングを物理的に防ぐのは、ただの監視社会。
 そうではなくて、なぜカンニングがダメなのか、自分の力で解くことの
 重要性を理解させることが大事。定期試験より、日々の小テストが重要か?
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